第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の分析

当第1四半期連結累計期間の世界経済は、ロシア・ウクライナ情勢に起因するエネルギーや食料価格の高騰がインフレを加速させているものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19。以下、「感染症」という。)に対する欧米を中心としたウィズコロナ路線の定着や、コロナ禍で蓄積された貯蓄が個人消費を下支えし、緩やかに回復しました。

米国では、個人消費や雇用が堅調に推移し景気拡大基調は保たれているものの、インフレや利上げが下押し圧力となり、勢いは鈍化しました。欧州では、物価高や供給網混乱等により個人消費や製造業は減速したものの、サービス業が回復したことで、一部の地域を除き景気は回復基調となりました。中国では、ロックダウンの影響により個人消費や固定資産投資が落ち込み景気が減速したものの、ロックダウン解除後は持ち直しの動きが見られました。

我が国の経済は、物価高が個人消費を悪化させる懸念がある一方、感染症の拡大が一服したことを受け、景気は緩やかに回復しました。

 

当社グループの海運業を取り巻く市況は、大型原油タンカーでは低迷が続きましたが、ケミカルタンカーやドライバルク船においては、ウクライナ情勢に起因する海上物流の変化等から高い水準で推移しました。このような状況の下、当社グループでは、既存契約の有利更改や効率配船への取り組み等により、運航採算の向上を図りました。不動産業においては、当社所有ビルの商業フロアの営業やフォトスタジオ事業を運営する㈱イイノ・メディアプロ等で感染症の影響を受けましたが、オフィスフロアは順調な稼働を継続したことから、全体としては安定した収益を確保しました。

 

 以上の結果、当第1四半期連結累計期間においては、売上高は335億83百万円(前年同期比42.3%増)、営業利益は42億64百万円(前年同期比288.5%増)、経常利益は50億96百万円(前年同期比332.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は51億71百万円(前年同期比5,621.4%増)となりました。

 

 各セグメント別の状況は次の通りです。

 

①外航海運業

当第1四半期連結累計期間の外航海運市況は以下の通りです。

大型原油タンカー市況は、ロシア産原油の代替需要により荷動きが増加する場面もありましたが、厳しい感染症対策を実施する中国の原油輸入量減少の影響もあり、依然として低迷が続きました。

ケミカルタンカー市況は、競合するプロダクトタンカーが同市況の上昇を受けケミカルタンカー市場から退出したことに加え、ウクライナ情勢の影響でアジア、米国及び中東から欧州への輸送需要が増加したことや、中国港湾での検疫制限による滞船等を背景に船舶需給が引き締まり、上昇しました。

大型ガス船のうち、LPG船市況は、北米から極東、欧州向けLPG出荷量の増加や、パナマ運河や中国、欧州での滞船による船腹需給の引き締まりを背景に、概ね堅調に推移しました。LNG船市況は、ウクライナ情勢による米国から欧州への荷動き増加等から当初は上昇傾向にありましたが、米国フリーポートLNG基地の稼働停止や夏場の需要減少への懸念を受け、当第1四半期末にかけてやや軟化しました。

ドライバルク船市況は、中国のロックダウンが長期化したことを受け一時軟化しましたが、ウクライナ情勢の影響でアジアや豪州等から欧州向けの荷動きが増えたこともあり、前期より引き続き堅調に推移しました。

なお、当第1四半期連結累計期間における当社グループの平均為替レートは¥126.49/US$(前年同期は¥109.80/US$)、船舶燃料油価格については適合燃料油の平均価格はUS$840/MT(前年同期はUS$496/MT)となりました。

 

このような事業環境の下、当社グループの外航海運業の概況は以下の通りとなりました。

大型原油タンカーにおいては、支配船腹を長期契約に継続投入し、安定収益を確保しました。また、経営資源の有効活用及び資産効率向上のため大型原油タンカー1隻の売却を決定しました。

ケミカルタンカーにおいては、当社の基幹航路である中東域から欧州及びアジア向けをはじめとする安定的な数量輸送契約に加え、アジア出しのスポット貨物を積極的に取り込んだことで、運航採算は大きく向上しました。

大型ガス船においては、LPG・LNG船共に、既存の中長期契約を中心に安定収益を確保したことに加え、一部船舶が好市況を享受しました。

ドライバルク船においては、専用船が順調に稼働し安定収益確保に貢献しました。ポストパナマックス型及びハンディ型を中心とする不定期船においても、契約貨物への投入を中心に効率的な配船と運航に努めた他、一部では好市況を享受したことで、運航採算は当初の予想を上回る水準で推移しました。また、当第1四半期においてカムサマックス型及びスモールハンディ型各1隻の新造用船を開始しました。

 

以上の結果、外航海運業の売上高は278億56百万円(前年同期比48.9%増)、営業利益は32億44百万円(前年同期比1,525.3%増)となりました。

 

②内航・近海海運業

当第1四半期連結累計期間の内航・近海海運市況は以下の通りです。

内航ガス輸送の市況は、プラントの定期修繕により石油化学ガスの出荷量が減少した影響があったものの、全体としては石油化学ガスや産業用LPGの底堅いプラント間転送需要により、堅調に推移しました。民生用LPGの輸送需要は、気温の上昇が早かったことで例年より早く不需要期入りしたものの、感染症拡大が落ち着きつつある中で、外食及び観光産業需要が回復傾向となったことを受け、改善の兆しを見せました。

近海ガス輸送の市況は、東アジア域においては、主要貨物であるプロピレン、塩化ビニルモノマーの国内生産量が中国向け輸出関連需要に牽引され増加したことや、東南アジア域においては、感染症の影響はあったものの、底堅いLPG需要等を背景に、安定的に推移しました。

 

このような事業環境の下、当社グループの内航・近海海運業の概況は以下の通りとなりました。

内航ガス輸送においては、石油化学ガス出荷プラントの定期修繕による出荷量減少の影響を受けましたが、中長期契約に基づく安定的な収益確保と効率配船に取り組みました。

近海ガス輸送においては、中長期契約を中心に安定的な収入を確保しました。

 

以上の結果、内航・近海海運業の売上高は26億4百万円(前年同期比18.8%増)、営業利益は32百万円(前年同期比8.1%増)となりました。

 

③不動産業

当第1四半期連結累計期間の不動産市況は以下の通りです。

都心のオフィスビル賃貸市況は、まん延防止等重点措置が解除されて以降、集約移転等の新規の需要も見られるようになりましたが、大企業を中心とするリモートワークの促進によるオフィス解約の動きは継続しており、賃料の下落が続き、空室率も依然として6%台と高い水準で推移しました。

貸ホール・貸会議室においては、イベント開催制限が緩和される中で、文化系催事を中心に需要の回復は見られたものの、ビジネス系催事の動きは鈍く、全体として低調に推移しました。

不動産関連事業のフォトスタジオ事業においては、感染症の影響により撮影需要は依然として低調なまま推移しました。

英国ロンドンのオフィスビル賃貸市況は、英国政府による感染症対策のための各種規制が完全に解除されたこと等を背景に、オフィス需要は回復傾向となり、空室率の改善が見られました。

 

このような事業環境の下、当社グループの不動産業の概況は以下の通りとなりました。

当社所有ビルにおいては、オフィスフロアが概ね堅調な稼働を継続し、安定した収益を維持することができました。商業フロアにおいては、感染症の影響を受けているものの、一部空室を解消することができました。

当社グループのイイノホール&カンファレンスセンターにおいては、イベント開催制限が緩和されたことにより文化系催事需要が回復し、ビジネス系催事においても配信や収録を利用したイベントが増加傾向となり、稼働は改善に向かいました。

フォトスタジオ事業を運営する㈱イイノ・メディアプロにおいては、撮影需要が減少する中でも万全の感染症対策を実施して顧客確保に努めたものの、低調な広告需要の影響も重なり、厳しい状況が継続しました。

英国ロンドンのオフィスビル賃貸事業においては、商業フロアの営業に感染症の影響があったものの、オフィスフロアが順調に稼働したため、収益を維持することができました。

 

以上の結果、不動産業の売上高は31億51百万円(前年同期比14.1%増)、営業利益は9億88百万円(前年同期比13.7%増)となりました。

 

(2)財政状態の分析

当第1四半期連結会計期間末の総資産残高は前連結会計年度末に比べ137億56百万円増加し、2,608億85百万円となりました。これは主に船舶の竣工によるものです。負債残高は前連結会計年度末に比べ100億20百万円増加し、1,658億17百万円となりました。これは主に船舶の竣工に伴う設備資金の借入によるものです。純資産残高は前連結会計年度末に比べ37億36百万円増加し、950億68百万円となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものです。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 当第1四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 記載すべき事項はありません。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

  記載すべき事項はありません。