第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における世界経済は、米国で緩やかな回復が続き、欧州も穏やかながらも回復を継続しました。一方、中国をはじめとした新興国では、昨年暮れの米国の金利引き締めに伴う経済成長の鈍化、悪化が顕著となり、世界全体の乾貨物貿易量は昨年比小幅に減少しました。わが国の経済は、新興国経済の影響、特に中国経済の変調と停滞、小幅な円高の進行等により、さらに緩やかな回復基調となりました。

外航ドライバルク船の海運市況は、昨年までの船腹過剰供給に加え、スクラップ量より竣工量が上回ることにより船腹過剰状態が増幅され、さらに中国とインドの大幅な石炭輸入量の減少などから貨物量が減少して、バルチックドライ指数が史上最低を更新しました。

この様な状況下、当社グループの外航海運部門では、ハンディマックス船型を中心に堅実な営業活動を行い、短期的な市況に左右されない長期的な貨物の輸送契約の成約に傾注すると同時に、減速航海等のオペレーションコストの削減にも徹底して取組み、さらに顧客のニーズに即応した安全航海の徹底に努めました。また、これまで同様、太平洋と大西洋を結ぶトランスオーシャン配船を継続し、バラスト航海を減少することで、収支の安定と改善に努めました。

この結果、当連結会計年度の営業収益は、6,105百万円(対前連結会計年度比△1,104百万円、15.3%減)と前連結会計年度に比べ、減収となりました。

利益面では、燃料油価格の下落や短期用船の減少などの営業費用の減少要因があったものの、営業収益の減少が大きく営業利益は332百万円(同△23百万円、6.7%減)と減益となりました。

営業外収益35百万円、営業外費用289百万円を加減し、経常利益は78百万円(同△191百万円、70.9%減)で、特別利益として固定資産売却益3百万円、特別損失として減損損失1,180百万円、投資有価証券評価損58百万円を計上しました結果、税金等調整前当期純損失は1,157百万円となり、法人税等、法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を加減して、親会社株主に帰属する当期純損失は953百万円(前連結会計年度873百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)と大幅な減益となりました。

 

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。

   ①外航海運業

 支配船舶による北米からの輸入穀物や南米からの水酸化アルミや海外へのスラグ、セメントクリンカーなどの輸送を行い、運航採算の向上に努めるとともに、一部支配船舶の短期貸船により安定収益の確保を図りました。

 営業収益は、前連結会計年度に比べ、円安によるプラス材料はあったものの、航海数の減少や市況の低迷の影響が大きく、5,064百万円(対前連結会計年度比△1,101百万円、17.9%減)と減収となりました。営業利益は、入渠に伴い船費が増加したものの、短期用船の減少で借船料が減少し、また、燃料油価格の下落に伴い運航費の減少が大きく、全体として営業費用が減少したことで、741百万円(同△71百万円、8.8%減)となりました。

   ②内航海運業

定期用船2隻による水酸化アルミなどの輸送を行い、安全輸送と効率配船に努めるとともに、所有船2隻の定期貸船により安定収益の確保を図りました。

所有船の臨時入渠等によるオフハイヤーが前連結会計年度に比べ増加したことなどにより、営業収益は894百万円(対前連結会計年度比△6百万円、0.7%減)となりました。営業利益面は、後述の減損損失に記載のとおり、収益性の低下に加え修繕費が増加したため、19百万円の営業利益(同△13百万円、42.1%減)にとどまりました。

   ③不動産賃貸業

 不動産賃貸業においては、営業収益は、146百万円(対前連結会計年度比3百万円、2.2%増)、営業利益は、建物の老朽化等による修繕費が多くなり、34百万円(同0百万円、0.6%増)となりました。

 (注)営業利益は配賦不能営業費用(462百万円)控除前のものです。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、営業活動の結果得られた資金1,010百万円、投資活動の結果使用した資金801百万円、財務活動の結果使用した資金1,071百万円などを加減した結果、前連結会計年度末に比べ908百万円減少し、1,044百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、1,010百万円(前連結会計年度比433百万円の収入減)です。これは、税金等調整前当期純損失1,157百万円が計上されているうえに、減価償却費1,081百万円、減損損失1,180百万円などの非資金費用の調整などがあり、支払利息159百万円などの増加項目に、前受金の減少額134百万円などの減少項目を加減した結果によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、801百万円(前連結会計年度比171百万円の支出増)です。これは、主に有形固定資産の取得による支出606百万円、定期預金の預入による支出381百万円などによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、1,071百万円(前連結会計年度比593百万円の支出増)です。これは、主に長期借入金の返済による支出1,048百万円、配当金の支払額95百万円などによるものです。

 

2 【運営船舶】

 

区分

(前事業年度) 平成27年3月31日現在

(当事業年度) 平成28年3月31日現在

 

隻数

重量トン数(K/T)

隻数

重量トン数(K/T)

自営

外航

5

262,882

5

262,882

内航

2

2,330

2

2,330

7

265,212

7

265,212

貸船

内航

2

8,599

2

8,599

2

8,599

2

8,599

9

273,811

9

273,811

 

(注) 短期用船船舶は除いております。

 

3 【運航実績】

(1) 航海実績

区分

船名

主要就航航路

主要輸送貨物

航海数

(前事業年度)
26.4.1~27.3.31

(当事業年度)
27.4.1~28.3.31

外航

NIKKEI PHOENIX

米国/日本

穀物

1

NIKKEI DRAGON

日本/ペルー

高炉スラグ

2

2

日本/ペルー

セメントクリンカー

1

米国/日本

穀物

3

3

NIKKEI VERDE

日本/ペルー

高炉スラグ

1

日本/ブラジル

1

ベトナム/ウルグアイ

セメントクリンカー

1

ブラジル/日本

水酸化アルミ

3

3

NIKKEI SIRIUS

日本/ペルー

高炉スラグ

1

1

日本/ブラジル

1

韓国/ペルー

セメントクリンカー

1

カナダ/日本

穀物

3

米国/日本

2

ブラジル/日本

水酸化アルミ

2

NIKKEI PROGRESSO

日本/ペルー

高炉スラグ

2

1

日本/ブラジル

1

日本/コロンビア

1

米国/日本

穀物

2

ブラジル/日本

水酸化アルミ

2

2

ZEN-NOH GRAIN
PEGASUS

米国/日本

穀物

4

4

短期用船船舶

韓国/ペルー

セメントクリンカー

1

米国/日本

穀物

1

ブラジル/日本

水酸化アルミ

2

1

29

27

内航

第35千代丸

沿海区域

水酸化アルミ他

71

68

第5稲宝山丸

沿海区域

水酸化アルミ他

82

74

153

142

 

(注) 貸船中の船舶あるいは貸船中の航海に係るものについては、記載を省略しております。

 

(2) 自営船舶の貨物輸送実績

 

積荷別

前事業年度
(平成26年4月~平成27年3月)

当事業年度
(平成27年4月~平成28年3月)

外航

内航

合計

外航

内航

合計

水酸化アルミ

(M/T)

308,293

308,293

353,896

353,896

高炉スラグ

(M/T)

301,900

301,900

290,530

290,530

穀物

(L/T)

569,471

569,471

524,955

524,955

セメントクリンカー

(M/T)

121,400

121,400

43,760

43,760

水酸化アルミ

(K/T)

133,354

133,354

130,706

130,706

 

 

(3) 船舶の稼動実績

 

船名

重量トン数
(K/T)

前事業年度

(自 平成26年4月

至 平成27年3月)

当事業年度

(自 平成27年4月

至 平成28年3月)

稼働率(%)

備考

稼働率(%)

備考

(外航長期用船)

 

 

 

 

 

NIKKEI PHOENIX

45,635

100.0

H26/4/16 売船

 

NIKKEI DRAGON

52,950

100.0

 

97.3

中間検査

ZEN-NOH GRAIN PEGASUS

54,958

95.1

定期検査

100.0

 

NIKKEI VERDE

51,658

97.0

中間検査

100.0

 

NIKKEI SIRIUS

51,658

100.0

 

97.3

中間検査

NIKKEI PROGRESSO

51,658

100.0

H26/6/16 用船

100.0

 

(内航所有船)

 

 

 

 

 

こすも丸

2,999

95.3

定期検査等

97.4

中間検査等

第二鶴玉丸

5,600

98.1

入渠

97.8

中間検査等

(内航長期用船)

 

 

 

 

 

第5稲宝山丸

700

100.0

 

97.5

入渠

第35千代丸

1,630

100.0

 

97.0

入渠

 

 

 

4 【収益実績】

当連結会計年度における収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

外航海運業

5,064,595

△17.9

内航海運業

894,631

△0.7

不動産賃貸業

146,583

2.2

合計

6,105,810

△15.3

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 主な相手先別の収益実績及びその総営業収益に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

相手先

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

全国農業協同組合
連合会

2,881,979

40.0

全国農業協同組合
連合会

2,400,273

39.3

日本軽金属㈱

2,034,564

28.2

日本軽金属㈱

2,005,496

32.8

 

3 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

5 【対処すべき課題】

海運市況の低迷、新造船の供給圧力など厳しい経営環境にあり、当社グループが所有するハンディーバルカーの中古船市場の価格も大幅に下落しております。このような状況を鑑みて、当社グループは会計ルールに則り、当連結会計年度において外航船1隻の減損処理を行いました。また、内航船員の不足に伴う船員費高などにより採算が悪化した内航タンカー1隻についても減損処理を行いました。

このような状況下、中・長期の用船契約により安定収益を重視しつつ、市況に応じたポジションをとり、これまで同様に減速航海及び太平洋と大西洋を結ぶトランスオーシャン配船をより積極的に進め採算の安定と向上を図るよう努めてまいります。

また、IMOによるバラスト水管理条約の発行(この条約の発効は30ヶ国の批准及びその合計船腹量が35%を超えた日から12ヶ月後に発行することになっております。現在、49ヶ国が批准し、その合計船腹量全世界の商船全体の34.82%です。(平成28年3月8日時点))、及び米国海域に入港する船舶に要求されるバラスト水管理規則(平成28年1月1日以降の最初の入渠時にバラスト水処理装置を設置しなければならない。)の発効により当社既存外航船5隻へのバラスト水処理装置の設置が要求されており順次対応していく予定です。

 

6 【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

当社の主要事業である外航海運業は、主として不定期航路事業及び船舶貸渡業であり、長期契約とスポット契約とが混在しており、ともに、その契約時点の運賃市況、用船市況などの海運市況の影響を多分に受け、また、海運市況はその時点の世界全体の船腹需給関係によって大きく変動するなど、世界経済の変化に影響を受ける事が多く、業績は比較的不安定となっております。ただし、運航船舶の中での所有船と用船とのバランス、引受け貨物のうちの長期契約とスポット契約のバランスをとることで、市況変動リスクを低減しております。

 また、運賃、用船料などの収入の大部分が米ドル建ての慣行となっており、米ドル建ての費用を差し引いても収入の方が上回るため、為替が円高方向に動く局面、あるいは、円高のままで推移する局面では、その影響はデメリットとして働きます。

 また、当社グループは、設備資金調達のためシンジケートローン契約を締結しております。当該契約には財務制限条項が付されております。これらの条項に抵触し、当該債務の一括返済を求められた場合、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

7 【経営上の重要な契約等】

当社の連結子会社であるT.S. Central Shipping Co.,Ltd.は、下記のとおり船舶売買契約を締結しております。

相手先

契約締結日

内容

住友商事株式会社

平成27年6月30日

平成31年第1四半期竣工予定の載貨重量55,300トン型撒積運搬船1隻を株式会社大島造船所にて建造する契約

 

 

また、上記に伴い、平成27年8月28日付で下記のとおり総額1,927,000千円のコミット型シンジケート・ローン契約を参加金融機関と締結しました。

(1)組成金額    1,927,000千円

    (2)借入形式    コミット型タームローン

    (3)返済期限    平成41年6月30日

    (4)担保      船舶(本件新造船)

    (5)保証      玉井商船株式会社を保証人とする

    (6)アレンジャー  株式会社三井住友銀行

    (7)参加金融機関  株式会社三井住友銀行

              株式会社みずほ銀行

              株式会社みなと銀行

              株式会社三菱東京UFJ銀行

 

 

8 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

9 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりです。

 (1) 財政状態の分析

① 流動資産

当連結会計年度末における流動資産の残高は2,004百万円で、前連結会計年度末に比べ931百万円減少いたしました。現金及び預金が731百万円、貯蔵品が79百万円減少したことが主な要因であります。

② 固定資産

当連結会計年度末における固定資産の残高は13,563百万円で、前連結会計年度末に比べ1,730百万円減少いたしました。建設仮勘定が585百万円増加した一方、船舶が減損損失に伴い2,230百万円減少したことが主な要因であります。

③ 流動負債

当連結会計年度末における流動負債の残高は1,566百万円で、前連結会計年度末に比べ328百万円減少いたしました。未払法人税等が157百万円、前受金が134百万円減少したことが主な要因であります。

④ 固定負債

当連結会計年度末における固定負債の残高は8,598百万円で、前連結会計年度末に比べ1,215百万円減少いたしました。長期借入金が981百万円、繰延税金負債が280百万円減少したことが主な要因であります。

⑤ 純資産

純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失953百万円などによる株主資本の減少1,050百万円とその他有価証券評価差額金の減少によるその他の包括利益累計額合計の減少64百万円と非支配株主持分の減少4百万円により、前連結会計年度末に比べ1,119百万円減少し、5,403百万円となりました。

 

 (2) 経営成績の分析

① 営業収益

「1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。

② 営業費用

当連結会計年度の海運業費用は、入渠等に伴い船費の増加があったものの、燃料油価格の下落による運航費の減少や短期用船の減少による借船料の減少が大きく、前連結会計年度に比べ1,020百万円減少いたしました。その他事業費用は、前連結会計年度に比べ7百万円増加しました。一般管理費は、主に従業員給与等の減少などにより前連結会計年度に比べ67百万円減少しました。

③ 営業外損益

当連結会計年度における営業外損益の純額は、前連結会計年度の85百万円の損失に対し、253百万円の損失となり168百万円の損失増となりました。

④ 特別損益

当連結会計年度における特別損益の純額は、前連結会計年度の1,001百万円の利益に対し、1,236百万円の損失となり2,237百万円の利益減となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの分析につきましては「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載しております。