第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営理念及び経営方針

〔経営理念〕

「国内及び国際海上輸送を通して社会に貢献します」

 

〔経営方針〕

当社グループは、以下を経営方針として掲げております。そのうえで所有船舶の安全運航を第一の課題として位置付け、船舶管理を徹底する等、効率的な運行管理に日々努めております。

1.企業は株主・取引先・従業員・地域社会がその存在基盤であるとの認識のもと、調和のとれた経営を行い、社会的に尊敬に値する企業を目指す。

2.永年培った海運技術およびノウハウの蓄積と展開により、様々なニーズに柔軟に対応することで顧客に信頼される特色ある優良企業を目指す。

3.安定的に企業価値を高め、期待される株主利益を創出していくために、外部環境の変化に即応しつつ、投下資本全体に対する効率性を追求していく。

4.法令および社会的規範を遵守し、公正かつ透明な事業活動を行う。広く社会とのコミュニケーションに努め、企業情報を公正に開示する。

5.安全運行の徹底および海洋・地球環境の保全に努める。

 

(2)経営環境

① 海運市況

主に中国の旺盛な経済発展に起因した2002年後半から2008年のリーマンショックまでの継続的な海運市況の高騰に伴いオーダーされた船舶の竣工ラッシュが2008年頃から始まり、2013年頃にようやく収束しましたが、その後2014年からの中国の新常態や新興国の経済停滞に伴う2015年・2016年の貿易量の縮小・停滞等の要因により、海運市況は2012年以降長期に亘り低迷状態を継続し、2016年2月にはBDI始まって以来の最低値を記録しました。

その後2017年からスクラップ量の増大と竣工量の減少による船舶供給量の減少と貿易量の増加による相乗効果により、しばらく市況は回復傾向にありましたが、2019年暮れから新型コロナウイルスの世界的感染拡大に伴う世界経済の停滞が発生したことにより、2020年前半は海運市況は急激に落ち込みました。しかし2020年後半からはコロナ禍のリバウンド、季節的な石炭と穀物輸送の増加による影響等により、海運市況は即座に回復し、その後大幅に上昇しました。今後も船舶と世界トレードの需給バランスから考察すると、市況は堅調に推移することが見込まれます。

 

② 環境保全の為に求められる対応

 IMOによるバラスト条約の発効に伴い、当社グループの外航船は、全船バラスト水処理装置の設置を完了しました。2020年より開始になりましたSOX排出規制への対応は、適合燃料油へ変更(硫黄分含有量を3.5%から0.5%)することで対応し、またGHG(地球温暖化ガス)排出削減対策への対応も進行中です。更にNOX3時規制への対応も近づいております。当社グループはこの様々な国際規制に対し、お客様の要求を尊重し、経済的かつ社会的に適合し環境と人に優しい海上輸送の形態を追求・創造・提供して参ります。

 

(3)経営戦略

① 外航海運業

現在までと同様、長期に渡り信頼関係を構築し継続してきた顧客各社、日本軽金属株式会社・全国農業協同組合連合会・伊藤忠商事株式会社・Lafarge Holcim Trading Ltd.・吉野石膏株式会社・その他顧客の求める短期ニーズに対してはもちろんのこと、中長期のニーズに対しても連携・協調・対応し、各社との中長期的なコア輸送事業の契約を、効率的かつ安定的に実行して参ります。更には経済的ロスを減少し、環境保護に配慮・適応しつつ事業の継続・拡大を目指し、海運市場に呼応して顧客・時代・社会の要求に適う船舶を建造して参ります。今後も当社船を効率良く配船のうえ、同時に新規カーゴの獲得に努め、またバランスの取れた短・長期用船を計画して参ります。そのうえで当社の事業規模拡大の為、将来を見据えた人材採用・育成を実践して参ります。

 

② 内航海運業

今後も、定期用船している貨物船1隻は、水酸化アルミニウム等の安全輸送・効率輸送に努めて参ります。所有タンカー(第二鶴玉丸 白油 3,767G/T)1隻及び子会社で裸用船しているケミカルタンカー(第七鈴鹿丸 749G/T)の定期貸船の安全運航に努め、安定収益の確保を図って参ります。また、2021年2月に竣工した液化ガスばら積船(第二十一いづみ丸 LPG 749G/T)の定期貸船が開始されており、前年よりも更なる収益の増加を見込んでおります。

 

③ 安全運航と環境保全に対応する設備に関して

  当社グループの外航船舶は、SOX排出規制適合燃料油への切り替えを完了し、バラスト装置の設置も全船終了しました。今後も諸規則に対応し、環境及び安全を考慮した諸設備の設置に加え燃料費節減のための設備等を装備すると共に減速航海等により運航効率の推進を図り総合的に経費の節減を行って参ります。

 

 

以上から、当社グループは、主力である外航海運業・内航海運業、また不動産賃貸業含め全ての業務において、無駄を省いた組織の構築化を進めており、全体としての行動を迅速・正確に進め、効率化を図り、安全と経済性への意識をより一層充実することを心掛けたうえで企業価値向上に努めて参ります。

 

(4)対処すべき課題

① 新型コロナウイルス感染症の影響に対する対応

上記(2)経営環境 ①海運市況に記載した状況の中、当社グループは、役職員及び乗組員の安全を第一に考え同感染症の関連情報の収集を行いつつ、外航海運業・内航海運業共に、今後の経済回復に向けての輸送需要がどのように推移するかを注視しながら、以下の施策を実行して参ります。

また、運航船舶に関しては、日本船主協会、IMO等が作成した同感染症の対応ガイダンスを基に船内の安全確保と安全運航維持の為の措置を講じております。万全を期す為、当社社員はPCR検査を実施のうえ各船へ訪船しております。また乗組員についても、ガイダンスに従い船内感染予防対策の徹底、必要物資の供給、乗組員の安全確保を確認したうえでの交代を行っておりますが、各国における人の移動に関する規制が非常に厳しく、自由に交代が行える状況にありません。交代可能な港が限られており、乗下船の費用は増加している状況にあります

陸上社員に関しては、在宅勤務及び交代勤務・時差通勤・必要時以外の出張の自粛等の対策を継続しており、同感染症の予防・回避に努めております。

 

② 外航海運業

1.当社支配船(長期用船)の隻数に見合う、中長期安定的な輸送契約の獲得に努め、市場の上下に拘らず安定的な収益をあげられる様努力します。

2.上記の結果、顧客のニーズにより、年間輸送量よりも貨物量増となりバランスが取れなくなった場合には、当初は市場からの短期用船の輸送契約として対応し、更なる輸送の拡大と長期化を図る為、その市場に応じた長期用船、または買船・新造船計画を立案し、安定収益の拡大を図って参ります。

3.長期的な視野に立ち、社員のOJTを充実させ、国際的な人材を育成し、新規カーゴの国際間輸送契約の獲得を目指して参ります。

4.可能な限り、顧客との交流を図り、相互の信頼関係を構築し、新規カーゴの獲得に努めて参ります。

5.世界の日々の変化に対応すべく、あらゆる情報網を駆使して情報収集し、中長期視点で海運市況を分析・勘案し、業務を遂行することで、安定的な収益の向上に繋げて参ります。

 

当社グループの主力である外航海運業のドライバルク市況は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により大きく変動しており、当社グループは外航海運業の営業施策として、コスト競争力のある船舶を市場に投入することにより、収益基盤を確立する必要があると考えております。

また、主要設備である4隻の外航船舶を中心に、スラグ等の往航貨物の獲得に努力することによって、営業収益の多くの部分を占める、復航貨物である南米から日本向けの水酸化アルミニウム輸送や主に北米から日本向けの穀物輸送の採算向上を図る為、最善と思慮される輸送契約(COA 数量積輸送契約)の長期的・安定的な確保と、タイムリーなスポット貨物の獲得に注力いたします。

当連結会計年度の前半は、新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大に伴う貿易量の減少等により、海運市況は悪化を招き、当社グループの業績に大きく影響をもたらしましたが、後半は持ち直し、2月後半からは季節的な石炭需要の増加・経済のリバウンド・船舶と貨物の需給バランスの改善等から、回復基調にあります。当社グループは、このような海運市況の回復を好機と捉えて主要貨物の運賃交渉を実施しております。また、効率的な配船を実施できる往航貨物の確保に向けての交渉を強化して参ります。

 

③ 内航海運業

船員派遣業に関して、現在船員の高齢化及び急激な船員不足に陥っている内航海運業界において、平均年齢33.6歳の有望な船員を保有する当社子会社の優位性を最大限に活かしつつ、更に国土交通省認定の「日本船舶・船員確保計画」に基づいて若年船員を計画的に採用し安定雇用、教育訓練を重ね積極的に船員派遣を行い、安定収益の確保に繋げて参ります。

また、一般貨物船部門において、定期用船している貨物船1隻の収益性を改善する為、運賃単価の値上げ交渉を行うと共に、燃料油価格の上昇による運賃コストの増加に対応すべくバンカーサーチャージを設定するように努めます。タンカー部門においては、保有するタンカー1隻及び液化ばら積船それぞれに係る船費の見直しを着実に行います。

 

 

④ 公的規制への対応

当社グループの主要業務である海運業では、設備の安全性や安全運航のために、国際機関及び各国政府の法令、船級協会の規則等の公的規制を受けております。当社グループでは、これらの規制が変更された場合に遵守するための費用、設備費・船員教育費等が増加する可能性があります。遵守出来なかった場合には事業活動が制限される可能性があります。

 

⑤ コスト削減

船費については、安全運航と環境保全を中心とした船舶の整備を基本とし、船舶毎の損益管理を徹底し船舶の維持管理に必要な経費の支出の見直しを行う他、船用品費・入渠費用を含めた船舶修繕費等の節減、乗組員の効率的な配乗等によるコスト削減を図って参ります。また当社グループ全体としての経費削減策として、一般管理費をはじめとして、金額の多寡にかかわらず不要な経費の節減を引き続き行います。

また、一般管理費については、出張費及び交際費の大幅な削減等を実施して参ります。

 

⑥ 財務上の課題

当社グループは、当連結会計年度において、金融機関からの大部分の借入金について返済猶予を受けておりますが、返済猶予期間後は、短期借入金については期間5年間の長期借入金へシフトの承諾を得ております。また、長期借入金の一部バルーン返済については、その返済スケジュールの変更について現在金融機関と協議中であります。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況及び株価等に重要な影響を与える可能性があると認識しているリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループの考える主要リスク要因を挙げる前に、「対処すべき課題」においても同様の記載をしておりますが、当連結会計年度末の当社グループの状況について説明させていただきます。

 

当社グループの主力である外航海運業のドライバルク市況は、新型コロナウィルス感染症の感染拡大により大きく変動しています(以下(1)海運市況の変動リスク及び(12)新型コロナ感染症によるリスク参照)。このような状況下、当社グループといたしましてはコスト競争力のある船舶を市場に投入することで収益基盤を確立する必要があると考えております

 以上を踏まえ、当社グループとしましては、以下の課題に取り組んで参ります。

 

①  収入基盤の安定化と拡大

 主要設備である、4隻の外航船舶を中心に、スラグなどの往航貨物の獲得に努力するこ とによって、営業収益の多くの部分を占める、復航貨物である南米から日本向けの水酸化アルミニウム輸送や主に北米から日本向けの穀物輸送の採算向上を図るため、輸送契約の長期的、安定的な確保と、新しい貨物の獲得に努力いたします。

②  継続企業の前提に関する重要事項等

当社グループでは、当連結会計年度において継続して営業損失及び経常損失を計上しています。また、返済期日が1年内の借入金(1,908,524千円)は手元資金(491,311千円)に比して多額と当該状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が引き続き在していると判断しています。

当社グループは、この状況を解消し又は改善すべく、以下の対応策を推進し、収支の改善と財務体質の強化に取り組みます。

 

   a. 収益構造の改革に向けた対応策

  (外航海運業事業)

 当連結会計年度の前半に関しては、新型コロナウィルス感染症の世界的感染拡大による貿易量の減少等により海運市況の悪化をもたらしました。しかし、当連結会計年度後半は持ち直し、2月後半から季節的な石炭需要の増加、経済のリバウンド、船舶と貨物の需給バランスの改善等により回復しております。

 当社グループは、このような海運市況の回復を好機と捉えて主要貨物の運賃交渉を実施しています。また、効率的な配船を実施できる往航貨物の確保に向けての交渉を更に強化して参ります。

 

  (内航海運業事業)

 一般貨物船部門において、定期用船している貨物船1隻の収益性を改善するため、運賃単価の値上げ交渉を行うとともに、燃料油価格の上昇による運航コストの増加に対応すべくバンカーサーチャージを設定するよう努めます。

 タンカー部門においては、保有するタンカー1隻及び2021年2月に竣工した液化ガスばら積船それぞれに係る船費見直しを着実に行います。 

    b. 費用削減対応策

 船費については、安全運航と環境保全を中心とした船舶の整備を基本とし、各船舶 の船用品費、入渠費用を含めた船舶修繕費等の節減に努めます。一般管理費については、出張費及び交際費の大幅な削減等を行います。

   c. 財政状態の改善対応策

     返済期日が1年内の借入金の一部については、返済スケジュールの変更を引続き協議しています。

 

 しかし、上述の対応によっても今後の事業の状況や金融機関との協議の状況によっては今後の資金繰りに重要な影響を及ぼす可能性があることから、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。

当連結会計年度末の当社グループの状況についての説明は以上となります。

 

当社グループの業績は、今後起こり得る様々な要因により影響を受ける可能性があり、以下には当社グループの事業展開上、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

 

(1) 海運市況の変動リスク

当社グループは、経営方針に「安定的に企業価値を高め、期待される株主利益を創出していくために、外部環境の変化即応しつつ、投下資本全体に対する効率性を追求していく」旨を掲げており、海運市況等の一時的な変動に左右されないよう、中長期の契約を主体として安定的な収益確保に努めておりますが、外航海運部門においては、長期契約とスポット契約の契約更改時点の海運市況(海上輸送量の増減、競争の激化、船舶需給のバランス等の影響)により、運賃収入及び用船料の収入等が大きく変動する場合があり、当社グループの業績及び財務状況に影響する可能性があります。その為、運航船舶の中で所有船と用船とのバランス、引受け貨物のうちの長期契約とスポット契約のバランスをとることで市況変動リスクを低減しております。

 

(2) 為替変動リスク

当社グループ主要事業である外航海運業の運賃・用船料等の収入は、大部分が米ドル建取ての慣行となっており、米ドル建て収入と支出の差額については為替の変動による影響を受けることとなり、保有する米ドル建て費用増加等によりなるべく為替レートの変動の影響を受けぬよう努めておりますが、為替相場の状況によっては当社グループの業績及び財務状況に影響する可能性があります。

 

(3) 情報システムリスク

当社グループの基幹業務システムには、外部からの不正なアクセスやコンピューターウイルスの感染対策の為ウイルス対策ソフトの導入及びファイヤーウォールシステムを使用し、また自然災害に対する安全策としてバックアップをとる等の対応をしておりますが、万一情報の漏洩やデータ喪失等の事態が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響する可能性があります。

 

(4) 金利変動リスク

当社グループは、船舶の設備投資や事業活動に係る運転資金に対して内部資金を充当している為、船舶建造の資金は外部より借入を行っておりますが、変動金利で調達する部分があり、金利情勢を勘案のうえ5年間の金利固定化等により、金利変動による影響を軽減するように努めておりますが、将来の金利変動によっては当社グループの業績及び財務状況に影響する可能性があります。

 

(5) 燃料油価格変動リスク

外航海運業の運航船舶燃料油の価格が上昇する場合は、価格上昇分を荷主から運賃保証される契約の締結等により、価格変動の影響を抑えるよう努めておりますが、十分に補填されない場合は運航費が増加することとなり、当社グループの業績及び財務状況に影響する可能性があります。また、内航海運業の運航船舶燃料油に関しては、販売各社から明示された最も競争力のある燃料油価格を判断したうえで購入するよう努めておりますが、価格が急騰する局面では業績に影響する可能性があります。

 

 

(6) 資金調達リスク

当社グループ保有の外航船舶は、建造資金借入の為にシンジケートローン契約を締結しており、契約には財務制限条項が付されております。これらの条項に抵触し、当該負債の一括返済を求められた場合、当社グループの財務状況に影響する可能性があります。

 

(7) 固定資産の減損損失計上のリスク

当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しており、保有する船舶等の固定資産の時価が著しく下落した場合や収益性が悪化した場合には減損損失を計上することとなり、当社グループの業績及び財務状況に影響する可能性があります。

 

(8) 海難事故リスク

当社グループは、経営方針に「安全運航の徹底及び海洋・地球環境の保全に努める」ことと定め、「事故ゼロ・漏油ゼロ」を目指しておりますが、海難事故が発生してしまった場合は、人命・貨物・船舶等の損失・損傷のリスクや、燃料等の流失による海洋汚染のリスクがあります。その為、当社グループでは国際安全管理コード(ISM CODE)に基づく「船舶安全管理システム」を構築し、乗組員の定期的な教育・研修、海難事故を想定した緊急対応訓練を実施する等、万全の体制をとっております。万一海難事故が発生した場合に備え、各種保険による損失補填対策を図っておりますが、事故の規模によっては業績及び財務状況に影響する可能性があります。

 

(9) 資産価値変動リスク

当社グループの保有する資産(船舶・不動産・投資有価証券等)について、経済状況や海運市況の変動等の影響により資産価値が下落した場合は、当該資産の売却に伴う損失や減損損失が発生し、業績及び財務状況に影響する可能性があります。

 

(10)公的規制等のリスク

当社グループは、経営方針に「法令及び社会的規範を遵守し、公正かつ透明な事業活動を行う」旨を掲げております。当社の主要事業である海運業は、船舶の設備の安全性及び安全運航の為、各国・地域や国際機関の法令や規則等、様々な公的規制による影響を受けております。これらの法令・規制を遵守する為、コスト増加若しくは事業展開が制限されること等により、当社グループの業績及び財政状況に影響する可能性があります。

 

(11)世界各地の政治・経済情勢によるリスク

当社グループの事業活動は、日本を含む世界各地に及び、各地域における政治・経済状況等の影響を受ける可能性があり、以下のようなリスクが挙げられます。

・不利な政治的または経済的要因

・事業及び投資許可、租税、為替管理、独占禁止、通商制限などの公的規制の影響

・戦争、暴動、テロ、海賊、伝染病、ストライキ、その他の要因による社会的混乱

・地震、津波、台風等の自然災害 等

 

(12)新型コロナウイルス感染症によるリスク

当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大リスクに対し、常時関連情報の収集を行い、運航船舶に関しては、日本船主協会等が作成した同感染症の対応ガイダンスを基に船内の安全確保と安全運航維持のための措置を講じております。また乗組員についても、ガイダンスに従い船内感染予防対策の徹底、必要物資の供給、乗組員の安全確保を確認したうえでの交代を行っておりますが、各国における人の移動に関する規制が非常に厳しく、自由に交代が行える状況にありません。交代可能な港が限られており、乗下船の費用は増加している状況にあります

陸上社員に関しては、在宅勤務及び交代勤務・時差通勤・出張の原則禁止等の対策を継続しており、同感染症の予防・回避に努めております。

同感染症の拡大により、上記の様な船員交代に伴う諸問題の他にも、世界的な物流の停滞及び消費低迷に起因する貨物輸送の減少等が進むことにより、当社グループの業績及び財務状況に影響する可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績

当第4四半期連結会計期間における世界経済は、第3四半期から引き続き新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による影響を受けた戦後最大級の経済危機からの回復の最中にあり、世界中で感染拡大を阻止しその影響から脱却・回復する努力を継続中でありますが、徐々にワクチン接種の浸透、ウィズコロナ、アフターコロナに向けた各国の経済対策により、世界経済は当初の想定より早く最悪期を脱出してリバウンドが進行中であり、未だ将来に対する不安は拭いきれないものの、海運市況に関しては堅調な回復を継続しております。先進国についても米国においては新政権の1.9兆ドルの景気刺激策、英国もBREXITの移行期間が終わり新しいEU内貿易、経済形態の確立による経済の進展があり、新興市場国と発展途上国に関しても、中国経済は政府の指導による内需刺激策、国内インフラ整備政策等による力強く継続的な発展の途上にあり、その他ロシア、ブラジル、ASEAN諸国に関しても、コロナ禍のリバウンドも含めて経済は堅調に回復・進展しています。一方でわが国の経済も新型コロナウイルス感染症の拡大により大幅に悪化した経済が、進捗状況は他の先進国と比較して遅いがワクチン接種が開始され、中国の自動車産業の活況等による明るい話題もあり、徐々に回復してきています。

このような世界経済情勢のもと、外航ドライバルクの海運市況は、昨年前半に新型コロナウイルス感染症の感染拡大による世界経済の悪化による貿易量の減少に伴い大幅に悪化しましたが、第3四半期は例年並みに回復し、さらに第4四半期に関しては中国を中心とした新興国の経済の堅調な発展やワクチン接種等による経済のリバウンドに伴う貿易量の拡大もあり、更には今年のバルカーの竣工量が過去と比較して少ないと見込まれるため今後のマーケット展開もより堅調なものとなることが予想されます。ただし、今回のような新型コロナウイルス感染症の感染拡大による、戦後最大級の経済危機の復興途上にあり、今後の世界の感染状況の進展によっては、上記のシナリオよりも世界経済の悪化が継続・拡大するおそれもあり、今後の様々なリスクに対応するための対策も必要とされています。

以上のような状況下、安全と顧客へのサービスを第一に、市況リスク並びに運航リスク、さらには環境負荷の軽減に全社で努力を傾注すると共に、太平洋と大西洋を結ぶトランスオーシャン輸送に経営資源を投入し、付加価値を高めつつ、安全且つ経済的、効率的な輸送と配船に努め、新規カーゴには定期用船も交えて、新しい荷物の獲得に鋭意努力し、市況の変化に柔軟に対応して今後の更なるネットワークの拡大発展を図ります。

この結果、当連結会計年度の営業収益は、4,723百万円(対前連結会計年度比△433百万円、8.4%減)、営業損失12百万円(前連結会計年度243百万円の営業損失)となりました。営業外収益89百万円、営業外費用161百万円を加減し、経常損失は83百万円(前連結会計年度319百万円の経常損失)、特別利益として固定資産売却益など292百万円、特別損失として減損損失など348百万円を計上しました結果、税金等調整前当期純損失は139百万円となり、法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益を加減して、親会社株主に帰属する当期純損失は83百万円(前連結会計年度707百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

   ・外航海運業

支配船舶による北米からの輸入穀物、南米からの水酸化アルミ、中東からのジプサムや海外向けのスラグの輸送を行い、運航採算の向上に努めるとともに、一部支配船舶の短期貸船により安定収益の確保を図りました。

営業収益は、新型コロナウイルス感染症の影響で日本から海外向けの貨物が減少し運賃が大幅に減少したものの、他社への貸船を増加した結果、3,826百万円(対前連結会計年度比△383百万円、9.1%減)となりました。営業利益面は、他社への貸船が増加したため運航費が大幅に減少し、また、2020年11月に海外売船した「NIKKEI VERDE」の特別修繕引当金の戻入により船費が減少した結果、360百万円の営業利益(同181百万円、101.8%増)となりました。

 

 

   ・内航海運業

定期用船1隻(2020年12月に1隻用船解除)による水酸化アルミなどの輸送を行い、安全輸送と効率配船に努めるとともに、所有船2隻(2021年2月に「第21いづみ丸」竣工)に加え他社船1隻の定期貸船により安定収益の確保を図りました。また、船員を他社へ融通し派遣業収入を得ました。

営業収益は、内航ドライバルク部門において、新型コロナウイルス感染症の影響で輸送量が減少し運賃が減少した一方、所有船1隻に加え他社船1隻を新たに定期貸船したことにより貸船料が増加しました。内航海運業全体で営業収益は、796百万円(対前連結会計年度比△12百万円、1.6%減)となりました。営業利益面では、支配船舶が増加したため船費が増加したものの、内航ドライバルク部門での輸送量の減少に伴い運航費が減少した結果、営業費用全体が減少し、11百万円の営業損失(前連結会計年度11百万円の営業損失)となりました。

 

 

   ・不動産賃貸業

不動産賃貸業においては、新型コロナウイルス感染症の影響で賃料減額に応じ、また、一部の賃貸不動産を売却した結果、営業収益は、100百万円(対前連結会計年度比△37百万円、27.0%減)、営業利益は27百万円(同△29百万円、51.7%減)となりました。

(営業利益は配賦不能営業費用(389百万円)控除前のものです。)

 

(2)財政状態

  ・ 流動資産

当連結会計年度末における流動資産の残高は1,175百万円で、前連結会計年度末に比べ33百万円増加いたしました。現金及び預金が239百万円増加し、貯蔵品が111百万円、その他流動資産が85百万円減少したことが主な要因であります。

 

  ・ 固定資産

当連結会計年度末における固定資産の残高は9,678百万円で、前連結会計年度末に比べ910百万円減少いたしました。船舶が1,034百万円減少したことが主な要因であります。

 

  ・ 流動負債

当連結会計年度末における流動負債の残高は2,268百万円で、前連結会計年度末に比べ482百万円減少いたしました。短期借入金が583百万円増加し、前受金が532百万円、一年内返済予定の長期借入金が342百万円減少したことが主な要因であります。

 

  ・ 固定負債

当連結会計年度末における固定負債の残高は3,957百万円で、前連結会計年度末に比べ442百万円減少いたしました。長期借入金が349百万円減少したことが主な要因であります。

 

  ・ 純資産

純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失などによる株主資本の減少83百万円とその他有価証券評価差額金の増加によるその他の包括利益累計額合計の増加125百万円と非支配株主持分の増加5百万円により、前連結会計年度末に比べ48百万円増加し、4,627百万円となりました。

 

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

①キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、営業活動の結果得られた資金200百万円、投資活動の結果得られた資金197百万円、財務活動の結果使用した資金146百万円などを加減した結果、前連結会計年度末に比べ239百万円増加し、491百万円となりました。

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、200百万円(前連結会計年度比530百万円の収入減)です。これは、税金等調整前当期純損失139百万円が計上されているうえに、減価償却費883百万円、減損損失344百万円の非資金費用の調整があり、その他の資産の減少額115百万円、たな卸資産の減少額111百万円などの増加項目に、前受金の減少額532百万円、有形固定資産売却益274百万円などの減少項目を加減した結果によるものであります。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果得られた資金は、197百万円(前連結会計年度において投資活動の結果使用した資金1,585百万円)です。これは、主に有形固定資産の売却による収入1,342百万円、有形固定資産の取得による支出1,170百万円などによるものです。

 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の使用した資金は、146百万円(前連結会計年度において財務活動の結果得られた資金266百万円)です。これは、主に長期借入金の返済による支出1,559百万円、長期借入れによる収入867百万円、短期借入金の純増額583百万円などによるものです。

翌連結会計年度のキャッシュ・フローの見通しにつきましては、営業活動で得られるキャッシュ・フローは、現下の回復基調の海運市況により当連結会計年度を上回るキャッシュ・フローを見込んでおります。また、投資活動においては、現段階で大きな投資計画はないため、大きな変動はないと見込んでおります。また、財務活動においては、返済猶予を行っていた借入金の返済が再開するため、全体でマイナスのキャッシュ・フローを見込んでおります。

 

②資金需要

当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、船舶の購入に係る設備資金、運転資金、借入金の返済、配当金の支払い等であります。

 

③資金調達

当社グループは、運転資金については内部資金や金融機関からの借入により充当し、設備資金については、大部分を金融機関からの長期借入金により調達しております。

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

①固定資産の減損処理

「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

②繰延税金資産

当社グループは、将来、十分な一時差異等加減算前課税所得が発生し税負担額を軽減する効果を有すると判断した場合に繰延税金資産を計上することとしております。十分な一時差異等加減算前課税所得の判断にあたっては、計算の基礎となる損益予想等の利益について、経営環境等の外部要因の変化や、予想の前提条件の変動の有無等を勘案し検証を行い判断しております。解消スケジュールを見通すことが可能な一時差異については、解消年度の回収可能と判断される額まで繰延税金資産を計上し、解消スケジュール不能な一時差異及び解消年度の回収可能額を超える一時差異については評価性引当額を計上することとしております。

当該見積りにおける、前提条件等が大幅に変動し見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

③継続企業の前提の評価

当社は、継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無の判断にあたり、貸借対照表日の翌日から1年間のキャッシュ・フローを見積っております。海運市況の変動等によりキャッシュ・フローが大幅に変動した場合、当該不確実性の判断に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)運営船舶、運航及び収益の実績

  a.運営船舶

区分

(前事業年度) 2020年3月31日現在

(当事業年度) 2021年3月31日現在

 

隻数

重量トン数(K/T)

隻数

重量トン数(K/T)

自営

外航

5

265,742

4

214,084

内航

2

2,330

1

1,630

7

268,072

5

215,714

貸船

内航

1

5,600

2

6,563

1

5,600

2

6,563

8

273,672

7

222,277

 

(注) 短期用船船舶は除いております。

 

 

  b.運航実績

  ・ 航海実績

区分

船名

主要就航航路

主要輸送貨物

航海数

(前事業年度)
2019.4.1~2020.3.31

(当事業年度)
2020.4.1~2021.3.31

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外航

NIKKEI VERDE

日本/コロンビア

高炉スラグ

1

日本/ペルー

1

米国/日本

穀物

1

1

ブラジル/日本

水酸化アルミ

1

NIKKEI SIRIUS

日本/コロンビア

高炉スラグ

1

日本/ペルー

1

日本/UAE

2

ブラジル/日本

穀物

1

オマーン/日本

石膏

1

ブラジル/日本

水酸化アルミ

2

2

 

 

NIKKEI PROGRESSO

 

日本/ペルー

高炉スラグ

3

米国/日本

穀物

2

1

ブラジル/日本

水酸化アルミ

1

1

ZEN-NOH GRAIN
PEGASUS

日本/ペルー

高炉スラグ

1

米国/日本

穀物

3

3

TRES FELICES

日本/UAE

高炉スラグ

2

日本/米国

1

1

ブラジル/日本

穀物

1

米国/日本

3

オマーン/日本

石膏

1

短期用船船舶

日本/UAE

高炉スラグ

1

 

日本/フランス

1

日本/米国

1

日本/コロンビア

 

2

ブラジル/日本

水酸化アルミ

1

オマーン/日本

石膏

1

27

19

内航

第35千代丸

沿海区域

水酸化アルミ他

62

57

第5稲宝山丸

沿海区域

水酸化アルミ他

75

56

137

113

 

(注) 貸船中の船舶あるいは貸船中の航海に係るものについては、記載を省略しております。

 

 

 ・ 自営船舶の貨物輸送実績

積荷別

前事業年度
(2019年4月2020年3月)

当事業年度
(2020年4月2021年3月)

外航

内航

合計

外航

内航

合計

水酸化アルミ

(M/T)

178,313

178,313

180,141

180,141

高炉スラグ

(M/T)

548,277

548,277

293,365

293,365

穀物

(L/T)

380,012

380,012

386,144

386,144

石膏

(M/T)

44,560

44,560

42,200

42,200

水酸化アルミ

(K/T)

127,838

127,838

106,186

106,186

 

 

 ・ 船舶の稼働実績

船名

重量トン数
(K/T)

前事業年度

(自 2019年4月

至 2020年3月)

当事業年度

(自 2020年4月

至 2021年3月)

稼働率(%)

備考

稼働率(%)

備考

(外航長期用船)

 

 

 

 

 

ZEN-NOH GRAIN PEGASUS

54,958

98.9

入渠

95.0

入渠

NIKKEI VERDE

51,658

94.5

入渠

100.0

2020年11月売船

NIKKEI SIRIUS

51,658

98.6

修繕

93.1

入渠

NIKKEI PROGRESSO

51,658

93.7

入渠

100.0

 

TRES FELICES

55,810

100.0

2019年5月竣工

100.0

 

(内航所有船)

 

 

 

 

 

第二鶴玉丸

5,600

98.6

入渠

98.9

入渠

第二十一いづみ丸

963

 

100.0

2021年2月竣工

(内航長期用船)

 

 

 

 

 

第5稲宝山丸

700

97.8

入渠

99.5

2020年12月返船

第35千代丸

1,630

100.0

 

97.0

入渠

 

 

 

  c.収益実績

当連結会計年度における収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

外航海運業

3,826,981

△9.1

内航海運業

796,331

△1.6

不動産賃貸業

100,141

△27.0

合計

4,723,455

△8.4

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 主な相手先別の収益実績及びその総営業収益に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

相手先

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

全国農業協同組合
連合会

1,566,667

30.3

全国農業協同組合
連合会

1,332,442

28.2

日本軽金属㈱

1,210,683

23.5

日本軽金属㈱

997,742

21.1

伊藤忠商事㈱

745,052

14.4

 

 

 

 

3 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。