第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1)業績

当期のわが国経済は、緩やかな回復傾向で推移してきましたが、中国や新興国の経済成長の鈍化などから足踏み基調の状態に移り、景気の先行き不透明感が増しつつあります。

当業界におきましては、規制緩和と荷主メーカーの物流コスト見直しによる低価格化競争が一段落し、取引採算の改善を検討しつつある状況にあります。 

 

このような状況の中、当社におきましては、取引採算の確保、経費の削減に取り組んでまいりました。

当期における当社の業績は、輸入関係取引を中心に営業収入は伸び悩みましたが、取引採算は回復してまいりました。主な要因として、比較的取引採算の良好な業者を中心に受注が増加したこと、原油価格の低下に伴う燃料コスト低下、経費削減効果等があります。

なお、特別利益76,426千円を計上しておりますが、その内訳は、投資有価証券売却益61,096千円、固定資産売却益15,330千円となっております。

以上の結果、当期における営業収入は前期比△337,889千円(△5.1%)の6,316,105千円となりました。しかしながら、営業利益は前期比67,669千円(410.5%)の84,192千円となりました。経常利益は前期比67,666千円(103.9%)の132,801千円となりました。当期純利益は前期比55,834千円(50.5%)の166,486千円となりました。

 

セグメントの業績を示しますと、次のとおりであります。

①港湾運送事業

当社の主要セグメントである当セグメントにおきましては、営業収入(セグメント間の内部売上高又は振替高を除く)は、前期比△320,607千円(△5.0%)の6,094,907千円で、全セグメントの96.5%を占めております。

経費削減等の影響で、セグメント利益(営業利益)は、前期比30,486千円(7.4%)の439,687千円となりました。

②自動車運送事業

当セグメントにおきましては、引き続き厳しい状況が続いておりますが、原油価格の低下や非効率業務の協力下請会社への移行等により、利益率は改善傾向にあります。

この結果、営業収入は、前期比△15,792千円(△6.9%)の214,486千円で、全セグメントの3.4%を占めております。

セグメント損失(営業損失)は、37,377千円(前期は57,749千円の損失)となりました。

③その他

当セグメントにおきましては、前期と比べ輸入関連の荷動きが減少したことにより、海上保険収入が伸び悩みました。

この結果、営業収入は、前期比△1,489千円(△18.2%)の6,712千円で、全セグメントの0.1%を占めております。

セグメント利益(営業利益)は、前期比△1,464千円(△18.1%)の6,609千円となりました。

 

 

・次期の見通し

当期は営業収入が伸び悩んだものの、採算確保の動きにより、投資有価証券売却益61,096千円を含め、前期実績を大きく上回る利益を計上しました。次期は最近の景況感の悪化により不透明感が増しておりますが、引き続き取引採算確保の方針で対応してまいります。

当社といたしましては、固定費の削減の意識を継続しながら、高付加価値、高収益を目指したSCM(サプライチェーンマネジメント)を構築し、業績のさらなる発展を目指します。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当期のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動により126,193千円、投資活動により207,194千円、財務活動により△421,414千円となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末比△88,026千円の1,907,888千円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

126,193千円(前期は238,204千円)でありました。これは、税引前当期純利益197,624千円および減価償却費95,644千円の計上、立替金の増加67,252千円、売上債権の減少33,365千円、退職給付引当金の減少28,676千円等が主な要因となっています。 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

207,194千円(前期は132,498千円)となりました。これは、定期預金の払戻による収入504,200千円、定期預金の預入による支出200,000千円、投資有価証券の売却による収入248,118千円、投資有価証券の取得による支出253,836千円、有形固定資産の取得による支出79,397千円等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

△421,414千円(前期は△99,708千円)となりました。これは、長期借入金の返済による支出934,281千円、長期借入による収入1,343,480千円、短期借入金の減少629,200千円、社債の償還による支出174,800千円等に起因するものです。

 

(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当

当社は、株主への利益還元を第一として配当原資確保のための収益力を強化し、継続的かつ安定的な利益配分を
行うことを基本方針としております。平成23年3月期において黒字転換し、今期で6期連続黒字を計上できたも
のの、繰越損失があり、期末配当については見送らせていただくことといたしました。平成29年3月期以降につきましては、将来的に安定した配当を継続できるよう収益力の強化に努めていく所存であります。

 

2 【生産、受注及び取扱の状況】

(1)生産実績

当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(2)受注実績 

当社は受注から役務の提供までの期間が短期間のため記載を省略しております。

 

 

(3)取扱実績

当事業年度における取扱実績をセグメントごとに示すと、次のとおりになります。

 

セグメントの名称

取扱高(千円)

前事業年度比(%)

港湾運送事業

6,094,907

△5.0

自動車運送事業

214,486

△6.9

その他

6,712

△18.2

合計

6,316,105

△5.1

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

  2 金額は、販売価格によっております。

  3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。 

 

3 【対処すべき課題】

当社は、厳しい国際・国内物流業界において、如何なる経済環境にあっても当社の営業基盤を確立できるよう、
荷主に直結した作業・輸送システムを更に発展させてまいります。

繰越損失の早期解消を課題として、毎期安定した収益を確保すべく取り組んでおります。

消費税率引き上げに伴い営業上の立替金が増加し、資金負担、回収リスクが増加しており、立替金の管理及び
早期回収を強化いたします。

また、経営姿勢として安全第一、コンプライアンスの徹底、地球環境に配慮したグリーン経営をより充実させ、
経営資源を有効活用しながら中長期に亘って収益機会を創造いたします。今後は引き続き財務体質の尚一層の改
善を図るべく、徹底した経営の効率化と安定化を目指してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社の経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末日現在において当社が判断したものであります。

当業界における海上運賃・関税等の一時立替について

当業界では長年の慣例として、荷主が払うべき海上運賃・関税・消費税をサービスの一環として、一時的に立替払いを行うことが一般的となっており、営業活動の拡大とともに増加していく傾向にあり、また、消費税の税率変更により消費税の立替払いが急増するリスクがあります。

これが営業活動におけるキャッシュ・フローの推移に今後も影響を及ぼすものと予想されます。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社経営陣は、財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務・後発事象の開示、ならびに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わねばなりません。経営陣は、貸倒債権、投資、法人税等、財務活動、退職金、偶発事象に関わる見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判断しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2) 当事業年度の経営成績の分析

当社の当期営業収入は、前期比△337,889千円(△5.1%)の6,316,105千円となり、営業利益84,192千円、経常利益132,801千円、当期純利益166,486千円となりました。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社は引き続き、多様化する荷主及び市場の変化に応え得る企業体質を確立して、如何なる経営環境の変化に
も対応できるよう、営業力の強化と中長期的視点に立った施設・設備の充実、新たな輸送方法の研究・開発とそ
れを担う人材の育成を目指しております。

そのような状況下において、特に下記を重点項目と致しております。

1.重点対象荷主・貨種の選定

荷主の選別と集中を図り、それぞれの対応方針を明確にする。

2.海外拠点の強化

中国事務所の営業機能強化及び海外パートナーの拡大。

3.営業力の強化

営業担当者の質的向上、営業人員の増加、販売促進強化、営業推進体制の再構築。

4.物流機能の強化

港湾運送事業を基盤に3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)を視野に入れながらパートナーのネットワークを強化拡大する。

5.ローコストオペレーションによる生産性の向上を図る。

港湾荷役事業・倉庫業・国内海上コンテナ・営業業務のコスト対応力を強化する。

 

(4) 財政状態の分析

(流動資産)

当事業年度末における流動資産は、前事業年度末より356,051千円減少して3,129,995千円となりました。これは現金及び預金の減少392,226千円、営業未収入金の減少33,916千円、立替金の増加67,252千円等によるものであります。 

 

 

(固定資産)

当事業年度末における固定資産は、前事業年度末より76,191千円減少して2,280,328千円となりました。これは投資有価証券の減少118,222千円、車両運搬具(純額)の増加36,064千円等によるものであります。

 

(繰延資産)

当事業年度末における繰延資産は、前事業年度末より3,834千円減少して10,530千円となりました。これは社債発行費の減少3,834千円によるものであります。 

 

(流動負債)

当事業年度末における流動負債は、前事業年度末より615,408千円減少して1,458,489千円となりました。これは短期借入から長期借入(シンジケートローン)への切替等による短期借入金の減少629,200千円、1年内返済予定の長期借入金の増加73,109千円等によるものであります。 

 

(固定負債)

当事業年度末における固定負債は、前事業年度末より186,999千円増加して1,777,558千円となりました。これは短期借入から長期借入(シンジケートローン)への切替等による長期借入金の増加345,810千円、社債の減少156,800千円等によるものであります。 

 

(純資産)

当事業年度末における純資産は、前年事業度末より7,667千円減少して2,184,807千円となりました。これはその他有価証券評価差額金の減少173,972千円、繰越利益剰余金の増加166,486千円等によるものであります。

 

(5) キャッシュ・フローの分析

当期のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動により126,193千円、投資活動により207,194千円、財務活動により△421,414千円となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末比△88,026千円の1,907,888千円となりました。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社経営陣は、現在の事業環境および入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、ここ数年における当業界の事業環境の変化を鑑みると、当社を取り巻く状況は更に厳しさを増すことが予想されます。当社といたしましては、如何なる状況においても対応可能な企業体制の確立とそれを担う人材の育成が急務になっております。

収入計画の完全実施と経費の更なる削減、また株主と連携した施策の実行による安定収益の確保と経営の効率化を図ります。また安定した経営基盤を確立し、安定した配当を出来るように注力してまいります。