第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1)業績

当期のわが国経済は、個人消費の伸び悩みはあるものの、企業業績や雇用環境の改善がみられ、穏やかな回復基調にあります。中国や新興国の経済成長の鈍化、米国の政権交代による政策の不確実性、EU離脱問題など不安要因はあるものの、全体として緩やかな成長となっております。

当業界におきましては、規制緩和と荷主メーカーの物流コスト見直しによる低価格化競争が一段落し、取引採算の改善を検討しつつある状況にあります。 

 

このような状況の中、当社におきましては、取引採算の確保、経費の削減に取り組んでまいりました。

当期における当社の業績は、第3四半期以降営業収入が回復し、比較的取引採算の良好な業者からの受注も堅調で、増収増益となりました。

貸主都合による本社移転に伴う移転費用の計上があったものの、それを上回る受取補償金36,000千円の計上もありました。

なお、特別利益114,167千円を計上しておりますが、その内訳は、投資有価証券売却益106,959千円、固定資産売却益7,207千円となっております。

以上の結果、当期における営業収入は前期比+218,245千円(+3.5%)の6,534,350千円となりました。営業利益は前期比+22,648千円(+26.9%)の106,840千円となりました。経常利益は前期比+69,153千円(+52.1%)の201,954千円となりました。当期純利益は前期比+97,693千円(+58.7%)の264,180千円となりました。

資本準備金及び利益準備金の額の減少並びに剰余金の処分により繰越欠損を解消したこと、当初予想を大幅に上回る当期純利益を計上し、利益剰余金による配当原資を確保できることから、当期末の1株当たりの配当を1円とすることといたしました。

 

セグメントの業績を示しますと、次のとおりであります。

①港湾運送事業

当社の主要セグメントである当セグメントにおきましては、営業収入(セグメント間の内部売上高又は振替高を除く)は、前期比+204,357千円(+3.4%)の6,299,264千円で、全セグメントの96.4%を占めております。 

経費削減等の影響で、セグメント利益(営業利益)は、前期比+41,453千円(+9.4%)の481,140千円となりました。

 

②自動車運送事業

当セグメントにおきましては、取引採算悪化傾向にあります。

この結果、営業収入は、前期比+14,535千円(+6.8%)の229,021千円で、全セグメントの3.5%を占めております。

セグメント損失(営業損失)は、前期比10,744千円拡大し、48,122千円となりました。

 

③その他

当セグメントにおきましては、引き続き、海上保険収入が伸び悩みました。

この結果、営業収入は、前期比△647千円(△9.6%)の6,064千円で、全セグメントの0.1%を占めております。

セグメント利益(営業利益)は、前期比△670千円(△10.1%)の5,938千円となりました。

 

 

・次期の見通し

当期は第3四半期以降営業収入が回復し、投資有価証券売却益106,959千円を含め、前期実績を大きく上回る利益を計上しました。次期については未確定要素が多いものの、引き続き取引採算確保の方針で対応し、配当の継続を目指してまいります。

当社といたしましては、固定費の削減の意識を継続しながら、高付加価値、高収益を目指したSCM(サプライチェーンマネジメント)を構築し、業績のさらなる発展を目指します。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当期のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動により354,381千円、投資活動により△58,904千円、財務活動により△78,893千円となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末比+216,584千円の2,124,473千円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

354,381千円(前期は126,193千円)でありました。これは、税引前当期純利益313,238千円および減価償却費109,184千円の計上、立替金の減少36,793千円、売上債権の増加53,756千円等が主な要因となっています。 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

△58,904千円(前期は207,194千円)となりました。これは、投資有価証券の売却による収入482,078千円、投資有価証券の取得による支出488,654千円、有形固定資産の取得による支出50,760千円等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

△78,893千円(前期は△421,414千円)となりました。これは、長期借入金の返済による支出790,902千円、長期借入による収入875,000千円、社債の償還による支出156,800千円等に起因するものです。

 

(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当

当社は、株主への利益還元を第一として配当原資確保のための収益力を強化し、継続的かつ安定的な利益配分を
行うことを基本方針としております。平成29年3月期につきましては、資本準備金及び利益準備金の額の減少並びに剰余金の処分により繰越欠損を解消したこと、当初予想を大幅に上回る当期純利益を計上し、利益剰余金による配当原資を確保できることから、当期末の1株当たりの配当を1円とすることといたしました。

 

2 【生産、受注及び取扱の状況】

(1)生産実績

当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(2)受注実績 

当社は受注から役務の提供までの期間が短期間のため記載を省略しております。

 

 

(3)取扱実績

当事業年度における取扱実績をセグメントごとに示すと、次のとおりになります。

 

セグメントの名称

取扱高(千円)

前事業年度比(%)

港湾運送事業

6,299,264

3.4

自動車運送事業

229,021

6.8

その他

6,064

△9.6

合計

6,534,350

3.5

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

  2 金額は、販売価格によっております。

  3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社は港湾運送事業・国際コンテナー輸送・NVOCC・通関及び倉庫業を基本に国際複合一環輸送を主業務としております。また、国内輸送部門では海上フェリーを利用した隔地間連絡輸送を行い、倉庫部門では賃貸倉庫を運営しております。 

経営理念は「つねに豊かな総合物流の未来を拓く」を基本に、今日まで培った経験と実績を礎に顧客のニーズにいち早くお応えしながら「創造するロジスティクス」を追求することによって社会に貢献できる企業を目指しております。

併せて、当社事業の発展と経営の安定を実現することによって株主の皆様をはじめ、当社協力会社など信頼をお寄せいただいている方々のご期待に応えてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

安定した収益の確保を目指す観点から、収入・粗利益・経費の中期計画を完全実施してまいります。あらゆる部点の利益確保を思考し、将来的に営業利益2億円以上の確保を目指してまいります。 

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社は引き続き、多様化する荷主及び市場の変化に応え得る企業体質を確立して、如何なる経営環境の変化にも対応できるよう、営業力の強化と中長期的視点に立った施設・設備の充実、新たな輸送方法の研究・開発とそれを担う人材の育成を目指しております。

そのような状況下において、特に下記を重点項目と致しております。

1.重点対象荷主・貨種の選定

荷主の選別と集中を図り、それぞれの対応方針を明確にする。

2.海外拠点の強化

中国事務所の営業機能強化及び海外パートナーの拡大。

3.営業力の強化

営業担当者の質的向上、営業人員の増加、販売促進強化、営業推進体制の再構築。

4.物流機能の強化

港湾運送事業を基盤に3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)を視野に入れながらパートナーのネットワークを強化拡大する。

5.ローコストオペレーションによる生産性の向上を図る。

港湾荷役事業・倉庫業・国内海上コンテナ・営業業務のコスト対応力を強化する。

 

(4)会社の対処すべき課題

当社は、厳しい国際・国内物流業界において、如何なる経済環境にあっても当社の営業基盤を確立できるよう、荷主に直結した作業・輸送システムを更に発展させてまいります。 

毎期安定した収益、配当を確保すべく取り組んでおります。

営業上の立替金が増加し、資金負担、回収リスクが増加しており、立替金の管理及び早期回収を強化いたします。

経営姿勢として安全第一、コンプライアンスの徹底、地球環境に配慮したグリーン経営をより充実させ、経営資源を有効活用しながら中長期に亘って収益機会を創造いたします。今後は引き続き財務体質の尚一層の改善を図るべく、徹底した経営の効率化と安定化を目指してまいります。

 

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

4 【事業等のリスク】

当社の経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末日現在において当社が判断したものであります。

当業界における海上運賃・関税等の一時立替について

当業界では長年の慣例として、荷主が払うべき海上運賃・関税・消費税をサービスの一環として、一時的に立替払いを行うことが一般的となっており、営業活動の拡大とともに増加していく傾向にあり、また、消費税の税率変更により消費税の立替払いが急増するリスクがあります。

これが営業活動におけるキャッシュ・フローの推移に今後も影響を及ぼすものと予想されます。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社経営陣は、財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務・後発事象の開示、ならびに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わねばなりません。経営陣は、貸倒債権、投資、法人税等、財務活動、退職金、偶発事象に関わる見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判断しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2) 当事業年度の経営成績の分析

当社の当期営業収入は、前期比+218,245千円(+3.5%)の6,534,350千円となり、営業利益106,840千円、経常利益201,954千円、当期純利益264,180千円となりました。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社は引き続き、多様化する荷主及び市場の変化に応え得る企業体質を確立して、如何なる経営環境の変化に
も対応できるよう、営業力の強化と中長期的視点に立った施設・設備の充実、新たな輸送方法の研究・開発とそ
れを担う人材の育成を目指しております。

そのような状況下において、特に下記を重点項目と致しております。

1.重点対象荷主・貨種の選定

荷主の選別と集中を図り、それぞれの対応方針を明確にする。

2.海外拠点の強化

中国事務所の営業機能強化及び海外パートナーの拡大。

3.営業力の強化

営業担当者の質的向上、営業人員の増加、販売促進強化、営業推進体制の再構築。

4.物流機能の強化

港湾運送事業を基盤に3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)を視野に入れながらパートナーのネットワークを強化拡大する。

5.ローコストオペレーションによる生産性の向上を図る。

港湾荷役事業・倉庫業・国内海上コンテナ・営業業務のコスト対応力を強化する。

 

(4) 財政状態の分析

(流動資産)

当事業年度末における流動資産は、前事業年度末より247,430千円増加して3,377,426千円となりました。これは現金及び預金の増加216,584千円、営業未収入金の増加51,296千円、立替金の減少36,793千円等によるものであります。 

 

 

(固定資産)

当事業年度末における固定資産は、前事業年度末より143,793千円増加して2,424,121千円となりました。これは投資有価証券の増加193,867千円、のれんの減少27,931千円、車両運搬具(純額)の減少19,592千円等によるものであります。

 

(繰延資産)

当事業年度末における繰延資産は、前事業年度末より3,638千円減少して6,892千円となりました。これは社債発行費の減少3,638千円によるものであります。 

 

(流動負債)

 当事業年度末における流動負債は、前事業年度末より176,861千円増加して1,635,350千円となりました。これは、1年内返済予定の長期借入金の増加53,836千円、未払法人税等の増加40,337千円、営業未払金の増加33,746千円、短期借入金の増加20,660千円等によるものであります。 

 

(固定負債)

当事業年度末における固定負債は、前事業年度末より134,050千円減少して1,643,508千円となりました。これは社債の減少156,800千円、長期借入金の増加30,262千円等によるものであります。 

 

(純資産)

当事業年度末における純資産は、前年事業度末より344,774千円増加して2,529,532千円となりました。これは繰越利益剰余金の増加965,313千円、その他資本剰余金の減少433,446千円、資本準備金の減少261,830千円、その他有価証券評価差額金の増加80,729千円等によるものであります。

 

(5) キャッシュ・フローの分析

当期のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動により354,381千円、投資活動により△58,904千円、財務活動により△78,893千円となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末比+216,584千円の2,124,473千円となりました。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社経営陣は、現在の事業環境および入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、ここ数年における当業界の事業環境の変化を鑑みると、当社を取り巻く状況は更に厳しさを増すことが予想されます。当社といたしましては、如何なる状況においても対応可能な企業体制の確立とそれを担う人材の育成が急務になっております。

収入計画の完全実施と経費の更なる削減、また株主と連携した施策の実行による安定収益の確保と経営の効率化を図ります。また安定した経営基盤を確立し、安定した配当を出来るように注力してまいります。