当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府の経済対策や原油安を背景に、企業収益や雇用情勢が改善し、景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、円安による輸入原材料価格の上昇や、中国をはじめとする海外経済の下振れが懸念されるなど、先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループにおきましては、原油価格の下落により、費用面において船舶燃料費は大幅に軽減されましたが、同時に収入面において、燃料油価格変動調整金収入が減少しました。
このような状況の下、当社グループは、一昨年の伊豆大島台風災害後の観光復興にグループ一丸となって取り組むとともに、ジェットフォイルによる臨時航路の拡大や、夏場の最多客期には企画商品の販売を強化するなど、東京諸島全体の観光需要の掘り起しに注力しました。また、平成27年4月1日に組織の効率的な運営を強化することを目的に、本部制への組織変更を行い、全体収益の向上と安定化に着手しております。
この結果、当連結会計年度の業績は、旅客部門において、大島の最大イベント「椿まつり」をはじめ臨時航路および夏場の集客により、旅客数は台風災害前の水準まで回復しましたが、貨物部門において、大島の災害廃棄物の搬出が終了となり貨物取扱量は大幅に減少しました。また、原油価格の下落により燃料油価格変動調整金収入が減少し、売上高は112億6千6百万円(前期119億3千2百万円)となりました。
一方、費用面では船舶燃料費は減少しましたが、新造船・代替船の減価償却費の増加があり、営業利益は2億9千4百万円(前期5億8千7百万円)、経常利益は3億2千万円(前期6億6千8百万円)、これに特別損益と税金費用などを計上した後の当期純利益は2億4千7百万円(前期4億1千5百万円)となりました。
また、個別業績につきましては、売上高91億3千8百万円(前期99億6千1百万円)、営業利益は1億6千7百万円(前期3億2千6百万円)、経常利益は2億8千5百万円(前期4億6千万円)、特別損益と税金費用を計上した後の当期純利益は2億1千8百万円(前期3億3千6百万円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(イ)海運関連事業
主力の海運関連事業の旅客部門は、大島の最大イベントである「椿まつり」において、大島町と連携して東京都の復興支援事業のPRの強化に努めるとともに、代替船ジェットフォイル「大漁」の就航を機に企画商品を造成し集客に取り組みました。またジェットフォイルにより、清水・焼津・御前崎・田子の浦と東京諸島を結ぶ新たな臨時航路を運航し、営業圏の拡大と新規需要の開拓に注力しました。さらに夏場の最多客期は、個人向け商品や旅行会社との連携商品の販売強化に努めました。この結果、旅客数は一昨年の台風災害後の落ち込みから回復し、シルバーウィークや「東京湾納涼船」などの集客も好調に推移したことから、全航路の旅客数は82万1千人(前期76万9千人)となりました。
一方、貨物部門は、大島の災害廃棄物の搬出が終了したことにより、貨物取扱量は全島で30万トン(前期35万9千トン)と大幅に減少しました。
この結果、当事業の売上高は、原油価格の下落による燃料油価格変動調整金収入の減少もあり、84億7千4百万円(前期90億5千5百万円)、費用面では船舶燃料費は減少したものの、新造船「橘丸」や代替船ジェットフォイル「大漁」の減価償却費の増加があり、営業利益は6億7千7百万円(前期10億4千2百万円)となりました。
(ロ)商事料飲事業
当事業の料飲部門は、「東京湾納涼船」の売上が好調に推移し、また、竹芝客船ターミナル内に郷土料理を提供するレストラン「鼈甲鮨(べっこうずし)」をオープンさせ集客を図りましたが、中心となる商事部門において、原油価格の下落による燃料油販売単価の値下りがあり、また、一部の島での公共工事の減少により島嶼向けのセメント販売が減少しました。この結果、当事業の売上高は13億4千4百万円(前期15億5千3百万円)、営業利益は6千2百万円(前期8千7百万円)となりました。
(ハ)レストラン事業
東京湾周遊のレストランシップ事業は、新たな個人向けの企画商品や、イベント船の企画、産地限定の食材を使用したメニューの提供に取り組み、全クルーズでの利用客数は12万人(前期11万9千人)となりました。しかしながら、単価の高い婚礼客が低調に推移したことや、個人客の平均単価の低下により、当事業の売上高は10億8千万円(前期11億2千2百万円)、営業利益は6千9百万円(前期9千4百万円)となりました。
(ニ)ホテル事業
大島温泉ホテル事業は、「椿まつり」の観光客が回復し、また、豊富な海の幸と高品質の源泉掛け流し温泉を前面に出した企画商品の販売や、「ジェットフォイル大漁就航記念ツアー」、東京都の復興支援事業の「宿泊助成金」の効果もあり、利用客は好調に推移しました。この結果、当事業の売上高は2億8千6百万円(前期2億2千5百万円)、営業利益は8百万円(前期営業損失1千7百万円)となりました。
(ホ)旅客自動車運送事業
当事業の中心となる大島島内におけるバス部門は、貸切バス安全性評価制度の三ッ星の認定を受け、安全運行に努めております。ホテル事業同様、「椿まつり」の観光客の回復や「ジェットフォイル大漁就航記念ツアー」による利用客の増加、また、夏場の「フリーきっぷ」の販売も好調に推移した結果、当事業の売上高は2億8千4百万円(前期2億4千1百万円)、営業利益は1百万円(前期営業損失2千5百万円)となりました。なお、定期路線バスにおいては大島町からの継続的な支援を受けております。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、14億9千2百万円のキャッシュ・イン(前期9億2千4百万円のキャッシュ・イン)となりました。その主な要因は、資金の増加として税金等調整前当期純利益3億4千3百万円、非資金損益項目の減価償却費7億7千7百万円などが、資金の減少として仕入債務の減少額1億4百万円、利息の支払額1億円などを上回ったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、6億3千万円のキャッシュ・アウト(前期18億7千4百万円のキャッシュ・アウト)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出7億9千4百万円などが、有形固定資産の売却による収入1億5千5百万円を上回ったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、11億1千万円のキャッシュ・アウト(前期12億1千7百万円のキャッシュ・イン)となりました。その主な要因は、借入金の返済13億2千7百万円などによるものです。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ2億4千8百万円減少し、20億4千4百万円となりました。
当社グループは、海運関連事業を主な内容としており、商事料飲事業、レストラン事業、ホテル事業、旅客自動車運送事業を展開しております。従って、生産、受注を行っておらず、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額で示すことはしておりません。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
海運関連事業 | 8,474,501 | △6.4 |
商事料飲事業 | 1,344,346 | △13.4 |
レストラン事業 | 1,080,752 | △3.7 |
ホテル事業 | 286,318 | + 27.1 |
旅客自動車運送事業 | 284,798 | + 18.1 |
計 | 11,470,718 | △6.0 |
調整額 | △204,268 | ― |
合計 | 11,266,449 | △5.6 |
(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
提出会社の部門別営業実績は、下記のとおりであります。
部門別 | 前事業年度 (自 平成26年1月1日 至 平成26年12月31日) | 当事業年度 (自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日) | ||
年間(千円) | 構成比(%) | 年間(千円) | 構成比(%) | |
海運業収益 | 8,793,779 | 88.3 | 8,176,141 | 89.5 |
商事収益 | 1,167,813 | 11.7 | 962,739 | 10.5 |
合計 | 9,961,592 | 100.0 | 9,138,880 | 100.0 |
(注) 1 海運業収益は運賃収益(旅客・貨物)、その他海運業収益の合計であります。
2 上記金額には消費税等は含まれておりません。
提出会社の航路および就航船舶・就航状況は、下記のとおりであります。
航路 | 区間 | 就航船舶 | 就航状況 | |
東京~大島・神津島 | 東京-(横浜・久里浜)-大島- | 貨客船 | さるびあ丸 | 通年運航 |
超高速船 | ジェットフォイル | 通年運航 | ||
東京~八丈島 | ※東京-三宅島-御蔵島-八丈島 | 貨客船 | 橘丸 さるびあ丸 | 通年運航 |
熱海~大島 | 熱海-(伊東)-大島 | 超高速船 | ジェットフォイル | 通年運航 季節運航 |
館山~大島~伊東 | 館山-大島-伊東 | 超高速船 | ジェットフォイル | 季節運航 |
熱海~神津島 | 熱海-神津島 | 超高速船 | ジェットフォイル | 季節運航 |
東京湾内周遊 | 東京-羽田沖周遊(夏期納涼船) | 貨客船 | さるびあ丸 | 季節運航 |
臨時・不定期 | 東京-伊豆諸島ー国内沿岸各地 | ― | ― | ― |
(注) 就航船舶「ジェットフォイル」はセブンアイランド「愛」「虹」「友」「大漁」の4隻であります。
※ゴールデンウィーク・夏期は、復路のみ大島寄港
当社グループは、基本理念である「安全運航」の徹底と「良質のサービスの提供」のもとに、次期については、引き続き東京諸島全体の観光需要の掘り起こしに注力するとともに、訪日外国人利用客の獲得に向け対処する所存です。また、安全確保は最大のサービスであるとの基本意識に立ち、関係法令を遵守し、安全最優先に全力をあげて取り組みます。
主力事業分野である海運関連事業のうち、旅客部門は旅客のニーズ発掘のため、「椿まつり」期間中に13年ぶりに稲取航路を復活させるとともに、臨時航路の運航や、新たな企画商品の造成によりさらなる旅客の獲得を目指します。また、訪日外国人利用客の集客活動を強化し乗船客の増加と増収を図ります。安全面では平成27年12月に取得したISO 9001のもと船体整備の強化に努めます。貨物部門では、引き続き各島の公共工事等の動向を注視し、集荷に遺漏がないように営業を強化するとともに、貨物輸送の品質向上や貨物船の効率的な配船を実施してまいります。
商事料飲事業については、新たな収益の柱となる事業拡大に努めるとともに、竹芝客船ターミナル内にオープンしたレストラン「鼈甲鮨(べっこうずし)」の利用客の増加に努めます。
レストラン事業については、調理部門が直接産地で食材を選定した独自のこだわりの料理を提供するとともに、食をテーマとしたイベント船を運航するなど、個人客の獲得に注力するとともに、婚礼客および団体客への営業活動の強化、船内サービスの向上に継続して取り組み、利用客の増加と増収を目指してまいります。
ホテル事業については、大島の豊富な海の幸の料理・高品質の源泉掛け流し温泉・露天風呂からの三原山の眺望など、「島の魅力」を前面に出し、営業活動を強化するとともに、「島時間」を堪能して頂くために企画商品の充実やサービスの向上を図り、利用客の増加と増収を目指してまいります。
旅客自動車運送事業では、貸切バス安全性評価制度三ッ星認定のもと、安全運行に努めるとともに、定期観光バス・フリーきっぷを充実させ、利用客の増加と増収を目指してまいります。
以上のとおり、各部門に亘って業績向上を図るため、一層の努力をいたす所存であります。
事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年3月28日)現在において判断したものであります。
当社グループは、当社、子会社12社および関連会社2社で構成され、東京諸島と本土を結ぶ旅客・貨物の定期航路を主な事業内容としております。
旅客部門では、乗船客が夏場の多客期に集中するため、利益が下半期に偏る傾向にあります。
当社グループの各航路は、公共的性格を有する離島・生活航路としての側面があり、また、それらの航路の中には不採算ながら公共性の観点から航路維持を図らざるを得ない航路もあります。
船舶燃料油価格の上昇は、当社グループにとって大きな負担となります。このため、燃料油価格の大幅な上昇による損失を軽減すべく、旅客および貨物運賃とは別にそれぞれ燃料油価格変動調整金を設定し、平成16年12月より実施しております。
台風や低気圧の影響により、就航率が悪化することがあります。
就航航路および使用港湾は、地震・噴火の多発地帯にあり、災害の発生時、定期航路を維持できないこともあります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当連結会計年度末の総資産は138億7千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億7千5百万円減少しました。その主な要因は、船舶の減価償却などにより有形固定資産が3億1千3百万円、現金及び預金が2億4千6百万円、繰延税金資産が1億3千6百万円それぞれ減少したことなどによるものです。
負債は91億8千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億1千4百万円減少しました。その主な要因は、返済により借入金が10億4千1百万円減少したことなどによるものです。
純資産は46億9千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億3千9百万円増加しました。その主な要因は、利益剰余金が2億3百万円、その他有価証券評価差額金などその他の包括利益累計額が1億5千9百万円それぞれ増加したことなどによるものです。
当社グループの売上高は112億6千6百万円(前期比6億6千5百万円減)となりました。
当期は、主力の海運関連事業の旅客部門において大島の最大イベント「椿まつり」をはじめシルバーウィークや「東京湾納涼船」などの集客も好調に推移したことから旅客数は一昨年の台風災害前の落ち込みから回復し、関連するホテル事業および旅客自動車運送事業の業績も回復しました。一方、貨物部門において大島の災害廃棄物の搬出が終了となり貨物輸送量が大幅に減少しました。また、原油価格の下落により、燃料油価格変動調整金収入が大幅に減少したほか、商事料飲事業では燃料油販売単価の値下りにより売上高が減少するなどしました。
一方、費用面では、原油価格の下落により船舶燃料費が大幅に減少しましたが、新造船・代替船の減価償却費の増加があり109億7千2百万円(前期比3億7千2百万円減)となりました。
この結果、営業利益は2億9千4百万円(前期5億8千7百万円)、経常利益は3億2千万円(前期6億6千8百万円)となりました。
これらの結果、税金費用および少数株主損益調整後の当期純利益は前期比1億6千7百万円減少し、2億4千7百万円(前期4億1千5百万円)となりました。
当社グループの資金状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。