第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、所得や雇用情勢が改善し、緩やかな回復基調で推移しましたが、夏場の台風や大雨など、天候不順による個人消費の伸び悩みがあり、また、原油価格の底打ちからの上昇や、海外経済の不確実性による為替相場の急激な変動など、先行きは不透明な状況が続いております。

このような状況の下、当社グループは、大島の「椿まつり」において13年ぶりに稲取航路を復活させるとともに、臨時航路では新たなルートを運航したほか、東京諸島ならではの多様な企画商品を造成するなど、観光需要の掘り起こしに取り組みました。また、貨物輸送についても集荷に遺漏がないよう営業活動を強化しました。

この結果、当連結会計年度の業績は、旅客数、貨物取扱量とも順調に推移しましたが、燃料油価格変動調整金収入の減少により、売上高は111億7千4百万円(前期112億6千6百万円)、一方、費用面では船舶燃料費の減少があり、営業利益は4億1千4百万円(前期2億9千4百万円)、経常利益は4億8千万円(前期3億2千万円)、これに特別損益と税金費用などを計上した後の親会社株主に帰属する当期純利益は3億5千3百万円(前期2億4千7百万円)となりました。

また、個別業績につきましては、売上高は90億1千万円(前期91億3千8百万円)、営業利益は2億5千9百万円(前期1億6千7百万円)、経常利益は3億3千4百万円(前期2億8千5百万円)、特別損益と税金費用を計上した後の当期純利益は2億5千7百万円(前期2億1千8百万円)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。なお、当期は業績管理区分の見直しを行っており、従来「海運関連事業」としていた一部の取引について、「商事料飲事業」に変更しております。前期比較にあたっては、前期の数値を変更後の区分に組替えて比較しております。

 

《海運関連事業》

主力の海運関連事業の旅客部門は、大島の最大イベントである「椿まつり」において、大島町と連携して東京都の復興支援事業のPRの強化を図るとともに、13年ぶりに稲取航路を復活させ営業活動を強化しました。また、臨時航路では木更津、大井川からのルートを新たに加え、千葉・江の島・駿河湾各港から東京諸島への集客に努めました。さらに東京諸島ならではの多様な企画商品を造成し、島や海の魅力を発信し続けるとともに、夏場の最多客期には旅行会社との連携により販売活動を強化しました。この結果、夏場の天候不順による影響があったものの、全航路の旅客数は85万人(前期82万1千人)となりました。一方、貨物部門は、一部の島において公共工事関連の輸送が増加したことにより、貨物取扱量は全島で31万6千トン(前期30万トン)となりました。

この結果、旅客・貨物の営業活動は順調に推移しましたが、燃料油価格の下落により燃料油価格変動調整金の収入減があり、当事業の売上高は81億8千3百万円(前期83億9千2百万円)、一方、費用面では船舶燃料費の減少があり、営業利益は6億4千5百万円(前期6億円)となりました。

 

《商事料飲事業》

当事業の中心となる商事部門は、一部の島において公共工事関連資材などの販売が好調に推移しました。この結果、当事業の売上高は15億6千4百万円(前期14億9千9百万円)、営業利益は1億5千2百万円(前期1億3千8百万円)となりました。

 

《レストラン事業》

東京湾周遊のレストランシップ事業は、ホームページをはじめとする情報発信力の充実や、イベント船の企画、産地限定の食材を使用したメニュー作りに取り組みましたが、個人客が伸び悩み、全クルーズでの利用客数は11万8千人(前期12万人)となりました。この結果、当事業の売上高は10億6千3百万円(前期10億8千万円)、また、費用面において船舶の維持整備費用などの増加があり、営業利益は4千2百万円(前期6千9百万円)となりました。

 

 

《ホテル事業》

大島温泉ホテル事業は、大島の豊富な海の幸を使用したプランや三原山へのハイキングプランなど、企画商品の集客に加え、東京都の復興支援事業の「宿泊助成金」の効果もあり、利用客は好調に推移しました。この結果、当事業の売上高は3億2千6百万円(前期2億8千6百万円)、営業利益は1千6百万円(前期8百万円)となりました。

 

《旅客自動車運送事業》

当事業の中心となる大島島内におけるバス部門は、大島のあじさいや星空をテーマとした企画商品など、利用客は好調に推移しました。しかしながら、整備部門において燃料販売単価の値下りがあり、当事業の売上高は2億8千5百万円(前期2億8千4百万円)となりました。一方、費用面では燃料仕入単価の減少があり、営業利益は7百万円(前期1百万円)となりました。なお、定期路線バスにおいては大島町からの継続的な支援を受けております。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、9億1千万円のキャッシュ・イン(前期14億9千2百万円のキャッシュ・イン)となりました。その主な要因は、資金の増加として税金等調整前当期純利益4億9千1百万円、非資金損益項目の減価償却費7億8百万円などが、資金の減少として、持分法による投資損益8千5百万円、売上債権の増加額4千8百万円、たな卸資産の増加額4千9百万円などを上回ったことなどによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、4億2千2百万円のキャッシュ・アウト(前期6億3千万円のキャッシュ・アウト)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出3億9千7百万円などによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、9億1千万円のキャッシュ・アウト(前期11億1千万円のキャッシュ・アウト)となりました。その主な要因は、借入金の返済8億7千万円などによるものです。

 

以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ4億2千1百万円減少し、16億2千2百万円となりました。 

 

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループは、海運関連事業を主な内容としており、商事料飲事業、レストラン事業、ホテル事業、旅客自動車運送事業を展開しております。従って、生産、受注を行っておらず、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額で示すことはしておりません。

 

(1) セグメントの売上高

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

海運関連事業

8,183,518

△2.5

商事料飲事業

1,564,565

+ 4.3

レストラン事業

1,063,987

△1.6

ホテル事業

326,441

+ 14.0

旅客自動車運送事業

285,627

+ 0.3

11,424,140

△1.0

調整額

△249,547

合計

11,174,592

△0.8

 

(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 当社(東海汽船㈱)の営業実績(参考)

提出会社の部門別営業実績は、下記のとおりであります。

部門別

前事業年度

(自 平成27年1月1日

至 平成27年12月31日)

当事業年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

年間(千円)

構成比(%)

年間(千円)

構成比(%)

海運業収益

8,021,044

87.8

7,829,939

86.9

商事収益

1,117,836

12.2

1,180,706

13.1

合計

9,138,880

100.0

9,010,646

100.0

 

(注) 1 海運業収益は運賃収益(旅客・貨物)、その他海運業収益の合計であります。

2 上記金額には消費税等は含まれておりません。

3 当事業年度より業績管理区分の見直しを行っており、従来「海運業収益」としていた一部の取引について、「商事収益」に変更しております。この変更を反映させるため、前事業年度の組替えを行っております。

 

(3) 当社(東海汽船㈱)の主要航路及び就航状況(参考)

提出会社の航路および就航船舶・就航状況は、下記のとおりであります。

航路

区間

就航船舶
(平成28年1~12月)

就航状況
(平成28年1~12月)

東京~大島・神津島

東京-(横浜・久里浜)-大島-
利島-新島-式根島-神津島

貨客船

さるびあ丸

通年運航

高速船

ジェットフォイル

通年運航

東京~八丈島

※東京-三宅島-御蔵島-八丈島

貨客船

橘丸

さるびあ丸

通年運航

熱海~大島

熱海-(伊東)-大島

高速船

ジェットフォイル

通年運航

季節運航

稲取~大島

稲取-大島

高速船

ジェットフォイル

季節運航

館山~大島~稲取

館山-大島-稲取

高速船

ジェットフォイル

季節運航

熱海~神津島

熱海-神津島

高速船

ジェットフォイル

季節運航

東京湾内周遊

東京-羽田沖周遊(夏期納涼船)

貨客船

さるびあ丸

季節運航

臨時・不定期

東京-伊豆諸島ー国内沿岸各地

 

(注) 就航船舶「ジェットフォイル」はセブンアイランド「愛」「虹」「友」「大漁」の4隻であります。

 ※ゴールデンウィーク・夏期は、復路のみ大島寄港

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、基本理念である「安全運航」の徹底と「良質のサービスの提供」のもとに、次期については、引き続き東京諸島の島や海の魅力の発信に注力し、観光需要の掘り起こしと、訪日外国人利用客の獲得に向け努めてまいります。また、安全確保は最大のサービスであるとの基本意識に立ち、関係法令を遵守し、安全最優先に全力をあげて取り組みます。

主力事業分野である海運関連事業のうち、旅客部門は東京の島ならではの企画商品を造成し、より細かなサービスと手軽さを加えて、ニーズの発掘に努めてまいります。また引き続き「椿まつり」期間中に稲取航路を運航するとともに、臨時航路では、これまで開拓した拠点から東京諸島の多様なルートに展開し、さらなる旅客の獲得を目指します。また、訪日外国人利用客の集客活動を強化し乗船客の増加と増収を図ります。一方、貨物部門では、輸送品目の拡大による新規輸送の獲得を目指すほか、引き続き各島の公共工事等の動向を注視し、集荷に遺漏がないように営業を強化するとともに、貨物輸送の品質管理向上や貨物船の効率的な配船を実施してまいります。

商事料飲事業は、新たな収益の柱となる事業拡大に努めるとともに、船舶レストラン、竹芝客船ターミナル内の売店や「鼈甲鮨(べっこうずし)」の利用客の増加に努めます。

レストラン事業では、上半期の売上拡大に努めるとともに、ホームページをはじめとする情報発信力の強化による個人客の獲得、船内サービスの向上に継続して取り組み、利用客の増加と増収を目指してまいります。

ホテル事業については、大島の豊富な海の幸の料理・高品質の源泉掛け流し温泉・露天風呂からの三原山の眺望などに加え、星空展望施設を整備するなど、「島の魅力」を前面に出し、営業活動を強化するとともに、企画商品の充実やサービスの向上により、利用客の増加と増収を目指してまいります。

旅客自動車運送事業では、貸切バス安全性評価制度三ッ星認定のもと、安全運行に努めるとともに、定期観光バス、星空観望バスなど、企画商品の充実により、利用客の増加と増収を目指してまいります。

以上のとおり、各部門に亘って業績向上を図るため、一層の努力をいたす所存であります。

 

4 【事業等のリスク】

事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年3月28日)現在において判断したものであります。

 

(1) 利益の下期偏重について

当社グループは、当社、子会社12社および関連会社2社で構成され、東京諸島と本土を結ぶ旅客・貨物の定期航路を主な事業内容としております。

旅客部門では、乗船客が夏場の多客期に集中するため、利益が下半期に偏る傾向にあります。

 

(2) 離島航路整備法対象航路の存在

当社グループの各航路は、公共的性格を有する離島・生活航路としての側面があり、また、それらの航路の中には不採算ながら公共性の観点から航路維持を図らざるを得ない航路もあります。 

 

(3) 燃料油価格の変動

船舶燃料油価格の上昇は、当社グループにとって大きな負担となります。このため、燃料油価格の大幅な上昇による損失を軽減すべく、旅客および貨物運賃とは別にそれぞれ燃料油価格変動調整金を設定し、平成16年12月より実施しております。

 

(4) 気象海象条件

台風や低気圧の影響により、就航率が悪化することがあります。

 

(5) 地震・噴火災害の多発地帯

就航航路および使用港湾は、地震・噴火の多発地帯にあり、災害の発生時、定期航路を維持できないこともあります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は133億6千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億1千1百万円減少しました。その主な要因は、借入金の返済による現金及び預金の減少など、流動資産が3億5千5百万円、船舶の減価償却などにより有形固定資産が2億4百万円それぞれ減少したことなどによるものです。

負債は84億3千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億5千2百万円減少しました。その主な要因は、返済等により借入金が8億4千1百万円減少したことなどによるものです。

純資産は49億3千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億4千万円増加しました。その主な要因は、利益剰余金が3億9百万円増加したことなどによるものです。

 

(2) 経営成績

当社グループの売上高は111億7千4百万円(前期比9千1百万円減)となりました。

当期は、大島の「椿まつり」において13年ぶりに稲取航路を復活させるとともに、臨時航路では新たなルートを運航したほか、東京諸島ならではの多様な企画商品を造成するなど、観光需要の掘り起こしに取り組みました。また、貨物輸送についても集荷に遺漏がないよう営業活動を強化した結果、旅客数、貨物取扱量とも順調に推移しました。しかしながら、燃料油価格の下落による燃料油価格変動調整金収入の減少があり売上高は減少しました。

一方、費用面では、船舶燃料費の減少があり、107億6千万円(前期比2億1千1百万円減)となりました。

この結果、営業利益は4億1千4百万円(前期比1億2千万円増)、経常利益は4億8千万円(前期比1億6千万円増)、税金費用および非支配株主に帰属する損益調整後の親会社株主に帰属する当期純利益は3億5千3百万円(前期比1億6百万円増)となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。