当連結会計年度におけるわが国の経済は、企業収益や所得・雇用情勢が堅調に推移するなど、景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、欧米における政策の不確実性など、先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く環境は、見通しが立たない原油価格の動向や近年の台風の進路の変化などがあり、依然として厳しい状況が続いております。また、営業基盤である東京諸島においては、全般的に少子高齢化の波は本土より進み、人口減少に歯止めがかからない状況となっております。長期的な漸減傾向は観光客の動向にも表れております。
このような状況の下、当社グループは、「Spring Up 2017 ~将来への芽を出す」をスローガンに掲げ、事業の活性化と観光需要の掘り起こしに全社を挙げて取り組みました。東京諸島の島や海などの豊かな自然と星空の魅力の発信に努め、年間を通じて東京の島ならではの多様な企画商品を造成しました。また、大島の最大イベント「椿まつり」においてはPR活動を積極的に展開し、さらに夏場の最多客期には旅行会社との連携を深めて販売活動を強化したことにより、旅客数は好調に推移しました。
この結果、当連結会計年度の業績は、ジェットフォイルを導入した平成14年に次ぐ旅客数となり、売上高は114億4千2百万円(前期111億7千4百万円)、営業利益は5億2千3百万円(前期4億1千4百万円)、経常利益は5億5千4百万円(前期4億8千万円)、税金費用などを計上した後の親会社株主に帰属する当期純利益は3億9千3百万円(前期3億5千3百万円)となりました。
また、個別業績につきましては、売上高は92億7千3百万円(前期90億1千万円)、営業利益は4億1千万円(前期2億5千9百万円)、経常利益は4億6千1百万円(前期3億3千4百万円)、税金費用を計上した後の当期純利益は3億3千8百万円(前期2億5千7百万円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
《海運関連事業》
主力の海運関連事業の旅客部門は、「椿まつり」において平成28年に認定された「国際優秀つばき園」と伊豆方面の花のイベントをつないだ「海のフラワーライン」の営業展開を図り、団体客・個人客を好調に集客しました。また、企画商品では、「三原山ハイキング」などの商品や東京諸島の星空をテーマにしたキャンペーン展開に取り組み、臨時航路では、千葉港から大島への運航日数を「船旅活性化モデル地区」の運用で増やし、旅客数の増加に繋げました。さらに夏場の最多客期には大島のあじさいや星空観望などの企画商品に加え、旅行会社とより一層の連携を深めて販売活動を強化しました。この結果、夏から秋にかけての天候不順による影響があったものの、全航路の旅客数はジェットフォイルを導入した平成14年に次ぐ88万3千人(前期85万人)となりました。一方、貨物部門は、一部の島において公共工事関連の輸送が減少したことにより、貨物取扱量は全島で28万8千トン(前期31万6千トン)となりました。
この結果、当事業の売上高は、85億4千3百万円(前期81億8千3百万円)、営業利益は8億4千7百万円(前期6億4千5百万円)となりました。
《商事料飲事業》
当事業の中心となる商事部門は、一部の島での公共工事の減少により、島嶼向けのセメント販売が減少しました。また、料飲部門の「東京湾納涼船」は、天候不順による影響を受けたため、売上が減少しました。この結果、当事業の売上高は14億7千2百万円(前期15億6千4百万円)、営業利益は1億2千5百万円(前期1億5千2百万円)となりました。
《レストラン事業》
東京湾周遊のレストランシップ事業は、インターネットによる情報発信力の強化や予約システムの改善などにより、個人客は増加しましたが、婚礼および団体客が伸び悩み、全クルーズでの利用客数は11万7千人(前期11万8千人)となりました。この結果、当事業の売上高は10億3千万円(前期10億6千3百万円)、営業利益は3千4百万円(前期4千2百万円)となりました。
《ホテル事業》
大島温泉ホテル事業は、旅客部門との連携の強化により、「椿まつり」や「三原山ハイキング」などの企画商品の利用客が好調に推移しました。また、ホテル屋上に星空を観望できる「三原山テラス」を設置し集客に努めました。この結果、当事業の売上高は3億5千8百万円(前期3億2千6百万円)となりました。一方、費用面では施設整備費用などの増加があり、営業利益は1千4百万円(前期1千6百万円)となりました。
《旅客自動車運送事業》
当事業の中心となる大島島内におけるバス部門は、「椿まつり」の団体利用客や「あじさいツアー」など、企画商品の利用客が好調に推移しました。この結果、当事業の売上高は3億5百万円(前期2億8千5百万円)となりました。一方、費用面では車両整備費用などの増加があり、営業損失は1千8百万円(前期 営業利益7百万円)となりました。なお、定期路線バスにおいては大島町からの継続的な支援を受けております。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、11億7千5百万円のキャッシュ・イン(前期9億1千万円のキャッシュ・イン)となりました。その主な要因は、資金の増加として税金等調整前当期純利益5億5千4百万円、非資金損益項目の減価償却費7億1千1百万円、仕入債務の増加1億6千3百万円などが、資金の減少として法人税等の支払額1億7千7百万円などを上回ったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、10億5千6百万円のキャッシュ・アウト(前期4億2千2百万円のキャッシュ・アウト)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出16億6千8百万円などが、補助金の受入による収入6億1千6百万円などを上回ったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1億4千6百万円のキャッシュ・アウト(前期9億1千万円のキャッシュ・アウト)となりました。その主な要因は、長期借入金の返済による支出6億4千1百万円などが、長期借入による収入5億5千1百万円などを上回ったことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ2千8百万円減少し、15億9千3百万円となりました。
当社グループは、海運関連事業を主な内容としており、商事料飲事業、レストラン事業、ホテル事業、旅客自動車運送事業を展開しております。従って、生産、受注を行っておらず、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額で示すことはしておりません。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
海運関連事業 |
8,543,382 |
+4.4 |
|
商事料飲事業 |
1,472,256 |
△5.9 |
|
レストラン事業 |
1,030,539 |
△3.1 |
|
ホテル事業 |
358,525 |
+9.8 |
|
旅客自動車運送事業 |
305,067 |
+6.8 |
|
計 |
11,709,770 |
+2.5 |
|
調整額 |
△267,115 |
― |
|
合計 |
11,442,655 |
+2.4 |
(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
提出会社の部門別営業実績は、下記のとおりであります。
|
部門別 |
前事業年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
当事業年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) |
||
|
年間(千円) |
構成比(%) |
年間(千円) |
構成比(%) |
|
|
海運業収益 |
7,829,939 |
86.9 |
8,158,192 |
88.0 |
|
商事収益 |
1,180,706 |
13.1 |
1,115,067 |
12.0 |
|
合計 |
9,010,646 |
100.0 |
9,273,259 |
100.0 |
(注) 1 海運業収益は運賃収益(旅客・貨物)、その他海運業収益の合計であります。
2 上記金額には消費税等は含まれておりません。
提出会社の航路および就航船舶・就航状況は、下記のとおりであります。
|
航路 |
区間 |
就航船舶 |
就航状況 |
|
|
東京~大島・神津島 |
東京-(横浜・久里浜)-大島- |
貨客船 |
さるびあ丸 |
通年運航 |
|
高速船 |
ジェットフォイル |
通年運航 |
||
|
東京~八丈島 |
※東京-三宅島-御蔵島-八丈島 |
貨客船 |
橘丸 さるびあ丸 |
通年運航 |
|
熱海~大島 |
熱海-(伊東)-大島 |
高速船 |
ジェットフォイル |
通年運航 季節運航 |
|
稲取~大島 |
稲取-大島 |
高速船 |
ジェットフォイル |
季節運航 |
|
館山~大島~稲取 |
館山-大島-稲取 |
高速船 |
ジェットフォイル |
季節運航 |
|
熱海~神津島 |
熱海-神津島 |
高速船 |
ジェットフォイル |
季節運航 |
|
東京湾内周遊 |
東京-羽田沖周遊(夏期納涼船) |
貨客船 |
さるびあ丸 |
季節運航 |
|
臨時・不定期 |
東京-伊豆諸島-国内沿岸各地 |
― |
― |
― |
(注) 就航船舶「ジェットフォイル」はセブンアイランド「愛」「虹」「友」「大漁」の4隻であります。
※ゴールデンウィーク・夏期は、復路のみ大島寄港
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、基本理念である「安全運航」の徹底と「良質のサービスの提供」のもとに、次期については、新しいステージ(創立130周年、新造船ジェットフォイル・貨客船就航)に向かって、東京諸島の島や海などの豊かな自然と「プラネタリウム・アイランド」として注目されている星空の魅力の発信に注力し、観光需要の掘り起こしに努めてまいります。また、安全確保は最大のサービスであるとの基本意識に立ち、関係法令を遵守し、安全最優先に全力をあげて取り組みます。
主力事業分野である海運関連事業のうち、旅客部門はよりお客様のニーズに合った東京の島ならではの企画商品を造成し、リピーターの確保に努めてまいります。また、引き続き「椿まつり」においては、「国際優秀つばき園」と伊豆方面の花のイベントをつないだ「海のフラワーライン」の営業展開を図ります。臨時航路では、「船旅活性化モデル地区」の運用でさらなる旅客の獲得を目指すとともに、訪日外国人利用客の集客活動に努めて乗船客の増加と増収を図ります。一方、貨物部門では、輸送品目の拡大による新規輸送の獲得を目指すほか、引き続き各島の公共工事等の動向を注視し、集荷に遺漏がないように営業を強化するとともに、貨物輸送の品質管理向上や貨物船の効率的な配船を実施してまいります。
商事料飲事業は、新たな収益の柱となる事業拡大に努めるとともに、グループ間の連携の強化による船舶レストラン、竹芝客船ターミナル内の売店やレストラン「鼈甲鮨(べっこうずし)」の利用客の増加を目指してまいります。
レストラン事業では、平成30年12月に創立30周年を迎える東京湾周遊の東京ヴァンテアンクルーズが専門紙主催の「第1回 プロが選ぶ水上観光船30選」において第2位となり、その道のプロにも高く評価されました。引き続き船内サービスのさらなる向上に取り組み、ホームページをはじめとする情報発信力と営業活動の強化を行ってまいります。
ホテル事業については、大島の豊富な海の幸の料理・高品質の源泉掛け流し温泉・露天風呂からの三原山の眺望に加えて、ホテル屋上に星空を観望できる「三原山テラス」の施設など、「島の魅力」を前面に押し出した営業活動に努めてまいります。また、引き続き旅客部門との連携の強化による企画商品の充実やサービスの向上を図ります。
旅客自動車運送事業では、貸切バス安全性評価制度三ッ星認定のもと、安全運行に努めてまいります。また、引き続き企画商品の充実を図り、「椿まつり」の団体利用客や定期観光バス、星空観望バスなどの利用客の増加を目指してまいります。
以上のとおり、各部門に亘って業績向上を図るため、一層の努力をいたす所存であります。
事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年3月29日)現在において判断したものであります。
当社グループは、当社、子会社12社および関連会社2社で構成され、東京諸島と本土を結ぶ旅客・貨物の定期航路を主な事業内容としております。
旅客部門では、乗船客が夏場の多客期に集中するため、利益が下半期に偏る傾向にあります。
当社グループの各航路は、公共的性格を有する離島・生活航路としての側面があり、また、それらの航路の中には、不採算航路でありながら公共性の観点から航路維持を図らざるを得ない航路もあります。
船舶燃料油価格の上昇は、当社グループにとって大きな負担となります。このため、燃料油価格の大幅な上昇による損失を軽減すべく、旅客および貨物運賃とは別にそれぞれ燃料油価格変動調整金を設定し、平成16年12月より実施しております。
台風や低気圧の影響により、就航率が悪化することがあります。
就航航路および使用港湾は、地震・噴火の多発地帯にあり、災害の発生時、定期航路を維持できないこともあります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当連結会計年度末の総資産は144億2千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億5千5百万円増加しました。その主な要因は、建造中の船舶の建設仮勘定など有形固定資産が10億8百万円増加したことなどによるものです。
負債は91億1千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億7千8百万円増加しました。その主な要因は、建造中の船舶の固定資産圧縮未決算勘定が5億7千3百万円増加したことなどによるものです。
純資産は53億9百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億7千6百万円増加しました。その主な要因は、利益剰余金が3億4千9百万円増加したことなどによるものです。
当社グループの売上高は114億4千2百万円(前期比2億6千8百万円増)となりました。
当期は、「三原山ハイキング」などの企画商品や東京諸島の星空をテーマにしたキャンペーン展開に取り組んだほか、旅行会社とより一層の連携を深めて販売活動を強化し、旅客数の増加に繋げました。一方、貨物部門は、一部の島において公共工事関連の輸送が減少したことにより、貨物取扱量は減少しました。
この結果、営業利益は5億2千3百万円(前期比1億9百万円増)、経常利益は5億5千4百万円(前期比7千3百万円増)、税金費用および非支配株主に帰属する損益調整後の親会社株主に帰属する当期純利益は3億9千3百万円(前期比4千万円増)となりました。
当社グループの資金状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。