第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

(a)経営成績

当中間連結会計期間における我が国の経済は、景気の緩やかな回復基調が続いているものの、継続的な物価上昇や米国の通商政策の影響により、景気の下振れリスクが高まっており、先行きは不透明な状況が続いております。

当中間連結会計期間における事業環境は、当社グループが事業を展開する島しょ地域において、観光需要が依然としてコロナ前の水準には回復しておらず、加えて物価上昇や人材不足といった構造的課題も重なり、厳しい経営環境が続いております。こうした状況の中、2025年4月1日付で、国土交通省関東運輸局より船員法に基づく「是正命令」および海上運送法に基づく「輸送の安全確保に関する命令」が発出されました。これを受け、当社は5月1日付で同局に対し改善報告書を提出し、2025年のスローガン「Safety First 2025」のもと、法令遵守と安全マネジメント体制の強化に全社を挙げて取り組んでおります。

当中間連結会計期間の業績は、売上高は66億4千万円(前年同期65億5千3百万円)、営業損失は

6億6百万円(前年同期営業損失5億8千3百万円)、経常損失は6億3千2百万円(前年同期経常損失

6億6百万円)、親会社株主に帰属する中間純損失は3億7千3百万円(前年同期純損失3億9千万円)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次の通りです。

 

《海運関連事業》

旅客部門は、大島最大のイベント「椿まつり」においてインフルエンサーを招致し、若年層向けの情報発信を強化するとともに、各種企画乗船券の販売による個人客の取り込みに注力しました。また、平日を中心とした往復きっぷの販売や、平日臨時便として江の島航路を運航するなど、閑散期における旅客需要の喚起にも取り組みました。しかしながら、主力航路である東京~大島間の高速ジェット船は荒天による欠航が相次いだことに加え、ゴールデンウィーク期間中には船員の労働時間に係る法令遵守の観点から減便運航を実施したため、旅客数は伸び悩みました。以上の結果、旅客数は27万7千人(前期30万1千人)と減少しましたが、昨年5月に主力の伊豆諸島航路で実施した旅客・貨物の運賃改定の効果や、小笠原航路の集客が好調に推移したことなどにより、運賃収入は前年同期と比べ増加しました。

貨物部門は、4月より新たな貨物システムを導入し、貨物輸送の管理に関わる各種業務の効率化を図るとともに、引き続きお客様の利便性と集荷効率の向上に取り組みました。貨物輸送量は天候不良による欠航が相次いだことにより、全体では13万9千トン(前期14万6千トン)となりました。

この結果、当事業の売上高は58億2千8百万円(前年同期57億5千3百万円)、費用面では船舶修繕費の費用増加があり、営業損失は4億2千万円(前年同期営業損失4億1百万円)となりました。

 

《商事料飲事業》

旅客数・貨物輸送量に左右されない安定的な事業構造を構築し、第三の収益の柱となるべく新規事業への参入や、新たな顧客層の開拓に取り組みました。商事部門はセメントや建材タイヤ等の売上が好調に推移し、また料飲部門は、船内の自動販売機やレストランの価格見直しを行い、収益性の向上に努めました。

この結果、当事業の売上高は6億3百万円(前年同期5億8千5百万円)、営業利益は4千4百万円(前年同期

3千7百万円)となりました。

 

 

《ホテル事業》

大島温泉ホテル事業は、唯一無二の三原山、富士山の眺望を前面に打ち出し、質の高いサービスの提供を通じて顧客満足度の向上に努めました。また、客室稼働率の向上を図るため、平日における柔軟な商品展開を行うとともに、料飲売上の増加を目指して各種施策に取り組みました。しかしながら、荒天による欠航が度重なった影響で、宿泊客および日帰り利用客が減少しました。

この結果、当事業の売上高は1億6千万円(前年同期1億6千8百万円)、営業利益は3百万円(前年同期

9百万円)となりました。

 

《旅客自動車運送事業》

当事業の中心となる大島島内におけるバス部門は、全社一丸となって安全運行に取り組み、貸切バスにおいては、日本バス協会の安全性評価制度における最高評価となる三ッ星を更新するなど長期優良事業者として認定を受けています。今期は旅客部門との連携によるツアー造成を通じて、貸切バスの利用客数の増加を図ったものの、集客は低調に推移しました。一方で、自動車整備部門が堅調に推移したことにより、全体としては増収となりました。

この結果、当事業の売上高は1億5千1百万円(前年同期1億4千8百万円)、営業利益は1千8百万円(前年同期1千7百万円)となりました。なお、定期路線バスにおいては大島町から継続的な支援を受けております。

 

(b)財政状態

当中間連結会計期間末の総資産は217億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億9千9百万円減少しました。その主な要因は、繰延税金資産が2億5百万円、その他流動資産が1億2千7百万円、投資有価証券が1億1千8百万円増加した一方で、現金及び預金が9億2千万円、船舶の減価償却などにより有形固定資産が4億6千万円減少したことによるものです。

負債は156億9千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億5千5百万円減少しました。その主な要因は、船舶検査費用などの営業未払金が6億2千7百万円増加した一方で、借入金が11億2百万円減少したことによるものです。

純資産は60億1千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億4千3百万円減少しました。その主な要因は、利益剰余金が3億9千5百万円減少したことによるものです。

 

(c)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間のキャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、2億7千万円のキャッシュ・イン(前年同期10億2千9百万円のキャッシュ・イン)となりました。その主な要因は、資金増加項目である仕入債務の増加額6億2千7百万円、減価償却費6億2百万円が、資金減少項目である税金等調整前中間純損失6億3千2百万円、未払又は未収消費税等の増減額

2億1千4百万円、法人税等の支払額又は還付額1億6千万円を上回ったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、6千5百万円のキャッシュ・アウト(前年同期3億7百万円のキャッシュ・アウト)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出1億3千3百万円、無形固定資産の取得による支出5千7百万円が、補助金の受入による収入1億2千5百万円を上回ったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、11億2千5百万円のキャッシュ・アウト(前年同期9千8百万円のキャッシュ・アウト)となりました。その主な要因は、長期借入金の返済10億9千7百万円及び配当金の支払額

2千1百万円によるものです。

 

 以上の結果、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ9億2千万円減少し、38億4千7百万円となりました。

 

(2) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

(5) 従業員数

当中間連結会計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。

 

(6) 生産、受注及び販売の実績

当中間連結会計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。

 

(7) 主要な設備

前連結会計年度末における新設、除却等の計画について、著しい変動はありません。また、当中間連結会計期間に完了したものは次のとおりであります。

会社名

事業所名
(所在地)

セグメントの
名称

設備の内容

投資額
(千円)

完了年月

提出会社

本社

(東京都港区)

海運関連事業

船舶の改修

31,401

2025年6月

芝浦

(東京都港区)

海運関連事業

貨物システムの改修

70,637

2025年4月

小笠原海運㈱

芝浦

(東京都港区)

海運関連事業

船舶の改修

38,208

2025年5月

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。