(1)連結業績全般
当連結会計年度(平成27年4月1日~平成28年3月31日)におけるわが国経済は、緩やかな回復基調が続いており、個人消費は総じてみれば底堅い動きとなりました。海外経済については、中国をはじめとするアジア新興国等において一部に弱さが見られましたが、米国をはじめとして、全般的には回復傾向にありました。他方で、当社の旅客収入に影響を与える訪日旅客数は、前年同期比45.6%増と大幅に増加し、2,135万9千人となりました。また、当社の燃料調達コスト、国際線旅客および国際線貨物収入に影響を与える原油価格については、前年と比較して低水準で推移しましたが、米ドルの為替レートについては、円安傾向が継続いたしました。当社はこのような経済状況のもと、平成27年2月18日に発表しました「JALグループ中期経営計画ローリングプラン2015」で掲げた目標を達成するべく、安全運航の堅持を基盤としたうえで、JALフィロソフィと部門別採算制度によって採算意識を高め、経営の効率化を図り、お客さまに最高のサービスを提供できるよう努めました。
以上の結果、当連結会計年度の営業収益は1兆3,366億円(前年同期比0.6%減少)、営業費用は1兆1,274億円(前年同期比3.2%減少)となり、営業利益は2,091億円(前年同期比16.4%増加)、経常利益は2,092億円(前年同期比19.4%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,744億円(前年同期比17.1%増加)となりました。
なお、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号 平成25年9月13日)第39項に掲げられた定め等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(2)セグメントの業績
(セグメント間売上高・損益を含んでおります。)
<航空運送事業>
当連結会計年度における航空運送事業の実績については、営業収益は1兆2,052億円(前年同期比0.7%増加)、営業利益は1,908億円(前年同期比18.1%増加)となりました。(営業収益及び営業利益はセグメント間連結消去前数値です。)
(国際線)
国際線旅客においては、日本発業務需要が堅調に推移するとともに、北米、中国、東南アジア線を中心として旺盛な訪日需要を取り込んだことで大きく旅客数を伸ばしました。
路線運営面では、平成27年11月30日より、成田=ダラス・フォートワース線を787-8型機の新仕様機材「JAL SKY SUITE 787」にて週間4便で開設し、平成28年3月20日以降は、毎日運航へと増便しました。ダラス・フォートワース空港は共同事業パートナーであるアメリカン航空の最大拠点であり、米国内および中南米エリアとの豊富なネットワークを活用することにより利便性が大幅に向上し、好調な利用率となっております。また、平成27年10月25日より、羽田=上海(浦東)・広州線を開設、羽田=北京線を増便し、羽田空港発着における中国路線のネットワークを拡大しました。テロの影響により需要が落ち込んでいた成田=パリ線については、平成28年1月~3月の一部期間において運休し、需要に応じた柔軟な対応を実施しました。
商品面では、ビジネスクラスにおいては全席通路アクセスを可能にしたフルフラットシートを、エコノミークラスにおいては標準的な座席配列よりスペースにゆとりを取った「新・間隔エコノミー」を装着した「JAL SKY SUITE」機材の導入を進めております。平成27年度末時点では、「JAL SKY SUITE」機材が26路線に広がりました。平成28年2月にモスクワ線へ「JAL SKY SUITE 787」を投入したことにより、当社の欧州線はすべての路線で「JAL SKY SUITE」機材による運航となりました。また、成田空港のサクララウンジ「ザ・ダイニング」を平成28年3月30日よりリニューアルオープンしており、「ひとクラス上の最高品質」をより多くのお客さまへとお届けできるよう努めてまいります。
営業面では、より多くの訪日外国人のお客さまに日本の魅力をお伝えし、より便利にJALグループをご利用いただけるよう、当社ホームページの訪日外国人向け情報案内サイト「JAL Guide to Japan」については、合計7言語の対応とし、観光情報コンテンツの充実を図っているほか、スマートフォンサイトも開設しました。
また、平成28年1月には、航空会社の定時到着率など、さまざまな分析をおこなっている米国のFlightStats社より、平成27年1月~12月の国内線・国際線を合わせた運航実績について、主要航空会社部門で世界1位に認定されました。そのほか、アジア・パシフィック主要航空会社部門でも1位に認定されたほか、アライアンス部門でも当社が所属するワンワールドが1位に認定されました。対象となる3部門すべてにおいて1位となり、平成22年(※)、平成24年、平成25年に続いて4度目の三冠獲得となりました。
(※)平成22年はアライアンス部門が設定されておらず、アジア・リージョナル航空会社部門(現在は設定なし。)で受賞
これからも、お客さまに最高のサービスを提供できるよう、さまざまな分野で利便性、快適性の向上を図るとともに、新鮮な感動をお届けできるよう、チャレンジを続けてまいります。
以上の結果、当期の国際線供給は有効座席キロベースで前年同期比1.3%の増加、需要は有償旅客キロベースで前年同期比5.4%の増加となり、有償座席利用率(L/F)は78.8%(前年同期比3.1ポイント上昇)、国際旅客収入は4,487億円(前年同期比1.3%減少)となりました。
国際線貨物においては、日本発着の総需要が前年を下回るなか、三国間経由貨物を効率的に取り込むことで着実に需要を確保し、収入の最大化に努めました。加えて、従来よりも定温維持能力の高い新型のコンテナや自動車の完成車輸送を可能とする機材を自社開発するなど、付加価値貨物輸送商品のラインナップを拡充しました。
以上の結果、当期の輸送実績については有償貨物トン・キロベースで前年同期比1.7%の減少となり、収入については前年同期比10.0%減少の542億円となりました。
(国内線)
国内線旅客においては、需要喚起策を実施するとともに需要に合わせた機材を投入し、収益性の向上に努めました。
路線運営面では、過去に運休した地方路線のうち6路線の季節運航を今期も継続しました。また、平成27年4月1日より天草エアライン株式会社とのコードシェアを天草=福岡・熊本線、熊本=伊丹線の3路線にて開始し、お客さまのさらなる利便性向上により、地域経済への貢献に努めました。
商品面では、昨年度から展開している新仕様機材「JAL SKY NEXT」を、羽田空港から各地方を結ぶ路線に加えて、伊丹空港発着路線にも順次拡大しています。本革を使用した座席や足元スペース(ひざ回り)の拡大、機内Wi-Fiサービスの導入により、「JAL SKY NEXT」は多くのお客さまから大変ご好評をいただいております。
営業面では、ご搭乗75日前までご予約いただける「ウルトラ先得」を新たに設定したことに加えて、ゴールデンウィークやお盆等の繁忙期における割引運賃の設定便を拡大したことにより、帰省やご旅行等の目的で、多くのお客さまにご利用いただきました。また、事前購入型の乗継運賃については、設定区間を拡充するなどの取り組みを強化し、地域間の交流促進・地方活性化に努めました。平成27年12月からは海外から日本各地への訪日旅行需要喚起を目的とした国内線新運賃「Japan Explorer Pass」を設定し、当社ホームページの訪日外国人向け情報案内サイト「JAL Guide to Japan」での情報発信と合わせて、海外からの多くのお客さまが地方を訪れる機会を創出しています。
航空券と宿泊プランを自由に組み合わせて作る「JALダイナミックパッケージ」については、パソコン・スマートフォンサイトを全面リニューアルいたしました。より見やすく、使いやすい画面デザインへの変更により操作性の向上を追求するとともに、オプショナルプランを大幅に充実させ、お客さまのご希望に合わせてさまざまなアレンジができるようになりました。
平成27年6月からは「ふるさと割(※)」を利用した地域振興プロモーションを開始するなど国・自治体が進める地方創生事業に参画し、各地域への誘客に貢献できる取り組みを行いました。
(※)「地域住民生活等緊急支援のための交付金事業」の一部として、助成金により一定額を割引いた旅行商品を造成することの共通呼称
空港サービス面では、平成27年3月より、簡単・便利・シンプルを実現すべく、「JALスマートスタイル」というコンセプトのもと、カウンターでの待ち時間を少なくし快適に手荷物をお預けいただける「JALエクスプレス・タグサービス」を、羽田空港国内線カウンターにて開始し、平成28年3月からは、新千歳空港、伊丹空港、福岡空港、那覇空港にも拡大展開しました。平成27年7月からは、羽田空港の保安検査場待ち時間をスマートフォンのアプリでご案内するサービスを開始し、お客さまの待ち時間に対するストレス軽減を図りました。伊丹空港では、平成27年5月よりスマートフォンやパソコンを無料で充電できる「JAL充電ステーション」を設置し、バッテリー残量を心配することなくご搭乗いただけるサービスを展開しました。
以上の結果、当期の国内線供給は有効座席キロベースで前年同期比1.2%の減少、需要は有償旅客キロベースで前年同期比1.5%の増加となり、有償座席利用率(L/F)は67.9%(前年同期比1.8ポイント上昇)、国内旅客収入は5,012億円(前年同期比2.8%増加)となりました。
国内線貨物においては、当社の供給量は減少しましたが、積極的な販売活動に加え、限られたスペースを有効活用するべく、貨物スペースの管理方法を工夫し、前年を上回る需要を確保しました。
以上の結果、当期の輸送実績については有償貨物トン・キロベースで前年同期比1.8%の増加となり、収入については前年同期比3.8%減少の233億円となりました。
部門別売上高は、次のとおりです。
|
科目 |
前連結会計年度 (自平成26年4月1日 至平成27年3月31日) |
構成比 (%) |
当連結会計年度 (自平成27年4月1日 至平成28年3月31日) |
構成比 (%) |
対前年 同期比 (%) |
|
国際線 |
|
|
|
|
|
|
旅客収入 (百万円) |
454,857 |
38.0 |
448,780 |
37.2 |
98.7 |
|
貨物収入 (百万円) |
60,301 |
5.0 |
54,273 |
4.5 |
90.0 |
|
郵便収入 (百万円) |
10,379 |
0.9 |
10,337 |
0.9 |
99.6 |
|
手荷物収入 (百万円) |
715 |
0.1 |
845 |
0.1 |
118.3 |
|
小計 (百万円) |
526,253 |
44.0 |
514,237 |
42.7 |
97.7 |
|
国内線 |
|
|
|
|
|
|
旅客収入 (百万円) |
487,555 |
40.8 |
501,274 |
41.6 |
102.8 |
|
貨物収入 (百万円) |
24,294 |
2.0 |
23,363 |
1.9 |
96.2 |
|
郵便収入 (百万円) |
3,388 |
0.3 |
3,575 |
0.3 |
105.5 |
|
手荷物収入 (百万円) |
287 |
0.0 |
297 |
0.0 |
103.6 |
|
小計 (百万円) |
515,526 |
43.1 |
528,511 |
43.9 |
102.5 |
|
国際線・国内線合計 (百万円) |
1,041,780 |
87.1 |
1,042,749 |
86.5 |
100.1 |
|
その他の収入 (百万円) |
154,463 |
12.9 |
162,453 |
13.5 |
105.2 |
|
合計 (百万円) |
1,196,243 |
100.0 |
1,205,202 |
100.0 |
100.7 |
(注)金額については切捨処理、各比率については四捨五入処理しております。
連結輸送実績は、次のとおりです。
|
項目 |
前連結会計年度 (自平成26年4月1日 至平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自平成27年4月1日 至平成28年3月31日) |
対前年同期比 (利用率は ポイント差) |
|
|
国際線 |
|
|
|
|
|
有償旅客数 |
(人) |
7,793,704 |
8,080,676 |
103.7% |
|
有償旅客キロ |
(千人・キロ) |
36,109,588 |
38,069,127 |
105.4% |
|
有効座席キロ |
(千席・キロ) |
47,696,816 |
48,327,267 |
101.3% |
|
有償座席利用率 |
(%) |
75.7 |
78.8 |
3.1 |
|
有償貨物トン・キロ |
(千トン・キロ) |
1,754,657 |
1,724,590 |
98.3% |
|
郵便トン・キロ |
(千トン・キロ) |
230,276 |
230,146 |
99.9% |
|
国内線 |
|
|
|
|
|
有償旅客数 |
(人) |
31,644,018 |
32,114,322 |
101.5% |
|
有償旅客キロ |
(千人・キロ) |
23,993,738 |
24,341,972 |
101.5% |
|
有効座席キロ |
(千席・キロ) |
36,306,359 |
35,869,126 |
98.8% |
|
有償座席利用率 |
(%) |
66.1 |
67.9 |
1.8 |
|
有償貨物トン・キロ |
(千トン・キロ) |
356,691 |
363,200 |
101.8% |
|
郵便トン・キロ |
(千トン・キロ) |
24,286 |
25,668 |
105.7% |
|
合計 |
|
|
|
|
|
有償旅客数 |
(人) |
39,437,722 |
40,194,998 |
101.9% |
|
有償旅客キロ |
(千人・キロ) |
60,103,327 |
62,411,100 |
103.8% |
|
有効座席キロ |
(千席・キロ) |
84,003,176 |
84,196,394 |
100.2% |
|
有償座席利用率 |
(%) |
71.5 |
74.1 |
2.6 |
|
有償貨物トン・キロ |
(千トン・キロ) |
2,111,349 |
2,087,791 |
98.9% |
|
郵便トン・キロ |
(千トン・キロ) |
254,563 |
255,814 |
100.5% |
(注)1.旅客キロは、各区間有償旅客数(人)に当該区間距離(キロ)を乗じたものであり、座席キロは、各区間有効座席数(席)に当該各区間距離(キロ)を乗じたものです。輸送量(トン・キロ)は、各区間輸送量(トン)に当該区間距離(キロ)を乗じたものです。
2.区間距離は、IATA(国際航空運送協会)、ICAO(国際民間航空機構)の統計資料に準じた算出基準の大圏距離方式で算出しております。
3.国際線:日本航空(株)、(株)北海道エアシステム
国内線:日本航空(株)、日本トランスオーシャン航空(株)、日本エアコミューター(株)、(株)ジェイ エア、琉球エアーコミューター(株)、(株)北海道エアシステム
ただし、前年同期は、
国際線:日本航空(株)
国内線:日本航空(株)、日本トランスオーシャン航空(株)、(株)ジャルエクスプレス(平成26年10月に 当社に吸収合併)、日本エアコミューター(株)、(株)ジェイエア、
琉球エアーコミューター(株)、(株)北海道エアシステム(平成26年10月に連結子会社化)
4.数字については切捨処理、比率については四捨五入処理しております。
(その他)
その他の事業においては、お客さまの利便性向上を図り、JALグループの企業価値の最大化に努めました。その他の事業における主要2社の概況は次のとおりです。
株式会社ジャルパックは、需要動向に合わせてタイムリーに各種商品を展開することで、増収を図りました。海外旅行の取扱人数は、欧州方面の情勢不安等の影響により、前期を11.7%下回る24万3千人となりました。国内旅行の取扱人数は、ダイナミックパッケージが好調に推移したことにより、前期を5.6%上回る242万9千人となりました。以上の結果、営業収益(連結消去前)は1,722億円(前年同期比1.4%増加)となりました。
株式会社ジャルカードは、インターネットやダイレクトメールによる積極的なキャンペーンを実施するとともに、主要空港ではタブレットを活用した受付を開始し、勧誘スタッフを増員するなど新規会員の入会増加に努めました。また、テレビCMや文化イベントにより認知度向上を図り、商品面ではパイロットになったミッキーマウスのデザインカード「JAL・JCBカード(ディズニー・デザイン)」を発行しました。この結果、会員数は平成27年3月末より9万1千人増加し、312万9千人となりました。取扱高については、マイルが2倍たまる特約店の拡充等カード利用促進につながる施策の実施や上位カードの新規加入・切替を推進したことで、堅調に推移しました。以上の結果、営業収益(連結消去前)は204億円(前年同期比4.2%増加)となりました。
(3)キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益2,073億円に減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減算等を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フロー(インフロー)は3,123億円(前年同期比512億円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
固定資産の取得による支出を主因として、投資活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は△2,889億円(前年同期比583億円の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払いや有利子負債の返済を行ったことから、財務活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は△496億円(前年同期比176億円の減少)となりました。
以上の結果、当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末比263億円減少して929億円となりました。
当社グループの生産、受注及び販売に該当する業種・業態がほとんどないため、「業績等の概要」に含めて記載しております。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
JALグループは大きな環境変化を乗り越え、競争に勝ち抜き、永続的に存続・発展していくため、平成24年2月に「2012~2016年度JALグループ中期経営計画~高収益体質を確立し、新たな成長のステージへ~」を発表しました。以降、毎年見直しを行っており、平成28年2月に、あらためて内外の環境変化を分析し、現在の計画の進捗状況を振り返り、その思いの実現に向けて、「JALグループ中期経営計画ローリングプラン2016」を策定しました。本中期経営計画において、下記の5項目を、特に重点的に取り組む「重要な取り組み課題」としております。
①安全を守る取り組み
②路線ネットワーク
③商品サービス
④グループマネジメント
⑤人財育成
それぞれの課題について、以下のとおり取り組んでまいります。
①安全を守る取り組み
JALグループにとって安全運航は存立基盤であり社会的責務です。わが国における航空運送の先駆者として長年培ってきた豊富な経験をもとに、「安全を守る人財の育成」「安全を守るシステムの進化」「安全を守る文化の醸成」の3つの取り組みを行い、「安全の層」を厚く積み重ね、今後もお客さまに安心で快適な空の旅をお届けしてまいります。最高水準の安全管理システムを有し、JALグループ全社員が十分な知識と高い意識を持って行動するために、経営の強いリーダーシップのもと、スピード感を持って取り組みを推進します。
②路線ネットワーク
単に規模拡大のみを追うことなく、路線毎の採算性を十分に見極めたうえで、日本国内、そして日本と世界を結ぶ利便性の高いネットワークを構築します。国際線においては、引き続き中長距離路線(欧米・東南アジア路線)に経営資源を集中的に投入していく方針です。変動する需給環境に的確に対応できるよう、採算性を十分に見極めながら、北米とアジアの将来的な需要拡大を見据え、ネットワークの拡充を行っていきます。国内線においては、競争環境に鑑み、「対他社競争力強化」を主眼におき、メインマーケットである羽田・伊丹の環境変化に的確に対応するとともに、需要に合わせた機材を投入し、収益性の維持・向上を図ります。
③商品サービス
国際線においては「高品質・フルサービス」を、国内線においては「便利さ・シンプルさ」を追求し、お客さまが常に新鮮な感動を得られるような商品サービスのご提供を目指します。また、組織横断的な一体感のある教育の実施を目的に平成24年度に設置した「JAL教育センター」や内部評価および外部評価を活用し、お客さまの心に寄り添い、ご要望を先取りし、柔軟にお応えできる人財の育成を図ります。マイレージプログラムについては、最大の魅力である特典航空券の利便性を向上させるとともに、「貯めやすく、使いやすいプログラム」にしてまいります。
④グループマネジメント
JALグループ全社員が受講する「JALフィロソフィ教育」を継続し、その浸透に努めるとともに、グループ会社への部門別採算制度導入を推進し、JALグループ社員一人ひとりが「売上最大、経費最小」を意識して経営に参画する強固な組織運営体制を構築します。
⑤人財育成
JALグループの求める人財像を策定のうえ、必要かつ適正数の採用を実施します。また、リーダー人財、安全・サ-ビスのプロフェッショナル人財の育成に主眼を置き、JALグループ共通の基本教育・研修体系を整備したうえで教育を実施します。
これまで出身会社や採用地域を超えて能力と意欲ある社員の活躍の場を広げてきましたが、今後も、多様な人財が活躍し、周囲がそれを支援する職場づくりへ向けた取り組みを継続していきます。また、さらなる成長の機会づくりと動機付けを目的とした研修プログラムの継続実施を通じ、女性社員の育成に取り組み、実力主義による登用を前提として、JALグループ全体の女性管理職比率を2023年度末までに20%以上とすることを目指します。
今後とも、より多くのお客さまにご利用して頂けるよう、安全運航を堅持し、お客さま、株主の皆さま、お取引先の皆さまへの感謝の気持ちを持ち続け、変化の激しい航空業界で勝ち抜いていくための強い意志を持って、快適なサービスのご提供を通じて業績向上に努め、社員一同、経営目標を必ず達成すべく努力を続けてまいります。
投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。ただし、これらは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。また、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は平成28年3月31日現在において判断したものです。定期航空運送事業および不定期航空運送事業を中心とする当社グループの事業の内容に鑑み、当社グループにおいては以下のようなリスクが存在しております。
①国際情勢の変化による影響に関わるリスク
当社グループは、米州・欧州・アジア大洋州・中国方面を中心に国際航空旅客および貨物運送事業を展開しております。航空需要は、テロ攻撃や地域紛争、戦争、疫病の発生・蔓延等により大幅に減少する可能性があります。特に紛争発生地域や、感染症等の疫病の発生・蔓延地域に対する渡航自粛勧告が発せられる場合や、利用者の恐怖心等により不要不急の渡航を回避する動きが顕著になる場合には、当該地域を離発着する当社グループの航空便の需要に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。
②日本および世界経済の動向に関わるリスク
当社グループの国際および国内旅客事業は、共に日本市場に大きく依存しています。したがって、日本の経済動向および世界の経済情勢や日本の顧客基盤における航空需要の悪化、天災または悪天候等により、当社グループの事業は悪影響を受ける可能性があります。特に、国際旅客事業は景況に左右されやすい傾向にあります。
③中期計画・年次計画に関わるリスク
当社グループは、中期計画および年次計画を策定しておりますが、これら経営計画の遂行には様々な内部的・外部的リスクが内在しています。また、当社グループのこれらの経営計画は多くの想定に基づいて作成されていますが、かかる想定が予定通りとならない場合、当該計画における収益目標および利益目標を達成できない可能性があります。また、当社グループが策定する中期計画および年次計画は、計画策定時点において有効な会計制度および税制、ならびにこれらの処理方法および法的要件を前提として策定したものであり、将来、これらの制度、方法および要件が変更された場合には、計画で公表した将来に関する財務予測等に変更が生じる可能性があります。
④航空機導入計画に関わるリスク
当社グループは、航空運送事業において、燃費効率に優れた新型の中小型機を中心とした機材構成を指向し、ボーイング社ならびにエアバス社等の航空機メーカーに対して航空機を発注しておりますが、これらの航空機メーカーもしくは部品メーカーの技術上・財務上・その他の理由により納期が遅延した場合、当社グループの機材計画は変更を余儀なくされ、当社グループの中長期的な事業に影響を及ぼす可能性があります。
⑤提携に関わるリスク
当社グループが属する航空業界においては、複数の航空会社による企業連合(グローバルアライアンス)の活用や、提携相手と独占禁止法適用除外(ATI)の認可を受けた国境を越えての共同事業を展開する動きが活発化しております。当社グループは、アメリカン航空およびブリティッシュ・エアウェイズを中心とした「ワンワールド」というグローバルアライアンスに加盟し、アジア太平洋路線においてアメリカン航空と、欧州路線においてはブリティッシュ・エアウェイズ、フィンエアーとの共同事業を展開しております。これら共同事業の相手企業や、ワンワールドのメンバー企業の経営状況に変化が生じる場合、ワンワールドメンバーのワンワールドへの加盟状況に変化が生じた場合、あるいは当社グループとの提携関係に大きな変化が生じた場合には、当社の提携戦略に影響を及ぼす可能性があります。
⑥競争に関わるリスク
当社グループは、国内および海外において、路線、サービスおよび料金に関して激しい競争に直面しています。国内線では、他の日本の大手航空会社、低コストの新規航空会社および新幹線との激しい競争に直面しています。国際線では、海外および日本の主要航空会社との競争が激化しており、羽田空港および成田空港の発着枠拡大によって競争はさらに激化する可能性があり、それに加えて海外および日本の航空会社によって形成されるアライアンス、コードシェアおよびマイレージ提携が、国際線における競争を激化させています。上述のように、現在の当社グループの競争環境や事業環境が大幅に変化した場合、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
⑦LCCに関わるリスク
当社グループは、国内および海外において、路線、サービスおよび料金に関して激しい競争に直面しており、今後はLCCとの競争も一層激しくなるものと想定されます。現時点ではLCCによる影響は想定の範囲内に収まっておりますが、今後の内外のLCCとの更なる競争激化が強い運賃の引き下げ圧力をもたらす可能性があるとともに、当社グループの航空便からLCCへの旅客流出等が大きく発生する可能性があります。なおこれらの競争環境の変化に対応すべく、当社は、オーストラリアのカンタスグループ等とともに設立したLCCジェットスター・ジャパンへの出資を行っており、同社を持分法適用会社としておりますが、同社の業績によっては、当社グループのLCC戦略に影響を及ぼす可能性があります。
⑧航空機燃料の価格変動に関わるリスク
当社グループの業績は、燃油価格の変動により多大な影響を受けます。平成27年度の当社グループの燃油費は約2,280億円でしたが、これは平成27年度の当社グループの連結の営業費用の約20%程度に相当します。航空業界における競争が激しいため、当社グループは、燃油価格の上昇分を、運賃の値上げまたは燃油特別付加運賃という形で当社グループの顧客に全て転嫁することは困難です。また、当社グループは、燃油価格の変動リスクを軽減するため、原油のコモディティ・デリバティブを利用したヘッジ取引を行っておりますが、原油価格が短期間で急落した場合、ヘッジポジションの状況等によっては市況下落の効果を直ちに業績に反映することができず、当社グループの業績の改善に寄与しない可能性があります。
⑨為替変動に関わるリスク
当社グループは、日本国外においても事業を展開しており、外貨建により、収益の一部を受領し費用の一部を支払っています。特に当社グループにおける最大の費用である航空機燃料の価格の大半は米ドルに連動した金額となることから、当社グループにおいては米ドルの為替変動による影響は収益よりも費用が大きくなっております。これら為替変動による収支変動を軽減する目的で、収入で得た外貨は外貨建の支出に充当することを基本とし、加えてデリバティブ取引を行っております。また航空機価格の大半は米ドルに連動した金額となることから、資産計上額および減価償却費が為替変動により増減するリスクがあります。これら為替変動によるリスクを軽減する目的で為替取得機会の分散を図るべくデリバティブ取引を行っております。
⑩災害に関わるリスク
当社グループの航空機の利用者の過半数は羽田空港および成田空港を発着する航空機をご利用になっており、当社グループの航空運送事業における羽田・成田両空港の位置付けは極めて重要です。また、当社グループの運航管理・予約管理等、航空機の運航に重要な情報システムセンターは東京地区に設置されており、全世界の航空機の運航管理やスケジュールを統制する「オペレーションコントロールセンター」も東京地区に設置しています。そのため、東京地区において大規模な震災や火山の噴火等が発生した場合もしくは当該重要施設において火災やテロ攻撃等の災害が発生し、羽田・成田両空港の長期間閉鎖や、当社グループの情報システムやオペレーション機能が長期間停止した場合、当社グループの経営に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑪航空安全の信頼に関わるリスク
当社グループでは、航空機の運航の安全性の確保のため、日々様々な取組みを実施しておりますが、ひとたび航空機墜落による死亡事故を発生させてしまった場合、当社グループの運航の安全性に対する顧客の信頼および社会的評価が失墜するだけでなく、死傷した旅客等への補償等に対応しなければならないことから、事業そのものの継続が極めて困難な状況に陥る可能性があります。また、当社グループが運航する型式の航空機や当社のコードシェア便において安全問題が発生した場合、当社グループの運航の安全性に対する顧客の信頼および社会的評価が低下し、当社グループの業績に極めて深刻な影響を与える可能性があります。なお、航空事故に伴う各種損害の軽減、ならびに被災者への確実な賠償を行う目的で、現在業界水準と同程度の補償額・補償範囲の損害賠償保険に加入しております。
⑫法的規制に関わるリスク
当社グループの事業は、様々な側面において、国際的な規制ならびに政府および地方自治体レベルの法令および規則に基づく規制に服しています。これらの規制の変化等により、当社グループの事業がさらに規制され、また、大幅な費用の増加が必要となる可能性があります。
(イ)耐空性改善通報等
航空機の運航の安全性を著しく損なう技術的な問題が発生した場合、法令に基づき国土交通大臣から耐空性改善通報等が発出され、安全性が確認されるまでは該当する航空機の運航が認められなくなる場合があります。また、法令に基づく耐空性改善通報等が発出されない場合であっても、社内規程等に従い、自主的に該当する航空機の運航を見合わせることがあります。当社が重点的に導入を進めているボーイング787型を含め、当社グループの航空機にこのような事態が発生した場合、当社グループの航空機の運航に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(ロ)航空運送事業に関わる法令等
当社グループは、航空運送事業者として航空事業関連法令等の定めに基づき事業を行っております。また国際線においては、二国間航空協定を含む条約その他の国際的取り極めに則った事業運営が求められております。さらに、航空運送事業においては、運賃および料金の設定につき、独占禁止法その他諸外国の類似の法令の制約を受ける場合があります。また、今後、羽田空港・成田空港の発着枠の割当てや運航開始時期等が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(ハ)環境規制等
近年、温暖化防止を始めとした地球環境に係わる企業の社会的責任が高まるなか、CO2排出量、騒音、有害物質等に関する環境規制が強化されています。今後、国際航空分野での全世界的規模での経済的手法の導入、温室効果ガス排出への課金等の環境規制のさらなる強化等が行われた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(ニ)公租公課等
航空事業に関する公租公課等には、着陸料、航行援助施設利用料、航空機燃料税等があります。これら着陸料、航行援助施設利用料、航空機燃料税等については、今後、各国政府の財政事情や運輸行政の方向性によっては、軽減措置の廃止や公租公課の大幅な値上げが行われる可能性は否定できません。このような場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑬訴訟に関わるリスク
当社グループは事業活動に関して各種の訴訟に巻き込まれるおそれがあり、これらが当社グループの事業または業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は以下の事象において訴訟の提起等を受けており、以下の事態の進展によっては、追加的な支出や引当金の計上により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
オランダ等において、荷主が航空貨物カルテルにより損害を受けたとして、当社を含む複数の航空会社を提訴しております。独禁法関連引当金に関しては、将来発生しうる損失の蓋然性と金額について合理的に見積もることが可能なものについては、将来発生しうる損失の見積額を引当金として計上しております。
⑭当社グループの第三者への依存に関わるリスク
当社グループの業務は、整備業者、空港職員、航空保安官、燃油取扱業者、手荷物取扱者、民間警備会社等の第三者の提供するサービスに一定程度依存しています。
⑮IT(情報システム)に関するリスク
当社グループは、当社グループの業務の多くを情報システムに依存しています。コンピュータ・プログラムの不具合やコンピュータ・ウィルス等によって当社グループの情報システムに様々な障害が生じる場合には、重要なデータを喪失し、修復等のために当社グループの費用が増加する等、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。また、情報システムを支える電力等のインフラに大規模な障害が発生した場合、当社グループの業務に重大な支障をきたす可能性があります。
⑯資金調達に関わるリスク
当社グループは、機材更新を目的とした航空機の購入や客室改修および基幹システムの刷新を実施しており、その資金需要に応じる為に金融機関や市場からの資金調達を行う可能性があります。当社グループの資金調達能力や資金調達コストについては、金融市場の動向や当社グループの信用力により変動する可能性があります。金融市場の動向や当社グループの信用力が悪化した場合、また政府系金融機関等の制度変更が行われた場合には、資金調達コストの上昇を招く可能性があります。
⑰顧客情報の取扱いに関するリスク
当社グループが保有する顧客の個人情報が取り扱い不備または不正アクセス等により漏洩した場合には、当社グループは損害賠償義務や行政措置に服さなければならない可能性があります。このような事態が生じた場合には、当社グループの事業、システムまたはブランドに対する社会的評価が傷つけられ、顧客および市場の信頼が低下して、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑱人材確保に関するリスク
当社グループの事業運営には、航空機の運航に関連して法律上要求される国家資格を始めとする各種の資格や技能を有する人材の確保が必要ですが、当社グループの従業員がその業務に必要なこれらの資格や技能を取得するまでには相応の期間を要することから、当社が想定する人員体制を必要な時期に確保できない場合には、当社グループの事業運営が影響を受ける可能性があります。
⑲人事・労務に関するリスク
当社グループの従業員の多くは労働組合に所属しておりますが、当社グループの従業員による集団的なストライキ等の労働争議が発生した場合には、当社グループの航空機の運航が影響を受ける可能性があります。
重要な契約の内容
|
会社名 |
契約の名称または種類 |
契約の内容 |
契約相手先 |
締結年月 |
契約期間 |
国名 |
|
日本航空株式会社 |
航空機調達契約 (注) |
ボーイング社製787型航空機の発注に関する契約 |
ザ・ボーイング・カンパニー |
平成17年 5月 |
- |
米国 |
|
アライアンス |
世界的な航空連合であるワンワールドへの加盟に際し、基本的な規約事項を定めた契約 |
ワンワールドマネジメントカンパニー及び加盟各社 |
平成19年 4月 |
解約しない限り継続 |
米国 |
|
|
アメリカン航空との共同事業 |
アメリカン航空との包括的な業務提携に関する契約 |
アメリカン航空 |
平成22年 2月 |
平成29年6月(当初期間より19か月延長) |
米国 |
|
|
航空機調達契約 (注) |
エアバス社製A350型航空機の発注に関する契約 |
エアバス |
平成25年 10月 |
- |
仏国 |
|
|
ブリティッシュ・エアウェイズ及びフィンランド航空との共同事業 |
ブリティッシュ・エアウェイズ及びフィンランド航空との包括的な業務提携に関する契約 |
ブリティッシュ・エアウェイズ及びフィンランド航空 |
平成25年 12月 |
当初5年間は解約不可 |
英国 フィンランド |
|
|
航空機調達契約 (注) |
三菱航空機社製MRJ90型航空機の発注に関する契約 |
三菱航空機株式会社 |
平成27年 1月 |
- |
日本 |
(注)当該契約に基づく航空機の調達については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載しております。
「研究開発費等に係る会計基準」に合致する研究開発費を発生させる活動はありません。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
なお、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号 平成25年9月13日)第39項に掲げられた定め等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たり、経営者の判断に基づく会計方針の選択と適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となりますが、その判断及び見積りに関しては連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しております。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性が伴うことから、これら見積りと異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(2)経営成績の分析
営業損益
当連結会計年度は、収入面では、国際線は海外発需要が好調であったこと、また国内線は団体旅客数の増加、需要喚起型運賃の拡充を図りましたが、営業収益は1兆3,366億円(前年同期比0.6%減少)となりました。費用面では、為替の円安影響および商品サービス強化のための費用等が増加となった一方、前連結会計年度から引き続き部門別採算制度等を通じて費用削減に取り組み、営業費用全体としては1兆1,274億円(前年同期比3.2%減少)となりました。以上の結果、営業利益は2,091億円(前年同期比16.4%増加)となりました。
営業外損益~親会社株主に帰属する当期純利益
航空機材売却益の計上等により、経常利益は2,092億円(前年同期比19.4%増加)となりました。
法人税等の計上等により、親会社株主に帰属する当期純利益は1,744億円(前年同期比17.1%増加)となりました。
(3)財政状態の分析
資産
当期末の資産につきましては、航空機の購入や航空機前払金の支払いなどを主因として前期末比1,055億円増加し、1兆5,789億円となりました。
負債
負債につきましては、退職給付に係る負債446億円の増加等により、前期末比357億円増加の7,083億円となりました。
純資産
純資産につきましては、その他の包括利益累計額の減少や配当金の支払いの一方、親会社株主に帰属する当期純利益の計上を主因として、前期末比698億円増加の8,705億円となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益2,073億円に減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減算等を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フロー(インフロー)は3,123億円(前年同期比512億円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
固定資産の取得による支出を主因として、投資活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は△2,889億円(前年同期比583億円の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払いや有利子負債の返済を行ったことから、財務活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は△496億円(前年同期比176億円の減少)となりました。
以上の結果、当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末比263億円減少して929億円となりました。
(5)経営者の問題意識と今後の方針
当社グループが主たる事業領域としている航空市場は、経済活動のグローバル化によって、中長期的には拡大基調にあり、特にアジア市場は、世界の航空市場のなかでも成長性が高く、ウェイトも大きくなってきています。しかしながら、自然災害、戦争やテロ、疫病の発生等のさまざまな要因によって、短期的には需要が大きく変動するリスクがあります。
今後想定される大きな環境変化を乗り越え、競争に勝ち抜き、永続的に存続・発展していくため、航空会社にとっての存立基盤である安全運航を基本とし、競争力あるユニットコストをベースに、国内、国際のネットワークを拡充することにより、成長する世界の航空需要を取り込むべく、お客さまが常に新鮮な感動を得られるようなサービスを提供してまいります。
当社グループでは、「JALグループは、全社員の物心両面の幸福を追求し、一、お客さまに最高のサービスを提供します。一、企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献します。」という企業理念を掲げており、フルサービスネットワークキャリアとして企業理念の実現をめざします。そのため、事業環境の変化に配慮しながら、事業リスクを極小化しつつ、当社グループの持つ強みを活かして高付加価値を提供することにより旅客の獲得に力を入れると同時に、他社との提携等を活用して新たな需要の取り込みにも努め、企業価値の向上に努めてまいります。
国内旅客事業については、国内人口の減少や少子高齢化の進展により国内旅客総需要が大きく伸びないことが見込まれる中、LCCの拡大、新幹線網の整備など競争環境は厳しくなることが予想されます。このような環境のもと、当社グループは、定時性や航空機の客室改修をはじめとする商品サービスの改善により、競争力の向上を図ってまいります。また、空港における手続きの簡素化を進め、使い勝手のよい運賃体系を揃えることで顧客利便性を向上させ、他社及び他の輸送手段に対抗してまいります。さらに、訪日外国人を地方に呼び込む取り組みに公共交通機関として貢献するとともに、その旺盛な需要を確実に取り込んでまいります。
国際旅客事業については、外部環境による需要変動が国内線よりも大きいうえに、LCCを含めた国内外の航空会社の供給拡大に伴い、競争環境は厳しさを増してくるものと想定されます。このような環境において、運航性能・商品競争力の優れたボーイング787型航空機を拡充するとともに、既存航空機の客室を改修して商品競争力を高め、収益性が高い欧米等の中長距離路線へ経営資源を集中的に投入することで事業リスクを極小化しながら、利便性の高いネットワークを構築してまいります。また、ワンワールドアライアンスや、アメリカン航空との太平洋路線における共同事業、ブリティッシュ・エアウェイズおよびフィンエアーとの欧州路線における共同事業を活用し、競争力を強化してまいります。
また、高収益な企業体質を維持するため、安全品質の確保を大前提として、費用効率化への取り組みも継続して行い、コスト競争力の維持向上にも努めてまいります。
今後も拡大が予想されるLCCへの対応については、快適性、信頼性、定時性を基本としたきめ細やかで上質なサービスを提供し、高単価の旅客需要が見込める路線へ経営資源の選択と集中を進めることでLCCとの価格競争とは一線を画してまいります。一方、LCCの提供する低運賃により新たな市場の開拓や、より価格選好性の強い顧客層や航空以外の輸送モードからの転移等による新たな需要の創出が見込まれることから、LCCにおいて実績のある豪ジェットスター等と設立したジェットスター・ジャパンへ出資しております。
当社グループは、公共交通機関としての社会的な使命と、公的な支援を含む多くのステークホルダーのご理解とご協力のもと企業再生を進めることができたことを常に認識し、一層の事業・財務体質の強化を推進すると共に、企業理念で掲げる「社会の進歩発展への貢献」に向け、当社ならではの社会貢献活動に努めてまいります。