第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更があった事項は、次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものである。

(1) 運航リスク

①航空機事故等

当社グループ運航便及びコードシェア便で航空機事故が発生した場合、当社グループに対するお客様の信頼や社会的評価が失墜し、事故直後から中長期的に需要が低下して当社グループの経営に大きな影響を及ぼす可能性がある。

また、他社において大規模な航空機事故が発生した場合においても、同様に航空需要が低下して当社グループの経営に影響を及ぼす可能性がある。なお、航空機事故が発生した場合、損害賠償や運航機材の修復・買換え等に多額の費用が発生するが、これらの直接的費用のすべてが航空保険にて填補されるわけではない。

(2) 顧客等の個人情報漏洩リスク

当社グループは、ANAマイレージクラブの会員数約2,945万人(平成28年3月末日現在)に関わる会員情報をはじめ、膨大な顧客等に関する情報を保持しており、個人情報保護法やその他諸外国の類似法令により、これらの個人情報を適切に管理することが求められている。当社グループでは、プライバシーポリシーを定め、個人情報の取扱いに関する当社グループの姿勢・考え方を広くお客様に告知するとともに、システム対策を含め情報セキュリティについては想定しうる対策を講じている。また、セキュリティホールをなくすべく、業務手順の改定やシステム改修を継続的に実施しているが、不正アクセスや業務上の過失等、何らかの原因により大規模な個人情報漏洩事故が発生した場合、多額の損害賠償費用が発生し、また、信用失墜により、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性がある。

 

2【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、新たに締結した重要な契約等はない

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものである。

 

(1) 業績の状況

連結経営成績

前第2四半期連結累計期間

(自 平成27年4月1日

至 平成27年9月30日)

(億円)

当第2四半期連結累計期間

(自 平成28年4月1日

至 平成28年9月30日)

(億円)

前年同期比

増減率

 

(%)

売上高

9,112

8,849

△2.9

航空事業

7,880

7,691

△2.4

航空関連事業

1,144

1,277

11.6

旅行事業

884

824

△6.8

商社事業

715

689

△3.7

その他

161

166

3.2

セグメント間取引

△1,675

△1,799

営業利益

867

895

3.2

航空事業

811

847

4.4

航空関連事業

42

53

24.7

旅行事業

28

20

△28.6

商社事業

30

26

△13.9

その他

6

7

9.8

セグメント間取引

△52

△59

経常利益

829

834

0.6

親会社株主に帰属する四半期純利益

539

574

6.4

※ 下記(注)1、2、3参照。

当第2四半期連結累計期間(平成28年4月1日~平成28年9月30日(以下、「当第2四半期」という。))のわが国経済は、設備投資の持ち直しの動きに足踏みが見られる等、このところ弱さも見られるが、総じてみれば個人消費が底堅い動きとなる等、緩やかな回復基調が続いた。先行きについては、海外景気の下振れや、英国のEU離脱問題に伴う海外経済の不確実性の高まり等、景気を下押しするリスクがあるものの、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあり、緩やかに回復していくことが期待されている。

このような経済情勢の下、航空事業等が減収となったため、売上高は8,849億円となったが、費用の抑制に努めたこと等から、営業利益は895億円、経常利益は834億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は574億円となった。

当第2四半期におけるセグメント別の概況は、以下のとおりである。

セグメント別の概況

◎航空事業

売上高7,691億円(前年同期比2.4%減) 営業利益847億円(同4.4%増)

 

国際線において事業規模を拡大したこと等に伴い、旅客数は堅調に推移したものの、円高の影響による外貨建て収入の減少、燃油価格の下落に伴う燃油特別付加運賃収入の減少、熊本地震の影響等により、航空事業の売上高は前年同期を下回った。一方、円高の影響や燃油価格の下落によって費用が減少したことに加え、事業規模を拡大する中でも着実にコストマネジメント等を通じて費用抑制に努めた結果、営業利益は前年同期を上回った。

なお、当社グループは、英国スカイトラックス社による2016年ワールド・エアライン・アワードにて、昨年に引き続き、「空港サービス全般」と「アジアを拠点とする航空会社の空港スタッフと客室乗務員によるお客様へのサービス品質」の2部門で、最も優秀なエアラインに選ばれた。

また、すべてのお客様に優しく、わかりやすい空港カウンターをめざして羽田空港第2ターミナル出発カウンターをリニューアルした結果、ANAとしては5度目となる「グッドデザイン賞」を受賞した。

 

<国内線旅客>

項 目

前第2四半期連結累計期間

(自 平成27年4月1日

至 平成27年9月30日)

当第2四半期連結累計期間

(自 平成28年4月1日

至 平成28年9月30日)

前年同期比

増減率

(%)

旅客収入

(億円)

3,532

3,474

△1.7

旅客数

(人)

21,551,174

21,520,124

△0.1

座席キロ

(千席キロ)

30,307,342

30,225,313

△0.3

旅客キロ

(千人キロ)

19,433,018

19,526,846

0.5

利用率

(%)

64.1

64.6

0.5

※ 下記(注)3、4、5、8、9、13、14参照。

国内線旅客は、需要動向に応じた「旅割タイムセール」を実施し、運賃を柔軟に設定したものの、熊本地震やシルバーウィークの日並びの影響を受けたこと等から、旅客数、単価がともに前年同期を下回った結果、収入は前年同期を下回った。

路線ネットワークでは、サマーダイヤより羽田=宮古線を新規開設した他、夏季の一部期間において羽田=沖縄線の深夜便(「ギャラクシーフライト」)を運航する等、需要の取り込みを図った。また、予約状況に応じて従来よりも更にきめ細かく機材の入れ替えを行う「ピタッとフリート」の運用を継続し、座席利用率の向上を図った。その他、公共交通機関としての使命を果たすべく、熊本地震の際に合計175便の臨時便を運航したことに加え、9月には札幌=釧路線の臨時便を設定し、台風の被災地域における交通アクセスの確保を図った。

営業面では、九州における観光産業の早期復興に向けた「九州ふっこう割」制度を活用した旅行商品を充実させたことにより、九州路線の需要喚起に努めた。

サービス面では、9月にウェブサイト(ANA SKY WEB)及びモバイル用サイト(ANA SKY MOBILE)の国内線予約をリニューアルし、視認性や操作性のより一層の向上に努めた。

 

<国際線旅客>

項 目

前第2四半期連結累計期間

(自 平成27年4月1日

至 平成27年9月30日)

当第2四半期連結累計期間

(自 平成28年4月1日

至 平成28年9月30日)

前年同期比

増減率

(%)

旅客収入

(億円)

2,596

2,591

△0.2

旅客数

(人)

4,062,846

4,479,981

10.3

座席キロ

(千席キロ)

26,333,732

29,458,530

11.9

旅客キロ

(千人キロ)

19,984,546

22,309,183

11.6

利用率

(%)

75.9

75.7

△0.2

※下記(注)3、5、8、9、13、14参照。

国際線旅客は、日本発欧州線のプレジャー需要においてテロの影響が引き続き残ったものの、北米線、欧州線、アジア線を中心にビジネス需要が堅調に推移したことに加え、全方面からの海外発需要が旺盛であったこと等から、旅客数は前年同期を上回った。一方、円高の影響による外貨建て収入の減少や、燃油価格の下落に伴う燃油特別付加運賃収入の減少等により、収入は前年同期を下回った。

路線ネットワークでは、4月より成田=武漢線を新規開設した他、9月より日本から唯一の直行便となる成田=プノンペン線を新規開設し、アジアのネットワークを強化した。

営業面では、需給環境が悪化している中国線を中心として、訪日需要を喚起するために海外発割引運賃を設定し、プレジャー需要の取り込みを図った。また、フランス・スペイン・ベルギー等にて欧州発プロモーション運賃の宣伝を行い、旺盛な訪日需要の取り込みに努めた。

サービス面では、東南アジア路線を中心とする中距離国際線のビジネスクラスに、フルフラット・シートの「ANAビジネス・スタッガード」を導入する等、プロダクト品質の向上に努めた。

 

<貨物>

項 目

前第2四半期連結累計期間

(自 平成27年4月1日

至 平成27年9月30日)

当第2四半期連結累計期間

(自 平成28年4月1日

至 平成28年9月30日)

前年同期比

増減率

(%)

国内線

 

 

 

 

貨物収入

(億円)

155

150

△3.0

有効貨物トンキロ

(千トンキロ)

953,800

921,771

△3.4

貨物輸送重量

(トン)

228,843

222,579

△2.7

貨物トンキロ

(千トンキロ)

230,324

225,621

△2.0

郵便収入

(億円)

17

16

△6.7

郵便輸送重量

(トン)

16,939

16,229

△4.2

郵便トンキロ

(千トンキロ)

16,231

15,821

△2.5

貨物重量利用率

(%)

25.8

26.2

0.3

国際線

 

 

 

 

貨物収入

(億円)

583

418

△28.3

有効貨物トンキロ

(千トンキロ)

2,957,913

3,267,578

10.5

貨物輸送重量

(トン)

396,181

457,242

15.4

貨物トンキロ

(千トンキロ)

1,702,003

1,999,275

17.5

郵便収入

(億円)

32

22

△29.6

郵便輸送重量

(トン)

15,984

13,698

△14.3

郵便トンキロ

(千トンキロ)

66,650

60,591

△9.1

貨物重量利用率

(%)

59.8

63.0

3.2

※ 下記(注)3、5、6、7、10、11、12、13、15参照。

国内線貨物は、宅配貨物を中心に需要の取り込みを図ったが、天候不順により北海道発の貨物取扱いが減少する等、航空貨物需要全体が低調に推移したことから、輸送重量・収入ともに前年同期を下回った。

国際線貨物は、マーケットが回復基調にある中、日本発アジア・中国向け、アジア・中国発日本向けの貨物需要を取り込んだことに加え、電子機器や自動車部品を中心としたアジア・中国発北米向けの三国間輸送貨物等の需要を取り込んだ結果、輸送重量は前年同期を上回るとともに、9月単月で過去最高を記録した。一方、円高基調の継続並びに需給環境の悪化に伴う単価の下落、代理店向けの「国際貨物販売手数料」を廃止して収入と費用を相殺したこと等の影響により、収入は前年同期を下回った。

 

<その他>

航空事業におけるその他の収入は1,016億円(前年同期961億円、前年同期比5.7%増)となった。なお、航空事業におけるその他には、マイレージ附帯収入、バニラ・エア株式会社の収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれている。

バニラ・エア株式会社では、4月から関西=台北(桃園)線、9月から台北(桃園)=ホーチミン線及び沖縄=台北(桃園)線を新規開設し、8月の高需要期には成田=高雄線、成田=奄美大島線を増便した。また、キャンペーン運賃を設定すること等によって、需要の取り込みを図った他、アジア・オセアニア地域のLCC7社と共同で、世界初となるLCCアライアンス「バリューアライアンス」を設立した。バニラ・エア株式会社の当第2四半期における輸送実績は、旅客数は1,016千人(前年同期比13.3%増)、座席キロは1,994,016千席キロ(同15.6%増)、旅客キロは1,726,305千人キロ(同15.5%増)、利用率は86.6%(前年同期差0.1%減)となった。

 

◎航空関連事業

売上高1,277億円(前年同期比11.6%増) 営業利益53億円(同24.7%増)

羽田空港、中部空港及び那覇空港における旅客の搭乗受付や手荷物搭載等の空港地上支援業務の受託が増加したこと等により、売上高は前年同期比11.6%増となった。

 

◎旅行事業

売上高824億円(前年同期比6.8%減) 営業利益20億円(同28.6%減)

国内旅行、海外旅行ともに需要が伸び悩んだことにより、売上高は前年同期比6.8%減となった。

 

国内旅行は、ダイナミックパッケージ商品「旅作」において、プロモーション強化による需要の早期取り込みと「九州ふっこう割クーポン」の効果等により取扱高が堅調に推移したものの、主力商品の「ANAスカイホリデー」では、熊本地震の影響によって九州方面の取扱高が減少したことや、主要の北海道方面、関東方面の集客が伸び悩んだこと等により、売上高は前年同期を下回った。

海外旅行は、羽田=シドニー線を利用したオーストラリア方面の販売は好調であったが、テロの影響により、欧州方面の「ANAハローツアー」の取扱高が減少したこと等から、売上高は前年同期を下回った。

また、訪日旅行については、他社との競争激化により、取扱高は前年同期を下回った。

 

◎商社事業

売上高689億円(前年同期比3.7%減) 営業利益26億円(同13.9%減)

リテール部門、食品部門及び航空・電子部門ともに売上が減少したこと等から、売上高は前年同期比3.7%減となった。

 

リテール部門では、空港物販店「ANA FESTA」の販売が堅調に推移したものの、空港免税店「ANA DUTY FREE SHOP」において、前年好調であった訪日外国人への販売が伸び悩んだこと等により、売上高は前年同期を下回った。

また、食品部門では、主力商品であるバナナの取扱額は堅調に推移したが、ナッツ等の加工食品の取扱額の減少等により、売上高は前年同期を下回った。

航空・電子部門では、円高の影響等により、売上高は前年同期を下回った。

 

◎その他

売上高166億円(前年同期比3.2%増) 営業利益7億円(同9.8%増)

不動産関連事業が好調に推移したこと等により、売上高は前年同期比3.2%増となった。

 

(注) 1.セグメント内の内訳は内部管理上採用している区分によっている。

2.各セグメントの売上高はセグメント間の売上高を含み、営業利益はセグメント利益に該当する。

3.上記の金額には、消費税等は含まない。

4.国内線旅客実績にはアイベックスエアラインズ株式会社、株式会社AIRDO、株式会社ソラシドエア(平成27年12月1日付でスカイネットアジア航空株式会社から商号変更)及び株式会社スターフライヤーとのコードシェア便実績を含む。

5.国内線、国際線ともに不定期便実績を除く。

6.国内線貨物及び郵便実績には、株式会社AIRDO、株式会社ソラシドエア(平成27年12月1日付でスカイネットアジア航空株式会社から商号変更)、オリエンタルエアブリッジ株式会社及び株式会社スターフライヤーとのコードシェア便実績及びエアラインチャーター便実績を含む。なお、郵便の地上輸送実績は当期より加算することとしたため、前年同期の実績にも郵便の地上輸送実績を加算している。

7.国際線貨物及び郵便実績には、コードシェア便実績、エアラインチャーター便実績、ブロック・スペース契約締結便実績及び地上輸送実績を含む。

8.座席キロは、各路線各区間の有効座席数(席)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計。

9.旅客キロは、各路線各区間の旅客数(人)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計。

10.有効貨物トンキロは、各路線各区間の有効貨物重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計。なお、旅客便については、床下貨物室(ベリー)の有効貨物重量に各区間距離を乗じている。また、床下貨物室の有効貨物重量には、貨物・郵便の他、搭乗旅客から預かる手荷物搭載の有効搭載重量も含まれている。

11.貨物トンキロ及び郵便トンキロは、各路線各区間の輸送重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計。

12.貨物重量利用率は、貨物トンキロと郵便トンキロの合計を有効貨物トンキロで除した数値。

13.利用率及び貨物重量利用率については、「前年同期比増減率(%)」の欄に前期差(%)を記載している。

14.バニラ・エア株式会社の実績は含まない。

15.バニラ・エア株式会社は貨物・郵便の取扱いをしていない。

 

(2) 財政状態

資産の部は、デリバティブ資産が減少した一方、航空機等の取得による固定資産の増加等により、総資産は前期末に比べて240億円増加し、2兆2,528億円となった。

負債の部は、社債の発行及び新規借入による資金調達を実施した一方で、借入金の返済や法人税等の支払いにより、前期末に比べて40億円減少し、1兆4,298億円となった。なお、有利子負債は、前期末に比べて346億円増加し、7,385億円となった。

純資産の部は、繰延ヘッジ損益が減少した一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加等により、純資産合計は前期末に比べて280億円増加し、8,229億円となった。この結果、自己資本比率は36.3%となった。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第2四半期の税金等調整前四半期純利益836億円に減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減算を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは1,137億円の収入となった。

投資活動においては、航空機・部品等の取得及び導入予定機材の前払いによる支出などにより、投資活動によるキャッシュ・フローは1,153億円の支出となった。これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは15億円の支出となった。

財務活動においては、借入金の返済や配当金の支払いを行う一方で、社債の発行、長期借入による資金調達を行ったことから財務活動によるキャッシュ・フローは145億円の収入となった。

以上の結果、当第2四半期末における現金及び現金同等物は、前期末に比べて84億円増加し、2,735億円となった。

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はない。

(5) 研究開発活動

 航空事業セグメントにおいては、より安全で快適かつ効率的な航空運送サービスを提供するための多様な改良・改善活動を推進している。

 また、航空事業をはじめ各セグメントにおける事業活動が及ぼす環境負荷の逓減活動も推進している。

 なお、上記活動に関して「研究開発費等に係る会計基準」に定義する研究開発費に該当するものはない。

 

(6) 従業員数

 当第2四半期連結累計期間において、新たにANA沖縄空港株式会社を連結子会社としたこと等に伴い、航空関連事業の従業員数は、前連結会計年度末と比べて2,191名増加し、18,180名となった。

 なお、従業員数は就業人員数(当社及びその連結子会社から連結子会社外への出向者を除き、連結子会社外から当社及びその連結子会社への出向者を含む。)である。