第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

当社グループは、グループの使命・存在意義である経営理念として「安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で夢にあふれる未来に貢献します」を掲げています。経営の基盤である安全を堅持しつつ、数あるエアライングループのなかで、お客様に選ばれ、世界の航空業界をリードする確固たる地位を築くことを目指し、グループ経営ビジョンとして「ANAグループは、お客様満足と価値創造で世界のリーディングエアライングループを目指します」と定めております。

 

(2) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

航空業界は、日本経済の緩やかな回復基調や訪日外国人の増加、米国の景気回復基調ならびにアジアの経済成長等を背景とした航空需要の拡大が見込まれる一方で、為替や原油市況の急激な変動、英国のEUからの離脱、米国における保護主義の台頭、地政学リスク、エアライン間や他交通機関との競争激化等、対処すべき課題の多い環境下におかれています。

東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される2020年、そしてその先の持続的な成長の実現に向けて、新たな5年間の成長戦略として、2018年2月に「2018-2022年度ANAグループ中期経営戦略」を策定しました。首都圏空港の発着枠拡大や訪日外国人の増加を契機として、世界中のすべてのお客様をダントツの品質でおもてなしをし、グローバルでの知名度を向上させるとともに、CO2排出量の削減を始めとした環境問題への対応や観光立国・地方創生・超スマート社会(Society5.0)の実現等に貢献することによって企業価値を高めていきます。エアライングループの事業を通じて、「社会的価値」と「経済的価値」の両立・創造を実現し、世界のリーディングエアライングループとしての地位を確立するとともに、日本と世界の発展に寄与していきます。

 

① 戦略の全体像

「2018-2022年度ANAグループ中期経営戦略」では、安全の堅持を大前提に、「エアライン収益基盤の拡充と最適ポートフォリオの追求」、「既存事業の選択・集中と新たな事業ドメインの創造」を戦略の柱に掲げるとともに、「オープンイノベーションとICT技術」を活用し、持続的利益成長を実現してまいります。経営目標としては、2018年度は売上高2兆400億円、営業利益1,650億円、2022年度には売上高2兆4,500億円、営業利益2,200億円規模を目指してまいります。

 

② 戦略の骨子

1)エアライン収益基盤の拡充と最適ポートフォリオの追求

 FSC(フルサービスキャリア)事業及びLCC事業それぞれが基本品質の向上に努めるとともに、あらゆる顧客層をターゲットにブランド訴求力を高めていくことで、収益基盤を拡大させていきます。持続的利益成長の実現に向けて、今後はエアライン事業領域において最適なポートフォリオを追求していくことにより、連結収益の最大化を目指してまいります。

(ⅰ)FSC事業

・ANA国際線旅客事業は、首都圏空港の発着枠拡大を背景に、首都圏デュアルハブの完成型を目指して、“世界をつなぐ”ための積極的な路線展開を行います。日本発着及び日本経由三国間の旅客需要を確実に取り込むとともに、未就航エリアへの路線拡大、海外エアラインとの提携を進化させていきます。また、競争力ある新たなプロダクト・サービスを順次展開していくとともに、リゾート路線を強化してプレジャー需要の取り込みを推進することにより、グループ収益の拡大を牽引します。

・ANA国内線旅客事業は、市場シェアを堅持するとともに、収益基盤の維持・向上を図ります。プロダクト・サービスを強化していくとともに、機材の小型化による需給適合や運賃のイールドマネジメントを推進してまいります。また、ミレニアル世代や訪日外国人による国内線利用を促進することにより、需要の底上げを図ります。

・貨物事業は、中長期的に需要の拡大が見込まれるアジア=北米間への大型フレイターの導入に加えて、拡大する旅客便ネットワークとの相乗効果により伸び行く需要を積極的に獲得します。沖縄貨物ハブについてはアジア域内の航空貨物流動を的確に見極めて常に最適なネットワークを構築します。首都圏・沖縄貨物ハブの両機能を最大限活用し、成長を加速していきます。

(ⅱ)LCC事業

 2019年度末を目途としてグループ内のLCCであるPeach・Aviation㈱とバニラ・エア㈱の2社を統合し、国内における需要の開拓、旺盛な訪日需要の獲得をさらに推し進めます。両社が持つお互いの強みを融合することで、「第4のコア」事業としてANAグループ全体の事業領域を拡大していきます。さらに2020年度を目途に中距離LCC領域へと進出し、日本とアジアをつなぐ路線ネットワークの更なる拡充を図ることで、アジアを代表するリーディングLCCを目指していきます。

 

2)既存事業の選択・集中と新たな事業ドメインの創造(ノンエア事業)

(ⅰ)既存事業の選択と集中

 成長が見込まれる領域については、経営資源の再配分、投資を加速させながら規模や収益を拡大していきます。一方で低収益事業については市場動向などを見極めながら再編等を行うことでノンエア事業のポートフォリオを再構築し、持続的な成長サイクルの確立へつなげていきます。

(ⅱ)新たな事業ドメインの創造

 2016年度に設立した「ANA X㈱(エーエヌエーエックス)」を中心に、ANAグループが有するデータ等を分析・活用することで新たな価値を創造し、「ANA経済圏」を拡大するなど、当社グループがこれまで積み上げてきたブランド力、ノウハウ、技術などの有形・無形資産と新しい技術との融合を図り、ノンエア事業においても収益の拡大につなげていきます。

3)社会的価値と経済的価値の同時創造

 地球環境や社会が抱える課題への対応が企業の長期的な成長に大きな影響を及ぼすなか、経営理念である「安心」と「信頼」を基礎としながら、「経済的価値」と「社会的価値」を同時に創出していくことを目指しております。

 ANAグループでは、その具体的な取り組みとして、事業戦略や社会動向を踏まえ、社内外のステークホルダーへ配慮しつつ、「環境」「人権・ダイバーシティ&インクルージョン」「地域創生」を経営における重要課題(マテリアリティ)として特定しました。グローバルレベルの観点から国際基準に基づき、持続可能な開発目標(SDGs)をはじめとする国際的な目標も意識しながら活動を推進していきます。

 「環境」についてはCO2排出量の削減のため、低燃費航空機の導入、並びにバイオジェット燃料導入の取り組み等を行っております。「人権・ダイバーシティ&インクルージョン」では、「ビジネスと人権に関する国連指導原則」への対応や、お客様のダイバーシティに着目したサービスの開発・導入を推進しています。また「地域創生」については、ANAグループ内リソースを戦略的に活用し、国内では、訪日需要の取り込みや地域産品の宣伝・販売をはじめとした地域活性化支援事業等を行っており、海外就航地域では、当該地域の社会課題解決に向け、次世代教育や観光資源の保全等の社会貢献活動を積極的に行っております。

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 景気が低迷するリスク

航空産業は、景気動向の影響を受けやすい業界であり、国内外の景気が低迷すると、個人消費の落ち込みや企業収益の悪化による航空需要の低下を引き起こす可能性があります。なお、国際線(旅客・貨物)事業については、中国やその他アジア・北米を中心とした海外市場への依存度が高いため、当該地域の経済状況により、輸送人数・輸送重量の減少及び輸送単価の下落といった影響を受ける可能性があります。

 

(2) 経営戦略に関わるリスク

①フリート戦略に関わるリスク

 当社グループは、航空事業において、経済性の高い機材の導入、機種の統合、ならびに需給適合の深化を軸としたフリート戦略に則ってボーイング社、エアバス社、ボンバルディア社、三菱航空機㈱から航空機の導入を進めておりますが、納期が財務上その他の理由により遅延した場合、当社グループの事業に支障を及ぼす可能性があります。

 更に、かかる戦略は以下の要因により奏功せず、また、その所期する効果が減殺される可能性があります。

 1)ボーイング社への依存

 当社は、上記のフリート戦略に従って導入を計画している機材の多くをボーイング社に対して発注しています。したがって、ボーイング社が財政上その他の理由により当社又は同社製品の保守管理等を行う会社との間の契約を履行できない場合には、当社グループのフリート戦略に沿った機材の調達又は保守管理等ができず、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

 2)三菱航空機㈱による機材開発計画の進行遅延等

 当社は、三菱航空機㈱が開発中の「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の導入を決定しており、引き渡し時期は平成32年度半ばが予定されていますが、引き渡し時期の遅延が発生した場合には、当社グループの事業に支障をきたす可能性があります。

②発着枠に関わるリスク

 当社グループは、羽田空港・成田空港の発着枠拡大を最大のビジネスチャンスと捉え、各種投資や事業運営体制の整備を図っています。平成32年度(2020年度)を目途として、羽田空港の年間発着枠については、44.7万回から48.6万回へ、成田空港の年間発着枠については、30万回から34万回へ増加する見通しとなっておりますが、今後の首都圏における両空港(羽田・成田)の発着枠の割当て数や、時期等が当社グループの想定と異なった場合においては、当社グループの経営計画の達成に影響を及ぼす可能性があります。

③LCC事業に関わるリスク

 LCC事業については、当該事業進出の目的である新規航空需要の創出に至らないことや、国内外の他のLCCとの競争激化により、所期する効果が得られない可能性があります。また、運航乗務員数の不足や他社流出により、策定した事業計画が遂行できなくなる可能性があります。更には、海外を含めたLCCによる事故や不安全事象の発生により、LCCに対する顧客離れが起こる可能性もあります。

④投資に関するリスク

 当社グループは、更なる成長領域の拡大のために、新たな事業への進出あるいは他企業等への出資または企業買収を行うことがありますが、これら出資等が所期する効果を得られない可能性、各出資会社等の利害が一致せず、当社が適切と考える方法による合弁会社の運営ができない可能性、合弁会社の経営が悪化した場合に当社が経済的負担を負う可能性及び当社以外の出資会社等の経営悪化や同事業からの離脱の可能性があります。また、海外諸国や航空事業との関連性が低い事業への進出については、所期する効果を得ることが困難になる可能性があります。

 

 

(3) 原油価格変動によるリスク

航空機燃料は原油精製による製品のため、その価格は原油価格に連動する傾向があります。産油国での政情不安、新興国の急激な経済成長に伴う原油需要の増加、石油備蓄量または埋蔵量の低下、原油への投機的な投資行動、自然災害等の要因により原油価格が当社グループの予測を超えて変動した場合には、当社グループの経営に以下のような影響を及ぼす可能性があります。

①原油価格が上昇した場合のリスク

 原油価格が上昇すると、航空機燃料の価格も上昇するため、当社グループにとって大きな負担となります。このため、航空機燃料の価格変動リスクを抑制し、営業利益の安定化を図ることを目的として原油ならびにジェット燃料のコモディティ・デリバティブを利用して一定期間のうちに計画的、継続的にヘッジ取引を実施していますが、原油価格が短期間で高騰した場合、自助努力によるコスト削減や運賃及び料金等への転嫁には限界があるため、ヘッジポジションの状況等によっては価格高騰の影響を完全には回避できない可能性があります。

②原油価格が急落した場合のリスク

 当社グループは原油価格の変動に対してヘッジを実施しているため、原油価格が短期間で急落した場合、燃油サーチャージ収入が減少あるいは消滅する一方で、ヘッジポジションの状況等によっては燃油費が即座には減少せず、価格下落の効果を享受できない可能性があります。

 

(4) 新型インフルエンザ等の感染症に関わるリスク

新型インフルエンザをはじめ重大な感染症が発生・蔓延した場合の被害増大は、国際線のみならず全事業の需要減退リスクになり得ます。風評による顧客の航空利用の意欲の低下を含め、感染拡大や被害増大により、国内線及び国際線の利用客数が激減し、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。

また、感染力が強い新型インフルエンザ等が流行し、予想を超える社員・委託先での罹患者の大量発生や毒性の変化が生じ強毒化した場合等は、事業継続面で影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 為替変動によるリスク

当社グループは、外貨収入よりも外貨支出の方が多く、円安になった場合には収支に与える影響は少なくありません。為替相場変動による収支への影響を緩和するため、同種通貨間においては収入で得た外貨を可能な限り外貨建て支出に充当しつつ、航空機及び航空機燃料の調達に必要な外貨の一部については、円貨換算ベースでの支払額の平準化ならびに抑制を図ることを目的として先物為替予約及び通貨オプション取引を活用しております。しかし、為替相場が短期間で急激に円安になった場合、自助努力によるコスト削減や運賃及び料金等への転嫁には限界があるため、ヘッジポジションの状況等によっては当社グループの収支に影響を及ぼす可能性がある一方、為替相場が短期間で急激に円高になった場合、ヘッジポジションの状況等によっては燃油費が即座には減少せず、円高の効果を享受できない可能性があります。

 

(6) 国際情勢等の影響によるリスク

現在、当社グループは北米・欧州・中国・アジア方面を中心に国際線を展開しています。今後、当社グループ就航地域や事務所等の拠点が所在する地域で政情不安、国際紛争、大規模なテロ事件が発生した場合や、就航国との外交関係が悪化した場合等、当該地域路線の需要の減少等により当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 法的規制に関わるリスク

当社グループは、航空運送事業者として航空事業関連法規の定めに基づき事業運営を行っています。また、旅客・貨物を含めた国際線事業においては、条約、二国間協定、IATA(国際航空運送協会)及びICAO(国際民間航空機関)の決定事項その他の国際的取決めに従った事業運営が求められています。これらの規制により、当社グループの事業における運賃、飛行空域、運航スケジュール、安全管理等について様々な制約を受けます。更に、当社グループの事業は、運賃及び料金の設定につき独占禁止法その他諸外国の類似の法令の制約を受けることがあります。

 

 

(8) 訴訟に関わるリスク

当社グループは事業活動に関して各種の訴訟に巻き込まれるおそれがあり、これらが当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは以下の事象について、今後訴訟の提起等を受ける可能性があり、あわせて他の国及び地域においても同様の調査が開始される可能性があります。

米国における価格調整疑惑に関する件

米国司法省から提起されていた国際航空貨物・旅客輸送に関わる価格調整等の容疑については、諸般の事情を総合的に勘案した結果、司法取引に合意しておりますが、提起されている旅客輸送に関する集団民事訴訟については、現時点では詳細の分析は困難な状況です。

 

(9) 公租公課等に関わるリスク

航空事業に関する公租公課等として航空機燃料税や着陸料、航行援助施設利用料等があげられますが、航空機燃料税、着陸料及び航行援助施設利用料については現在、国の時限的な軽減措置を受けており、今後、軽減措置の縮小・廃止が行われた場合、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 環境規制に関わるリスク

近年、地球環境保全の一環として、航空機による騒音、温室効果ガス(CO2等)の排出量、環境汚染物質の使用ならびに処理、主な事業所におけるエネルギー使用等に関わる数多くの国内・海外法規制が導入、または強化されつつあります。当社グループは、これらの法規制を遵守するため多額のコストを負担していますが、2021年に向けて導入が決定されている国際的な温室効果ガスに関わる排出権取引スキーム、世界共通の環境税等の新たな規制が導入された際には、事業活動が制限され、または多額の追加的費用を負担しなければならない可能性があります。

 

(11) 航空業界を取り巻く環境のリスク

日本国内における航空政策あるいは地域政策の方針転換や、経営破綻等に起因する合併や資本提携による競合他社の状況変化等、今後、現在の競争環境や事業環境が大幅に変化した場合、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 競合リスク

今後、燃油費、資金調達コスト、環境規制への対応その他の要因により、当社グループの事業にかかるコストが上昇する可能性があります。かかる場合、当社グループが利益を確保するためには、間接固定費の削減等のコスト削減を実施するとともに、かかるコストを運賃・料金等に転嫁する必要があります。しかしながら、当社は国内外の同業他社やLCCの他、一部の路線については新幹線等の代替交通機関と競合関係にあるため、かかるコストの転嫁により価格競争力が低下し、または競合相手との価格競争上かかるコスト転嫁が大きく制約を受ける結果、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 提携戦略が奏功しないリスク

当社グループは、スターアライアンスに加盟しております。また、ATI(独占禁止法適用除外)認可に基づき、アジア米州間ネットワークにおいてはユナイテッド航空と、日欧間ネットワークにおいてはルフトハンザドイツ航空、ルフトハンザグループであるスイスインターナショナル エアラインズ、オーストリア航空、ルフトハンザカーゴAGとの共同事業を実施しています。加えて、アジアを中心に、アライアンスの枠を超えた個別提携を推進しています。しかしながら、各国の独占禁止法の制約によりアライアンスの解体を余儀なくされた場合、他のアライアンスパートナーが、スターアライアンスを脱退し、もしくは事業方針を変更した場合、他のアライアンス・グループが競争力を強化した場合、または2社間提携の解消や経営悪化・再編、提携先の信用力の低下等が発生した場合、もしくは外的要因で提携活動に対する規制が強化されるようなことがあった場合等には、提携効果が低下し、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(14) 運航リスク

①航空機事故等

 当社グループ運航便及びコードシェア便で航空機事故が発生した場合、当社グループに対するお客様の信頼や社会的評価が失墜し、事故直後から中長期的に需要が低下して当社グループの経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 また、他社において大規模な航空機事故が発生した場合においても、同様に航空需要が低下して当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。なお、航空機事故が発生した場合、損害賠償や運航機材の修復・買換え等に多額の費用が発生しますが、これらの直接的費用のすべてが航空保険にて填補されるわけではありません。

②耐空性改善通報等

 航空機の安全性を著しく損なう問題が発生した場合、法令に基づき国土交通大臣から耐空性改善通報等が発出され、機体や装備品に対し指示された改善策を施すまで同型式機材の運航が認められない場合があります。また、法令に基づく耐空性改善通報等が発出されない場合であっても、技術的見地から安全性が確認できない場合、自主的に同型式機材の運航を見合わせ、点検等の整備を行うことがあります。このような事態が発生した場合、当社グループの航空機の安全性に関する信用及び経営に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループは、ボーイング787型機等、新型機種への集約を進めていますが、当社グループの主力となる新型機種について設計上想定外の不具合または技術的な問題が発生した場合には、当社グループの経営により深刻な影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 顧客情報等漏洩リスク

当社グループは、ANAマイレージクラブの会員数約3,268万人(平成30年3月末日現在)に関わる会員情報をはじめ、膨大な顧客等に関する情報を保持しており、個人情報保護法やその他諸外国の類似法令により、これらの個人情報を適切に管理することが求められています。当社グループでは、プライバシーポリシーを定め、個人情報の取扱いに関する当社グループの姿勢・考え方を広くお客様に告知するとともに、システム対策を含め情報セキュリティについては想定しうる対策を講じています。また、セキュリティホールをなくすべく、業務手順の改定やシステム改修を継続的に実施していますが、不正アクセスや業務上の過失等、何らかの原因により大規模な個人情報漏洩事故が発生した場合、多額の損害賠償費用が発生し、また、信用失墜により、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 災害等リスク

地震、津波、洪水、台風、積雪、火山噴火、感染症、ストライキ、暴動等により空港が長期間閉鎖または運用制限がかかる場合、飛行経路が制限を受ける場合には、その間当該空港又は当該経路を利用する運航便に影響が生じ、または航空需要が大幅に減退することにより、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。

特に、当社グループがデータセンターを首都圏に設置していること、国内線・国際線全便の運航管理を羽田空港にて実施していること及び当社グループの旅客の大半が首都圏空港を利用していること等により、地震、台風等の大規模災害が発生した場合、当該施設において火災等の災害が発生した場合、またはストライキ等により空港もしくはそのアクセスが閉鎖された場合、当社グループのシステムもしくは運航管理機能または運航そのものが長期間停止し、当社グループの経営に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(17) 損益構造に関わるリスク

当社グループは、航空機材費等の固定費、ならびに主として機種によって定まる燃料費及び空港使用料等、搭乗率の影響を受けない費用が全体のコストに占める割合が高く、経済状況に即応した事業規模調整の自由度が低位なため、旅客数あるいは貨物輸送量が減少した場合、損益に与える影響が大きくなる可能性があります。

また、当社グループの航空旅客事業は夏場に売上が増加する傾向があるため、かかる時期において需要が大きく減少した場合には、その事業年度における当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18) IT(システム)リスク

当社グループは、お客様へのサービス及び運航に必要な業務等、システム依存度が高い業種といえます。自然災害、事故、コンピュータ・ウィルス、不正アクセス、電力供給の制約や大規模停電、故障や不具合等によりかかるシステムあるいは通信ネットワークに重大な障害が発生した場合、お客様へのサービス及び運航の維持が困難になるとともに、信用失墜により当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループのシステムは他提携航空会社においても使用されており、その影響範囲は自社グループ内にとどまらなくなる可能性があります。

 

(19) 人事・労務に関わるリスク

当社グループの従業員の多くは労働組合に所属しており、当社グループの従業員が集団的にストライキ等を行った場合、当社グループの航空機の運航が影響を受ける可能性があります。

 

(20) 人材確保に関わるリスク

LCCの運航規模拡大等により運航乗務員等に対する需要が高まっている一方、運航乗務員等の育成には一定期間の教育訓練等が必要であり、当社グループが適時に適切な員数の適正能力を有する運航乗務員等を確保できない場合には、当社グループの経営が影響を受ける可能性があります。また、労働市場における需給バランスの変化によって、空港ハンドリング等の人材不足、あるいは賃金水準の高騰が発生する可能性があります。

 

(21) 財務に関わるリスク

①資金調達コストの増加

 当社グループは、機材調達等のため銀行借入・社債発行等により資金調達を行っています。しかしながら、今後、航空業界の事業環境が悪化した場合、金融市場が混乱した場合、税制、政府の金利政策や政府系金融機関の保証制度等が変更された場合、もしくは当社の信用格付けが格下げされた場合等においては、当社にとって有利な条件による資金調達が困難または不可能となる結果、資金調達コストが増加し、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。

②資産減損等のリスク

 当社グループは、その事業の性質上多くの固定資産を保有していますが、今後各種事業収支が悪化した場合、あるいは資産売却を決定した場合等には、固定資産の減損または固定資産の売却損の計上が必要となる可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日、以下「当期」という)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりです。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当期のわが国経済は、企業収益及び雇用環境の改善が続く中、個人消費の持ち直しが見られる等、景気は緩やかに回復しました。航空業界を取り巻く環境は、国内・海外経済の緩やかな回復が続く中で、訪日外国人の増加等により、需要は概ね堅調に推移しました。

このような経済情勢の下、「2016~2020年度ANAグループ中期経営戦略(ローリングプラン)」で掲げた、「エアライン事業領域の拡大」、「新規事業の創造と既存事業の成長加速」を柱とし、新規投資やイノベーションの創出、多様化する顧客ニーズへの対応等をシンプルかつタイムリーに判断する「攻めのスピード経営」を遂行しました。

また当社は、経済産業省と東京証券取引所から、従業員の健康管理を経営戦略的に取り組んでいる企業として「健康経営銘柄2018」に初めて選定された他、女性活躍推進に優れた企業として「なでしこ銘柄」に3年連続で選定されました。

 

以上の結果、当期の財政状態及び経営成績等は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

当期末の資産合計は、前期末に比べ2,480億円増加し、2兆5,624億円となりました。

当期末の負債合計は、前期末に比べ1,716億円増加し、1兆5,619億円となりました。

当期末の純資産合計は、前期末に比べ763億円増加し、1兆5億円となりました。

 

b.経営成績

当期における連結業績は、航空事業を中心に増収となったことから売上高は1兆9,717億円(前期比11.7%増)となり、営業利益は1,645億円(同13.0%増)、経常利益は1,606億円(同14.4%増)となりました。当期からPeach・Aviation㈱を連結子会社としたことによる特別利益等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,438億円(前期比45.6%増)となり、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも3期連続で過去最高を更新しました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。(なお、各事業における売上高はセグメント間売上高を含み、営業利益はセグメント利益に該当します。)

 

◎航空事業

旺盛な需要に支えられ、国際線旅客、国際線貨物が好調に推移したことや、当期から連結子会社となったPeach・Aviation㈱の収入が加わったこと等により、当期の航空事業の売上高は1兆7,311億円(前期比12.7%増)となり、営業利益は1,568億円(同12.4%増)となりました。

当社グループは、英国スカイトラックス社から、顧客満足度で最高評価となる「5STAR」に6年連続で認定されたことに加え、米国エアトランスポートワールド社から、航空業界において最も権威のある賞「エアライン・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。今回の受賞は3回目となり、アジアのエアラインで最多となります。また、「バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰」において、航空運送分野としては初めて内閣総理大臣表彰を受賞しました。これからもすべてのお客様に、より安心で快適な空の旅を提供するために、恒常的にプロダクトとサービスの改善に努めていきます。

 

<国内線旅客>

国内線旅客は、10月に発生した台風や本年1月及び2月の降雪の影響を受けたものの、需要に応じた各種割引運賃を設定したことに加え、訪日需要を取り込んだこと等により、旅客数・収入ともに前期を上回りました。

路線ネットワークでは、6月から中部=宮古線を新規開設し、夏季の一部期間において羽田=沖縄線の深夜便「ギャラクシーフライト」を運航した他、ウィンターダイヤからの広島空港の運用時間延長に伴い、羽田=広島線の最終時間帯に増便する等、需要の取り込みを図りました。

営業面では、様々な旅のシーンに応じた「旅割タイムセール」を定期的に実施し、需要喚起に努めました。また、地域活性化、訪日旅客増加を目的に、まだ知られていない日本の魅力を特設サイトや機内等において国内外に発信するプログラム「Tastes of JAPAN by ANA –Explore the regions-」を12月から開始しました。

サービス面では、新たに9月より運航開始したエアバスA321neo型機には、全席にタッチパネル式パーソナルモニターを完備し、約60タイトルの映像コンテンツをお楽しみいただけるようにした他、10月よりプレミアムクラスの機内食サービスにおいて、羽田発着の一部路線のメニューを一新するとともに、昼食のご提供時間を拡大する等、機内サービスの充実を図りました。また、新千歳空港では、9月に隈研吾氏監修のもと、国内線プレミアムメンバー向け最上級ラウンジ「ANA SUITE LOUNGE」と「ANA LOUNGE」が新しくオープンした他、11月からは、空港での手続きのわかりやすさ、待ち時間の極小化を目的として、出発カウンターのレイアウトを変更し、自動手荷物預け機「ANA Baggage Drop」サービスを導入する等、お客様の快適性、利便性の向上に努めました。

以上の結果、当期の国内線旅客数は4,415万人(前期比2.8%増)となり、収入は6,897億円(同1.7%増)となりました。

 

<国際線旅客>

国際線旅客は、国際線ネットワークの拡充に伴い、日本発ビジネス需要が好調に推移していることに加え、旺盛な訪日需要を取り込んだこと等により、旅客数・収入ともに前期を上回りました。

路線ネットワークでは、8月から羽田=ジャカルタ線、10月から成田=ロサンゼルス線を1日2便へ増便し、首都圏発着のビジネス需要に加え、国内地方空港やアジア=北米間の接続需要の取り込みを図りました。また、ホノルル線において全機材をボーイング787-9型機へ変更し、フルフラット・シートの「ANAビジネス・スタッガード」と「プレミアムエコノミー」を提供することで、プロダクトとサービスの充実を図り、旺盛な需要の取り込みに努めました。

営業面では、マレーシア行きロングステイ向け運賃を発売し、将来的に市場の拡大が期待される長期滞在需要の取り込みを図る等、日本発・海外発ともに各種割引運賃を設定し、プレジャー需要の取り込みに努めました。また、訪日需要の更なる喚起に向けたプロモーション活動を強化する等、新規の需要喚起に努めました。

サービス面では、6月より国際線のファーストクラス・ビジネスクラスで提供するワイン・シャンパンのメニューを刷新した他、9月より国際線全路線のエコノミークラスに日本酒の提供を拡大したことに加え、お客様からの投票で選ばれた機内食の人気メニューを、12月から日本発のプレミアムエコノミーとエコノミークラスで提供する等、サービスの向上に努めました。また、食物アレルギーを持つお子様が、より安心な空の旅をお楽しみいただけるよう、本年3月よりお子様向けのアレルゲン対応機内食の提供を開始しました。

以上の結果、当期の国際線旅客数は974万人(前期比6.8%増)となり、収入は5,974億円(同15.6%増)となりました。

 

<貨物>

国内線貨物は、需要が好調な国際線との接続貨物を取り込んだ他、花卉(かき)需要が高まる期間に沖縄=羽田線の貨物臨時便を設定する等、増収に努めましたが、航空貨物需要全体が期を通じて低調に推移したことや、宅配貨物の取り扱いが減少したこと等により、輸送重量、収入ともに前期を下回りました。

以上の結果、当期の国内線貨物輸送重量は43万6千トン(前期比3.2%減)となり、収入は307億円(同0.5%減)となりました。国内郵便輸送重量は3万4千トン(前期比0.8%増)となり、収入は33億円(同0.8%減)となりました。

国際線貨物は、北米・欧州向けの自動車関連部品や電子機器を中心とした旺盛な貨物需要を背景に、日本発海外向けは好調に推移しました。海外発においても、アジア・中国発の日本向け貨物が好調に推移したことに加え、中国発北米向けの三国間貨物を取り込んだ結果、輸送重量・収入ともに前年同期を上回りました。

以上の結果、当期の国際線貨物輸送重量は99万4千トン(前期比4.3%増)となり、収入は1,180億円(同26.5%増)となりました。国際郵便輸送重量は3万1千トン(前期比10.1%増)となり、収入は59億円(同22.0%増)となりました。

また、当社グループは今後需要の拡大が期待される医薬品輸送サービスの拡充を図るため、日本の航空会社として初めて、国際航空運送協会(IATA)が策定した医薬品輸送における国際品質認証である「CEIVファーマ」を取得しました。

 

<その他>

航空事業におけるその他の収入は2,859億円(前期比36.9%増)となりました。なお、航空事業におけるその他には、マイレージ附帯収入、バニラ・エア㈱の収入、当期から連結子会社となったPeach・Aviation㈱の収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。

バニラ・エア㈱では、機材を前期より3機増機して15機での運航体制とし、国際線では、本年3月から福岡=台北線を新規開設しました。台湾線を中心とした旺盛な訪日需要を取り込んだことに加え、需要動向に応じたキャンペーン運賃の設定等により、増収に努めました。

当期におけるバニラ・エア㈱の輸送実績は、旅客数は2,677千人(前期比25.7%増)、座席キロは4,981,567千席キロ(同18.0%増)、旅客キロは4,260,304千人キロ(同17.6%増)、利用率は85.5%(前期差0.3%減)となりました。

Peach・Aviation㈱では、機材を前期より2機増機して20機での運航体制とし、国内線では、9月から仙台=札幌線、札幌=福岡線、本年3月からはLCCとしては初の信越地方への路線となる関空=新潟線を新規開設しました。国際線では、9月から仙台=台北線、札幌=台北線を新規開設し、ネットワークの充実を図りました。

当期におけるPeach・Aviation㈱の輸送実績は、旅客数は5,120千人、座席キロは6,851,086千席キロ、旅客キロは5,951,775千人キロ、利用率は86.9%となりました。

 

◎航空関連事業

羽田空港、関西空港における旅客の搭乗受付や手荷物搭載等の空港地上支援業務の受託が増加したことや、好調な需要を背景に物流事業の取り扱いが増加したこと等により、売上高は2,843億円(前期比7.5%増)となり、営業利益は106億円(同28.0%増)となりました。

また、国際物流を担う㈱OCSは、拡大する需要を取り込むために、集荷や仕分け機能を集約し、自動化設備を導入した新たな物流拠点「東京スカイゲート」を9月に開設しました。

 

◎旅行事業

国内旅行は、ダイナミックパッケージ商品「旅作」において、プロモーションと商品力の強化による需要の早期取り込みを図ったものの、直前での集客が伸び悩んだこと、また主力商品「ANAスカイホリデー」において、関東、沖縄方面の集客が伸び悩んだこと等から、売上高は前年同期を下回りました。

海外旅行は、「ANAハローツアー」において、重点的に販売を強化しているハワイに加え、北米方面の取扱高が好調に推移したこと等から、売上高は前年同期を上回りました。

訪日旅行は、中国での販売が好調に推移したものの、他社との競争激化により台湾において取扱高が減少したこと等から、売上高は前年同期を下回りました。

以上の結果、当期の旅行事業における売上高は1,592億円(前期比0.8%減)、営業利益は37億円(同0.1%増)となりました。

 

◎商社事業

食品部門では、主力商品であるバナナの取扱高が、マーケットの競争激化により減少したものの、リテール部門では、国際線旅客数の増加や訪日旅客の嗜好変化にあわせた商品の充実等により、空港免税店「ANA DUTY FREE SHOP」や空港物販店「ANA FESTA」の売上高は前年同期を上回りました。加えて、航空・電子部門で半導体の取扱高が増加したこと等から、売上高は前年同期を上回りました。

以上の結果、当期の商社事業における売上高は1,430億円(前期比4.6%増)、営業利益は45億円(同2.8%増)となりました。

 

◎その他

不動産関連事業や航空保安警備事業が堅調に推移したこと等の結果、当期のその他の売上高は387億円(前期比11.3%増)となり、営業利益は27億円(同102.3%増)となりました。

 

②キャッシュフローの状況

税金等調整前当期純利益1,966億円に減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減算を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは3,160億円の収入となりました。

投資活動においては、航空機・部品等の取得及び導入予定機材の前払いによる支出等により、投資活動によるキャッシュ・フローは3,244億円の支出となりました。これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは84億円の支出となりました。

財務活動においては、社債発行等の資金調達を行った一方で、借入金の返済や自己株式取得を行ったことから財務活動によるキャッシュ・フローは299億円の支出となりました。

以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べて385億円減少し、2,705億円となりました。

 

③生産及び販売の実績

a.セグメント別売上高

最近2連結会計年度のセグメント別売上高は次のとおりです。

 

 

 

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

航空事業

 

 

 

 

国内線

 

 

 

 

旅客収入

678,326

31.8

689,760

29.3

貨物収入

30,860

1.5

30,710

1.3

郵便収入

3,417

0.2

3,388

0.1

小計

712,603

33.5

723,858

30.7

国際線

 

 

 

 

旅客収入

516,789

24.2

597,446

25.4

貨物収入

93,301

4.4

118,002

5.0

郵便収入

4,863

0.2

5,934

0.3

小計

614,953

28.8

721,382

30.7

航空事業収入合計

1,327,556

62.3

1,445,240

61.4

その他の収入

208,793

9.8

285,933

12.1

航空事業小計

1,536,349

72.1

1,731,173

73.5

航空関連事業

 

 

 

 

航空関連収入

264,457

12.4

284,331

12.1

航空関連事業小計

264,457

12.4

284,331

12.1

旅行事業

 

 

 

 

パッケージ商品収入(国内)

130,818

6.1

127,065

5.4

パッケージ商品収入(国際)

19,170

0.9

21,658

0.9

その他の収入

10,621

0.5

10,566

0.4

旅行事業小計

160,609

7.5

159,289

6.7

商社事業

 

 

 

 

商社事業収入

136,761

6.4

143,039

6.1

商社事業小計

136,761

6.4

143,039

6.1

報告セグメント計

2,098,176

98.4

2,317,832

98.4

その他

 

 

 

 

その他の収入

34,776

1.6

38,708

1.6

その他小計

34,776

1.6

38,708

1.6

営業収入合計

2,132,952

100.0

2,356,540

100.0

セグメント間取引

△367,693

△384,741

営業収入(連結)

1,765,259

1,971,799

(注)1.セグメント内の内訳は内部管理上採用している区分によっています。

2.各セグメントの営業収入はセグメント間の売上高を含みます。

3.バニラ・エア㈱及びPeach・Aviation㈱による旅客収入は、航空事業のその他の収入に含みます。

4.上記の金額には、消費税等は含みません。

 

b.セグメント別取扱実績

① 航空事業

イ.輸送実績

 最近2連結会計年度の輸送実績は次のとおりです。

項目

前連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

国内線

 

 

 

旅客数

(人)

42,967,749

44,150,757

座席キロ

(千席キロ)

59,080,903

58,426,852

旅客キロ

(千人キロ)

38,990,836

40,271,969

利用率

(%)

66.0

68.9

有効貨物トンキロ

(千トンキロ)

1,783,539

1,739,706

貨物輸送重量

(トン)

451,266

436,790

貨物トンキロ

(千トンキロ)

459,583

448,208

郵便輸送重量

(トン)

33,745

34,032

郵便トンキロ

(千トンキロ)

32,968

33,285

貨物重量利用率

(%)

27.6

27.7

国際線

 

 

 

旅客数

(人)

9,119,400

9,740,523

座席キロ

(千席キロ)

60,148,066

64,376,225

旅客キロ

(千人キロ)

45,602,900

49,132,606

利用率

(%)

75.8

76.3

有効貨物トンキロ

(千トンキロ)

6,583,338

6,809,755

貨物輸送重量

(トン)

954,027

994,593

貨物トンキロ

(千トンキロ)

4,150,427

4,474,388

郵便輸送重量

(トン)

28,957

31,868

郵便トンキロ

(千トンキロ)

130,126

150,337

貨物重量利用率

(%)

65.0

67.9

 

ロ.運航実績

 最近2連結会計年度の運航実績は次のとおりであります。

項目

前連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

国内線

国際線

国内線

国際線

運航回数(回)

382,885

67,503

382,765

69,615

飛行距離(km)

322,533,420

292,627,502

323,786,530

309,468,163

飛行時間(時間)

561,431

400,767

564,873

421,785

 

(注)1.国内線旅客実績には、アイベックスエアラインズ㈱、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績を含みます。また、平成29年10月29日からオリエンタルエアブリッジ㈱との一部のコードシェア便実績を含みます。

2.国内線、国際線ともに不定期便実績を含みません。

3.国内線貨物及び郵便実績には、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア、オリエンタルエアブリッジ㈱及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績、エアラインチャーター便実績及び地上輸送実績を含みます。

4.国際線貨物及び郵便実績には、コードシェア便実績、エアラインチャーター便実績、ブロック・スペース契約締結便実績及び地上輸送実績を含みます。

5.座席キロは、各路線各区間の有効座席数(席)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。

6.旅客キロは、各路線各区間の旅客数(人)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。

7.有効貨物トンキロは、各路線各区間の有効貨物重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。なお、旅客便については、床下貨物室(ベリー)の有効貨物重量に各区間距離を乗じています。また、床下貨物室の有効貨物重量には、貨物・郵便の他、搭乗旅客から預かる手荷物搭載の有効搭載重量も含まれております。

8.貨物トンキロ及び郵便トンキロは、各路線各区間の輸送重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。

9.貨物重量利用率は、貨物トンキロと郵便トンキロの合計を有効貨物トンキロで除した数値です。

10.バニラ・エア㈱及びPeach・Aviation㈱の実績は含みません。

11.バニラ・エア㈱及びPeach・Aviation㈱は貨物・郵便の取扱いをしておりません。

 

② 航空関連事業

航空関連事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。

 

③ 旅行事業

旅行事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。

 

④ 商社事業

商社事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。

 

⑤ その他

その他に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当社グループは、「2016~2020年度ANAグループ中期経営戦略(ローリングプラン)」で掲げた、「エアライン事業領域の拡大」、「新規事業の創造と既存事業の成長加速」を柱とし、新規投資やイノベーションの創出、多様化する顧客ニーズへの対応等をシンプルかつタイムリーに判断する「攻めのスピード経営」を遂行しました。

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当期末時点において判断したものです。

 

①連結貸借対照表

<資産の部>

流動資産は、手元資金や営業未収入金が増加した結果、前期末に比べて844億円増加し、7,511億円となりました。

固定資産は、当期において航空機取得を進めたことにより、有形固定資産が増加したことに加え、Peach・Aviation㈱の連結子会社化に伴うのれんの増加等により、前期末に比べ1,636億円増加し、1兆8,108億円となりました。

以上により、当期末における総資産は前期末に比べて2,480億円増加し、2兆5,624億円となりました。

 

<負債の部>

借入金は、新規借入による資金調達を行った一方で、約定弁済等を着実に進めた結果、前期末に比べて599億円減少し、5,030億円となりました。社債は転換社債型新株予約権付社債の発行等を行った結果、前期末に比べて1,300億円増加し、2,750億円となりました。リース債務は前期末に比べて15億円減少し、202億円となりました。

これらの結果、リース債務を含む有利子負債は前期末に比べて685億円増加し、7,983億円となりました。また、負債合計は前期末に比べて1,716億円増加し、1兆5,619億円となりました。

 

<純資産の部>

株主資本は自己株式の取得および償却を行った一方、当期純利益の計上等により前期末に比べて525億円増加し、9,857億円となりました。

その他の包括利益累計額は繰延ヘッジ損益の増加等により、前期末に比べて169億円増加し、29億円となりました。

これらの結果、純資産合計は前期末に比べて763億円増加し、1兆5億円となりました。

なお、自己資本比率は前期末に比べて1.1ポイント減少して38.6%となり、有利子負債と自己資本の比率を示すD/Eレシオは0.8倍(前期末0.8倍)となりました。

 

②連結損益計算書

<営業損益>

当期の売上高は、主力の航空事業が好調に推移したことに加え、航空関連、商社、その他事業においても前期を上回り、Peach・Aviation㈱、バニラ・エア㈱も順調に売上を伸ばしたこと等により、前期に比べ2,065億円増加し、1兆9,717億円となりました。詳細は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。

営業費用は、事業規模の拡大に伴う生産連動費用の増加等により、売上原価が前期に比べ1,570億円増加し、1兆4,818億円となりました。販売費及び一般管理費は、前期に比べ305億円増加し、3,254億円となりました。結果として、営業費用全体では前期に比べて1,875億円増加し、1兆8,072億円となりました。営業利益は前期に比べて189億円増加し、1,645億円となりました。

 

<経常損益>

営業外収益は、前期に比べて24億円減少し、126億円となりました。これは、持分法による投資利益が前期に比べて21億円減少したこと等が主な要因であります。

営業外費用は、前期に比べて37億円減少し、164億円となりました。これは、前期に比べて支払利息や資産除却損が減少したこと等が主な要因であります。金融収支(受取利息と支払利息の純額)は△80億円となりました。

以上により、経常利益は前期と比べて202億円増加し、1,606億円となりました。

 

<特別損益>

特別利益は、前期に比べて424億円増加し、447億円となりました。これは、当期において、Peach・Aviation㈱の連結子会社化に伴う段階取得に係る差益を計上したこと等が主な要因であります。

特別損失は、前期に比べて55億円増加し、87億円となりました。これは、減損損失が増加したこと等が主な要因であります。

以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べて450億円増加し、1,438億円となりました。

 

③連結キャッシュ・フロー計算書

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

当期の税金等調整前当期純利益1,966億円に、減価償却費等非資金性項目の調整を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは3,160億円の収入となりました。前期に比べて789億円増加しております。

 

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

主として航空機受領時の支払いや予備部品の購入、今後導入予定の航空機に対する前払い等の有形固定資産やソフトウェア投資等の無形固定資産の取得による支出等の結果、投資活動によるキャッシュ・フローは3,244億円の支出となりました。前期に比べて支出が1,298億円増加しております。

以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは84億円の支出となりました。

 

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

社債発行等の資金調達を行った一方で、借入金の返済や自己株式の取得を進めたことなどから、財務活動によるキャッシュ・フローは299億円の支出となりました。

 

④資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、運転資金及び設備投資資金(主に航空機等)につきましては、自己資金または銀行借入、および社債発行により資金調達することとしており、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。このうち、借入による資金調達に関して、航空機購入のための長期資金は固定金利の長期借入金で調達しております。

当期末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、7,983億円となっております。また、当期末における現金及び現金同等物の残高は2,705億円となっております。

なお、平成30年3月31日現在、複数の金融機関との間で合計1,506億円のコミットメントライン契約を締結しております。

 

⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況

当社グループは、「2016~2020年度ANAグループ中期経営戦略(ローリングプラン)」に基づき、事業規模を拡大しながら成長戦略を着実に推進し、直近3事業年度において、いずれも過去最高の営業利益を更新する等、安定した財務基盤の構築と収益性の向上を図ってまいりました。

 

指標

平成27年度

平成28年度

平成29年度

売上高         (百万円)

1,791,187

1,765,259

1,971,799

営業利益       (百万円)

136,463

145,539

164,516

売上高営業利益率   (%)

7.6

8.2

8.3

株主資本利益率(ROE)(%)

9.8

11.6

15.1

総資本利益率(ROA)(%)

6.1

6.5

6.8

自己資本比率       (%)

35.4

39.7

38.6

 

今後は「2018~2022年度ANAグループ中期経営戦略」(平成30年2月1日開示)の下、成長戦略と財務の健全性を両立させながら、持続的利益成長の実現に向けて資本効率と収益性の向上に引き続き努めてまいります。

4【経営上の重要な契約等】

(1) 営業に関する重要な契約

契約会社名

契約の種類

契約先

対象区間

全日本空輸㈱

スターアライアンスへの加盟

スターアライアンス
加盟各外国航空会社

 

Joint Venture契約

旅客分野

ルフトハンザグループ
(ルフトハンザ ドイツ航空、スイス インターナショナル エアラインズ、
オーストリア航空)

日本~欧州

ユナイテッド航空

アジア~米州

(北米・カリブ・南米諸国)

貨物分野

ルフトハンザカーゴAG.

日本~欧州

ユナイテッド航空

アジア・日本~北中南米

 

(2) 航空機のリース契約

航空機のリース契約については「第3 設備の状況 2 主要な設備の状況 (2) 航空機」に記載しております。

5【研究開発活動】

航空事業セグメントにおいては、より安全で快適かつ効率的な航空事業を提供するための多様な改良・改善活動を推進しております。

また、航空事業をはじめ各セグメントにおける事業活動が及ぼす環境負荷の逓減活動も推進しております。

なお、上記活動に関して「研究開発費等に係る会計基準」に定義する研究開発費に該当するものはありません。