文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、グループの使命・存在意義である経営理念として「安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で夢にあふれる未来に貢献します」を掲げています。経営の基盤である安全を堅持しつつ、数あるエアライングループのなかで、お客様に選ばれ、世界の航空業界をリードする確固たる地位を築くことを目指し、グループ経営ビジョンとして「ANAグループは、お客様満足と価値創造で世界のリーディングエアライングループを目指します」と定めています。
(2) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
航空業界は、日本経済の緩やかな回復基調や訪日外国人の増加、米国の景気回復基調ならびにアジアの経済成長等を背景とした航空需要の拡大が見込まれる一方で、為替や原油市況の急激な変動、英国のEUからの離脱、米国における保護主義の台頭、米国・中国間の貿易摩擦、地政学リスク、エアライン間や他交通機関との競争激化等、対処すべき課題の多い環境下におかれています。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される2020年、そしてその先の持続的な成長の実現に向けて、新たな5年間の成長戦略として、2018年2月に「2018-2022年度ANAグループ中期経営戦略」を策定しました。首都圏空港の発着枠拡大や訪日外国人の増加を契機として、世界中のすべてのお客様をダントツの品質でおもてなしをし、グローバルでの知名度を向上させるとともに、CO2排出量の削減を始めとした環境問題への対応や観光立国・地方創生・超スマート社会(Society5.0)の実現等に貢献することによって企業価値を高めていきます。エアライングループの事業を通じて、「社会的価値」と「経済的価値」の両立・創造を実現し、世界のリーディングエアライングループとしての地位を確立するとともに、日本と世界の発展に寄与していきます。
① 戦略の全体像
「2018-2022年度ANAグループ中期経営戦略」では、安全の堅持を大前提に、「エアライン収益基盤の拡充と最適ポートフォリオの追求」、「既存事業の選択・集中と新たな事業ドメインの創造」を戦略の柱に掲げるとともに、「オープンイノベーションとICT技術」を活用し、持続的利益成長を実現してまいります。経営目標としては、2019年度は売上高2兆1,500億円、営業利益1,650億円、2022年度には売上高2兆4,500億円、営業利益2,200億円規模を目指してまいります。
② 戦略の骨子
1)エアライン収益基盤の拡充と最適ポートフォリオの追求
FSC(フルサービスキャリア)事業及びLCC事業それぞれが基本品質の向上に努めるとともに、あらゆる顧客層をターゲットにブランド訴求力を高めていくことで、収益基盤を拡大させていきます。持続的利益成長の実現に向けて、今後はエアライン事業領域において最適なポートフォリオを追求していくことにより、連結収益の最大化を目指してまいります。
(ⅰ)FSC事業
・ANA国際線旅客事業は、首都圏空港の発着枠拡大を背景に、首都圏デュアルハブの完成型を目指して、“世界をつなぐ”ための積極的な路線展開を行います。日本発着及び日本経由三国間の旅客需要を確実に取り込むとともに、未就航エリアへの路線拡大、海外エアラインとの提携を進化させていきます。また、競争力ある新たなプロダクト・サービスを順次展開していくとともに、リゾート路線を強化してプレジャー需要の取り込みを推進することにより、グループ収益の拡大を牽引します。
・ANA国内線旅客事業は、市場シェアを堅持するとともに、収益基盤の維持・向上を図ります。プロダクト・サービスを強化していくとともに、機材の小型化による需給適合や運賃のイールドマネジメントを推進してまいります。また、ミレニアル世代や訪日外国人による国内線利用を促進することにより、需要の底上げを図ります。
・貨物事業は、中長期的に需要の拡大が見込まれるアジア=北米間への大型フレーターの導入に加えて、拡大する旅客便ネットワークとの相乗効果により伸び行く需要を積極的に獲得します。沖縄貨物ハブについてはアジア域内の航空貨物流動を的確に見極めて常に最適なネットワークを構築します。首都圏・沖縄貨物ハブの両機能を最大限活用し、成長を加速していきます。
(ⅱ)LCC事業
2019年度末を目途としてグループ内のLCCであるPeach・Aviation㈱とバニラ・エア㈱の2社を統合し、国内における需要の開拓、旺盛な訪日需要の獲得をさらに推し進めます。両社が持つお互いの強みを融合することで、「第4のコア」事業としてANAグループ全体の事業領域を拡大していきます。さらに2020年度を目途に中距離LCC領域へと進出し、日本とアジアをつなぐ路線ネットワークの更なる拡充を図ることで、アジアを代表するリーディングLCCを目指していきます。
2)既存事業の選択・集中と新たな事業ドメインの創造(ノンエア事業)
(ⅰ)既存事業の選択と集中
成長が見込まれる領域については、経営資源の再配分、投資を加速させながら規模や収益を拡大していきます。一方で低収益事業については市場動向などを見極めながら再編等を行うことでノンエア事業のポートフォリオを再構築し、持続的な成長サイクルの確立へつなげていきます。
(ⅱ)新たな事業ドメインの創造
2016年度に設立した「ANA X㈱(エーエヌエーエックス)」を中心に、ANAグループが有するデータ等を分析・活用することで新たな価値を創造し、「ANA経済圏」を拡大するなど、当社グループがこれまで積み上げてきたブランド力、ノウハウ、技術などの有形・無形資産と新しい技術との融合を図り、ノンエア事業においても収益の拡大につなげていきます。
3)社会的価値と経済的価値の同時創造
地球環境や社会が抱える課題への対応が企業の長期的な成長に大きな影響を及ぼすなか、経営理念である「安心」と「信頼」を基礎としながら、「経済的価値」と「社会的価値」を同時に創出していくことを目指しています。
ANAグループでは、その具体的な取り組みとして、事業戦略や社会動向を踏まえ、社内外のステークホルダーへ配慮しつつ、「環境」「人権・ダイバーシティ&インクルージョン」「地域創生」を経営における重要課題(マテリアリティ)として特定しました。グローバルレベルの観点から国際基準に基づき、持続可能な開発目標(SDGs)をはじめとする国際的な目標も意識しながら活動を推進していきます。
「環境」についてはCO2排出量の削減のため、低燃費航空機の導入、並びにバイオジェット燃料導入の取り組み等を行っています。「人権・ダイバーシティ&インクルージョン」では、「ビジネスと人権に関する国連指導原則」への対応や、お客様のダイバーシティに着目したサービスの開発・導入を推進しています。また「地域創生」については、ANAグループ内リソースを戦略的に活用し、国内では、訪日需要の取り込みや地域産品の宣伝・販売をはじめとした地域活性化支援事業等を行っており、海外就航地域では、当該地域の社会課題解決に向け、次世代教育や観光資源の保全等の社会貢献活動を積極的に行っています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあると考えています。
なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 景気が低迷するリスク
航空産業は、景気動向の影響を受けやすい業界であり、国内外の景気が低迷すると、個人消費の落ち込みや企業収益の悪化による航空需要の低下を引き起こす可能性があります。なお、国際線(旅客・貨物)事業については、中国やその他アジア・北米を中心とした海外市場への依存度が高いため、当該地域の経済状況により、輸送人数・輸送重量の減少及び輸送単価の下落といった影響を受ける可能性があります。
(2) 経営戦略に関わるリスク
①フリート戦略に関わるリスク
当社グループは、航空事業において、経済性の高い機材の導入、機種の統合、ならびに需給適合の深化を軸としたフリート戦略に則ってボーイング社、エアバス社、ボンバルディア社、三菱航空機㈱から航空機の導入を進めていますが、納期が財務上その他の理由により遅延した場合、当社グループの事業に支障を及ぼす可能性があります。
更に、かかる戦略は以下の要因により奏功せず、また、その所期する効果が減殺される可能性があります。
1)ボーイング社への依存
当社は、上記のフリート戦略に従って導入を計画している機材の多くをボーイング社に対して発注しています。したがって、ボーイング社が財政上その他の理由により当社又は同社製品の保守管理等を行う会社との間の契約を履行できない場合には、当社グループのフリート戦略に沿った機材の調達又は保守管理等ができず、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
2)三菱航空機㈱による機材開発計画の進行遅延等
当社は、三菱航空機㈱が開発中の「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の導入を決定しており、引き渡し時期は2020年度半ばが予定されていますが、引き渡し時期の遅延が発生した場合には、当社グループの事業に支障をきたす可能性があります。
②発着枠に関わるリスク
当社グループは、羽田空港・成田空港の発着枠拡大を最大のビジネスチャンスと捉え、各種投資や事業運営体制の整備を図っています。2020年度を目途として、羽田空港の年間発着枠については、44.7万回から48.6万回へ、成田空港の年間発着枠については、30万回から34万回へ増加する見通しとなっていますが、今後の首都圏における両空港(羽田・成田)の発着枠の割当て数や、時期等が当社グループの想定と異なった場合においては、当社グループの経営計画の達成に影響を及ぼす可能性があります。
③LCC事業に関わるリスク
LCC事業については、当該事業進出の目的である新規航空需要の創出に至らないことや、国内外の他のLCCとの競争激化により、所期する効果が得られない可能性があります。また、運航乗務員数の不足や他社流出により、策定した事業計画が遂行できなくなる可能性があります。更には、海外を含めたLCCによる事故や不安全事象の発生により、LCCに対する顧客離れが起こる可能性もあります。
④投資に関するリスク
当社グループは、更なる成長領域の拡大のために、新たな事業への進出あるいは他企業等への出資または企業買収を行うことがありますが、これら出資等が所期する効果を得られない可能性、各出資会社等の利害が一致せず、当社が適切と考える方法による合弁会社の運営ができない可能性、合弁会社の経営が悪化した場合に当社が経済的負担を負う可能性及び当社以外の出資会社等の経営悪化や同事業からの離脱の可能性があります。また、海外諸国や航空事業との関連性が低い事業への進出については、所期する効果を得ることが困難になる可能性があります。
(3) 原油価格変動によるリスク
航空機燃料は原油精製による製品のため、その価格は原油価格に連動する傾向があります。中東産油国での政情不安、米国でのシェールオイル生産体制、新興国の急激な経済成長に伴う原油需要の増加、石油備蓄量または埋蔵量の低下、原油への投機的な投資行動、自然災害等の要因により原油価格が当社グループの予測を超えて変動した場合には、当社グループの経営に以下のような影響を及ぼす可能性があります。
①原油価格が上昇した場合のリスク
原油価格が上昇すると、航空機燃料の価格も上昇するため、当社グループにとって大きな負担となります。このため、航空機燃料の価格変動リスクを抑制し、営業利益の安定化を図ることを目的として原油ならびに航空機燃料のコモディティ・デリバティブを利用して一定期間のうちに計画的、継続的にヘッジ取引を実施していますが、原油価格が短期間で高騰した場合、自助努力によるコスト削減や運賃及び料金等への転嫁には限界があるため、ヘッジポジションの状況等によっては価格高騰の影響を完全には回避できない可能性があります。
②原油価格が急落した場合のリスク
当社グループは原油価格の変動リスクを緩和するためヘッジ取引を実施しており、原油価格が短期間で急落した場合、燃油サーチャージ収入が減少あるいは消滅する一方で、ヘッジポジションの状況等によっては燃油費が即座には減少せず、価格下落の効果を享受できない可能性があります。
(4) 新型インフルエンザ等の感染症に関わるリスク
新型インフルエンザをはじめ重大な感染症が発生・蔓延した場合の被害増大は、国際線のみならず全事業の需要減退リスクになり得ます。風評による顧客の航空利用の意欲の低下を含め、感染拡大や被害増大により、国内線及び国際線の利用客数が激減し、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
また、感染力が強い新型インフルエンザ等が流行し、予想を超える社員・委託先での罹患者の大量発生や毒性の変化が生じ強毒化した場合等は、事業継続面で影響を及ぼす可能性があります。
(5) 為替変動によるリスク
当社グループは、外貨収入よりも外貨支出の方が多く、円安になった場合には収支に与える影響は少なくありません。為替相場変動による収支への影響を緩和することを目的として、同種通貨間においては収入で得た外貨を可能な限り外貨建て支出に充当しつつ、航空機及び航空機燃料の調達に必要な外貨の一部については、円貨換算ベースでの支払額の平準化を図るためにも先物為替予約及び通貨オプション取引を活用しています。しかし、為替相場が短期間で急激に円安になった場合、自助努力によるコスト削減や運賃及び料金等への転嫁には限界があるため、ヘッジポジションの状況等によっては当社グループの収支に影響を及ぼす可能性がある一方、為替相場が短期間で急激に円高になった場合、ヘッジポジションの状況等によっては燃油費が即座には減少せず、円高の効果を完全には享受できない可能性があります。
(6) 国際情勢等の影響によるリスク
現在、当社グループは北米・欧州・中国・アジア方面を中心に国際線を展開しています。今後、当社グループ就航地域や事務所等の拠点が所在する地域で政情不安、国際紛争、大規模なテロ事件が発生した場合や、就航国との外交関係が悪化した場合等、当該地域路線の需要の減少等により当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 法的規制に関わるリスク
当社グループは、航空運送事業者として航空事業関連法規の定めに基づき事業運営を行っています。また、旅客・貨物を含めた国際線事業においては、条約、二国間協定、IATA(国際航空運送協会)及びICAO(国際民間航空機関)の決定事項その他の国際的取決めに従った事業運営が求められています。これらの規制により、当社グループの事業における運賃、飛行空域、運航スケジュール、安全管理等について様々な制約を受けます。更に、当社グループの事業は、運賃及び料金の設定につき独占禁止法その他諸外国の類似の法令の制約を受けることがあります。
(8) 訴訟に関わるリスク
当社グループは事業活動に関して各種の訴訟に巻き込まれるおそれがあり、これらが当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
当社の子会社である全日本空輸株式会社は、米国司法省から提起されていた国際航空貨物・旅客輸送に関わる価格調整等の容疑については、諸般の事情を総合的に勘案した結果、司法取引に合意していますが、国際旅客輸送に関わる集団民事訴訟についても、2019年1月に和解金58百万米ドルの支払いを条件とした和解に合意したため、和解金相当額64億円を、2019年3月期決算において独禁法関連費用として特別損失に計上しています。
(9) 公租公課等に関わるリスク
航空事業に関する公租公課等として航空機燃料税や着陸料、航行援助施設利用料等があげられますが、航空機燃料税、着陸料及び航行援助施設利用料については現在、国の時限的な軽減措置を受けており、今後、軽減措置の縮小・廃止が行われた場合、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 環境規制に関わるリスク
近年、地球環境保全の一環として、航空機による騒音、温室効果ガス(CO2等)の排出量、環境汚染物質の使用ならびに処理、主な事業所におけるエネルギー使用等に関わる数多くの国内・海外法規制が導入、または強化されつつあります。当社グループは、これらの法規制を遵守するため多額のコストを負担していますが、2021年に向けて導入が決定されている国際的な温室効果ガスに関わる排出権取引スキーム、世界共通の環境税等の新たな規制が導入された際には、事業活動が制限され、または多額の追加的費用を負担しなければならない可能性があります。
(11) 航空業界を取り巻く環境のリスク
日本国内における航空政策あるいは地域政策の方針転換や、経営破綻等に起因する合併や資本提携による競合他社の状況変化等、今後、現在の競争環境や事業環境が大幅に変化した場合、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 競合リスク
今後、燃油費、資金調達コスト、環境規制への対応その他の要因により、当社グループの事業にかかるコストが上昇する可能性があります。かかる場合、当社グループが利益を確保するためには、間接固定費の削減等のコスト削減を実施するとともに、かかるコストを運賃・料金等に転嫁する必要があります。しかしながら、当社は国内外の同業他社やLCCの他、一部の路線については新幹線等の代替交通機関と競合関係にあるため、かかるコストの転嫁により価格競争力が低下し、または競合相手との価格競争上かかるコスト転嫁が大きく制約を受ける結果、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 提携戦略が奏功しないリスク
当社グループは、スターアライアンスに加盟しています。また、ATI(独占禁止法適用除外)認可に基づき、アジア米州間ネットワークにおいてはユナイテッド航空と、日欧間ネットワークにおいてはルフトハンザドイツ航空、ルフトハンザグループであるスイスインターナショナル エアラインズ、オーストリア航空、ルフトハンザカーゴAGとの共同事業を実施しています。加えて、アジアを中心に、アライアンスの枠を超えた個別提携を推進しています。しかしながら、各国の独占禁止法の制約によりアライアンスの解体を余儀なくされた場合、他のアライアンスパートナーが、スターアライアンスを脱退し、もしくは事業方針を変更した場合、他のアライアンス・グループが競争力を強化した場合、または2社間提携の解消や経営悪化・再編、提携先の信用力の低下等が発生した場合、もしくは外的要因で提携活動に対する規制が強化されるようなことがあった場合等には、提携効果が低下し、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 運航リスク
①航空機事故等
当社グループ運航便及びコードシェア便で航空機事故が発生した場合、当社グループに対するお客様の信頼や社会的評価が失墜し、事故直後から中長期的に需要が低下して当社グループの経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、他社において大規模な航空機事故が発生した場合においても、同様に航空需要が低下して当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。なお、航空機事故が発生した場合、損害賠償や運航機材の修復・買換え等に多額の費用が発生しますが、これらの直接的費用のすべてが航空保険にて填補されるわけではありません。
②耐空性改善通報等
航空機の安全性を著しく損なう問題が発生した場合、法令に基づき国土交通大臣から耐空性改善通報等が発出され、機体や装備品に対し指示された改善策を施すまで同型式機材の運航が認められない場合があります。
また、法令に基づく耐空性改善通報等が発出されない場合であっても、技術的見地から安全性が確認できない場合、自主的に同型式機材の運航を見合わせ、点検等の整備を行うことがあります。このような事態が発生した場合、当社グループの航空機の安全性に関する信用及び経営に影響を及ぼす可能性があります。当社グループが所有・運航する型式機種について想定外の不具合または技術的な問題が発生した場合には、当社グループの経営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
(15) 顧客情報等漏洩リスク
当社グループは、ANAマイレージクラブの会員数約3,459万人(2019年3月末日現在)に関わる会員情報をはじめ、膨大な顧客等に関する情報を保持しており、個人情報保護法やその他諸外国の類似法令により、これらの個人情報を適切に管理することが求められています。当社グループでは、プライバシーポリシーを定め、個人情報の取扱いに関する当社グループの姿勢・考え方を広くお客様に告知するとともに、システム対策を含め情報セキュリティについては想定しうる対策を講じています。また、セキュリティホールをなくすべく、業務手順の改定やシステム改修を継続的に実施していますが、不正アクセスや業務上の過失等、何らかの原因により大規模な個人情報漏洩事故が発生した場合、多額の損害賠償費用が発生し、また、信用失墜により、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 災害等リスク
地震、津波、洪水、台風、積雪、火山噴火、感染症、ストライキ、暴動等により空港が長期間閉鎖または運用制限がかかる場合、飛行経路が制限を受ける場合には、その間当該空港又は当該経路を利用する運航便に影響が生じ、または航空需要が大幅に減退することにより、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
特に、当社グループがデータセンターを首都圏に設置していること、国内線・国際線全便の運航管理を羽田空港にて実施していること及び当社グループの旅客の大半が首都圏空港を利用していること等により、地震、台風等の大規模災害が発生した場合、当該施設において火災等の災害が発生した場合、またはストライキ等により空港もしくはそのアクセスが閉鎖された場合、当社グループのシステムもしくは運航管理機能または運航そのものが長期間停止し、当社グループの経営に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(17) 損益構造に関わるリスク
当社グループは、航空機材費等の固定費、ならびに主として機種によって定まる燃料費及び空港使用料等、搭乗率の影響を受けない費用が全体のコストに占める割合が高く、経済状況に即応した事業規模調整の自由度が低位なため、旅客数あるいは貨物輸送量が減少した場合、損益に与える影響が大きくなる可能性があります。
また、当社グループの航空旅客事業は夏場に売上が増加する傾向があるため、かかる時期において需要が大きく減少した場合には、その連結会計年度における当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(18) IT(システム)リスク
当社グループは、お客様へのサービス及び運航に必要な業務等、システム依存度が高い業種といえます。自然災害、事故、コンピュータ・ウィルス、不正アクセス、電力供給の制約や大規模停電、故障や不具合等によりかかるシステムあるいは通信ネットワークに重大な障害が発生した場合、お客様へのサービス及び運航の維持が困難になるとともに、信用失墜により当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループのシステムは他提携航空会社においても使用されており、その影響範囲は自社グループ内にとどまらなくなる可能性があります。
(19) 人事・労務に関わるリスク
当社グループの従業員の多くは労働組合に所属しており、当社グループの従業員が集団的にストライキ等を行った場合、当社グループの航空機の運航が影響を受ける可能性があります。
(20) 人材確保に関わるリスク
LCCの運航規模拡大等により運航乗務員等に対する需要が高まっている一方、運航乗務員等の育成には一定期間の教育訓練等が必要であり、当社グループが適時に適切な員数の適正能力を有する運航乗務員等を確保できない場合には、当社グループの経営が影響を受ける可能性があります。また、労働市場における需給バランスの変化等によって、空港ハンドリング等の人材不足、あるいは賃金水準の高騰が発生する可能性があります。
(21) 財務に関わるリスク
①資金調達コストの増加
当社グループは、機材調達等のため銀行借入・社債発行等により資金調達を行っています。しかしながら、今後、航空業界の事業環境が悪化した場合、金融市場が混乱した場合、税制・金融政策および政府系金融機関の保証制度等が変更された場合、もしくは当社の信用格付けが格下げされた場合等においては、当社にとって有利な条件による資金調達が困難または不可能となる結果、資金調達コストが増加し、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
②資産減損等のリスク
当社グループは、その事業の性質上多くの固定資産を保有していますが、今後各種事業収支が悪化した場合、あるいは資産売却を決定した場合等には、固定資産の減損損失または売却損の計上が必要となる可能性があります。
(22) 航空機燃料確保に関わるリスク
当社グループは、羽田空港・成田空港の発着枠拡大を最大のビジネスチャンスと捉え、事業拡大を計画する中で大幅な航空機燃料の使用量増加を見込む一方、航空機燃料の適切な数量確保が出来ない場合、当社グループの航空機の運航が影響を受ける可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日、以下「当期」という)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当期のわが国経済は、企業収益及び雇用環境の改善が続く中、個人消費の持ち直しが見られる等、景気は緩やかに回復しました。航空業界を取り巻く環境は、国内・海外経済の緩やかな回復が続く中で、訪日外国人の増加等により、需要は概ね堅調に推移しました。
このような経済情勢の下、「2018~2022年度ANAグループ中期経営戦略」(2018年2月1日開示)で掲げた各種施策を遂行し、安全と品質・サービスを追求するとともに、2020年の首都圏空港発着枠の拡大に向けた人財・設備投資を積極的に進めました。
また当社は、経済産業省と東京証券取引所から、積極的なIT利活用に取り組んでいる企業として「攻めのIT経営銘柄2018」に選定されました。今後もデジタル技術の可能性を活かしながら、革新的な働き方、独創的なサービスや事業等、持続的な価値創造に取り組んでまいります。
以上の結果、当期の財政状態及び経営成績等は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当期末の資産合計は、前期末に比べ1,246億円増加し、2兆6,871億円となりました。
当期末の負債合計は、前期末に比べ158億円増加し、1兆5,778億円となりました。
当期末の純資産合計は、前期末に比べ1,087億円増加し、1兆1,093億円となりました。
b.経営成績
当期における連結業績は、航空事業を中心に増収となったことから売上高は2兆583億円(前期比4.4%増)、営業利益は1,650億円(同0.3%増)と4期連続で過去最高を更新しました。一方、整備部品の除却が増加したこと等により、経常利益は1,566億円(前期比2.5%減)となりました。前期にPeach・Aviation㈱を連結子会社としたことに伴って計上した特別利益の反動等により、親会社株主に帰属する当期純利益は1,107億円(前期比23.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。(なお、各事業における売上高はセグメント間売上高を含み、営業利益はセグメント利益に該当します。)
◎航空事業
旺盛な需要に支えられ、国際線旅客が好調に推移したこと等により、航空事業の売上高は1兆8,144億円(前期比4.8%増)となり、営業利益は1,605億円(同2.3%増)となりました。
当期は、成長戦略推進のために必要な「安全と品質・サービスの総点検」と位置付けた期間であり、「安全の堅持」「お客様の利便性・快適性の向上」への取り組みを着実に進めました。お客様に機内での安全に関わる情報を分かりやすく確実に伝えるために、12月より日本の伝統芸能「歌舞伎」をテーマに機内安全ビデオを一新した他、狭い機内でも移動や回転がしやすい機内用新型車いすの配備や、よりスムーズにご搭乗いただけるよう、搭乗ゲート幅の拡大を進める等、誰もが利用しやすい「ユニバーサルなサービス」の充実を図りました。
当社グループは、英国スカイトラックス社から、顧客満足度で最高評価となる「5STAR」に7年連続で認定された他、公益財団法人日本生産性本部が実施しているJCSI(日本版顧客満足度指数)調査において、国際航空部門の顧客満足で初の第1位となる等、サービス品質に高い評価をいただきました。定時到着率においても、米国FlightStats社からアジア・パシフィック地域の第1位及び全世界の第3位に認定されました。これからも基本品質に徹底的にこだわり、更なる向上に向けて取り組んでまいります。
<国内線旅客>
国内線旅客は、上期に相次ぐ自然災害やロールス・ロイス社製エンジンの点検整備による欠航の影響があったものの、堅調なビジネス需要と訪日旅客の国内移動需要を取り込むとともに、需要に応じた各種割引運賃の設定等に取り組んだ結果、旅客数・収入ともに前期を上回りました。
路線ネットワークでは、サマーダイヤから中部=宮古線、福岡=石垣線を通年運航とし、日本各地から石垣島、宮古島への直行便を拡大する等、需要の取り込みを図りました。
営業・サービス面では、10月からシンプルでわかりやすい運賃ラインナップへ変更し、予約・発売を搭乗の355日前から開始する等、運賃体系をリニューアルした他、自然災害からの復興支援として「でかけよう北海道」プロジェクト及び「訪日旅客向け関西空港利用促進キャンペーン」の実施により、国内外からの渡航需要喚起を図りました。また、4月から機内Wi-Fiサービスの無料提供を開始した他、全席シートモニターを装着したエアバスA321neo型機の導入を更に進め、本年2月に隈研吾氏監修のもと、伊丹空港、福岡空港、那覇空港の国内線ラウンジをリニューアルする等、サービス向上に努めました。
以上の結果、当期の国内線旅客数は4,432万人(前期比0.4%増)となり、収入は6,966億円(同1.0%増)となりました。
<国際線旅客>
国際線旅客は、日本発ビジネス需要が好調に推移していることに加え、旺盛な訪日需要を取り込んだこと等により、旅客数・収入ともに前期を上回りました。
路線ネットワークでは、6月から羽田=バンコク線を1日3便へ増便し、10月からアリタリアとのコードシェア便の運航を開始した他、本年2月から羽田=ウィーン線を新規開設する等、ネットワークの更なる拡充を図りました。
営業・サービス面では、プレミアムエコノミーにおいて、マイルを利用した特典航空券やエコノミークラスからのアップグレードの予約を開始し、お客様の利便性向上を図りました。また、本年3月からビジネスクラスにおいて機内食の事前予約サービスを拡充した他、食物アレルギーを持つお客様が安心してお食事をお楽しみ頂けるよう、新たに開発したグルテンフリー米粉パンを提供する等、すべてのお客様に、より安心・快適に飛行機をご利用いただける環境づくりに努めました。
また、当社は、成長著しいアジア地域のネットワーク強化、プレゼンス向上を目的として、フィリピン航空の親会社であるPALホールディングスと資本業務提携をしました。フィリピン航空との中長期的な戦略的パートナー関係を更に強化してまいります。
以上の結果、当期の国際線旅客数は1,009万人(前期比3.6%増)となり、収入は6,515億円(同9.1%増)となりました。
<貨物>
国際線貨物は、第4四半期において中国発着貨物の需要が落ち込みましたが、第3四半期までは北米・欧州向けの自動車関連部品や電子部品を中心とした旺盛な貨物需要を背景に、好調に推移しました。輸送重量は前期を下回ったものの、イールドマネジメントの強化や、エアラインチャーター(他社機材を使用した貨物チャーター便)を活用する等の結果、収入は前期を上回りました。また、ウインターダイヤから沖縄ハブネットワークの規模適正化や、一部路線の直行便化を行い、収益性の改善を図りました。
以上の結果、当期の国際線貨物輸送重量は91万3千トン(前期比8.1%減)となり、収入は1,250億円(同5.9%増)となりました。
<LCC>
LCCは、路線の拡大や旺盛な訪日需要を取り込んだこと等により、旅客数、収入ともに前期を上回りました。
路線ネットワークでは、Peach・Aviation㈱が4月から沖縄=高雄線、8月から関西=釧路線を新規開設した他、バニラ・エア㈱が7月から成田=石垣線、沖縄=石垣線を新規開設し、10月から沖縄=台北線を増便する等、国内線・国際線ともにネットワークの拡充を図りました。
営業面では、Peach・Aviation㈱とバニラ・エア㈱の両社が、統合に向けて「恋するピーチとバニラ 甘すぎる!全路線合同セール」を実施する等、需要の取り込みに努めました。また、本年3月にPeach・Aviation㈱とバニラ・エア㈱は、那覇空港において新設されたターミナルへ移転し、モノレール駅から直接アクセスできる等、お客様の利便性が更に向上しました。
以上の結果、当期の旅客数は815万人(前期比4.6%増)となり、収入は936億円(同6.9%増)となりました。
<その他>
航空事業におけるその他の収入は2,118億円(前期比6.8%増)となりました。なお、航空事業におけるその他には、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。
◎航空関連事業
福岡空港をはじめとした旅客の搭乗受付や手荷物搭載等の空港地上支援業務の受託が増加したことや、外国航空会社から機内食関連業務の受託が増加したこと等により、売上高は2,910億円(前期比2.4%増)となり、営業利益は131億円(同23.9%増)となりました。
◎旅行事業
国内旅行は、ダイナミックパッケージ商品「旅作」において、需要の早期取り込みを図ったこと等により堅調に推移したものの、「ANAスカイホリデー」においては、自然災害の影響や沖縄方面を中心に集客が伸び悩んだこと等から、売上高は前期を下回りました。
海外旅行は、添乗員付き商品において、ヨーロッパ方面の集客が堅調に推移したものの、ダイナミックパッケージ商品「旅作」の集客が伸び悩んだこと等から、売上高は前期を下回りました。
以上の結果、当期の旅行事業における売上高は1,507億円(前期比5.4%減)となり、新しく稼働した旅行システムの費用増加等により、営業利益は6億円(同83.8%減)となりました。
◎商社事業
空港免税店「ANA DUTY FREE SHOP」等のリテール部門において訪日旅客の需要を取り込んだことに加え、食品部門での生鮮食品の取扱高が増えたこと等により、売上高は前期を上回りました。一方、航空・電子部門や生活産業部門の利益が減少したこと等が影響し、営業利益は前期を下回りました。
以上の結果、当期の商社事業における売上高は1,506億円(前期比5.3%増)、営業利益は37億円(同17.8%減)となりました。
◎その他
航空保安警備事業が堅調に推移したこと等の結果、当期のその他の売上高は409億円(前期比5.8%増)となりましたが、不動産関連事業において、土地売買に伴う仲介手数料収入が減少したため、営業利益は22億円(同17.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
税金等調整前当期純利益1,540億円に減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減算を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは2,961億円の収入となりました。
投資活動においては、航空機・部品等の取得及び導入予定機材の前払いによる支出等により、投資活動によるキャッシュ・フローは3,086億円の支出となりました。これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは125億円の支出となりました。
財務活動においては、社債発行等の資金調達を行った一方で、配当金の支払いや借入金の返済を行ったことにより、財務活動によるキャッシュ・フローは464億円の支出となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べて586億円減少し、2,118億円となりました。
③生産及び販売の実績
a.セグメント別売上高
最近2連結会計年度のセグメント別売上高は次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
航空事業 |
|
|
|
|
|
国内線 |
|
|
|
|
|
旅客収入 |
689,760 |
29.3 |
696,617 |
28.5 |
|
貨物収入 |
30,710 |
1.3 |
27,454 |
1.1 |
|
郵便収入 |
3,388 |
0.1 |
3,230 |
0.1 |
|
小計 |
723,858 |
30.7 |
727,301 |
29.7 |
|
国際線 |
|
|
|
|
|
旅客収入 |
597,446 |
25.4 |
651,587 |
26.6 |
|
貨物収入 |
118,002 |
5.0 |
125,015 |
5.1 |
|
郵便収入 |
5,934 |
0.3 |
5,100 |
0.2 |
|
小計 |
721,382 |
30.7 |
781,702 |
31.9 |
|
航空事業収入合計 |
1,445,240 |
61.4 |
1,509,003 |
61.6 |
|
LCC収入 |
87,555 |
3.7 |
93,611 |
3.8 |
|
その他の収入 |
198,378 |
8.4 |
211,803 |
8.7 |
|
航空事業小計 |
1,731,173 |
73.5 |
1,814,417 |
74.1 |
|
航空関連事業 |
|
|
|
|
|
航空関連収入 |
284,331 |
12.1 |
291,051 |
11.9 |
|
航空関連事業小計 |
284,331 |
12.1 |
291,051 |
11.9 |
|
旅行事業 |
|
|
|
|
|
パッケージ商品収入(国内) |
127,065 |
5.4 |
119,362 |
4.9 |
|
パッケージ商品収入(国際) |
21,658 |
0.9 |
20,979 |
0.9 |
|
その他の収入 |
10,566 |
0.4 |
10,405 |
0.4 |
|
旅行事業小計 |
159,289 |
6.7 |
150,746 |
6.2 |
|
商社事業 |
|
|
|
|
|
商社事業収入 |
143,039 |
6.1 |
150,679 |
6.1 |
|
商社事業小計 |
143,039 |
6.1 |
150,679 |
6.1 |
|
報告セグメント計 |
2,317,832 |
98.4 |
2,406,893 |
98.3 |
|
その他 |
|
|
|
|
|
その他の収入 |
38,708 |
1.6 |
40,958 |
1.7 |
|
その他小計 |
38,708 |
1.6 |
40,958 |
1.7 |
|
営業収入合計 |
2,356,540 |
100.0 |
2,447,851 |
100.0 |
|
セグメント間取引 |
△384,741 |
- |
△389,539 |
- |
|
営業収入(連結) |
1,971,799 |
- |
2,058,312 |
- |
(注)1.セグメント内の内訳は内部管理上採用している区分によっています。
2.各セグメントの営業収入はセグメント間の売上高を含みます。
3.LCC収入は、Peach・Aviation㈱及びバニラ・エア㈱の収入の合計です。
4.上記の金額には、消費税等は含みません。
b.セグメント別取扱実績
① 航空事業
イ.ANAブランド輸送実績
最近2連結会計年度の輸送実績は次のとおりです。
|
項目 |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
|
|
国内線 |
|
|
|
|
旅客数 |
(人) |
44,150,757 |
44,325,835 |
|
座席キロ |
(千席キロ) |
58,426,852 |
58,475,114 |
|
旅客キロ |
(千人キロ) |
40,271,969 |
40,704,695 |
|
利用率 |
(%) |
68.9 |
69.6 |
|
有効貨物トンキロ |
(千トンキロ) |
1,739,706 |
1,720,144 |
|
貨物輸送重量 |
(トン) |
436,790 |
393,773 |
|
貨物トンキロ |
(千トンキロ) |
448,208 |
408,275 |
|
郵便輸送重量 |
(トン) |
34,032 |
30,482 |
|
郵便トンキロ |
(千トンキロ) |
33,285 |
30,125 |
|
貨物重量利用率 |
(%) |
27.7 |
25.5 |
|
国際線 |
|
|
|
|
旅客数 |
(人) |
9,740,523 |
10,093,299 |
|
座席キロ |
(千席キロ) |
64,376,225 |
65,976,156 |
|
旅客キロ |
(千人キロ) |
49,132,606 |
50,776,587 |
|
利用率 |
(%) |
76.3 |
77.0 |
|
有効貨物トンキロ |
(千トンキロ) |
6,809,755 |
7,122,948 |
|
貨物輸送重量 |
(トン) |
994,593 |
913,915 |
|
貨物トンキロ |
(千トンキロ) |
4,474,388 |
4,318,339 |
|
郵便輸送重量 |
(トン) |
31,868 |
25,407 |
|
郵便トンキロ |
(千トンキロ) |
150,337 |
131,516 |
|
貨物重量利用率 |
(%) |
67.9 |
62.5 |
ロ.ANAブランド運航実績
最近2連結会計年度の運航実績は次のとおりです。
|
項目 |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
||
|
国内線 |
国際線 |
国内線 |
国際線 |
|
|
運航回数(回) |
382,765 |
69,615 |
378,402 |
68,987 |
|
飛行距離(km) |
323,786,530 |
309,468,163 |
321,461,696 |
313,702,732 |
|
飛行時間(時間) |
564,873 |
421,785 |
562,565 |
425,881 |
(注)1.国内線旅客実績には、アイベックスエアラインズ㈱、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績を含みます。また、2017年10月29日からオリエンタルエアブリッジ㈱との一部のコードシェア便実績を含みます。
2.国内線、国際線ともに不定期便実績を含みません。
3.国内線貨物及び郵便実績には、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア、オリエンタルエアブリッジ㈱及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績、エアラインチャーター便実績及び地上輸送実績を含みます。
4.国際線貨物及び郵便実績には、コードシェア便実績、エアラインチャーター便実績、ブロック・スペース契約締結便実績及び地上輸送実績を含みます。
5.座席キロは、各路線各区間の有効座席数(席)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
6.旅客キロは、各路線各区間の旅客数(人)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
7.有効貨物トンキロは、各路線各区間の有効貨物重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。なお、旅客便については、床下貨物室(ベリー)の有効貨物重量に各区間距離を乗じています。また、床下貨物室の有効貨物重量には、貨物・郵便の他、搭乗旅客から預かる手荷物搭載の有効搭載重量も含まれています。
8.貨物トンキロ及び郵便トンキロは、各路線各区間の輸送重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
9.貨物重量利用率は、貨物トンキロと郵便トンキロの合計を有効貨物トンキロで除した数値です。
10.Peach・Aviation㈱及びバニラ・エア㈱の実績は含みません。
11.Peach・Aviation㈱及びバニラ・エア㈱は貨物・郵便の取扱いをしておりません。
ハ.LCC輸送実績
最近2連結会計年度の輸送実績は次のとおりです。
|
項目 |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
|
|
旅客数 |
(人) |
7,797,963 |
8,153,118 |
|
座席キロ |
(千席キロ) |
11,832,653 |
12,052,233 |
|
旅客キロ |
(千人キロ) |
10,212,080 |
10,394,337 |
|
利用率 |
(%) |
86.3 |
86.2 |
② 航空関連事業
航空関連事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
③ 旅行事業
旅行事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
④ 商社事業
商社事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
⑤ その他
その他に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループは、「2018~2022年度ANAグループ中期経営戦略」(2018年2月1日開示)で掲げた各種施策を遂行し、安全と品質・サービスを追求するとともに、2020年の首都圏空港発着枠の拡大に向けた人財・設備投資を積極的に進めました。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当期末時点において判断したものです。
①連結貸借対照表
<資産の部>
流動資産は、有価証券が減少したこと等により、前期末に比べて232億円減少し、7,002億円となりました。
固定資産は、航空機取得を進めたこと等により、有形固定資産が増加したことに加え、投資有価証券の取得を行ったこと等により、前期末に比べ1,479億円増加し、1兆9,863億円となりました。
以上により、当期末における総資産は前期末に比べて1,246億円増加し、2兆6,871億円となりました。
<負債の部>
負債合計は発売未決済が増加したこと等から、前期末に比べて158億円増加し、1兆5,778億円となりました。
有利子負債はグリーンボンドの発行等を行った一方で、借入金の返済等を着実に進めた結果、前期末に比べて97億円減少し、7,886億円となりました。
<純資産の部>
株主資本は当期純利益の計上等により、前期末に比べて809億円増加し、1兆666億円となりました。
その他の包括利益累計額はその他有価証券評価差額金や繰延ヘッジ損益の増加等により、前期末に比べて298億円増加し、327億円となりました。
これらの結果、純資産合計は前期末に比べて1,087億円増加し、1兆1,093億円となりました。
なお、自己資本比率は40.9%(前期末38.6%)となり、有利子負債と自己資本の比率を示すD/Eレシオは0.7倍(前期末0.8倍)となりました。
②連結損益計算書
<営業損益>
当期の売上高は、主力の航空事業が好調に推移したことに加え、航空関連、商社、その他事業においても前期を上回り、前期に比べ865億円増加し、2兆583億円となりました。詳細は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
営業費用は、事業規模の拡大に伴う生産連動費用の増加等により、売上原価が前期に比べ779億円増加し、1兆5,598億円となりました。販売費及び一般管理費は、前期に比べ80億円増加し、3,334億円となりました。結果として、営業費用全体では前期に比べて860億円増加し、1兆8,932億円となりました。営業利益は前期に比べて5億円増加し、1,650億円となりました。
<経常損益>
営業外収益は、前期に比べて39億円増加し、165億円となりました。これは、前期に比べて受取配当金が増加したこと等が主な要因です。
営業外費用は、前期に比べて84億円増加し、249億円となりました。これは、前期に比べて資産除却損が増加したこと等が主な要因です。金融収支(受取利息と支払利息の純額)は△62億円となりました。
以上により、経常利益は前期と比べて39億円減少し、1,566億円となりました。
<特別損益>
特別利益は、前期に比べて379億円減少し、68億円となりました。これは当期において、エンジン不具合に関する補償金等を計上した一方、前期はPeach・Aviation㈱の連結子会社化に伴う段階取得に係る差益を計上したこと等が主な要因です。
特別損失は、前期に比べて7億円増加し、94億円となりました。これは、米国での集団民事訴訟に係る和解金の計上等が主な要因です。
以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べて331億円減少し、1,107億円となりました。
③連結キャッシュ・フロー計算書
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
当期の税金等調整前当期純利益1,540億円に、減価償却費等非資金性項目の調整を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは2,961億円の収入となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
主として航空機受領時の支払いや予備部品の購入、今後導入予定の航空機に対する前払い等の有形固定資産や、ソフトウエア投資等の無形固定資産の取得による支出等の結果、投資活動によるキャッシュ・フローは3,086億円の支出となりました。
以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは125億円の支出となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
社債発行等の資金調達を行った一方で、配当金の支払いや借入金の返済を行ったこと等から、財務活動によるキャッシュ・フローは464億円の支出となりました。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備投資資金(主に航空機等)につきましては、自己資金または銀行借入、および社債発行により資金調達することとしており、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。このうち、借入による資金調達に関して、航空機購入のための長期資金は固定金利の長期借入金で調達しています。
当期末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、7,886億円となっています。また、当期末における現金及び現金同等物の残高は2,118億円となっています。
なお、2019年3月31日現在、複数の金融機関との間で合計1,536億円のコミットメントライン契約を締結しています。
⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは、「2018~2022年度ANAグループ中期経営戦略」に基づき、事業規模を拡大しながら成長戦略を着実に推進し、直近4事業年度において、いずれも過去最高の営業利益を更新する等、安定した財務基盤の構築と収益性の向上を図ってまいりました。
|
指標 |
2016年度 |
2017年度 |
2018年度 |
|
売上高 (百万円) |
1,765,259 |
1,971,799 |
2,058,312 |
|
営業利益 (百万円) |
145,539 |
164,516 |
165,019 |
|
売上高営業利益率 (%) |
8.2 |
8.3 |
8.0 |
|
株主資本利益率(ROE)(%) |
11.6 |
15.1 |
10.6 |
|
総資本利益率(ROA)(%) |
6.5 |
6.8 |
6.4 |
|
自己資本比率 (%) |
39.7 |
38.6 |
40.9 |
今後も成長戦略と財務の健全性を両立させながら、持続的利益成長の実現に向けて、資本効率と収益性の向上に引き続き努めてまいります。
(1) 営業に関する重要な契約
|
契約会社名 |
契約の種類 |
契約先 |
対象区間 |
|
|
全日本空輸㈱ |
スターアライアンスへの加盟 |
スターアライアンス |
|
|
|
Joint Venture契約 |
旅客分野 |
ルフトハンザグループ |
日本~欧州 |
|
|
ユナイテッド航空 |
アジア~米州 (北米・カリブ・南米諸国) |
|||
|
貨物分野 |
ルフトハンザカーゴAG. |
日本~欧州 |
||
|
ユナイテッド航空 |
アジア・日本~北中南米 |
|||
(2) 航空機のリース契約
航空機のリース契約については「第3 設備の状況 2 主要な設備の状況 (2) 航空機」に記載しております。
航空事業セグメントにおいては、より安全で快適かつ効率的な航空事業を提供するための多様な改良・改善活動を推進しています。
また、航空事業をはじめ各セグメントにおける事業活動が及ぼす環境負荷の逓減活動も推進しています。
なお、上記活動に関して「研究開発費等に係る会計基準」に定義する研究開発費に該当するものはありません。