第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

 

(1) 経営成績の状況

連結経営成績

前第3四半期連結累計期間

(自 2018年4月1日

至 2018年12月31日)

(億円)

当第3四半期連結累計期間

(自 2019年4月1日

至 2019年12月31日)

(億円)

前年同期比

増減率

(%)

売上高

15,684

15,821

0.9

航空事業

13,834

13,953

0.9

航空関連事業

2,171

2,248

3.6

旅行事業

1,152

1,192

3.4

商社事業

1,142

1,144

0.1

その他

292

314

7.6

セグメント間取引

△2,908

△3,031

営業利益

1,566

1,196

△23.6

航空事業

1,492

1,121

△24.9

航空関連事業

122

113

△7.1

旅行事業

13

19

41.5

商社事業

29

31

4.9

その他

19

19

0.3

セグメント間取引

△112

△109

経常利益

1,541

1,225

△20.5

親会社株主に帰属する四半期純利益

1,068

864

△19.1

※ 下記(注)1、2、3参照。

当第3四半期連結累計期間(2019年4月1日~2019年12月31日(以下、「当第3四半期」という。))のわが国経済は、輸出が引き続き弱含む中、製造業を中心に弱さが一段と増しているものの、企業収益は高い水準にあり、雇用環境の改善が続く等、景気は緩やかに回復しました。

このような経済情勢の下、航空事業を中心に増収となったことから売上高は1兆5,821億円となりましたが、営業費用の増加により、営業利益は1,196億円、経常利益は1,225億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は864億円となりました。

以下、当第3四半期におけるセグメント別の概況をお知らせいたします。

 

 

セグメント別の概況

◎航空事業

売上高1兆3,953億円(前年同期比0.9%増) 営業利益1,121億円(同24.9%減)

 

米中貿易摩擦をはじめとする世界経済の冷え込み等により、国際線貨物の需要が低迷した他、第3四半期(10月~12月)において台風19号の影響を受けたものの、堅調な国内線旅客需要や国際線ネットワークの拡大により、航空事業の売上高は前年同期を上回りました。一方で、安全・品質サービスの更なる向上や今後の首都圏空港の発着枠拡大に備えて、人件費、機材費、整備費等が増加したことから、営業利益は前年同期を下回りました。

なお、当社グループは、10月より羽田空港の国際線搭乗手続き及び国内全空港の国内線保安検査場の締切時刻を早め、定時性の向上に努めたこともあり、世界の航空データを分析・評価するグローバルブランドであるCIRIUMのThe On-Time Performance Awardsにて、2019年の定時到着率がアジア・パシフィック地域で1位、全世界では2位に認定されました。

 

<国際線旅客(ANAブランド)>

項 目

前第3四半期連結累計期間

(自 2018年4月1日

至 2018年12月31日)

当第3四半期連結累計期間

(自 2019年4月1日

至 2019年12月31日)

前年同期比

増減率

(%)

旅客収入

(億円)

4,966

5,080

2.3

旅客数

(人)

7,642,336

7,733,502

1.2

座席キロ

(千席キロ)

49,634,036

52,729,055

6.2

旅客キロ

(千人キロ)

38,298,847

40,502,900

5.8

利用率

(%)

77.2

76.8

△0.3

※ 下記(注)3、4、8、9、13、14参照。

国際線旅客では、日本発ビジネス需要の弱含みや中国線の競争激化による影響を受けたものの、欧州線、アジア・オセアニア線のネットワーク拡大やハワイ線へのエアバスA380型機の投入等により、旅客数・収入ともに前年同期を上回りました。

路線ネットワークでは、日本から直行便がなかった都市への就航を積極的に推進し、9月から成田=パース線(オーストラリア西部)、10月から成田=チェンナイ線(インド南部)を新規開設しました。また、10月よりボーイング787-10型機を成田=マニラ線に投入しエコノミークラスを増席したことで、アジア・米国間における旺盛な接続需要の取り込みを図りました。

営業・サービス面では、機内空間を一新したボーイング777-300ER型機を、羽田=ロンドン線に続き11月から羽田=ニューヨーク線、成田=ニューヨーク線に投入した他、10月よりホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港に就航している航空会社として初めて、ファーストクラス専用の優先入国サービスを開始する等、お客様の快適性と利便性の向上に努めました。

 

<国内線旅客(ANAブランド)>

項 目

前第3四半期連結累計期間

(自 2018年4月1日

至 2018年12月31日)

当第3四半期連結累計期間

(自 2019年4月1日

至 2019年12月31日)

前年同期比

増減率

(%)

旅客収入

(億円)

5,348

5,535

3.5

旅客数

(人)

33,757,029

34,724,581

2.9

座席キロ

(千席キロ)

44,083,195

44,941,895

1.9

旅客キロ

(千人キロ)

30,971,153

31,945,917

3.1

利用率

(%)

70.3

71.1

0.8

※ 下記(注)3、4、5、8、9、13、14参照。

国内線旅客は好調なビジネス需要に加え、ラグビーワールドカップ開催等による訪日旅客の国内移動需要を取り込むとともに、各種割引運賃を需要に応じて設定したこと等により、旅客数・収入ともに前年同期を上回りました。

路線ネットワークでは、5月から成田=中部線、10月から中部=熊本線を増便した他、路線便数の最適化や投入機種の柔軟な調整を推進し、ネットワークの効率化を図りました。

営業・サービス面では、11月よりボーイング777-200型機に、新たにタッチパネル式パーソナルモニターを装着した普通席や、電動リクライニングにより快適性と機能性が向上したプレミアムクラスの新シートを順次導入しました。また、11月より那覇空港で出発カウンターのレイアウト変更や自動手荷物預け機「ANA Baggage Drop」等を国内4空港目として導入した他、12月より国内全空港に旅客係員の多言語コミュニケーションツールとしてAI翻訳機「POCKETALK(ポケトーク)」を順次導入する等、フルサービスキャリアとしてサービス品質の向上に努めました。

 

<貨物(ANAブランド)>

項 目

前第3四半期連結累計期間

(自 2018年4月1日

至 2018年12月31日)

当第3四半期連結累計期間

(自 2019年4月1日

至 2019年12月31日)

前年同期比

増減率

(%)

国際線

 

 

 

 

貨物収入

(億円)

988

781

△20.9

有効貨物トンキロ

(千トンキロ)

5,388,790

5,551,267

3.0

貨物輸送重量

(トン)

715,019

672,605

△5.9

貨物トンキロ

(千トンキロ)

3,349,354

3,221,018

△3.8

郵便収入

(億円)

40

36

△9.6

郵便輸送重量

(トン)

20,096

16,933

△15.7

郵便トンキロ

(千トンキロ)

102,244

91,486

△10.5

貨物重量利用率

(%)

64.1

59.7

△4.4

国内線

 

 

 

 

貨物収入

(億円)

213

196

△7.7

有効貨物トンキロ

(千トンキロ)

1,301,755

1,326,304

1.9

貨物輸送重量

(トン)

305,447

289,251

△5.3

貨物トンキロ

(千トンキロ)

316,327

298,898

△5.5

郵便収入

(億円)

24

23

△2.9

郵便輸送重量

(トン)

23,055

22,088

△4.2

郵便トンキロ

(千トンキロ)

22,777

21,881

△3.9

貨物重量利用率

(%)

26.0

24.2

△1.9

※ 下記(注)3、4、6、7、10、11、12、13、15参照。

国際線貨物では、7月から成田=上海(浦東)線、10月から成田=シカゴ線へ大型貨物機ボーイング777F型機を導入し、自動車や半導体製造装置等の大型特殊貨物の需要を取り込みました。三国間貨物においては輸送重量が前年同期を上回ったものの、米中貿易摩擦をはじめとする世界経済の減速を受け、日本発・海外発貨物はともに需要が減退したことから全体では輸送重量・収入ともに前年同期を下回りました。

 

<LCC>

項 目

前第3四半期連結累計期間

(自 2018年4月1日

至 2018年12月31日)

当第3四半期連結累計期間

(自 2019年4月1日

至 2019年12月31日)

前年同期比

増減率

(%)

旅客収入

(億円)

692

643

△7.1

旅客数

(人)

6,099,583

5,776,652

△5.3

座席キロ

(千席キロ)

9,062,881

8,595,847

△5.2

旅客キロ

(千人キロ)

7,797,960

7,334,619

△5.9

利用率

(%)

86.0

85.3

△0.7

※ 下記(注)3、8、9、13、16参照。

LCCでは、10月にバニラ・エア㈱の運航が終了し、Peach・Aviation㈱とバニラ・エア㈱の事業統合が完了しました。統合による機体改修や運航乗務員の訓練等により一時的に運航便数を抑制した他、日韓関係悪化や香港での市民デモに伴う需要の落ち込み等もあり、旅客数・収入ともに前年同期を下回りました。

路線ネットワークでは、バニラ・エア㈱からPeach・Aviation㈱への路線移管を進め、10月から成田=奄美線、成田=台北(桃園)線、11月から福岡=台北(桃園)線、12月から成田=石垣線、関西=奄美線をそれぞれPeach・ Aviation㈱として運航を開始しました。

営業面では、Peach・Aviation㈱とバニラ・エア㈱の統合後「“空飛ぶ電車”Peachセール」を全40路線で実施し販売促進に努めました。

<その他>

航空事業におけるその他の収入は1,656億円(前年同期1,561億円、前年同期比6.1%増)となりました。なお、航空事業におけるその他には、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。

 

◎航空関連事業

売上高2,248億円(前年同期比3.6%増) 営業利益113億円(同7.1%減)

中部空港、関西空港における旅客の搭乗受付や手荷物搭載等の空港地上支援業務の受託が増加したことや、航空機整備のMRO Japan㈱が連結子会社として加わったこと等により、売上高は前年同期比3.6%増となりました。一方、外部委託費が増加したこと等により、営業利益は前年同期を下回りました。

 

◎旅行事業

売上高1,192億円(前年同期比3.4%増) 営業利益19億円(同41.5%増)

国内旅行、海外旅行ともにインターネット販売商品の集客が好調に推移したこと等により、売上高は前年同期比3.4%増となりました。

国内旅行は、店頭販売を中心とする「ANAスカイホリデー」の取扱高が減少した他、台風によるキャンセルの影響を受けたものの、インターネット販売のダイナミックパッケージ商品「旅作」の販売が好調に推移したこと等により、売上高は前年同期を上回りました。

海外旅行は、重点的に販売強化しているハワイ方面を中心に「ANAハローツアー」やダイナミックパッケージ商品「旅作」の集客が好調に推移したこと等により売上高は前年同期を上回りました。

 

◎商社事業

売上高1,144億円(前年同期比0.1%増) 営業利益31億円(同4.9%増)

リテール部門の空港免税店「ANA DUTY FREE SHOP」や、食品部門のナッツ類等で取扱高が減少したものの、航空機部品やANA公式ECサイト「ANAショッピング A-style」の取扱高が増加したこと等により、売上高は前年同期比0.1%増となりました。

 

◎その他

売上高314億円(前年同期比7.6%増) 営業利益19億円(同0.3%増)

不動産関連事業において、サブリース取扱高の増加や保有物件の売却等により、売上高は前年同期比7.6%増となりました。

 

(注) 1.セグメント内の内訳は内部管理上採用している区分によっています。

2.各セグメントの売上高はセグメント間の売上高を含み、営業利益はセグメント利益に該当します。

3.上記の金額には、消費税等は含みません。

4.国内線、国際線ともに不定期便実績を含みません。

5.国内線旅客実績にはアイベックスエアラインズ㈱、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績及びオリエンタルエアブリッジ㈱との一部のコードシェア便実績を含みます。

6.国際線貨物及び郵便実績には、コードシェア便実績、エアラインチャーター便実績、ブロック・スペース契約締結便実績及び地上輸送実績を含みます。

7.国内線貨物及び郵便実績には、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア、オリエンタルエアブリッジ㈱及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績、エアラインチャーター便実績及び地上輸送実績を含みます。

8.座席キロは、各路線各区間の有効座席数(席)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。

9.旅客キロは、各路線各区間の旅客数(人)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。

10.有効貨物トンキロは、各路線各区間の有効貨物重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。なお、旅客便については、床下貨物室(ベリー)の有効貨物重量に各区間距離を乗じています。また、床下貨物室の有効貨物重量には、貨物・郵便の他、搭乗旅客から預かる手荷物搭載の有効搭載重量も含まれています。

11.貨物トンキロ及び郵便トンキロは、各路線各区間の輸送重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。

12.貨物重量利用率は、貨物トンキロと郵便トンキロの合計を有効貨物トンキロで除した数値です。

13.利用率及び貨物重量利用率については、「前年同期比増減率(%)」の欄に前期差(ポイント)を記載しています。

14.Peach・Aviation㈱及びバニラ・エア㈱の実績は含みません。

15.Peach・Aviation㈱及びバニラ・エア㈱は貨物・郵便の取扱いをしていません。

16.LCC実績は、Peach・Aviation㈱及びバニラ・エア㈱の実績の合計です。

 

(2) 財政状態

資産の部は、航空機の取得や総合トレーニングセンター「ANA Blue Base」への投資を進めたことに伴う有形固定資産の増加等により、総資産は前期末に比べて671億円増加し、2兆7,542億円となりました。

負債の部は、新規借入やソーシャルボンドに加え、社債発行等による資金調達を行った一方で、借入金の返済や法人税の納付により、前年並みの1兆5,783億円となりました。なお、有利子負債は、前期末に比べて595億円増加し、8,481億円となりました。

純資産の部は、配当金の支払いがあった一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等により、純資産合計では前期末に比べて666億円増加し、1兆1,759億円となりました。

 

(3) 経営方針・経営戦略等について

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

また、連結業績予想の見直しは現時点で行っていません。

 

(5) 研究開発活動

航空事業セグメントにおいては、より安全で快適かつ効率的な航空運送サービスを提供するための多様な改良・改善活動を推進しています。

また、航空事業をはじめ各セグメントにおける事業活動が及ぼす環境負荷の逓減活動も推進しています。

なお、上記活動に関して「研究開発費等に係る会計基準」に定義する研究開発費に該当するものはありません。

 

(6) 従業員数

当第3四半期連結累計期間において、各空港会社で新入社員が増加したことや、2020年の首都圏空港再拡張に向けて採用数を増加させたこと等に伴い、航空関連事業の従業員数は1,836名増加し、21,616名となりました。

なお、従業員数は就業人員数(当社及びその連結子会社から連結子会社外への出向者を除き、連結子会社外から当社及びその連結子会社への出向者を含む。)です。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において新たに締結した重要な契約等はありません。