第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 当社グループは新型コロナウイルス感染症の拡大により、甚大な影響を受けました。

 このような未曾有の状況下で当社グループは、人件費及び前年の大型機を中心とした早期退役による減価償却費・整備 費等の固定費の削減に加え、航空機等の設備投資を精査・抑制し、実施時期を見直しています。

 当第2四半期連結累計期間においては、社債の発行により200億円を調達した他、民間金融機関から1,000億円の借り換えを行い、当第2四半期連結会計期間末の現金及び預金に有価証券を加えた手元流動性は8,208億円となりました。

 今後も必要に応じて適宜資金調達を行い、グループ各社の手元流動性資金の確保に努めてまいりますことから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しています。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

 

(1) 経営成績の状況

連結経営成績

 前第2四半期連結累計期間

 (自 2020年4月1日

  至 2020年9月30日)

     (億円)

 当第2四半期連結累計期間

 (自 2021年4月1日

  至 2021年9月30日)

     (億円)

前年同期比

増減率

 

(%)

売上高

2,918

4,311

47.7

航空事業

2,367

3,702

56.4

航空関連事業

1,198

976

△18.5

旅行事業

138

196

42.0

商社事業

382

383

0.2

その他

185

174

△5.6

セグメント間取引

△1,353

△1,123

営業利益又は営業損失(△)

△2,809

△1,160

航空事業

△2,777

△1,137

航空関連事業

87

16

△80.6

旅行事業

△40

△1

商社事業

△28

0

その他

8

6

△22.5

セグメント間取引

△59

△44

経常損失(△)

△2,686

△1,155

親会社株主に帰属する四半期純損失(△)

△1,884

△988

※ 下記(注)1、2、3参照。

 

当第2四半期連結累計期間(2021年4月1日~2021年9月30日(以下、「当第2四半期」という。))のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状況にある中、企業の生産活動や設備投資等において持ち直しの動きが続いていますが、その勢いが弱まっています。

航空業界は、依然として各国の入国規制や移動制限により厳しい状況にありますが、米国の国内線等で需要に回復の兆しがみられます。

このような経済情勢の下、日本国内においても人の移動が徐々に回復しており、売上高はコロナ禍の影響を大きく受けた前年から増加し4,311億円となりました。コロナ禍の影響が続いていることから、営業損失は1,160億円、経常損失は1,155億円、親会社株主に帰属する四半期純損失は988億円となりましたが、損益は良化しています。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、当第2四半期に係る各数値については、当該会計基準を適用した後の数値となっています。詳細については、P.18「2.四半期連結財務諸表(4)四半期連結財務諸表に関する注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。

 

以下、当第2四半期におけるセグメント別の概況をお知らせいたします。

 

セグメント別の概況

◎航空事業

売上高3,702億円(前年同期比56.4%増) 営業損失1,137億円(前年同期 営業損失2,777億円)

 

コロナ禍により甚大な影響を受けているものの、旅客需要は前年から増加した他、好調な貨物需要を積極的に取り込み貨物収入が過去最高となったこと等から、売上高は前年同期を上回りました。人件費及び前年の大型機を中心とした早期退役による減価償却費・整備費等の固定費の削減を進めたこと等により、前年同期に比べて損益は良化したものの、営業損失を計上しました。

当社グループは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会のオフィシャルエアラインパートナーとして輸送協力を行いました。また、英国SKYTRAX社による「World Airline Awards 2021」において「機内客室の清潔さ」をはじめ4部門で最も優秀な航空会社に選ばれました。

 

 

<国際線旅客(ANAブランド)>

項 目

 前第2四半期連結累計期間

 (自 2020年4月1日

  至 2020年9月30日)

 当第2四半期連結累計期間

 (自 2021年4月1日

  至 2021年9月30日)

前年同期比

増減率

(%)

旅客収入

(億円)

196

304

54.9

旅客数

(人)

193,827

327,686

69.1

座席キロ

(千席キロ)

5,426,693

9,433,689

73.8

旅客キロ

(千人キロ)

1,311,847

2,247,551

71.3

利用率

(%)

24.2

23.8

△0.3

※ 下記(注)3、4、8、9、13参照。

国際線旅客では、新型コロナウイルスの感染再拡大や変異株の流行により旅客需要が大きく低迷した状況が続いています。海外赴任・帰任を中心とするビジネス需要やアジア発北米行の接続需要が回復を始めた他、東京オリンピック・パラリンピック関係者の渡航需要を取り込んだこと等により、旅客数・収入ともに前年同期を上回りました。

路線ネットワークでは、7月から成田空港を発着する一部北米路線の運航を再開し、回復が続いているアジア発北米行の接続需要を取り込む等、運航路線の選択や臨時便の設定等に努めました。

営業・サービス面では、顔認証技術による新しい搭乗手続き「Face Express」を7月より成田=メキシコシティ線で開始しました。自動手荷物預け機で顔写真を登録すると、保安検査場と搭乗ゲートでは搭乗券やパスポートを提示することなく顔認証で通過いただけるようになりました。

 

 

 

<国内線旅客(ANAブランド)>

項 目

 前第2四半期連結累計期間

 (自 2020年4月1日

  至 2020年9月30日)

 当第2四半期連結累計期間

 (自 2021年4月1日

  至 2021年9月30日)

前年同期比

増減率

(%)

旅客収入

(億円)

789

1,118

41.7

旅客数

(人)

4,673,405

7,140,928

52.8

座席キロ

(千席キロ)

11,789,904

15,159,666

28.6

旅客キロ

(千人キロ)

4,284,502

6,635,963

54.9

利用率

(%)

36.3

43.8

7.4

※下記(注)3、4、5、8、9、13参照。

国内線旅客では、感染者数の拡大に伴う緊急事態宣言が繰り返される状況が続きましたが、旅客数・収入ともに新型コロナウイルスの影響を大きく受けた前年同期を上回りました。

路線ネットワークでは、航空需要の変動に合わせて運航規模の調整を進めました。また、8月からPeach Aviation㈱が運航する一部路線でコードシェアを開始し、利便性向上に努めました。

営業・サービス面では、機内食等の保冷に使用するドライアイスを保冷剤に変更し、繰り返し利用することで、コスト抑制に加えCO2排出量を年間約1,700トン削減してまいります。

 

<貨物(ANAブランド)>

項 目

 前第2四半期連結累計期間

 (自 2020年4月1日

  至 2020年9月30日)

 当第2四半期連結累計期間

 (自 2021年4月1日

  至 2021年9月30日)

前年同期比

増減率

(%)

国際線

 

 

 

 

貨物収入

(億円)

508

1,383

172.4

有効貨物トンキロ

(千トンキロ)

1,559,963

3,388,092

117.2

貨物輸送重量

(トン)

227,825

476,118

109.0

貨物トンキロ

(千トンキロ)

1,047,337

2,516,830

140.3

郵便収入

(億円)

10

23

130.9

郵便輸送重量

(トン)

4,761

8,647

81.6

郵便トンキロ

(千トンキロ)

26,323

39,367

49.5

貨物重量利用率

(%)

68.8

75.4

6.6

国内線

 

 

 

 

貨物収入

(億円)

86

121

40.1

有効貨物トンキロ

(千トンキロ)

294,122

437,468

48.7

貨物輸送重量

(トン)

93,079

120,169

29.1

貨物トンキロ

(千トンキロ)

103,959

136,910

31.7

郵便収入

(億円)

11

12

14.2

郵便輸送重量

(トン)

9,851

11,751

19.3

郵便トンキロ

(千トンキロ)

9,718

11,444

17.8

貨物重量利用率

(%)

38.6

33.9

△4.7

※ 下記(注)3、4、6、7、10、11、12、13参照。

国際線貨物では、旺盛な需要を背景に、旅客機を使用した貨物専用便を積極的に設定したことに加え、7月から成田=北京線にボーイング767F型機を新規就航させる等、貨物専用機を最大限活用したこと等により、日本・アジア発の自動車部品及び半導体・電子機器や、北米・欧州発の電子機器、ワクチン等の医薬品を積極的に取り込みました。以上の結果、輸送重量は前年同期を大きく上回り、収入は過去最高となりました。

 

 

<LCC>

項 目

 前第2四半期連結累計期間

 (自 2020年4月1日

  至 2020年9月30日)

 当第2四半期連結累計期間

 (自 2021年4月1日

  至 2021年9月30日)

前年同期比

増減率

(%)

旅客収入

(億円)

84

130

54.6

旅客数

(人)

817,344

1,554,658

90.2

座席キロ

(千席キロ)

2,090,734

3,254,706

55.7

旅客キロ

(千人キロ)

922,047

1,777,912

92.8

利用率

(%)

44.1

54.6

10.5

※ 下記(注)3、8、9、13、14参照。

LCCでは、新型コロナウイルスの影響が続いていますが、旅客数・収入ともに大きく影響を受けた前年同期を上回りました。

路線ネットワークでは7月に関西=女満別線を新規開設しました。今後も需要回復等の動向を見極め、ネットワークの拡充を図ってまいります。国際線では各国の入国制限の継続のため、4月中旬から全路線で運休しています。

営業・サービス面では、感染を拡大させない旅の実現に向けて、成田・関西発の国内線全路線で航空券予約と抗原検査を同時に申込みできるサービスを7月から9月まで実施しました。

 

<その他>

航空事業におけるその他の収入は607億円(前年同期681億円、前年同期比10.8%減)となりました。なお、航空事業におけるその他には、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。

コロナ禍での新たな取り組みとして、当社グループの総合トレーニングセンター「ANA Blue Base」において、7月からパイロット・整備士・客室乗務員の職業体験ツアーを実施しました。

 

◎航空関連事業

売上高976億円(前年同期比18.5%減) 営業利益16億円(同80.6%減)

旅客の搭乗受付や手荷物搭載等の空港地上支援業務が減収したことや、投資抑制の影響によりシステム開発業務等の取扱高が減少した結果、売上高は前年同期を下回りました。

 

◎旅行事業

売上高196億円(前年同期比42.0%増) 営業損失1億円(前年同期 営業損失40億円)

海外旅行は前年に引き続き当社グループが主催する全てのツアーの催行を中止したことに加え、国内旅行は「Go Toトラベルキャンペーン」の効果があった前年同期に比べて取扱いが減少しました。一方、グループ内においてデジタルマーケティング等の機能が移管されたことにより受託収入が増加しました。以上の結果、売上高は前年同期を上回り、損益は改善しました。

 

◎商社事業

売上高383億円(前年同期比0.2%増) 営業利益0億円(前年同期 営業損失28億円)

航空需要の緩やかな回復に伴い、空港物販店「ANA FESTA」等で増収となった他、半導体市場の好調な需要を受けて電子事業の取扱高が増加しました。一方で、当期より収益認識会計基準等を適用したことによる減収影響を受け、売上高は前年同期をわずかに上回りました。

 

◎その他

売上高174億円(前年同期比5.6%減) 営業利益6億円(同22.5%減)

新型コロナウイルスの影響により、建物・施設の保守管理事業において取扱高が減少したこと等から、売上高は前年同期を下回りました。

 

注) 1.セグメント内の内訳は内部管理上採用している区分によっています。

2.各セグメントの売上高はセグメント間の売上高を含み、営業利益はセグメント利益に該当します。

3.上記の金額には、消費税等は含みません。

4.国際線、国内線ともに不定期便実績を除きます。

5.国内線旅客実績には、アイベックスエアラインズ㈱、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績及びオリエンタルエアブリッジ㈱との一部のコードシェア便実績を含みます。また、2021年8月27日からPeach Aviation㈱とのコードシェア便実績を含みます。

6.国際線貨物及び郵便実績には、コードシェア便実績、エアラインチャーター便実績、ブロック・スペース契約締結便実績及び地上輸送実績を含みます。

7.国内線貨物及び郵便実績には、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア、オリエンタルエアブリッジ㈱及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績、エアラインチャーター便実績及び地上輸送実績を含みます。

8.座席キロは、各路線各区間の有効座席数(席)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。

9.旅客キロは、各路線各区間の旅客数(人)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。

10.有効貨物トンキロは、各路線各区間の有効貨物重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。なお、旅客便については、床下貨物室(ベリー)の有効貨物重量に各区間距離を乗じています。また、床下貨物室の有効貨物重量には、貨物・郵便の他、搭乗旅客から預かる手荷物搭載の有効搭載重量も含まれています。

11.貨物トンキロ及び郵便トンキロは、各路線各区間の輸送重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。

12.貨物重量利用率は、貨物トンキロと郵便トンキロの合計を有効貨物トンキロで除した数値です。

13.利用率及び貨物重量利用率については、「前年同期比増減率(%)」の欄に前期差(%)を記載しています。

14.LCC実績は、Peach Aviation㈱の実績です。

 

(2) 財政状態の状況

資産の部は、前期末に比べて1,278億円減少し、3兆800億円となりました。

負債の部は、第1四半期連結会計期間の期首から収益認識会計基準等を適用したことにより契約負債を計上した結果、前期末に比べて789億円増加し、2兆2,745億円となりました。なお、有利子負債は前期末に比べて186億円減少し、1兆6,368億円となりました。

純資産の部は、純損失の計上に加え収益認識会計基準等の適用により、利益剰余金が減少した結果、前期末に比べて2,068億円減の、8,054億円となりました。

収益認識会計基準等の適用が財務状態に与える影響の詳細についてはP.18「第4 経理の状況 1 四半期連

結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

営業活動においては、当第2四半期の税金等調整前四半期純損失1,213億円に、減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減算を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは778億円の支出となり

ました。

投資活動においては、設備投資による支出の一方で、有価証券の償還による収入があったことから、2,083億円の収入となりました。これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは1,304億円の収入となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、社債発行による収入の一方で、長期借入金の返済による支出により、191億円の支出となりました。

以上の結果、当第2四半期末における現金及び現金同等物は、期首から1,113億円増加し、4,817億円となりました。

 

(4) 経営方針・経営戦略等について

当第2四半期において、当社グループが定めている経営の基本方針について重要な変更はありません。当社グループは、コロナがもたらす人々の行動変容に対応し、感染症の再来にも耐え得る強靭な企業グループに生まれ変わるための事業構造改革プランを着実に遂行していきます。今後の成長回帰を見据えて最適な航空事業のポートフォリオを追求する他、顧客データを活用したプラットフォーム事業を確立することによる新たな収益機会の創出を目指します。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。引き続き固定費の大幅な削減をはじめとするコスト削減策に加えて、本格的な回復が見込まれる国内線旅客需要の積極的な取り込み、好況を背景とした国際線貨物事業の単価向上、事業規模の拡大による収入最大化等の取り組みにより、大幅な収支改善を目指します。

 

(6) 研究開発活動

航空事業セグメントにおいては、より安全で快適かつ効率的な航空運送サービスを提供するための多様な改良・改善活動を推進しています。

また、航空事業をはじめ各セグメントにおける事業活動が及ぼす環境負荷の逓減活動も推進しています。

なお、上記活動に関して「研究開発費等に係る会計基準」に定義する研究開発費に該当するものはありません。

 

(7) 従業員数

新規採用を中止していることに加え、自然退職・希望退職や外部出向等により、当第2四半期の航空関連事業の従業員数は1,707名減少し、20,242名となりました。

なお、従業員数は就業人員数(当社及びその連結子会社から連結子会社外への出向者を除き、連結子会社外から当社及びその連結子会社への出向者を含む。)です。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。