第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更があった事項は、次のとおりです。

重要事象等について

当社グループは新型コロナウイルス感染症の拡大により、売上高が減少する等の甚大な影響を受けました。

このような未曽有の状況下で当社グループは、人件費及び大型機を中心とした早期退役による減価償却費・整備費等の削減に加え、航空機等の設備投資を精査・抑制し、実施時期を見直しています。また、航空業界を取り巻く環境は、国内線では行動制限が緩和され、国際線でも各国の入国制限の緩和が進んだこと等により、旅客需要が急速に回復しています。この結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は、コロナ禍の影響をより大きく受けた前年から増加し、3,504億円となりました。損益についても回復傾向にあり、営業損失は13億円、経常利益は43億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は10億円となりました。

以上を踏まえ、当第1四半期連結会計期間末において、重要事象等は解消したと判断しています。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

 

(1) 経営成績の状況

連結経営成績

 前第1四半期連結累計期間

 (自 2021年4月1日

  至 2021年6月30日)

     (億円)

 当第1四半期連結累計期間

 (自 2022年4月1日

  至 2022年6月30日)

     (億円)

前年同期比

増減率

 

(%)

売上高

1,989

3,504

76.2

航空事業

1,701

3,142

84.7

航空関連事業

533

554

3.9

旅行事業

91

139

52.3

商社事業

191

224

16.9

その他

85

89

4.2

セグメント間取引

△614

△645

営業利益又は営業損失(△)

△646

△13

航空事業

△676

△19

航空関連事業

51

19

△61.3

旅行事業

△1

△5

商社事業

△1

5

その他

3

2

△26.5

セグメント間取引

△21

△15

経常利益又は経常損失(△)

△637

43

親会社株主に帰属する四半期純利益又は親会社株主に帰属する四半期純損失(△)

△511

10

※ 下記(注)1、2参照。

 

 

当第1四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年6月30日(以下、「当第1四半期」という。))のわが国経済は、企業収益について、一部に弱さがみられるものの総じて改善している他、個人消費が緩やかに持ち直している等、景気は緩やかに回復しています。

航空業界を取り巻く環境は、国内線では行動制限が緩和され、国際線でも各国の入国制限の緩和が進んだこと等により、旅客需要が急速に回復しています。

このような経済情勢の下、航空事業を中心に増収となったことから売上高は3,504億円となりました。コロナ禍の影響が続いており、営業損失は13億円となったものの、為替差益を計上したこと等から、経常利益は43億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は10億円となり、10四半期ぶりに黒字に転換しました。

なお、当社は、経済産業省と東京証券取引所から、デジタル技術を前提にビジネスモデルの変革等に果敢にチャレンジし続けている企業として「DX銘柄2022」に選定されました。

 

以下、当第1四半期におけるセグメント別の概況をお知らせいたします。

(なお、各事業における売上高はセグメント間内部売上高を含み、営業利益はセグメント利益に該当します。)

 

 

セグメント別の概況

◎航空事業

売上高3,142億円(前年同期比84.7%増) 営業損失19億円(前年同期 営業損失676億円)

国際線・国内線ともに旅客需要が大幅に増加した他、国際線貨物について高単価貨物を積極的に取り込んだこと等から、売上高は前年同期を上回りました。費用面では、燃油価格の高騰に加え、運航規模を拡大したこと等により、変動費が増加しましたが、コストマネジメントを徹底し固定費の増加を抑制したこと等から、前年同期に比べて損益は大幅に改善しました。

 

<国際線旅客(ANAブランド)>

項 目

 前第1四半期連結累計期間

 (自 2021年4月1日

  至 2021年6月30日)

 当第1四半期連結累計期間

 (自 2022年4月1日

  至 2022年6月30日)

前年同期比

増減率

(%)

旅客収入

(億円)

129

622

379.9

旅客数

(人)

131,361

684,746

421.3

座席キロ

(千席キロ)

4,514,010

6,204,389

37.4

旅客キロ

(千人キロ)

892,094

4,389,105

392.0

利用率

(%)

19.8

70.7

51.0

※ 下記(注)3、7、8、12参照。

国際線旅客では、各国の入国制限の緩和により大きく増加した北米=アジア間の接続需要を取り込んだことに加え、日本においても駐在員の一時帰国需要や日本発ビジネス需要が回復し始めたこと等により、旅客数・収入ともに前年同期を大幅に上回りました。

路線ネットワークでは、北米=アジア間の接続需要を取り込むために、成田空港発着の北米、アジア路線の増便を実施しました。また、戻りつつあるビジネス需要に対応して羽田=ロンドン線の運航を再開しました。

営業・サービス面では、羽田空港・成田空港の国際線ラウンジ「ANA SUITE LOUNGE」において、従来のビュッフェ形式での食事に加え、季節や時間帯によってメニューを変更するセット形式のサービス「SUITE DINING」を開始し、対面・接触の機会を低減する新たなサービスの選択肢を提供しました。

 

 

<国内線旅客(ANAブランド)>

項 目

 前第1四半期連結累計期間

 (自 2021年4月1日

  至 2021年6月30日)

 当第1四半期連結累計期間

 (自 2022年4月1日

  至 2022年6月30日)

前年同期比

増減率

(%)

旅客収入

(億円)

502

1,020

103.3

旅客数

(人)

3,200,636

6,569,485

105.3

座席キロ

(千席キロ)

6,980,153

11,084,134

58.8

旅客キロ

(千人キロ)

2,981,785

5,976,159

100.4

利用率

(%)

42.7

53.9

11.2

※ 下記(注)3、4、7、8、12参照。

国内線旅客では、第1四半期としては3年ぶりに緊急事態宣言の発令やまん延防止等重点措置の適用がない環境のもと、ゴールデンウィークを中心にレジャー需要が着実に増加したことに加え、ビジネス需要についても徐々に回復していること等から、旅客数・収入ともに前年同期を大幅に上回り、新型コロナの影響を受けた2020年度以降において四半期ベースで最高となりました。

路線ネットワークでは、航空需要の変動に合わせて運航規模の調整を進め、特にゴールデンウィーク期間には臨時便の設定を強化しました。また、本年3月の福島県沖地震発生後は、新幹線の運休に対応して羽田=仙台線の臨時便を4月中旬まで運航し、交通手段の提供に努めました。

営業・サービス面では、テレビアニメ「鬼滅の刃」とタイアップし、抽選でオリジナルグッズをプレゼントする搭乗キャンペーン第3弾を4月より実施しました。また、6月から空港での空席待ち手続きにおいて、本邦航空会社として初めて、お客様のスマートフォン等から申し込みいただけるサービスを開始しました。

 

<貨物(ANAブランド)>

項 目

 前第1四半期連結累計期間

 (自 2021年4月1日

  至 2021年6月30日)

 当第1四半期連結累計期間

 (自 2022年4月1日

  至 2022年6月30日)

前年同期比

増減率

(%)

国際線

 

 

 

 

貨物収入

(億円)

660

947

43.5

有効貨物トンキロ

(千トンキロ)

1,652,110

1,644,020

△0.5

貨物輸送重量

(トン)

233,106

215,925

△7.4

貨物トンキロ

(千トンキロ)

1,233,960

1,125,861

△8.8

郵便収入

(億円)

10

13

34.9

郵便輸送重量

(トン)

4,340

3,652

△15.9

郵便トンキロ

(千トンキロ)

19,256

18,328

△4.8

貨物重量利用率

(%)

75.9

69.6

△6.3

国内線

 

 

 

 

貨物収入

(億円)

59

59

△0.1

有効貨物トンキロ

(千トンキロ)

196,422

299,745

52.6

貨物輸送重量

(トン)

56,873

59,486

4.6

貨物トンキロ

(千トンキロ)

65,568

67,830

3.4

郵便収入

(億円)

6

7

10.0

郵便輸送重量

(トン)

6,119

6,135

0.3

郵便トンキロ

(千トンキロ)

5,907

6,140

4.0

貨物重量利用率

(%)

36.4

24.7

△11.7

※ 下記(注)3、5、6、9、10、11、12参照。

国際線貨物では、ウクライナ情勢の影響により欧州路線の一部で運休が続いた他、自動車部品等の需要が減少したこと等から輸送重量は前年同期を下回りました。一方で、海上輸送混雑の影響が継続したことに加え、収益性の高い北米路線の運航規模拡大や大型特殊商材等の高単価貨物の取り込み等に努めた結果、収入は前年同期を大きく上回りました。

 

<LCC>

項 目

 前第1四半期連結累計期間

 (自 2021年4月1日

  至 2021年6月30日)

 当第1四半期連結累計期間

 (自 2022年4月1日

  至 2022年6月30日)

前年同期比

増減率

(%)

LCC収入

(億円)

39

155

291.1

旅客数

(人)

498,145

1,702,650

241.8

座席キロ

(千席キロ)

1,240,966

2,894,211

133.2

旅客キロ

(千人キロ)

580,188

1,938,871

234.2

利用率

(%)

46.8

67.0

20.2

※ 下記(注)7、8、12、13参照。

LCCでは、行動制限の緩和に伴い国内線のレジャー需要が大きく増加したことから、旅客数・収入ともに前年同期を大幅に上回りました。

路線ネットワークでは、国内線において増加する需要に対応し、成田=新千歳線、成田=福岡線等で増便を実施する等、運航規模を拡大しました。一方、国際線では全路線での運休を継続しています。

営業・サービス面では、公式モバイルアプリである「Peachアプリ」をリニューアルし、スマートフォン等から搭乗手続きや運航情報の変更通知の受け取りが可能となる等、利便性の向上に努めました。

 

<その他>

航空事業におけるその他の収入は316億円(前年同期293億円、前年同期比7.8%増)となりました。なお、航空事業におけるその他には、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。

4月、5月には成田空港に駐機するエアバスA380型機「FLYING HONU」を貸し切って行うウェディングフォトイベントを実施しました。

 

 

◎航空関連事業

売上高554億円(前年同期比3.9%増) 営業利益19億円(同61.3%減)

旅客需要の回復に伴い機内食関連業務が増加した他、国際貨物の取扱高が拡大したこと等により、売上高は前年同期を上回りました。一方で、人件費が増加したこと等から、営業利益は前年同期を下回りました。

 

◎旅行事業

売上高139億円(前年同期比52.3%増) 営業損失5億円(前年同期 営業損失1億円)

国内旅行は、ゴールデンウィークを中心に需要が着実に回復し、全方面で取扱高が増加しました。海外旅行は、約2年ぶりにハワイ方面のツアー催行を4月から再開するとともに、各国の入国制限等の状況に応じて順次方面を拡大しました。以上の結果、売上高は前年同期を上回りましたが、人件費が増加したこと等から営業損失が拡大しました。

 

◎商社事業

売上高224億円(前年同期比16.9%増) 営業利益5億円(前年同期 営業損失1億円)

旅客需要の回復に伴い、空港物販店「ANA FESTA」等で増収となった他、半導体市場の好調な需要を受けて電子事業の取扱高が増加したこと等により、売上高は前年同期を上回り、黒字に転換しました。

 

 

◎その他

売上高89億円(前年同期比4.2%増) 営業利益2億円(同26.5%減)

ラウンジ業務や空港検疫関連業務の受託が増加したこと等から、売上高は前年同期を上回りましたが、人件費等の増加により、営業利益は前年同期を下回りました。

 

(注) 1.セグメント内の内訳は内部管理上採用している区分によっています。

2.各セグメントの売上高はセグメント間の売上高を含み、営業利益はセグメント利益に該当します。

3.国際線、国内線ともに不定期便実績を除きます。

4.国内線旅客実績には、アイベックスエアラインズ㈱、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績及びオリエンタルエアブリッジ㈱との一部のコードシェア便実績を含みます。また、2021年8月27日からPeach Aviation㈱とのコードシェア便実績を含みます。

5.国際線貨物及び郵便実績には、コードシェア便実績、エアラインチャーター便実績、ブロック・スペース契約締結便実績及び地上輸送実績を含みます。

6.国内線貨物及び郵便実績には、Peach Aviation㈱、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア、オリエンタルエアブリッジ㈱及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績、エアラインチャーター便実績及び地上輸送実績を含みます。

7.座席キロは、各路線各区間の有効座席数(席)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。

8.旅客キロは、各路線各区間の旅客数(人)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。

9.有効貨物トンキロは、各路線各区間の有効貨物重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。なお、旅客便については、床下貨物室(ベリー)の有効貨物重量に各区間距離を乗じています。また、床下貨物室の有効貨物重量には、貨物・郵便の他、搭乗旅客から預かる手荷物搭載の有効搭載重量も含まれます。

10.貨物トンキロ及び郵便トンキロは、各路線各区間の輸送重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。

11.貨物重量利用率は、貨物トンキロと郵便トンキロの合計を有効貨物トンキロで除した数値です。

12.利用率及び貨物重量利用率については、「前年同期比増減率(%)」の欄に前期差(%)を記載しています。

13.LCC実績は、Peach Aviation㈱の実績です。

 

(2) 財政状態の状況

資産の部は、現金及び預金等が増加したことにより、前期末に比べて1,059億円増加し、3兆3,244億円となりました。
 負債の部は、航空券販売が拡大し、契約負債等が増加した結果、前期末に比べて770億円増加し、2兆4,920億円となりました。なお、有利子負債(無利子のユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を含む)は、前期末に比べて228億円減少し、1兆7,272億円となりました。
 純資産の部は、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したことに加え、繰延ヘッジ損益の増加等により前期末に比べて289億円増加し、8,323億円となりました。

 

(3) 経営方針・経営戦略等について

当第1四半期において、当社グループが定めている経営の基本方針について重要な変更はありません。当社グループは、コロナがもたらす人々の行動変容に対応し、感染症の再来にも耐え得る強靭な企業グループに生まれ変わるための事業構造改革プランを着実に遂行していきます。今後の成長回帰を見据えて最適な航空事業のポートフォリオを追求する他、顧客データを活用したプラットフォーム事業を確立することによる新たな収益機会の創出を目指します。

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。引き続き固定費の大幅な削減をはじめとするコスト削減策に加えて、まん延防止等重点措置の解除や各国の入国制限緩和により本格的な回復が見込まれる国内線・国際線旅客需要の積極的な取り込み、好況を背景とした国際線貨物事業の単価向上、事業規模の拡大による収入最大化等の取り組みにより、黒字化を目指します。

(5) 研究開発活動

航空事業セグメントにおいては、より安全で快適かつ効率的な航空運送サービスを提供するための多様な改良・改善活動を推進しています。

また、航空事業をはじめ各セグメントにおける事業活動が及ぼす環境負荷の逓減活動も推進しています。

なお、上記活動に関して「研究開発費等に係る会計基準」に定義する研究開発費に該当するものはありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。