第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済対策や日本銀行の金融緩和政策などによる円安基調の継続、堅調な米国経済を背景とした企業収益の向上や設備投資の増加、原油価格の下落と株高に加え、雇用情勢の改善や賃金上昇などにより緩やかながら、回復基調が続きました。

一方で不安定な海外政情や新興国経済の成長鈍化、消費税増税に伴う個人消費への影響の長期化など、依然として景気の先行きにつきましては不透明な状況で推移しました。

当建設関連業界におきましては、引き続き東日本大震災復興関連業務、国土強靭化対策、地方創生事業等を柱に予算が配分されていることから、国土防災・保全対策関連業務は堅調に推移するものの、地方自治体の財政難や東日本大震災復興関連業務の縮小、集中的予算執行による技術者不足とコスト上昇等により、市場環境・受注環境については不安定な状況で推移しました。

このような事業環境のもと、当社グループは新中期経営計画を掲げ、その初年度として、国内では東日本大震災後の復興支援・まちづくり事業、公共施設等総合管理計画の策定支援や行政支援システム導入などの行政支援サービス事業、再生可能エネルギー事業、防災・環境事業、道路事業における移動体計測(MMS)業務などに注力してまいりました。海外では、マリ国の国土地理院職員に対する技術協力プロジェクトなどを開始しました。

そして、新たな空間情報ビジネスへの挑戦に向けて、3D空間情報サービス事業等における商品開発、計測技術とコンサルティング能力の更なる向上に努め、国内外で幅広く事業展開してまいりました。

その結果、当連結会計年度における業績につきましては、受注高は236億65百万円(前連結会計年度比3.2%増)、売上高は233億36百万円(同2.9%増)となりました。

利益面におきましても、売上高の増加等により、営業利益は13億69百万円(前連結会計年度は12億93百万円)、経常利益は13億89百万円(前連結会計年度は13億28百万円)、当期純利益は8億26百万円(前連結会計年度は8億46百万円)となりました。

 

業務区分別の業績は次のとおりであります。

なお、当社グループは空間情報コンサルタント事業の単一セグメントであり、セグメント別の記載に代えて業務区分別に記載しております。

情報システム分野では、福島県での放射能除染関連業務等を含む震災復興支援事業のほか、防災・森林事業での航空レーザ計測業務並びに道路事業での移動体計測(MMS)業務を推進するとともに、3D空間情報サービス事業についても商品開発と販売展開を強化してまいりました。地方自治体向け行政支援システム「ALANDIS NEO」については、「LGWAN」(総合行政ネットワーク)を利用したクラウドGISの競争力強化に積極的に取り組んでまいりました。また、地方自治体に対する行政支援サービス事業を拡大するため、公共施設等総合管理計画の販売に注力いたしました。その結果、受注高は146億98百万円(前連結会計年度比7.6%増)、売上高は140億77百万円(同3.8%増)となりました。

建設コンサルタント分野では、東日本大震災後のまちづくりや漁港施設設計等の復興支援業務に積極的に対応するとともに、発災当初より大学等の研究機関との放射能汚染対策研究に参画し、除染関連調査を行ってまいりました。また、全国各地の大規模自然災害に関する調査や防災対策立案、再生可能エネルギー関連業務、レーザ計測データ等を用いた国内外の森林資源評価・保全業務等を推進してまいりました。その結果、受注高は89億66百万円(同3.3%減)、売上高は92億59百万円(同1.6%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ19百万円減少し、当連結会計年度末には50億13百万円となりました。当連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、税金等調整前当期純利益14億22百万円等により、7億77百万円(前連結会計年度は18億57百万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は、有形固定資産の取得による支出4億24百万円等により、7億円(前連結会計年度は6億64百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により支出した資金は、リース債務の返済による支出2億61百万円等により、96百万円(前連結会計年度は2億21百万円の支出)となりました。

2【受注及び販売の状況】

当連結会計年度における受注及び販売の状況を示すと、次のとおりであります。

なお、当社グループは空間情報コンサルタント事業の単一セグメントであり、セグメント別の記載に代えて業務区分別に記載しております。

 

(1)受注の状況

 

前連結会計年度

(自 平成25年10月1日

  至 平成26年9月30日)

当連結会計年度

(自 平成26年10月1日

  至 平成27年9月30日)

比較増減

業務区分

受注高

(千円)

受注残高

(千円)

受注高

(千円)

受注残高

(千円)

受注高

(千円)

受注残高

(千円)

情報システム

13,666,148

7,611,594

14,698,296

8,232,828

1,032,148

621,233

建設コンサルタント

9,272,404

5,159,622

8,966,950

4,866,642

△305,453

△292,979

合  計

22,938,552

12,771,217

23,665,247

13,099,470

726,694

328,253

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)販売の状況

 

前連結会計年度

(自 平成25年10月1日

  至 平成26年9月30日)

当連結会計年度

(自 平成26年10月1日

  至 平成27年9月30日)

比較増減

業務区分

金額

(千円)

構成比

(%)

金額

(千円)

構成比

(%)

金額

(千円)

増減率

(%)

情報システム

13,567,477

59.8

14,077,063

60.3

509,586

3.8

建設コンサルタント

9,109,945

40.2

9,259,930

39.7

149,984

1.6

合  計

22,677,423

100.0

23,336,993

100.0

659,570

2.9

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

当社グループは、将来のあるべき姿の実現のため、以下の取り組みを進めてまいります。これらの取り組みを通じて、感謝・感動・信頼され続ける魅力ある企業づくりを行い、日本を代表する空間情報コンサルタント企業として、事業の着実な成長と企業価値の向上に努めてまいります。

① コアビジネスにおける持続的成長

② 社会環境の変化に対応した新たな収益基盤構築への挑戦

③ 海外市場へ向けての飛躍

④ 生産構造改革の推進(生産性の向上、品質の向上)

⑤ 経営基盤の強化

⑥ 企業ブランドの向上

⑦ コンプライアンス経営、環境経営の推進

 

4【事業等のリスク】

当社グループの財政状態、及び経営成績に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①官公庁への高い受注依存

当社グループの主要顧客は国及び地方公共団体等であり、国の予算編成の転換や財政状態の悪化、それに伴う予算規模の縮小等による受注減少が、経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

②高度な計測機器の損傷

当社グループの空間情報サービス事業においては、高精度デジタル航空カメラや高密度レーザープロファイラーなど、精密な計測機器を使用して国土に関する空間情報データを取得しております。これらの機器が故障などにより使用不能等の事態が発生した場合には修理・修復に時間と費用を要する場合があり、生産性の低下や工期遅延を引き起こす可能性があります。

また、事業量の増大や要求される品質・精度如何では設備の増強や更新が必要となり、継続して多額な設備投資負担が発生する可能性があります。

③航空機事故

当社グループは航空機使用事業者として、国土交通省の指導の下で関係法規の遵守に努めるとともに、整備体制の一層の充実と操縦士の安全衛生面のチェック等を含む運航管理を徹底するなど、安全運航には万全を期しておりますが、不可抗力等に起因する事故及び故障による事業活動の停止等により業績に影響を与える可能性があります。

④顧客からの預かり情報資産の漏洩・滅失

当社グループは、国及び地方公共団体等の顧客より、業務遂行に必要な機密情報や個人情報が含まれた情報資産をお預かりする場合があります。これら情報資産の取扱いには従来より厳重な管理体制を施しておりますが、万一漏洩・滅失の事態が発生した場合には、資本市場での信用失墜や課徴金等の発生等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループの基礎研究、生産性及び品質の向上のための技術開発、新事業展開のための商品開発は、主に社会基盤システム開発センターと各生産部門で実施しており、全社事業戦略に基づく開発課題に重点を集約し研究開発活動を行いました。

当連結会計年度における研究開発費は103,381千円で、主な研究開発は次のとおりであります。

なお、当社グループは空間情報コンサルタント事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

(研究開発)

(1) 中期経営計画に示している次世代技術の開発(センシングイノベーション)を目標に、当連結会計年度におきましても、3Dソリューション基盤技術開発、G空間情報マネジメントシステム開発等に関する研究開発を実施しました。

(2) 当社の主力商品であるALANDIS NEOに関する研究開発は、性能向上を図るとともに、業務機能の新規追加と操作性向上、地域情報プラットフォーム対応、WebGISの開発に取組みました。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、貸倒引当金、退職給付債務、繰延税金資産等の計上について必要に応じて会計上の見積りを行っております。この会計上の見積りは、過去の実績や現在の状況に応じて合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性を有しているために実際の結果とは異なる可能性があります。

 

(2)財政状態の分析

当連結会計年度末の資産合計につきましては、前連結会計年度末に比較し15億38百万円増加の193億47百万円となりました。これは主として、受取手形及び売掛金が増加したことによるものであります。

負債合計につきましては、前連結会計年度末に比較し12億21百万円増加の98億20百万円となりました。これは主として、退職給付に係る負債が増加したことによるものであります。

純資産合計につきましては、前連結会計年度末に比較し3億17百万円増加の95億26百万円となりました。これは主として、利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

(3)経営成績の分析

「1 業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりであります。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フロー

「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

② 財務政策について

当社グループでは平成13年6月より資金効率を最大限に高めるようキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しております。

また、当社は資金調達の機動性及び長期的な安定性の確保を目的に平成27年3月31日付けで、取引金融機関8社との間で40億円の長期コミットメントライン契約(平成27年3月~平成30年3月)を締結いたしました。当連結会計年度の運転資金及び設備投資資金については内部資金又は短期の借入れにより調達しており、健全な財務状態を維持しております。

当社グループの成長を維持するための将来必要な運転資金及び設備投資資金は手許金及び営業キャッシュ・フローにより生み出すことが可能であると考えております。