第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策等の効果を受け、企業収益や雇用情勢、設備投資等に改善の動きが見られ、緩やかな回復基調で推移しましたが、英国のEU離脱問題、米国の政策動向、アジア新興国や資源国における政策の不確実性が及ぼす影響等、依然として先行き不透明な状況が続きました。

当建設関連業界におきましては、防災・減災対策関連、社会インフラ施設維持・管理等の公共投資が堅調に推移してまいりましたが、市場競争の激化等、依然として厳しい環境となりました。

このような事業環境のもと、当社グループは、中期経営計画「成長への挑戦!」の最終年度として、3D空間情報サービス、防災・環境コンサルティング、再生可能エネルギー関連、社会インフラメンテナンス、自治体支援サービス等の各事業の他、三井共同建設コンサルタント株式会社との協力関係を強化し、風力発電導入支援に関するサービスを開始する等、計画達成に向け様々な事業展開に取り組んでまいりました。

その結果、当連結会計年度における業績につきましては、受注高は243億95百万円(前連結会計年度比0.2%増)、売上高は239億55百万円(同1.6%増)となりました。

利益面におきましては、営業利益は13億45百万円(前連結会計年度は12億8百万円)、経常利益は17億41百万円(前連結会計年度は12億55百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は11億59百万円(前連結会計年度は6億69百万円)となりました。

 

業務区分別の業績は次のとおりであります。

なお、当社グループは空間情報コンサルタント事業の単一セグメントであり、セグメント別の記載に代えて業務区分別に記載しております。

情報システム分野では、空から河川や海の底の地形を計測できる航空レーザ測深機(ALB)を活用し、河川、海洋(港湾)事業への展開を進めてまいりました。また、モービルマッピングシステム(MMS)を利用した移動体計測事業では、道路事業をはじめ空港関連事業への展開を積極的に図った他、i-Construction市場、民間市場に対して、ドローン、SfM(Structure from Motion)技術を利用した3D空間情報サービス事業の展開を行ってまいりました。地方自治体向け行政支援システム「ALANDIS NEO」については、次期統合型GISの開発に積極的に取り組み、競争力強化を目指す一方、地方自治体のトレンド事業である、空き家調査事業、地方公営企業法適用化関連事業にも注力してまいりました。その結果、受注高は152億88百万円(前連結会計年度比7.3%増)、売上高は145億18百万円(同4.0%増)となりました。

建設コンサルタント分野では、東日本大震災後の復興関連事業、まちづくり等に積極的に対応するとともに、放射能汚染対策のうち除染関連調査を行ってまいりました。また、全国各地の大規模自然災害に関する緊急撮影並びに各種調査や、防災対策立案、再生可能エネルギー関連事業、環境アセスメント事業、レーザ計測データ等を用いた国内外の森林資源評価・保全事業等を推進してまいりました。その結果、受注高は91億6百万円(同9.8%減)、売上高は94億37百万円(同1.9%減)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ13億72百万円増加し、当連結会計年度末には61億97百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、税金等調整前当期純利益17億6百万円等により、24億63百万円(前連結会計年度は9億78百万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は、有形固定資産の取得による支出5億円等により、10億5百万円(前連結会計年度は7億53百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により支出した資金は、リース債務の返済による支出2億77百万円等により、84百万円(前連結会計年度は4億10百万円の支出)となりました。

 

2【受注及び販売の状況】

当連結会計年度における受注及び販売の状況を示すと、次のとおりであります。

なお、当社グループは空間情報コンサルタント事業の単一セグメントであり、セグメント別の記載に代えて業務区分別に記載しております。

 

(1)受注の状況

 

前連結会計年度

(自 平成27年10月1日

  至 平成28年9月30日)

当連結会計年度

(自 平成28年10月1日

  至 平成29年9月30日)

比較増減

業務区分

受注高

(千円)

受注残高

(千円)

受注高

(千円)

受注残高

(千円)

受注高

(千円)

受注残高

(千円)

情報システム

14,251,370

8,519,529

15,288,462

9,289,557

1,037,092

770,028

建設コンサルタント

10,092,476

5,341,794

9,106,826

5,011,436

△985,650

△330,357

合  計

24,343,847

13,861,323

24,395,288

14,300,994

51,441

439,670

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)販売の状況

 

前連結会計年度

(自 平成27年10月1日

  至 平成28年9月30日)

当連結会計年度

(自 平成28年10月1日

  至 平成29年9月30日)

比較増減

業務区分

金額

(千円)

構成比

(%)

金額

(千円)

構成比

(%)

金額

(千円)

増減率

(%)

情報システム

13,964,668

59.2

14,518,434

60.6

553,765

4.0

建設コンサルタント

9,617,325

40.8

9,437,183

39.4

△180,141

△1.9

合  計

23,581,994

100.0

23,955,618

100.0

373,624

1.6

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは経営の基本方針として、以下の経営理念を掲げております。

① 事業は人が創る新しい道である

② 事業は永遠の道である

③ 事業は人格の集大成である

④ 事業は技術に始まり営業力で開花する

⑤ 事業は社会のために存続する

⑥ 事業はより高い利益創造で発展する

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、第71期よりスタートさせた新たな中期経営計画「未来を拓け~Growth to the next Stage~」(2017年10月~2020年9月)において、2020年9月期の目標数値として「連結売上高300億円」、「連結営業利益15億円以上」、「自己資本利益率8%」を掲げております。

また、当社グループは、安定的な株主還元を基本方針としており、「配当性向20%~30%」を目標としております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、第71期より新たな中期経営計画「未来を拓け~Growth to the next Stage~」をスタートさせており、4つの柱として、新たな収益基盤の構築に挑戦する「Pioneering」、海外市場に向けて飛躍する「Globalization」、パートナー企業との連携による強固な企業グループを形成する「Alliance」、日本を代表する空間情報コンサルタント企業としての「Value」を掲げ、グループ一丸となって企業価値の向上、業績目標の達成に向け取り組んでまいります。

 

(4)対処すべき課題

当社グループは、将来のあるべき姿の実現のため、以下の各施策に取り組んでまいります。これらの施策を通じて、感謝・感動・信頼され続ける魅力ある企業づくりを行い、日本を代表する空間情報コンサルタント企業として、企業価値の向上及び業績目標の達成に努めてまいります。

① コアビジネスにおける持続的成長

② 社会環境の変化に対応した新たな収益基盤構築への挑戦

③ 海外市場へ向けての飛躍

④ 生産構造改革の推進(生産性及び品質の向上)

⑤ 経営基盤の強化

⑥ 企業ブランドの向上

⑦ コンプライアンス経営、環境経営の推進

⑧ パートナー企業との協業・連携による企業グループの形成

 

4【事業等のリスク】

当社グループの財政状態、及び経営成績に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のものが考えられま
す。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①官公庁への高い受注依存

当社グループの主要顧客は国及び地方公共団体等であり、国の予算編成の転換や財政状態の悪化、それに伴う予算規模の縮小等による受注減少が、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

②高度な計測機器の損傷

当社グループの情報サービス事業においては、高精度デジタル航空カメラや高密度レーザープロファイラー等、高度な計測機器を使用して国土に関する空間情報データを取得しております。これらの機器が故障等により使用不能等の事態が発生した場合には修理・修復に時間と費用を要する場合があり、生産性の低下や工期遅延を引き起こす可能性があります。

また、事業量の増大や要求される品質・精度如何では設備の増強や更新が必要となり、継続して多額な設備投資負担が発生する可能性があります。

③航空機事故

当社グループは、航空機使用事業者として、国土交通省の指導の下で関係法規の遵守に努めるとともに、整備体制の一層の充実と操縦士の安全衛生面のチェック等を含む運航管理を徹底する等、安全運航には万全を期しておりますが、不可抗力等に起因する事故及び故障による事業活動の停止等により業績に影響を与える可能性があります。

④顧客からの預かり情報資産の漏洩・滅失

当社グループは、官公庁、地方自治体等の顧客より、業務遂行に必要な機密情報や個人情報が含まれた情報資産をお預かりする場合があります。これら情報資産の取扱いには従来より厳重な管理体制を施しておりますが、万一漏洩・滅失の事態が発生した場合には、資本市場での信用失墜や課徴金等の発生等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループの基礎研究、生産性及び品質の向上のための技術開発、新事業展開のための商品開発は、主に社会基盤システム開発センターと各技術部門で実施しており、全社事業戦略に基づく開発課題に重点を集約し研究開発活動を行いました。

当連結会計年度における研究開発費は200,507千円で、主な研究開発は次のとおりであります。

なお、当社グループは空間情報コンサルタント事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

(研究開発)

(1) 社会インフラメンテナンス支援サービスの推進を目的として、道路事業分野における三次元点群データの施設点検への活用研究、鉄道事業用モービル・マッピング・システムの実用化のための研究開発等を実施しました。

(2) 当社の主力商品であるALANDIS NEOに関する研究開発は、次世代のWebシステム開発に注力するとともに、業務機能の新規追加と操作性向上開発に取り組みました。

(3) 新しい計測技術として、航空レーザ測深(ALB・Airborne LiDAR Bathymetry)実用化に向けた研究開発に取り組みました。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、貸倒引当金、退職給付債務、繰延税金資産等の計上について必要に応じて会計上の見積りを行っております。この会計上の見積りは、過去の実績や現在の状況に応じて合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性を有しているために実際の結果とは異なる可能性があります。

 

(2)財政状態の分析

当連結会計年度末の資産合計につきましては、前連結会計年度末に比較し18億85百万円増加の217億85百万円となりました。これは主として、現金及び預金が増加したことによるものであります。

負債合計につきましては、前連結会計年度末に比較し5億51百万円増加の104億89百万円となりました。これは主として、未払法人税等が増加したことによるものであります。

純資産合計につきましては、前連結会計年度末に比較し13億34百万円増加の112億96百万円となりました。これは主として、利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

(3)経営成績の分析

「1 業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりであります。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フロー

「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

② 財務政策について

当社グループでは平成13年6月より資金効率を最大限に高めるようキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しております。

また、当社は資金調達の機動性及び長期的な安定性の確保を目的に平成27年3月31日付けで、取引金融機関8社との間で40億円の長期コミットメントライン契約(平成27年3月~平成30年3月)を締結いたしました。当連結会計年度の運転資金及び設備投資資金については内部資金又は短期の借入れにより調達しており、健全な財務状態を維持しております。

当社グループの成長を維持するための将来必要な運転資金及び設備投資資金は手許金及び営業キャッシュ・フローにより生み出すことが可能であると考えております。