今後の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大によるリスクが懸念されるものの、米国で着実な持ち直しが続き、中国では緩やかな回復が続くことが期待されます。またわが国経済は、同感染症拡大の防止策を講じるなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待されます。
こうした経済情勢にあって、当社グループを取り巻く事業環境は、倉庫及び港湾運送等物流業界においては、荷動きの回復が期待されるものの、競争の激化、人手不足等を背景としたコストの増加により極めて厳しい状況が続き、また不動産業界においては、同感染症の影響による商業施設の売上低下に加え、賃貸オフィスビル需給の緩み等により、業況の停滞が懸念されます。
このような事業環境の下、当社グループは、2030年に目指す姿として「MLC2030ビジョン」を掲げ、「お客様の価値向上に貢献する」を第一に、お客様のパートナーとして調達から流通・販売までのサプライチェーンを一貫で担うロジスティクス企業として、国内外のお客様から選ばれ続ける企業グループとなることを目指します。
具体的には、
(1) 「医療・ヘルスケア」「食品・飲料」「機械・電機」を重点分野として、お客様起点のサポート体制を確立し、お客様のパートナーとしてサプライチェーン全体の課題に対応することにより、事業領域及びシェアの拡大を図ります。
(2) 海外においては、東南アジア(ASEAN)等において増加が見込まれる高品質なコールドチェーン需要を狙い、「医療・ヘルスケア」「食品・飲料」分野におけるお客様のサプライチェーンのサポート体制拡充とフォワーディング事業の強化を進めます。
(3) 港運事業においては、世界トップレベルの評価を受ける荷役能率等を武器に競争力を更に高めていくことにより、また、不動産事業においては、複合施設等の開発と運営力強化により、安定した利益を確保します。
(4)全事業の業務プロセスを見直すとともに、IoT、AI、ロボット等の新技術を活用した効率的なオペレーションにより、サービス品質及び生産性の向上を実現します。
(5) 当社・グループ会社一体となった組織運営によるコスト競争力強化と重点分野等の人材確保・育成による成長を目指します。
併せて、2019年度から2021年度の3ヵ年を「MLC2030ビジョン」の実現に向けた飛躍のための第1ステージと位置付ける中期経営計画[2019-2021]に沿い、当社グループの更なる成長のため、また、お客様、グループ社員、株主・投資家等ステークホルダーの期待に応えるため、以下の施策に確実に取り組み、「MLC2030ビジョン」の実現に向けて邁進していきます。
(1) 重点分野における事業基盤の整備
(2) 新技術活用体制の構築
(3) 港運事業の競争力維持
(4) 不動産事業の複合施設等の開発と運営力強化のための体制整備
(5) 業務プロセス効率化等による生産性の向上
(6) 働き方改革とイノベーション創出のための環境整備
(7) 株主還元の強化
(8) CSR経営の推進
さらに、企業理念、MLC2030ビジョン、経営計画[2019-2021]の基本方針及びこれまでのCSR活動等を踏まえ、価値創造ストーリーを策定したほか、取り組むべき社会課題を踏まえた6つの重要テーマ(①安全・安心、災害対応、②環境対応、③先端技術、イノベーション、④パートナーシップ、⑤人材育成・社員満足度向上、⑥コンプライアンス、人権・ジェンダー)及び各テーマにおける施策・評価指標・目標値を設定し、ESG経営の実現及びSDGsの目標達成への貢献に向けた取り組みを推進していきます。
物流、不動産という社会基盤を担う当社グループの事業は、まさにSDGsの精神である「持続可能な」社会づくりに貢献するものであり、当社グループは、環境対応等、社会課題の解決に取組むなかで事業の成長機会を見出し、グループの持続的な成長を目指します。
なお、当社グループは中期経営計画[2019-2021]における最終年度の業績目標として、営業収益2,400億円、営業利益145億円、経常利益171億円、EBITDA(=営業利益+減価償却費)301億円を掲げておりますが、最終年度である2022年3月期の連結業績予想は、新型コロナウイルス感染症の拡大や足元の業績動向を勘案し、営業収益2,270億円、営業利益126億円、経常利益162億円、EBITDA283億円を見込んでおります。
また、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの主たる事業は、倉庫事業を中核とする物流事業並びにビル賃貸を中心とする不動産事業であり、計画的な設備投資や高度なサービスの提供により安定した成長を図るよう努めておりますが、物流事業では国内外の景気変動や顧客企業の物流合理化・事業再編の影響等、不動産事業では賃貸オフィス市場における需給バランスや市況動向等、事業環境の変動の影響を受けます。
倉庫や賃貸ビル等の事業用資産については、建物の耐震・免震対策や外部保険の付保及び自家保険積立金の積立のほか、日常の点検・整備、自然災害等の危機発生時の対応マニュアルの作成・更新、定期的な訓練実施等の必要な措置を講じておりますが、地震、台風、大雨、洪水、津波、噴火等の大規模自然災害が発生した場合は、保険で担保しきれない重大な被害を受けるおそれがあり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」の適用により、土地・建物等の時価下落や収益性低下等により投資額の回収が見込めなくなった場合、将来に損失を繰り越さないため、回収の可能性を反映させるように減損処理を行う可能性があります。
2021年3月期において、収益性が低下した当社グループの不動産賃貸施設(建物)等について減損損失(8千1百万円)を特別損失として計上しました。
当社グループは、主として営業上の取引関係維持・強化のため、取引先の株式を中心に当連結会計年度末において1,322億3百万円の投資有価証券を保有しておりますが、「金融商品に関する会計基準」の適用により、株式相場等の時価変動の影響を受けております。なお、当社は、その他有価証券で時価のあるものについて、時価が取得原価に比べて30%以上下落した場合、回復の可能性を考慮のうえ減損処理を行うこととしており、また時価のない株式・出資の実質価額低下による損失に備えるため、発行会社の純資産額が簿価を下回るものについて、回復の可能性を考慮した引当額を投資損失引当金に計上することとしております。
当社グループは、社員が業務を遂行する際の規範として法令遵守、反社会的勢力の排除等を内容とする「行動基準」を制定し、その遵守状況の自己点検やコンプライアンス研修の推進・徹底により、社員一人ひとりに企業倫理にもとづくコンプライアンス意識を浸透させるとともに、法令及び各種規制等の遵守の徹底を図っています。また、内部統制委員会、CSR・コンプライアンス委員会を設け、内部統制機能の整備状況、コンプライアンス態勢を検証し、それらの充実を図っています。
加えて、通報者の不利益取扱い禁止を明確に定めた内部通報窓口(ヘルプライン)を設置して、法令等に抵触するおそれのある行為を防止し、また早期に発見して是正するよう努めています。
しかしながら、このような施策を講じてもコンプライアンス上のリスクは完全には払拭できず、法令等に抵触する事態が生じた場合には、課徴金等の行政処分、刑事処分、取引先等からの損害賠償、信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社は、海外において北米、中国・アジア及び欧州に合計21社(北米2社、中国・アジア17社、欧州2社)の子会社を設置し、倉庫・国際運送取扱等の物流事業を営んでおります。海外での事業展開においては、現地の法令・商習慣等に則した経営活動の実践に努めるとともに、出資先において倉庫施設等の固定資産の取得を伴う場合は、カントリーリスクの度合いを考慮し海外投資保険を付保することとしております。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たっては、海外の連結子会社の財務諸表を円換算しているほか、当社及び一部連結子会社において、外貨建債権・債務を有していることから、為替レートが変動した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、環境問題の重要性を認識し、環境方針や環境ボランタリープランを定め、地球環境に配慮した事業活動を推進しております。具体的には、倉庫や不動産賃貸施設の省エネ対策に取り組むほか、環境負荷の少ない荷役機器の導入や、お客様や委託先等と協力のうえ環境負荷を軽減するサービスの開発に努めております。しかしながら、今後、関係法令や規制の強化等により、新たな設備投資等の必要性が生じた場合には、資金やコスト負担の増加により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、各種ITを活用して事業の推進と業務の効率化を図っており、事業活動を通じて取引先の機密情報やお客様の個人情報を取り扱っております。
情報システムや情報ネットワークの管理においては、安定稼働やセキュリティ対策に力を入れ、適切なサーバーの管理や情報のバックアップ等の必要な措置を講じているほか、標的型攻撃に対する訓練等の情報セキュリティ教育等によりセキュリティリスク低減を図っております。
しかしながら、コンピューターウイルスによる感染、サイバー攻撃を含む外部からの不正アクセス、災害、不適切な情報管理により事業活動の停止や情報漏洩が発生した場合には、取引先等からの損害賠償、信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
2021年3月期においては、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、国内外の経済に大きな影響が生じております。また2021年4月以降においても、新型コロナウイルス収束までの期間が長期化した場合、物流事業においては、貨物の荷動きの低迷、不動産事業においては、テナントの退去等に伴う空室率の上昇等、当社グループの事業活動・業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとして、影響を最小限にとどめるべく取り組んでまいりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は不確実性が高く、今後の経過によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
なお、当社グループにおいては、同感染症への対応策として、社長を本部長とする「新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置し、役職員の健康と安全を最優先としたうえで、業務を継続するにあたっては感染防止策を十分に実施することとしており、在宅勤務や時差出勤の推進、出張の制限及び会合の原則禁止、健康状態のチェック等の措置を講じております。
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、景気は依然として厳しい状況にあるなか、欧州で弱い動きとなりましたが、米国で着実に持ち直しているほか、中国では緩やかに回復しました。またわが国経済は、同感染症の影響により、依然として厳しい状況にあり、設備投資や生産で持ち直しの動きが続いているものの、個人消費など一部に弱さがみられました。
こうした経済情勢にあって、当社グループを取り巻く事業環境は、倉庫及び港湾運送等物流業界においては、競争の激化や人手不足等を背景としたコストの増加に加え、同感染症の影響を受け輸出入貨物が減少したことにより、また不動産業界においては、緊急事態宣言の二度にわたる発出に加え、消費者の行動変化等により商業施設の一部で集客が落ち込むなど、いずれも厳しい状況のうちに推移しました。
このような状況の下、当社グループは、同感染症予防に努めながら営業活動を推進し、物流事業では、医薬品等の配送センター業務の拡大、国際輸送貨物の取扱維持等に努め、不動産事業では、テナントの確保及び賃料水準の維持・向上に努めました。他方、コスト管理の徹底と業務の効率化を一層推し進め、業績の確保に努めました。
この結果、営業収益は、物流事業で、倉庫、陸上運送、港湾運送及び国際運送取扱の各事業において同感染症の影響による貨物取扱量の減少等に伴い収入が減少し、不動産事業で、不動産賃貸事業における同感染症の影響による一部商業施設のテナント休業、マンション販売事業における販売物件の減少等により収入が減少したため、全体として前期比153億2千8百万円(6.7%)減の2,137億2千9百万円となりました。他方営業原価は、物流事業で、貨物取扱量の減少に伴い作業運送委託費が減少したほか、不動産事業で、マンション販売物件の減少に伴い不動産販売原価等が減少したため、全体として前期比142億6千5百万円(6.9%)減の1,918億7千5百万円となり、販売費及び一般管理費は、経費の減少等により、同6億2百万円(5.6%)減の101億1千8百万円となりました。
このため、営業利益は、物流事業で若干の増益となったものの不動産事業で減益となったので、全体として前期比4億6千万円(3.8%)減の117億3千5百万円となり、経常利益は、受取配当金の減少もあり、同8億8百万円(4.8%)減の160億1千3百万円となりました。また親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益で、名古屋駅近辺の当社不動産事業用地の一部譲渡等による固定資産処分益及び受取補償金(合計約366億円)等を計上したほか、政策保有株式の一部売却による投資有価証券売却益の増加もあり、前期比273億8百万円(230.4%)増の391億6千万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
倉庫・港湾運送等の物流事業
倉庫事業で貨物保管や物流施設賃貸業務が底堅く推移しましたが、倉庫、陸上運送、港湾運送及び国際運送取扱の各事業において、新型コロナウイルス感染症の影響により貨物取扱量が減少しており、倉庫、陸上運送の両事業は、医薬品、日用品等の取扱が増加したものの自動車部品、飲料等の取扱減少により、営業収益は倉庫事業で前期比1.0%減の559億5千4百万円、陸上運送事業で同7.5%減の482億1千4百万円となりました。また港湾運送事業は、コンテナ貨物の取扱減少等により、営業収益は前期比8.4%減の213億3千2百万円となり、国際運送取扱事業は、輸出入貨物の取扱減少等により、営業収益は同7.2%減の465億1千4百万円となりました。
この結果、物流事業全体の営業収益は、前期比104億5千3百万円(5.5%)減の1,792億5千5百万円となりました。また営業費用は、貨物取扱量の減少に伴い作業運送委託費が減少したほか、人件費、修繕費等の経費の減少もあり、前期比105億1百万円(5.8%)減の1,720億2千3百万円となりました。このためセグメント利益(営業利益)は、前期比4千8百万円(0.7%)増の72億3千2百万円となりました。
不動産事業
主力の不動産賃貸事業は、同感染症の影響による一部商業施設のテナント休業等に伴い、営業収益は前期比1.2%減の284億4千6百万円となりました。その他の営業収益は、マンション販売事業における販売物件の減少等により、前期比37.9%減の77億6百万円となりました。
この結果、不動産事業全体の営業収益は、前期比50億4千6百万円(12.2%)減の361億5千3百万円となりました。また営業費用は、マンション販売物件の減少に伴い不動産販売原価等が減少したため、前期比42億2千5百万円(13.9%)減の261億1千4百万円となりました。このためセグメント利益(営業利益)は、前期比8億2千万円(7.6%)減の100億3千8百万円となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前期末比675億1千8百万円増の5,357億6千1百万円となり、負債合計は、前期末比270億4千5百万円増の2,089億3千2百万円となり、純資産は、前期末比404億7千3百万円増の3,268億2千9百万円となりました。
総資産の増加は、翌期首の不動産事業用資産取得に備えた借入に伴い「現金及び預金」が増加し、名古屋駅近辺の当社不動産事業用地の一部譲渡等による資金を活用した設備投資に伴い「建物及び構築物」や「土地」等の有形固定資産が増加したほか、株式相場の回復に伴い「投資有価証券」が増加したためであります。
負債合計の増加は、翌期首の不動産事業用資産取得に備えた借入に伴い「借入金」が増加したほか、名古屋駅近辺の当社不動産事業用地の一部譲渡等による特別利益への税務上の圧縮記帳適用及び株式相場の回復に伴い「繰延税金負債」が増加したためであります。
純資産の増加は、「自己株式」の取得による減少があったものの、「親会社株主に帰属する当期純利益」の計上に伴い「利益剰余金」が増加したほか、株式相場の回復に伴い「その他有価証券評価差額金」が増加したためであります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローの増加、投資活動によるキャッシュ・フローの減少、財務活動によるキャッシュ・フローの減少に現金及び現金同等物に係る換算差額(7千8百万円の減少)を加えた全体で208億2千5百万円の増加となり、現金及び現金同等物の期末残高は613億6千7百万円となりました。
なお、当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー(208億2千5百万円の増加)は、前期(24億3千万円の減少)に比べ、232億5千6百万円上回りました。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益に減価償却費、固定資産処分益等を調整した結果、401億7千6百万円(うち「補償金の受取額」157億1千4百万円)の増加となりました。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローは、前期(176億2千4百万円の増加)に比べ、225億5千1百万円上回りました。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の売却による収入、投資有価証券の売却による収入があったものの、固定資産の取得による支出等により、140億2百万円の減少となりました。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローは、前期(180億2千2百万円の減少)に比べ、40億2千万円上回りました。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金が増加したものの、社債の償還による支出、自己株式の取得による支出、配当金の支払等により、52億7千万円の減少となりました。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローは、前期(23億5千9百万円の減少)に比べ、29億1千1百万円下回りました。
当社グループの主たる事業は、倉庫事業を中核とする物流事業及びビル賃貸を中心とする不動産事業であり、役務の提供を主体とする事業の性格上、生産、受注及び販売の実績を区分して把握することは困難であります。
これに代えて、当連結会計年度におけるセグメント毎の主要業務の営業収益及び取扱高等を示すと、次のとおりであります。
(注) 上記金額には、消費税等は含まない。
物流事業においては、競争の激化や人手不足等を背景としたコストの増加に加え、新型コロナウイルス感染症の影響を受け輸出入貨物が減少したことにより、厳しい状況のうちに推移する中、医薬品等の配送センター業務の拡大、国際輸送貨物の取扱維持等に努めました。この結果、物流事業の営業収益については、倉庫・陸上運送の両事業は、医薬品、日用品等の取扱が増加したものの自動車部品、飲料等の取扱減少により減収となり、港湾運送事業は、コンテナ貨物の取扱減少等により減収となり、国際運送取扱事業は、輸出入貨物の取扱減少により減収となったため、全体として前期比104億5千3百万円(5.5%)減の1,792億5千5百万円となりました。
不動産事業においては、緊急事態宣言の二度にわたる発出に加え、消費者の行動変化等により商業施設の一部で集客が落ち込むなど、厳しい状況のうちに推移する中、テナントの確保及び賃料水準の維持・向上に努めました。この結果、不動産事業の営業収益については、同感染症の影響による一部商業施設のテナント休業等に伴い減収となるほか、その他の営業収益は、マンション販売事業における販売物件の減少等により減収となり、全体として前期比50億4千6百万円(12.2%)減の361億5千3百万円となりました。
この結果、全体の営業収益は、前期比153億2千8百万円(6.7%)減の2,137億2千9百万円となりました。
営業原価は、物流事業で、貨物取扱量の減少に伴い作業運送委託費の減少、人件費、修繕費等の経費の減少があったほか、不動産事業で、マンション販売物件の減少に伴い不動産販売原価等の減少があったため、全体として前期比142億6千5百万円(6.9%)減の1,918億7千5百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、経費の減少等により、前期比6億2百万円(5.6%)減の101億1千8百万円となりました。
この結果、営業利益は、物流事業で若干の増益となったものの不動産事業で減益となったので、全体として前期比4億6千万円(3.8%)減の117億3千5百万円となり、経常利益は、受取配当金の減少もあり、同8億8百万円(4.8%)減の160億1千3百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益で、名古屋駅近辺の当社不動産事業用地の一部譲渡等による固定資産処分益及び受取補償金(合計約366億円)等を計上したほか、政策保有株式の一部売却による投資有価証券売却益の増加もあり、前期比273億8百万円(230.4%)増の391億6千万円となりました。
なお、当社グループは中期経営計画[2019-2021]における最終年度業績目標として、営業収益2,400億円、営業利益145億円、経常利益171億円、EBITDA(=営業利益+減価償却費)301億円を掲げており、中期経営計画2年目に当たる当連結会計年度の経営成績については、営業収益2,137億2千9百万円、営業利益117億3千5百万円、経常利益160億1千3百万円、EBITDA265億9千5百万円となりました。
当連結会計年度末の総資産は、翌期首の不動産事業用資産取得に備えた借入に伴い「現金及び預金」が増加し、名古屋駅近辺の当社不動産事業用地の一部譲渡等による資金を活用した設備投資に伴い「建物及び構築物」や「土地」等の有形固定資産が増加したほか、株式相場の回復に伴い「投資有価証券」が増加したため、前期末比675億1千8百万円増の5,357億6千1百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、翌期首の不動産事業用資産取得に備えた借入に伴い「借入金」が増加したほか、名古屋駅近辺の当社不動産事業用地の一部譲渡等による特別利益への税務上の圧縮記帳適用及び株式相場の回復に伴い「繰延税金負債」が増加したため、前期末比270億4千5百万円増の2,089億3千2百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、「自己株式」の取得による減少があったものの、「親会社株主に帰属する当期純利益」の計上に伴い「利益剰余金」が増加したほか、株式相場の回復に伴い「その他有価証券評価差額金」が増加したため、前期末比404億7千3百万円増の3,268億2千9百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前期末を0.1ポイント下回る60.4%となりました。
当連結会計年度末の有利子負債は、「借入金」の増加等により前期末に比べ103億7千3百万円増加し、1,091億5千5百万円となりました。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」において、税金等調整前当期純利益に減価償却費、固定資産処分益等を調整した結果、401億7千6百万円(うち「補償金の受取額」157億1千4百万円)の増加となったため、「投資活動によるキャッシュ・フロー」において、固定資産の売却による収入、投資有価証券の売却による収入があったものの、固定資産の取得による支出等により、140億2百万円の減少となり、「財務活動によるキャッシュ・フロー」において、借入金が増加したものの、社債の償還による支出、自己株式の取得による支出、配当金の支払等により、52億7千万円の減少となったものの、「現金及び現金同等物に係る換算差額」(7千8百万円の減少)を加えた全体で208億2千5百万円の増加となり、現金及び現金同等物の期末残高は613億6千7百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、財務健全性の維持を原則としつつ、運転資金並びに当社グループの成長、拡大を図るための設備投資資金については、主に事業活動から生じる自己資金で賄うほか、必要に応じて金融機関からの借入及び社債の発行により資金調達を行っております。なお、次期のキャッシュ・フローについては、新型コロナウイルス感染症の影響が、ワクチン接種の進捗に伴い徐々に正常化に向かうものと予想しており、次期の利益及び減価償却による資金の留保に加えて新規借入等による資金調達を予定しているものの、埼玉、大阪における配送センター建設工事及び大阪における不動産事業用資産取得等の設備投資(固定資産の取得)による支出のほか、社債の償還、借入金の返済、配当金の支払い、自己株式の取得等が予定されるため、現金及び現金同等物の期末残高は当連結会計年度末を下回ると予想しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
該当事項はありません。
該当事項はありません。