第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月24日)現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、2017年3月期決算において254億円の減損損失を計上したことなどを受け、2017年11月に2018年3月期を計画初年度、2022年3月期を計画最終年度とする5ヵ年計画「中期経営計画2017」を策定いたしております。

本計画では、新たに3つの事業運営の基本方針を定め、事業リスクを充分に考慮し、具体的な施策を着実に積み上げることで、最初の3年間で反転を終え、残り2年間で持続的成長へと繋げてまいります。

 

<事業運営の基本方針>

反転から持続的成長

 ①抜本的な事業収益力の強化

 ②財務基盤の再建

 ③グループ経営の強化による顧客起点の統合ソリューションサービスの構築

 

<数値目標(2022年3月期末)>

営業利益

100億円

有利子負債残高

1,300億円

ネットD/Eレシオ

2.0倍以下

ROE

9.0%超

 

まず「抜本的な事業収益力の強化」として、聖域なきコスト削減と営業力の強化に取り組んでおります。また、抜本的な事業収益力の強化に加え不要不急の投資を抑制するとともに、非効率資産の見直しにより自己資本を回復し「財務基盤の再建」を図ります。さらに、グループ一丸となりソリューション提案力で各事業間の未取引事業分野へ横展開する「グループ経営の強化による顧客起点の統合ソリューションサービスの構築」を図り、更なる成長の原動力といたします。また、制度改革を含めた企業風土の変革にも取り組んでまいります。

現在、これらの取り組みが奏功した結果、2020年3月期において数値目標をほぼ達成し、反転に目処がついた状況にあります。2021年3月期からの残り2年間は、「圧倒的な現場力」の構築、一気通貫の「統合ソリューションサービス」の構築、「ESG経営」に取り組むことで、持続的成長につなげてまいります。

人が担う「ローテク」と機械が担う「ハイテク」の融合により、圧倒的な現場力を構築して安価で高品質なサービス提供に取り組みます。また、一気通貫の「統合ソリューションサービス」の構築を加速させるため、事業間の機能見直しやネットワーク強化にも取り組みます。そして、物流という重要な社会インフラを担う企業として社会的責任を果たしていくため、SDGsへの取り組みをはじめとするESG経営を推進してまいります。

当社グループは過去に実施した国内外における物流施設への投資やM&A等、一連の積極的な事業拡大を背景に、多様化するお客様のニーズに対応可能なフルスペックの物流機能を備えるに至っております。今後は総合物流企業としてのフルスペック機能を活かし、国や地域、業種の垣根を越えてお客様の課題解決に取り組むことで、「お客様から信頼されるファーストコールカンパニー」を目指すとともに、根本的な課題である不動産事業への依存からの脱却に向けて着実に歩みを進めてまいります。

 

(新型コロナウイルス感染症の影響について)

当連結会計年度に新型コロナウイルス感染症が発生いたしましたが、当社グループの主たる事業である物流事業は社会の安定の維持の観点から事業継続を要請されていることもあり、緊急事態宣言期間中も含め事業活動が制限されるような影響は生じておらず、当社グループは感染予防対策を講じながら事業を継続しております。

現時点では、新型コロナウイルス感染症の影響により一時的な荷動きの低迷を見込んでおりますが、一方で同感染症の影響で生じるお客様のサプライチェーンの変更や見直しニーズも高まっております。今後も当社グループの経営方針や経営戦略に変わりは無く、物流を止めないという社会的使命のもと事業を継続する中で、引き続きソリューション提案力を高めてまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 当社グループは、日本、北米、欧州、北東アジア、東南アジアを中心に物流事業を行い、また日本において不動産事業を行っておりますが、これらの事業活動に影響を及ぼす可能性があると考えられる主なリスクには、以下のようなものがあります。

 なお、下記は当社グループの事業その他に関し、有価証券報告書提出日(2020年6月24日)現在において予想される主なリスクを具体的に例示したものであり、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。

(1) 経済環境の変化

 当社グループの主たる事業である物流事業において、荷動きは、世界各国の景気動向の影響を受け、また社会情勢の不安定化によって影響を被る可能性があります。特に、主要な輸出入国である北米、欧州、日本、中国及び東南アジアの景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、在庫の減少、域内運送の減少、国際間輸送の減少や価格競争の激しいマーケットにおける収受料金の下落を招く可能性があります。

 また、不動産事業においては、主な物件が首都圏に位置しており、特に首都圏の賃貸オフィス市場の需給バランスや市況動向の影響を受ける可能性があります。

(2) 公的規制の変化

 当社グループは、事業を展開しております各国において、事業・投資の許可を始め、保管、作業、運送、通商、独占禁止、租税、為替管理、気候変動、環境、各種安全管理等の法的規制の適用を受けております。これらの規制を遵守するためコスト増加となる可能性があります。また、遵守できなかった場合は、当社グループの活動が制限され、事業及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3) 業界構造の変化

 国内における少子高齢化に伴う労働人口の減少等に起因し、産業界全体においてサプライチェーンを維持するために必要な人的リソースの不足が深刻化しており、これを背景にIoT、AI、ロボティクスといった次世代テクノロジーの利用が拡大しております。労働集約型である我々物流業においては、デジタル化・装置産業化が進展する中で、業種間の垣根が低くなり、異業種の参入を招くリスクがあると認識しておりますが、その一方で、機械と人の融合による「現場力」、お客様のサプライチェーンの高度化に資する「ソリューション提案力」、さらには、それを支える「人材」の重要性についても強く認識しております。

 当社グループでは、圧倒的な現場力の構築をすべく、業務プロセスの見える化、標準化を進めることで物流品質の改善、底上げを図り、その上でIoT、AI、ロボティクスといった次世代テクノロジーを利用した省力化、省人化にも積極的に取り組んでおります。また、グループ連携を強化し、フルスペックの物流サービスによりお客様のサプライチェーンにおける課題解決に向けたソリューション提案を通じて他社との差別化を図っております。それらを下支えする人材については、継続的かつ積極的な採用活動や、教育研修による育成を行うだけでなく、「安全、多様性、働きがいのある労働環境の実現」をESG経営の重要課題の1つに定め、従業員のモチベーション向上にも取り組んでおります。それにもかかわらず、一連の取り組みが計画通り進捗しないことで、他社に対する優位性が低下した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4) 為替レートの変動

 当社グループの物流事業の売上のうち、国際間輸送では、US$建ての海上運賃、航空運賃が多くを占めております。従いまして、円建ての連結損益計算書では、円高は売上高の減少となります。

 また、海外の連結子会社の売上高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円貨換算されております。換算時の為替レートにより、これらの項目は元の現地通貨による価値が変わらなかったとしても、計上する円貨換算額が変動する可能性があります。

(5) 金利の変動

 当社グループは、物流という社会インフラを支える企業の使命として、安定的に事業を継続するために、必要な設備の新規投資や更新を行っております。有利子負債の適正水準維持に努めるとともに、必要な設備資金及び運転資金は主として外部借入により調達しております。

 固定金利による長期の安定的な資金調達を行っておりますが、金利の変動により、将来の資金調達コストが影響を受ける可能性があります。

(6) ESGの重要性の高まり

 ESGに対する世の中の関心は年々高まっているため、SDGsへの取り組みなど環境、社会、ガバナンスの3つの課題への対応は今後益々重要となります。当社グループは、「物流という重要な社会インフラを支える企業として、新たな価値を創出する」ことが事業を運営していく上で重要であると考え、「協創を通じた持続可能で強靭な物流サービスの提供」、「安全、多様性、働きがいのある労働環境の実現」、「積極的な環境負荷低減による低炭素社会・循環型社会への貢献」とともにこれら4つを当社グループのマテリアリティ(重要課題)として設定しております。

 「協創を通じた持続可能で強靭な物流サービスの提供」については、お客様の物流を止めないこと、ソリューションを提供しお客様の課題を解決していくことが社会貢献であり、SDGsへの取り組みそのものであると考えております。「安全、多様性、働きがいのある労働環境の実現」については、働く人からも選ばれる会社を目指し、働き方の多様化への対応や、社員やその家族を大切にする制度・環境の整備、安全確保等に取り組んでおります。「積極的な環境負荷低減による低炭素社会・循環型社会への貢献」については、運送等環境負荷が大きい業務を行っている我々物流事業者の取り組みは欠かせないと認識しており、共同配送による物流効率化や物流施設面での環境への配慮等を通じて、CO2排出量削減など環境負荷の軽減に取り組んでおります。

 このように重要課題の解決に向けグループ全体で取り組むとともに、具体的な取り組みを積極的に社外に開示しておりますが、これらの取り組みが遅れた場合や対応を誤った場合には、レピュテーションの低下や投資対象からの除外など、当社グループの持続的成長に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7) 災害や社会インフラの障害等の発生

 当社グループでは、災害、テロ、感染症、その他の要因による社会的混乱の発生等に備えて損害を最小限に留めるために、日常点検・整備の実施、発生時の対応マニュアルの作成・更新、事前の訓練等必要な措置を講じておりますが、地震、風水害等の災害の発生、あるいは停電、通信回線の不通等の障害の発生による被害を完全に防止できる保証はありません。これらの被害が発生した場合、業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。

 また、当社グループは、情報システム技術を利用して、顧客に物流情報等を提供しておりますが、災害、障害、あるいは事故、犯罪等の発生により、これらの情報提供サービスに支障が発生する可能性があります。

(8) 国際的活動及び海外進出に潜在するリスク

 当社グループは、北米、欧州、中国を始めとする北東アジア及び東南アジア、南アフリカ、南米で事業活動を行っておりますが、これらの地域への進出には以下に掲げるようなリスクが内在しております。

① 予期できない法律または規制の変更

② 事業活動に不利な政治または経済要因の発生

③ 未整備な社会インフラによる影響

④ 税制等の変更

⑤ 戦争、テロ、感染症、その他の要因による社会的混乱

(9) 顧客等の情報管理

 当社グループは、物流業務あるいはBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)業務において、顧客等の情報を取扱っております。

 当社グループ会社では、情報管理が適切に行われている事業者として、一般財団法人日本品質保証機構よりISO/IEC27001に基づく「情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)」の認証登録を受けたほか、一般財団法人日本情報経済社会推進協会より「プライバシーマーク」の使用許可証の交付を受けるなど、情報セキュリティ管理体制の維持・向上、コンプライアンスの強化、社員教育の徹底を図り、リスク発生を予防する一方で、リスク発生時の影響を軽減する対応策を講じております。

 しかしながら、情報の外部漏洩やデータ喪失等の事態が生じた場合、当社グループの社会的信用の低下を招くだけでなく、損害賠償請求を受ける可能性があります。

(10) 特定の取引先への依存

 当社グループの不動産事業においては、特定の賃貸ビルにおけるテナントからの収入が事業全体の大きな割合を占めております。当社グループは賃貸ビルへのバリューアップ投資を継続的に行うなど、高付加価値なオフィスビルとしての機能を維持するための施策を実施しておりますが、それにもかかわらず当該テナントとの賃貸借契約期間が満了し、再度更新されなかった場合、代替テナントによる補完等の可能性は十分あるものの、当社グループの業績及び財務状況に一時的な悪影響を及ぼす可能性があります。

(11) 保有資産の時価の変動

 保有資産の時価が大幅に下落し、かつ当該資産から十分なキャッシュ・フローが見込めない場合には、減損が発生する可能性があります。

 また、投資有価証券に関しましても、時価のあるものにつきましては時価が30%以上下落した場合に減損計上し、時価のないものにつきましては当該会社の純資産価額が50%以上下落し、かつ回復可能性が見込めない場合に減損処理しておりますので、将来の株式市場の変化または投資先の財務状況の悪化により減損が発生する可能性があります。

(12) 退職給付債務

 当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は退職給付債務については即時に認識され、退職給付費用は将来にわたって規則的に認識されるため、将来の費用に影響を及ぼします。

 また、当社は、退職給付会計が導入された2001年3月期に退職給付信託の設定を行っており、毎期末の信託している株式の時価の変動により発生する数理計算上の差異につきましても、退職給付債務は即時に認識され、退職給付費用は将来にわたって規則的に認識されております。

 従いまして、割引率の低下、運用利回りの悪化、あるいは信託株式の時価の低下は、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(13) 固定資産の減損

 当社グループは、のれんをはじめとする有形・無形の固定資産を所有しております。

 これらの資産については、その価値が下落した場合や期待通りの将来キャッシュ・フローが見込めない状況となった場合、減損処理が必要となり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(14)借入金の財務制限条項

 当社グループの借入金の一部については、シンジケートローン契約を締結しております。当該契約には、融資契約上の債務について期限の利益を喪失する財務制限条項が定められており、これに抵触した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月24日)現在において判断したものであります。

 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当期におけるわが国経済は、鉱工業生産指数が前年同期を下回る傾向が続き、製造業を中心に一段と弱さを増しております。物流を取り巻く環境は、人手不足による人件費の上昇、米中間の通商摩擦の長期化等による世界経済の不確実性に加えて、足元では新型コロナウイルス感染症の世界的拡大に伴い、国内外において感染症対策として外出自粛、ロックダウン等が講じられたことによる同感染症の経済に対する影響が深刻化するなど世界経済の下押し圧力が一層高まっており、先行き不透明な状況が続いております。

 こうした経済環境の中、当社グループの連結業績につきましては、「中期経営計画2017」で定めた抜本的事業収益力の強化に関する各種施策の実施や、国内の物流事業における堅調な貨物取扱、不動産事業における賃料収入の増加があった一方、当期における影響は限定的ではありますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により国内外において取扱物量が想定を下回った結果、事業全体としては前期比ほぼ横ばいとなり、連結営業収益は前年同期比7億72百万円減2,410億80百万円、連結営業利益は同1億78百万円減118億8百万円、連結経常利益は同5億56百万円減105億31百万円、親会社株主に帰属する当期純利益については、同12億4百万円増63億95百万円となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

(イ)物流事業

 当社グループは「中期経営計画2017」の下、物流事業における抜本的事業収益力の強化を目指し、販管費等のコスト削減、粗利益改善施策の実行等、各種施策の実施に取り組みました。これら施策の実行に加え、倉庫業務において食品原料等の貨物取扱が増加し高い水準で推移したことや、家電メーカー向け物流業務の取扱が増加したこと、その他、医薬品、家電メーカー向け物流の新規取扱開始などにより取扱物量が増加いたしました。一方、家電量販店向け物流において消費増税前後の取扱量に想定以上の波動が生じたことによる在庫保管・運送コストの増加、および2020年2月以降は国内における外出自粛、海外諸国におけるロックダウン等の影響から取扱物量が想定を下回った結果、営業収益は前年同期比14億21百万円減2,319億82百万円となり、営業利益は同7億39百万円減91億5百万円となりました。

(ロ)不動産事業

 主要テナントとの契約更改に伴い賃料収入が増加し、営業収益は前年同期比6億63百万円増98億33百万円、営業利益は同7億50百万円増58億65百万円となりました。

 

 当期の経営成績における新型コロナウイルス感染症の影響を含む前年同期比増減の詳細は以下の通りとなります。

 連結営業利益における前年同期比詳細                   (単位:億円)

 2019年3月期連結営業利益

120(11,986百万円)

航空輸送関連

 電子部品・半導体等 航空貨物取扱減

 自動車関連プロジェクト輸送減

: ▲ 4

: ▲ 2

主な荷動きの趨勢

 食品原料等 貨物取扱増

 家電メーカー物流取扱増

 新規取扱(医薬品・家電メーカー等)

 家電量販店物流一過性の荷役コスト発生

 原価増(人件費・運送費等)

 国際輸送業務取扱減等

: + 5

: + 4

: + 3

: ▲ 5

: ▲ 6

: ▲ 4

抜本的な事業収益力強化施策の実行

 適正料金収受等 計画通り進捗

 コスト削減 計画通り進捗

 不動産事業における契約改定に伴う増

: + 7

: + 5

: + 7

一過性費用

 働き方改革関連等の一過性費用

 退職給付費用

: ▲ 5

: ▲ 3

新型コロナウイルス感染症の影響

 海外諸国ロックダウンに伴う取扱大幅減

 中国経済停止に伴う通関・船社取扱減

 外出自粛に伴う家電量販店向け物流取扱減

 その他

: ▲1.2

: ▲  1

: ▲  1

: ▲0.8

 2020年3月期連結営業利益

118(11,808百万円)

 

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載の通りです。

 当期末の総資産は「中期経営計画2017」の下、財務基盤の再建を目指し、手元現預金の圧縮を行い有利子負債の返済に充てたことによる現預金の減少のほか、償却の進行に伴う固定資産の減少、株式相場の下落に伴う時価のある投資有価証券の減少などから、前連結会計年度末より127億68百万円減少し、2,393億9百万円となりました。

 純資産は、円高による為替換算調整勘定の減少や、株式相場の下落に伴うその他有価証券評価差額金の減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により前連結会計年度末より25億99百万円増加し、548億42百万円となりました。

 

「中期経営計画2017」における経営上の数値目標の達成状況

 

 

2022年3月期末(計画最終年度)

2020年3月期末(本計画3年目)

営業利益

100億円

118億8百万円

有利子負債残高

1,300億円

1,271億1百万円

ネットD/Eレシオ

2.0倍以下

2.11倍

ROE

9.0%超

13.2%

 

目標達成に必要な対応につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りです。

 

 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の増加に加え、法人税等の支払額が減少したことなどから、前年同期比26億14百万円増加の211億12百万円の収入となりました。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、「中期経営計画2017」の下、不要不急の投資は抑制しておりますが、今期は東京港中央防波堤外側外貿コンテナふ頭への進出に伴う設備投資の結果、前年同期比14億43百万円支出増加の54億87百万円の支出となりました。
 財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の償還及び借入金の返済により、前年同期比1億27百万円支出増加167億46百万円の支出となりました。
 以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末より16億24百万円減少の213億80百万円となりました。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下の通りです。

 (イ)契約債務

 2020年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。

 

年度別要支払額(百万円)

契約債務

合計

1年以内

1年超

2年内

2年超

3年内

3年超

4年内

4年超

5年内

5年超

短期借入金

2,456

2,456

長期借入金

89,644

15,493

13,106

9,681

8,263

4,868

38,230

社債

35,000

10,000

14,000

11,000

リース債務

2,498

956

473

328

258

149

332

 

 当社グループの第三者に対する保証は、同業者で共同出資しているターミナル運営会社の銀行借入等に対する債務保証、従業員に対する銀行の住宅ローンに関する債務保証などであります。保証した借入金の債務不履行が保証契約期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があります。2020年3月31日現在、当社グループの債務保証に基づく将来における潜在的な要支払額の合計額は1億11百万円であります。

 このほか、一部の物流施設の調達をオペレーティング・リース取引によって行っており、これに関する未経過リース料は219億80百万円(1年内69億54百万円、1年超:150億26百万円)であります。

 

 (ロ)財務政策

 当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または社債及び借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については期限が一年以内の短期借入金で、当社及び関係会社の一部が調達しております。これに対して、倉庫施設などの長期資金は、固定金利の社債及び長期借入金で調達しております。2020年3月31日現在、長期借入金の残高は896億44百万円であり、無担保普通社債の残高は350億円であります。

 当社グループは、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力に加え、約190億円の実行を確約していない未使用の借入枠もあり、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備資金を調達することが可能と考えております。

 「中期経営計画2017」における当社グループの基本的な財務政策に関する方針は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り「財務基盤の再建」を基本方針としております。当該基本方針に基づき、営業活動等により獲得した資金は、有利子負債の削減、株主還元、持続的成長に資すると判断できる成長投資に資金配分いたします。

 有利子負債の削減については当期末時点において「中期経営計画2017」における財務目標値である2022年3月期末までに有利子負債残高1,300億円(当期末残高1,271億1百万円)・ネットD/Eレシオ2.0倍以下(当期末2.11倍)の目標値をほぼ達成している状況ではありますが、引き続き財務バランスの改善が必要という認識の下、継続して取り組む方針であります。

 株主への還元は「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載されている配当方針に従い、年間配当金を1株につき 50 円とし、これを下限とした安定的配当の継続を基本としつつ、利益水準、有利子負債の削減状況、投資の見通しなどを勘案し決定してまいります。

 投資については不要不急の投資は抑制し、当社グループの持続的成長に資すると判断できる経営方針に沿った成長投資等を行ってまいります。

 

 ③ 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に係る会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

当社経営陣は連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び評価を行わなければなりません。経営陣は、たな卸資産、貸倒れ、有価証券、有形固定資産、のれんを含む無形固定資産、法人税等、繰延税金資産、財務活動、退職給付、偶発事象、訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。経営陣は、過去の実績や現在の状況に応じ、合理的と考えられる基準・要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数値についての判断基礎となります。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、当期の連結財務諸表を作成するにあたり、有形固定資産、のれんを含む無形固定資産等については、会計上の見積りを行う上で将来キャッシュ・フロー、資産の回収可能性等を検討するにあたり、入手可能な外部の情報等に基づき新型コロナウイルス感染症の影響を勘案したうえで見積りを行っております。

 

また、特に重要な見積りを伴う会計方針は以下のとおりです。

(のれん)

当社グループの連結財務諸表にはのれんが5,905百万円計上されており、連結総資産の約2.4%を占めております。

のれんは20年以内のその効果が及ぶ期間にわたって均等償却しております。また、減損の兆候があると認められる場合には、資産グループから得られる割引前キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定します。判定の結果、減損損失の認識が必要となった場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識されます。

当該判定に用いられる将来キャッシュ・フローの見積りは、当社経営陣が作成した事業計画を基礎として行っておりますが、関連取引先の生産計画や国際輸送計画を前提としており、その前提に基づく当社経営陣による判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼすため、「特に重要な会計上の見積り」に該当すると考えております。

 

④生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、倉庫保管・荷役、港湾作業、国内運送及び国際輸送等の物流の各機能を有機的・効率的に顧客に提供する物流事業並びにビル賃貸業を中心とする不動産事業で構成されており、以下の2つを報告セグメントとしております。

・「物流事業」…倉庫保管・荷役、港湾作業・運送、海外における物流サービス・複合一貫輸送、航空貨物輸送、3PL、サプライチェーンマネジメント支援業務、陸上貨物運送等、様々な物流サービスを提供しております。

・「不動産事業」…ビル賃貸業を中心としたサービスを提供しております。

 役務の提供を主体とする事業の性格上、生産、受注及び販売の実績を区分して把握することは困難でありますので、これに代えて、セグメント毎の主要業務の営業収益及び取扱高等を示すと、次のとおりであります。

(イ)セグメント毎の主要業務の営業収益

セグメント

営業収益(百万円)

前連結会計年度比増減

 前連結会計年度

(自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日)

 増減額(百万円)

 比率(%)

物流事業

 

 

 

 

(倉庫保管)

31,763

33,980

2,216

7.0

(倉庫荷役)

28,732

28,973

241

0.8

(港湾作業)

18,162

17,616

△546

△3.0

(運送)

112,578

110,141

△2,437

△2.2

(その他)

42,166

41,270

△896

△2.1

233,404

231,982

△1,421

△0.6

不動産事業

 

 

 

 

(不動産賃貸)

9,170

9,833

663

7.2

9,170

9,833

663

7.2

セグメント間取引消去

△721

△736

△14

合計

241,852

241,080

△772

△0.3

    (注)1 セグメント間の内部振替前の数値によっております。

   2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(ロ)セグメント毎の主要業務の取扱高等

セグメント

の名称

業務の種類

取扱高等

区分

   前連結会計年度

 (自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日)

   当連結会計年度

 (自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日)

物流事業

倉庫保管

国内平均保管残高(千トン)

489

464

国内貨物回転率(%)

30.1

29.1

所管面積(千㎡)

1,314

1,376

倉庫荷役

国内入庫高(千トン)

1,767

1,618

国内出庫高(千トン)

1,768

1,625

港湾作業

CT作業取扱高(TEU)

898,136

876,618

運送

(国内運送)

 

 

  国内コンテナ運送取扱高(本数)

227,485

215,256

(国際運送NVOCC)

 

 

  取扱高(TEU)

40,840

35,556

(陸上貨物運送)

 

 

  貸切輸送(千トンキロ)

620,439

627,626

  取扱数量(千個)

32,791

33,506

(航空貨物輸送)

 

 

  取扱高(トン数)

57,540

49,945

(3PL)

 

 

  取扱個数(千個)

139,202

138,854

(サプライチェーンマネジメント支援)

 

 

  販売物流入出庫高(千㎥)

410.7

411.0

不動産事業

不動産賃貸

賃貸面積(千㎡)

172

172

 

(注) 貨物回転率=

(年間入庫高+年間出庫高)×1/2

× 100

月末保管残高年間合計

 

(2) 次期の見通し

新型コロナウイルス感染症の世界的拡大に伴い、国内外において感染症対策として外出自粛、ロックダウン等が引き続き講じられることによる各国経済の停滞に伴い、国内外の荷動き低迷は依然続く厳しい状況が見込まれます。

当社グループにおきましては、5ヶ年計画である「中期経営計画2017」の次期から始まる後半2年間においては、前半3年間で取り組んだ抜本的事業収益力の強化、財務基盤の再建、統合ソリューションサービスの構築に加え、人が担うローテクと機械が担うハイテクの融合により安価で高品質なサービスをお客様に提供すべく「圧倒的な現場力の構築」に取り組み、一気通貫の統合ソリューションサービスの構築を加速させるべく事業間の機能見直し、ネットワーク強化に取り組むことで更なるグループシナジー実現を追及してまいります。

新型コロナウイルス感染症の影響を除いた物流事業における次期見通しについては、航空輸送業務を中心に電子部品、半導体の取扱減少を見込んでおります。物流事業におけるその他の業務については個別案件の増減はございますが、全体としては概ね当期と同等の取扱となることを見込んでおります。

 次期の連結業績見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による荷動きの低迷が2020年9月末までは継続し、以降収束に向かうという前提の下、物流事業においては、海外を中心に主要顧客の生産活動停止や世界的な荷動き低迷を要因に国際輸送の取扱が減少し、国内においては家電量販店物流を中心に荷動きの鈍化を見込んでいるものの、上記前提を基にした厳しい事業環境の見通しにおいても、「中期経営計画2017」の前半3年間で取り組んだコスト削減、粗利益改善施策の結果、一定の利益水準は維持できる見通しであります。不動産事業においては新型コロナウイルス感染症の影響は軽微であり当期と同水準の賃料収入を見込んでおります。これらの見込みから、次期の連結営業収益は2,200億円前期比8.7%減)、連結営業利益は85億円同28.0%減)、連結経常利益は79億円同25.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は48億円同24.9%減)を見込んでおります。

 次期の見通しにおける新型コロナウイルス感染症の影響を含む当期実績と見通しの増減詳細は以下の通りとなります。上記に記載の通り新型コロナウイルス感染症の影響による荷動きの低迷が2020年9月末までは継続し、以降収束に向かうという前提で次期の業績を予想しております。

 

 連結営業利益における当期実績および次期見通しの増減詳細        (単位:億円)

 2020年3月期連結営業利益

118(11,808百万円)

航空輸送関連

 自動車関連プロジェクト輸送減

: ▲ 8

新型コロナウイルス感染症の影響

 自動車メーカーの生産活動停止に伴う自動

 車関連航空輸送取扱減

 家電メーカーの生産活動停止に伴う家電

 メーカー関連物流取扱減

 米欧・東南アジアにおけるロックダウン等

 に伴う消費低迷・物量大幅減

 国内における顧客の仕入減少に伴う家電

 量販店向け物流取扱減


: ▲ 8


: ▲ 8


: ▲ 7


: ▲ 4

コスト増

 新規稼働施設 定率償却による当初償却増

 

: ▲ 3

収益力強化等

 

 適正料金収受等

 コスト削減

 その他

: + 3

: + 1

: + 1

 2021年3月期連結営業利益(予想)

  85(8,500百万円)

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。