第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月24日)現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、2017年3月期決算において254億円の減損損失を計上したことなどを受け、2017年11月に2018年3月期を計画初年度、2022年3月期を計画最終年度とする5ヵ年計画「中期経営計画2017」を策定いたしております。

本計画では、新たに3つの事業運営の基本方針を定め、事業リスクを充分に考慮し、具体的な施策を着実に積み上げることで、最初の3年間を反転期、残り2年間を持続的成長期と位置づけております。

 

 

<事業運営の基本方針>

反転から持続的成長

 ①抜本的な事業収益力の強化

 ②財務基盤の再建

 ③グループ経営の強化による顧客起点の統合ソリューションサービスの構築

 

<数値目標(2022年3月期末)>

営業利益

100億円

有利子負債残高

1,300億円

ネットD/Eレシオ

2.0倍以下

ROE

9.0%超

 

まず「抜本的な事業収益力の強化」として、聖域なきコスト削減と営業力の強化に取り組んでおります。また、抜本的な事業収益力の強化に加え不要不急の投資を抑制するとともに、非効率資産の見直しにより自己資本を回復し「財務基盤の再建」を図ります。さらに、グループ一丸となりソリューション提案力で各事業間の未取引事業分野へ横展開する「グループ経営の強化による顧客起点の統合ソリューションサービスの構築」を図り、更なる成長の原動力といたします。また、制度改革を含めた企業風土の変革にも取り組んでおります。

これらの取り組みが奏功した結果、2021年3月期において数値目標は達成できており、現在は持続的成長期における重点施策として「圧倒的な現場力」の構築、一気通貫の「統合ソリューションサービス」の構築、「ESG経営」に取り組んでおります。

人が担う「ローテク」と機械が担う「ハイテク」の融合により、圧倒的な現場力を構築して安価で高品質なサービス提供に取り組みます。また、一気通貫の「統合ソリューションサービス」の構築を加速させるため、事業間の機能見直しやネットワーク強化にも取り組みます。そして、物流という重要な社会インフラを担う企業として社会的責任を果たしていくため、SDGsへの取り組みをはじめとするESG経営を推進してまいります。

当社グループは過去に実施した国内外における物流施設への投資やM&A等、一連の積極的な事業拡大を背景に、多様化するお客様のニーズに対応可能なフルスペックの物流機能を備えるに至っております。今後は総合物流企業としてのフルスペック機能を活かし、国や地域、業種の垣根を越えてお客様の課題解決に取り組むことで、「お客様から信頼されるファーストコールカンパニー」を目指すとともに、根本的な課題である不動産事業への依存からの脱却に向けて着実に歩みを進めてまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 当社グループは、日本、北米、欧州、北東アジア、東南アジアを中心に物流事業を行い、また日本において不動産事業を行っておりますが、これらの事業活動に影響を及ぼす可能性があると考えられる主なリスクには、以下のようなものがあります。

 なお、下記は当社グループの事業その他に関し、有価証券報告書提出日(2021年6月24日)現在において予想される主なリスクを具体的に例示したものであり、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。

(1) 経済環境の変化

 当社グループの主たる事業である物流事業において、荷動きは、世界各国の景気動向の影響を受け、また社会情勢の不安定化によって影響を被る可能性があります。特に、主要な輸出入国である北米、欧州、日本、中国及び東南アジアの景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、在庫の減少、域内運送の減少、国際間輸送の減少や価格競争の激しいマーケットにおける収受料金の下落を招く可能性があります。

 また、不動産事業においては、主な物件が首都圏に位置しており、特に首都圏の賃貸オフィス市場の需給バランスや市況動向の影響を受ける可能性があります。

(2) 公的規制の変化

 当社グループは、事業を展開しております各国において、事業・投資の許可を始め、保管、作業、運送、通商、独占禁止、租税、為替管理、気候変動、環境、各種安全管理等の法的規制の適用を受けております。これらの規制を遵守するためコスト増加となる可能性があります。また、遵守できなかった場合は、当社グループの活動が制限され、事業及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3) 業界構造の変化

 国内における少子高齢化に伴う労働人口の減少等に起因し、産業界全体においてサプライチェーンを維持するために必要な人的リソースの不足が深刻化しており、これを背景にIoT、AI、ロボティクスといった次世代テクノロジーの利用が拡大しております。労働集約型である我々物流業においては、デジタル化・装置産業化が進展する中で、業種間の垣根が低くなり、異業種の参入を招くリスクがあると認識しておりますが、その一方で、機械と人の融合による「現場力」、お客様のサプライチェーンの高度化に資する「ソリューション提案力」、さらには、それを支える「人材」の重要性についても強く認識しております。

 当社グループでは、圧倒的な現場力の構築をすべく、業務プロセスの見える化、標準化を進めることで物流品質の改善、底上げを図り、その上でIoT、AI、ロボティクスといった次世代テクノロジーを利用した省力化、省人化にも積極的に取り組んでおります。また、グループ連携を強化し、フルスペックの物流サービスによりお客様のサプライチェーンにおける課題解決に向けたソリューション提案を通じて他社との差別化を図っております。それらを下支えする人材については、継続的かつ積極的な採用活動や、教育研修による育成を行うだけでなく、「安全、多様性、働きがいのある労働環境の実現」をESG経営の重要課題の1つに定め、従業員のモチベーション向上にも取り組んでおります。それにもかかわらず、一連の取り組みが計画通り進捗しないことで、他社に対する優位性が低下した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4) 為替レートの変動

 当社グループの物流事業の売上のうち、国際間輸送では、US$建ての海上運賃、航空運賃が多くを占めております。従いまして、円建ての連結損益計算書では、円高は売上高の減少となります。

 また、海外の連結子会社の売上高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円貨換算されております。換算時の為替レートにより、これらの項目は元の現地通貨による価値が変わらなかったとしても、計上する円貨換算額が変動する可能性があります。

(5) 金利の変動

 当社グループは、物流という社会インフラを支える企業の使命として、安定的に事業を継続するために、必要な設備の新規投資や更新を行っております。有利子負債の適正水準維持に努めるとともに、必要な設備資金及び運転資金は主として外部借入により調達しております。

 固定金利による長期の安定的な資金調達を行っておりますが、金利の変動により、将来の資金調達コストが影響を受ける可能性があります。

(6) ESGの重要性の高まり

 ESGに対する世の中の関心は年々高まっているため、SDGsへの取り組みなど環境、社会、ガバナンスの3つの課題への対応は今後益々重要となります。当社グループは、「物流という重要な社会インフラを支える企業として、新たな価値を創出する」ことが事業を運営していく上で重要であると考え、「協創を通じた持続可能で強靭な物流サービスの提供」、「安全、多様性、働きがいのある労働環境の実現」、「積極的な環境負荷低減による低炭素社会・循環型社会への貢献」とともにこれら4つを当社グループのマテリアリティ(重要課題)として設定しております。

 「協創を通じた持続可能で強靭な物流サービスの提供」については、お客様の物流を止めないこと、ソリューションを提供しお客様の課題を解決していくことが社会課題解決と企業価値向上につながると考えております。「安全、多様性、働きがいのある労働環境の実現」については、働く人からも選ばれる会社を目指し、働き方の多様化への対応や、社員やその家族を大切にする制度・環境の整備、安全確保等に取り組んでおります。「積極的な環境負荷低減による低炭素社会・循環型社会への貢献」については、運送等環境負荷が大きい業務を行っている我々物流事業者の取り組みは欠かせないと認識しており、共同配送による物流効率化や物流施設面での環境への配慮等を通じて、CO2排出量削減など環境負荷の軽減に取り組んでおります。

 このように重要課題の解決に向けグループ全体で取り組むとともに、具体的な取り組みを積極的に社外に開示しておりますが、これらの取り組みが遅れた場合や対応を誤った場合には、レピュテーションの低下や投資対象からの除外など、当社グループの持続的成長に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7) 災害や社会インフラの障害等の発生

 当社グループでは、災害、テロ、感染症、その他の要因による社会的混乱の発生等に備えて損害を最小限に留めるために、日常点検・整備の実施、発生時の対応マニュアルの作成・更新、事前の訓練等必要な措置を講じておりますが、地震、風水害等の災害の発生、あるいは停電、通信回線の不通等の障害の発生による被害を完全に防止できる保証はありません。これらの被害が発生した場合、業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。

 また、当社グループは、情報システム技術を利用して、顧客に物流情報等を提供しておりますが、災害、障害、あるいは事故、犯罪等の発生により、これらの情報提供サービスに支障が発生する可能性があります。

(8) 国際的活動及び海外進出に潜在するリスク

 当社グループは、北米、欧州、中国を始めとする北東アジア及び東南アジア、南アフリカ、南米で事業活動を行っておりますが、これらの地域への進出には以下に掲げるようなリスクが内在しております。

① 予期できない法律または規制の変更

② 事業活動に不利な政治または経済要因の発生

③ 未整備な社会インフラによる影響

④ 税制等の変更

⑤ 戦争、テロ、感染症、その他の要因による社会的混乱

(9) 顧客等の情報管理

 当社グループは、物流業務あるいはBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)業務において、顧客等の情報を取扱っております。

 当社グループ会社では、情報管理が適切に行われている事業者として、一般財団法人日本品質保証機構よりISO/IEC27001に基づく「情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)」の認証登録を受けたほか、一般財団法人日本情報経済社会推進協会より「プライバシーマーク」の使用許可証の交付を受けるなど、情報セキュリティ管理体制の維持・向上、コンプライアンスの強化、社員教育の徹底を図り、リスク発生を予防する一方で、リスク発生時の影響を軽減する対応策を講じております。

 しかしながら、情報の外部漏洩やデータ喪失等の事態が生じた場合、当社グループの社会的信用の低下を招くだけでなく、損害賠償請求を受ける可能性があります。

(10) 特定の取引先への依存

 当社グループの不動産事業においては、特定の賃貸ビルにおけるテナントからの収入が事業全体の大きな割合を占めております。当社グループは賃貸ビルへのバリューアップ投資を継続的に行うなど、高付加価値なオフィスビルとしての機能を維持するための施策を実施しておりますが、それにもかかわらず当該テナントとの賃貸借契約期間が満了し、再度更新されなかった場合、代替テナントによる補完等の可能性は十分あるものの、当社グループの業績及び財務状況に一時的な悪影響を及ぼす可能性があります。

(11) 保有資産の時価の変動

 保有資産の時価が大幅に下落し、かつ当該資産から十分なキャッシュ・フローが見込めない場合には、減損が発生する可能性があります。

 また、投資有価証券に関しましても、時価のあるものにつきましては時価が30%以上下落した場合に減損計上し、時価のないものにつきましては当該会社の純資産価額が50%以上下落し、かつ回復可能性が見込めない場合に減損処理しておりますので、将来の株式市場の変化または投資先の財務状況の悪化により減損が発生する可能性があります。

(12) 退職給付債務

 当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は退職給付債務については即時に認識され、退職給付費用は将来にわたって規則的に認識されるため、将来の費用に影響を及ぼします。

 また、当社は、退職給付会計が導入された2001年3月期に退職給付信託の設定を行っており、毎期末の信託している株式の時価の変動により発生する数理計算上の差異につきましても、退職給付債務は即時に認識され、退職給付費用は将来にわたって規則的に認識されております。

 従いまして、割引率の低下、運用利回りの悪化、あるいは信託株式の時価の低下は、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(13) 固定資産の減損

 当社グループは、のれんをはじめとする有形・無形の固定資産を所有しております。

 これらの資産については、その価値が下落した場合や期待通りの将来キャッシュ・フローが見込めない状況となった場合、減損処理が必要となり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(14)借入金の財務制限条項

 当社グループの借入金の一部については、シンジケートローン契約を締結しております。当該契約には、融資契約上の債務について期限の利益を喪失する財務制限条項が定められており、これに抵触した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月24日)現在において判断したものであります。

 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の社会経済活動への影響が長期化し、輸出入および鉱工業生産指数は前年同期を下回り推移しており、依然として厳しい状況が続いております。物流を取り巻く環境は、保管残高は貨物の停滞により前年同期比では微増を示しているものの、荷動きを示す貨物回転率は依然として弱含んで推移しております。

 こうした経済環境の中、当社グループの連結業績につきましては、「中期経営計画2017」で定めた抜本的事業収益力の強化に関する各種施策の実施により、ベースとなる収益力を高めてきたことに加え、それぞれに異なる強みを持つグループ各社の機能を活用して、サプライチェーンの川上から川下までを幅広くサポートできる事業ポートフォリオを構築し、不確実性の高まる事業環境下においても収益を底堅く確保できる体制を構築してまいりました。

 営業の状況といたしましては、新型コロナウイルス感染症の影響として、輸出入の減少による海上フォワーディング業務等の取扱減少があった一方、巣ごもり消費拡大を受けた家電メーカー物流等の取扱の増加、顧客のサプライチェーンの見直しおよび海上コンテナ不足による海上輸送からの切り替えの動きに伴う航空輸送の取扱増加に加え、航空輸送の需給逼迫による運賃高騰などの影響がございました。これらに加え、当社グループが注力している統合ソリューションサービス関連のソリューション物流の既存業務取扱増加及び新規取扱開始などもあり、連結営業収益は前年同期比124億79百万円増2,535億59百万円、連結営業利益は同58億52百万円増176億61百万円、連結経常利益は同67億9百万円増172億40百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、同51億53百万円増115億49百万円となり、過去最高益を更新する結果となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

(イ)物流事業

 新型コロナウイルス感染症の影響として、輸出入の減少による海上フォワーディング業務等の取扱減少があった一方、巣ごもり消費拡大を受けた家電メーカー物流の取扱増加、顧客の生産活動再開または回復に伴う各種原材料の調達物流による取扱増加、顧客のサプライチェーンの見直しおよび海上コンテナ不足による海上輸送からの切り替えの動きに伴う航空輸送の取扱増加、航空輸送の需給逼迫による運賃高騰、経済活動が制限されたこと等を受けた各種販管費の減少がございました。これらに加え、ソリューション物流業務の既存業務取扱増加及び新規取扱開始や、前期に開始したヘルスケア物流における新規業務の通期寄与等により、営業収益は前年同期比126億62百万円増2,446億45百万円となり、営業利益は同58億79百万円増149億84百万円となりました。

(ロ)不動産事業

 賃料収入の減少により、営業収益は前年同期比2億12百万円減96億21百万円、営業利益は同31百万円減58億33百万円となりました。

 

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載の通りです。

 当期末の総資産は、現預金の増加や営業収益の増加に伴う営業未収金の増加はあったものの、政策保有株式の売却により投資有価証券が減少し、前連結会計年度末より9億38百万円減少し、2,383億71百万円となりました。

 純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により前連結会計年度末より136億86百万円増加し、685億29百万円となりました。

 

「中期経営計画2017」における経営上の数値目標の達成状況

 

 

2022年3月期末(計画最終年度)

2021年3月期末(本計画4年目)

営業利益

100億円

176億61百万円

有利子負債残高

1,300億円

1,078億79百万円

ネットD/Eレシオ

2.0倍以下

1.35倍

ROE

9.0%超

20.5%

 

目標達成に必要な対応につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りです。

 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、営業収益の増加に伴い売上債権が増加したものの、税金等調整前当期純利益が大きく増加したことから、前年同期比1億44百万円増加の212億57百万円の収入となりました。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、当社が注力する分野のヘルスケア専用の新設倉庫である関東P&MセンターB棟の建設代金の一部を支払ったものの、政策保有株式を売却した結果、8億3百万円の収入となりました(前期は54億87百万円の支出)
 財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の償還及び借入金の返済により、前年同期比49億37百万円支出増加216億83百万円の支出となりました。
 以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末より13億38百万円増加の227億18百万円となりました。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下の通りです。

 (イ)契約債務

 2021年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。

 

年度別要支払額(百万円)

契約債務

合計

1年以内

1年超

2年内

2年超

3年内

3年超

4年内

4年超

5年内

5年超

短期借入金

6,440

6,440

長期借入金

76,439

12,168

9,765

8,489

4,872

6,868

34,274

社債

25,000

14,000

11,000

リース債務

1,812

779

540

395

75

6

15

 

 当社グループの第三者に対する保証は、同業者で共同出資しているターミナル運営会社の銀行借入等に対する債務保証、従業員に対する銀行の住宅ローンに関する債務保証などであります。保証した借入金の債務不履行が保証契約期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があります。2021年3月31日現在、当社グループの債務保証に基づく将来における潜在的な要支払額の合計額は66百万円であります。

 このほか、一部の物流施設の調達をオペレーティング・リース取引によって行っており、これに関する未経過リース料は172億47百万円(1年内57億87百万円、1年超:114億59百万円)であります。

 

 (ロ)財務政策

 当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または社債及び借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については期限が一年以内の短期借入金で、当社及び関係会社の一部が調達しております。これに対して、倉庫施設などの長期資金は、固定金利の社債及び長期借入金で調達しております。2021年3月31日現在、長期借入金の残高は764億39百万円であり、無担保普通社債の残高は250億円であります。

 当社グループは、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力に加え、約150億円の実行を確約していない未使用の借入枠もあり、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備資金を調達することが可能と考えております。

 「中期経営計画2017」における当社グループの基本的な財務政策に関する方針は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り「財務基盤の再建」を基本方針としております。当該基本方針に基づき、営業活動等により獲得した資金は、有利子負債の削減、株主還元、持続的成長に資すると判断できる成長投資に資金配分いたします。

 有利子負債の削減については当期末時点において「中期経営計画2017」における財務目標値である2022年3月期末までに有利子負債残高1,300億円(当期末残高1,078億79百万円)・ネットD/Eレシオ2.0倍以下(当期末1.35倍)の目標値を達成している状況ではありますが、引き続き財務バランスの改善が必要という認識の下、継続して取り組む方針であります。

 株主への還元は「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載されている配当方針に従い、年間配当金を1株につき 60 円とし、これを下限とした安定的配当の継続を基本としつつ、利益水準、有利子負債の削減状況、投資の見通しなどを勘案し決定してまいります。

 投資については不要不急の投資は抑制し、当社グループの持続的成長に資すると判断できる経営方針に沿った成長投資等を行ってまいります。

 

 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に係る会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況」に記載しております。

当社経営陣は連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び評価を行わなければなりません。経営陣は、たな卸資産、貸倒れ、有価証券、有形固定資産、のれんを含む無形固定資産、法人税等、繰延税金資産、財務活動、退職給付、偶発事象、訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。経営陣は、過去の実績や現在の状況に応じ、合理的と考えられる基準・要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数値についての判断基礎となります。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、当期の連結財務諸表を作成するにあたり、有形固定資産、のれんを含む無形固定資産等については、会計上の見積りを行う上で将来キャッシュ・フロー、資産の回収可能性等を検討するにあたり、入手可能な外部の情報等に基づき新型コロナウイルス感染症の影響を勘案したうえで見積りを行っております。

 

④生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、倉庫保管・荷役、港湾作業、国内運送及び国際輸送等の物流の各機能を有機的・効率的に顧客に提供する物流事業並びにビル賃貸業を中心とする不動産事業で構成されており、以下の2つを報告セグメントとしております。

・「物流事業」…倉庫保管・荷役、港湾作業・運送、海外における物流サービス・複合一貫輸送、航空貨物輸送、3PL、サプライチェーンマネジメント支援業務、陸上貨物運送等、様々な物流サービスを提供しております。

・「不動産事業」…ビル賃貸業を中心としたサービスを提供しております。

 役務の提供を主体とする事業の性格上、生産、受注及び販売の実績を区分して把握することは困難でありますので、これに代えて、セグメント毎の主要業務の営業収益及び取扱高等を示すと、次のとおりであります。

(イ)セグメント毎の主要業務の営業収益

セグメント

営業収益(百万円)

前連結会計年度比増減

 前連結会計年度

(自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日)

 増減額(百万円)

 比率(%)

物流事業

 

 

 

 

(倉庫保管)

33,980

35,500

1,519

4.5

(倉庫荷役)

28,973

31,090

2,116

7.3

(港湾作業)

17,616

15,720

△1,895

△10.8

(運送)

110,141

123,359

13,217

12.0

(その他)

41,270

38,974

△2,295

△5.6

231,982

244,645

12,662

5.5

不動産事業

 

 

 

 

(不動産賃貸)

9,833

9,621

△212

△2.2

9,833

9,621

△212

△2.2

セグメント間取引消去

△736

△706

29

合計

241,080

253,559

12,479

5.2

    (注)1 セグメント間の内部振替前の数値によっております。

   2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(ロ)セグメント毎の主要業務の取扱高等

セグメント

の名称

業務の種類

取扱高等

区分

   前連結会計年度

 (自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日)

   当連結会計年度

 (自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日)

物流事業

倉庫保管

国内平均保管残高(千トン)

464

491

国内貨物回転率(%)

29.1

26.3

所管面積(千㎡)

1,376

1,261

倉庫荷役

国内入庫高(千トン)

1,618

1,544

国内出庫高(千トン)

1,625

1,561

港湾作業

CT作業取扱高(TEU)

876,618

874,892

運送

(国内運送)

 

 

  国内コンテナ運送取扱高(本数)

215,256

199,564

(国際運送NVOCC)

 

 

  取扱高(TEU)

35,556

38,608

(陸上貨物運送)

 

 

  貸切輸送(千トンキロ)

627,626

556,532

  取扱数量(千個)

33,506

29,977

(航空貨物輸送)

 

 

  取扱高(トン数)

49,945

48,290

(3PL)

 

 

  取扱個数(千個)

138,854

131,588

(サプライチェーンマネジメント支援)

 

 

  販売物流入出庫高(千㎥)

411.0

601.9

不動産事業

不動産賃貸

賃貸面積(千㎡)

172

158

 

(注) 貨物回転率=

(年間入庫高+年間出庫高)×1/2

× 100

月末保管残高年間合計

 

(2) 次期の見通し

当期に生じた新型コロナウイルス感染症拡大に伴う業績への影響は事業毎に差はあるものの、おおむね上期を通じて徐々に収束していくものと見込んでおります。

上記見通しのもと、海上フォワーディング業務、コンテナターミナルにおけるコンテナ取扱等の取扱回復を見込む一方、サプライチェーンの見直しおよび海上コンテナ不足による海上輸送からの切り替えの動きに伴う航空輸送の取扱増加や、航空輸送の需給逼迫による運賃高騰は上期を通じて徐々に解消し、巣ごもり消費拡大による家電メーカー物流の取扱増加などは減少することを見込んでおります。また、来期に竣工するヘルスケア専用の新設倉庫である関東P&MセンターB棟や、ソリューション物流業務における家電量販店向け大型新拠点の立ち上げに伴う増益を見込む一方、これら新拠点の竣工、稼働開始に伴う一過性の初期費用の発生、自動車関連の航空輸送取扱減少を見込んでいることから、次期の連結営業収益は2,370億円前期比6.5%減)、連結営業利益は132億円同25.3%減)、連結経常利益は125億円同27.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は76億円同34.2%減)を見込んでおります。

 

 連結営業利益における当期実績および次期見通しの増減要因               (単位:億円)

 2021年3月期連結営業利益

177

 コロナ影響収束

海上フォワーディング業務、コンテナターミナル業務における取扱回復

+5

コンテナ不足による海上から航空輸送へのシフト、運賃高騰の解消

▲10

顧客生産活動回復に伴う調達物流解消

▲7

巣ごもり消費拡大に伴うメーカー物流取扱の減少

▲4

経済活動制限を受け減少していた各種販管費の通常水準への戻り

▲5

 

コロナ影響収束

▲21

 新規業務立上

ヘルスケア物流(関東P&MセンターB棟)新設倉庫稼働開始

+1

ソリューション物流における家電量販店向け大型拠点の稼働開始

+2

上記2拠点の立ち上げに関する一過性の初期費用発生

▲6

新規顧客、新拠点向けシステム費用等

▲4

 

新規業務立上

▲7

 その他

 自動車関連航空輸送の減少

▲16

 のれん、固定資産の償却負担減

+5

 その他

▲6

その他

 ▲17

 2022年3月期連結営業利益(予想)

132

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。