文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、企業理念を「物流という万人が必要とする社会インフラを、時代をこえて真摯に下支えするとともに、お客様と社会が求める新たなサービスの創造に努めます。」としております。この企業理念が表す精神は、1899年の創業から、倉庫業を核に港湾運送、国際輸送、陸上運送等を含む総合的な物流事業、海運事業及びオフィスビル賃貸業を中心とする不動産事業等へ業容を拡大した現在に至るまで、一世紀以上に渡り、一貫して受け継がれてきております。今後も当社グループは、この企業理念のもと、社会に貢献しつつ、持続的な成長を目指してまいります。
(2) 当社の事業環境及び中長期的な会社の経営戦略
当社グループを取り巻く環境に目を転じますと、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大が国内外の経済情勢に与える影響をはじめとして、今後の先行きは極めて不透明である一方で、人手不足を背景としたコストの上昇、デジタルトランスフォーメーションへの取組み拡大及びESGに対する意識の高まり等、近年の様々な変化は継続すると考えます。
こうした状況を踏まえ、将来の事業環境がどのように変化しようとも、持続的な成長を実現しながら、事業を通じて社会に貢献するため、長期ビジョン“Moving Forward to 2030”を新たに策定しました。
このビジョンでは、当社グループの企業理念にもとづき、グローバル化の進展に伴い増大する各種リスクにも適切に対処し、社会に不可欠な物流サービスを幅広いステークホルダーの皆様に対して安定的に提供すべく、SDGsのターゲットイヤーでもある2030年までに当社グループが果たすべき4つのミッションを以下のように定めています。
① モノをつなぐ
物流の結節点である倉庫と港湾を主軸に更に信頼性の高い物流サービスを提供します。また、物流業以外の業種との連携を深め、デジタル技術等を積極的に導入・活用することにより、各種の変化に迅速に対応しながら、物流における新たな価値を創造します。
② 世界をつなぐ
日本、アジア、欧州、米州の四極を中心に国際物流ネットワークの更なる拡充を図り、お客様の強固で安定的なグローバル・サプライチェーン構築を支えます。
③ ヒトをつなぐ
貴重な経営資源である人材の育成を更に強化するとともに、少子高齢化等の社会の変化に対応し、柔軟で多様な働き方を導入し、ヒトを惹きつける会社であり続けます。
④ 時代をつなぐ
120年を超える伝統をもつ企業グループとして、先人から受け継いだ有形無形の資産を後の世代に継承しつつ、お客様と社会の発展に貢献していきます。
長期ビジョンと同時に定めた2020年度から2022年度までの3か年の中期経営計画では、対象となる期間を長期ビジョンの実現に向けた「事業基盤の強靭化」の期間と位置づけ、事業戦略に基づく諸施策に取り組んでまいります。また、充実した株主還元を継続してまいります。
中期経営計画の数値目標(連結)
|
|
計画最終年度 (2022年度) |
|
営業収益 |
2,100億円 |
|
営業利益 |
120億円 |
(3) 対処すべき課題
今後の日本経済は、堅調な外需を背景に景気の持ち直しが期待されますが、新型コロナウイルス感染症の影響による下振れリスクが懸念されます。一方、米国の大規模な経済政策が世界の需要を刺激し、中国の景気回復にも波及していくと予想されますが、米中対立がこれに影を落とす可能性もあり、世界経済の先行きは不透明であります。
物流業界におきましては、国際貨物の荷動きの回復が期待されますが、不透明な世界経済や終息のめどが立たない新型コロナウイルス感染症が回復の重荷となるおそれがあります。また、不動産賃貸業界におきましては、同感染症の影響によりオフィス需要の縮小が続き、空室率の上昇や賃料の下落傾向が当面続くものと見込まれます。
このような情勢のなか、3か年の中期経営計画の2年目にあたる2021年度も、事業基盤の強靭化を図るため、次の各施策に重点的に取り組むとともに、引き続き株主還元の充実に努めてまいります。
[国内(物流)]
① 当期に竣工した新倉庫3棟を更なる業績向上の原動力とするため、営業活動を強化する。
② 情報通信技術を活用した物流システムの国内倉庫への一層の展開を目指し、業務の効率化及び省力化を推進する。
[海外(物流・海運)]
① 国際物流ネットワークの更なる拡充を図るため、東南アジアをはじめとした海外拠点における倉庫施設の拡充を検討する。
② 海運事業の業績改善を目指し、運賃水準の引上げや運航の効率化に取り組むことにより収益拡大及び採算性向上に努める。
[不動産]
① 物流・海運事業の波動性をより一層補完するため、新たな収益物件の獲得に向けて注力する。
② 顧客や地域の皆様にとって最適な不動産開発となるよう、大阪市・南堀江土地の再開発に向けた取組みを継続する。
[サステナビリティへの貢献]
① 持続可能な社会の実現に貢献できるよう安定的かつ高品質な物流サービスの提供に努める。
② 自社施設等において環境負荷低減に向けた取組みを推進する。
当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.経済環境に関連するリスク
(1) 事業環境の変化
当社グループは、倉庫業、港湾運送業、国際輸送業及び陸上運送業等を総合的に組み合わせた物流事業、北米北西岸航路における船舶運航事業を中心とした海運事業、首都圏及び関西地区等における保有資産の有効活用を中心とした不動産事業を展開しております。物流事業及び海運事業においては、国内外の景気変動や社会情勢の変化が荷動きの悪化、競争激化、船舶需給バランスの悪化を通じて、また、不動産事業においてはオフィスビルの供給過剰等による市況の変化、需給バランスの変動により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 新型コロナウイルス感染症による経済への影響
新型コロナウイルス感染症の影響の長期化により、下振れリスクが懸念されます。物流事業及び海運事業においては、貨物の荷動きの回復が期待されますが、不透明な世界経済や終息のめどが立たない同感染症が回復の重荷となるおそれがあります。また、不動産事業においては、同感染症の影響によりオフィス需要の縮小が続き、空室率の上昇や賃料の下落傾向が当面続くものと見込まれます。感染症が及ぼす経済への影響が長期化した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に及ぼす影響が拡大する可能性があります。
(3) 為替変動
当社グループは、連結財務諸表の作成に当たっては、海外連結子会社の財務諸表を円換算しております。また、当社及び一部の国内連結子会社においては、外貨建取引を行っており、外貨建債権・債務を有しております。当社グループでは、外貨建債権・債務のバランスを考慮した為替変動の影響を緩和する措置を講じておりますが、為替変動が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 投資有価証券の時価下落
当社グループは、取引先との関係の維持・強化を目的とした投資有価証券を保有しております。投資有価証券については株式相場の下落や投資先の財政状態の悪化により、投資額の回収が見込めなくなった場合、減損損失を計上します。これにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 退職給付会計
当社グループは、割引率等の前提条件に基づき計算された退職給付債務と時価評価された年金資産により退職給付に係る負債を計上しております。割引率の低下や年金資産の時価下落により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
2.事業活動に関連するリスク
(1) 公的規制の変化
当社グループは、事業を展開する各国において、事業・投資の許可をはじめ、保管、荷役、運送、通商、独占禁止、租税、為替規制、環境、各種安全管理等の法規制の適用を受けております。これらの規制が変更された場合又は新たな規制が導入された場合、これを遵守するためのコストが発生する可能性があるほか、事業戦略の変更を余儀なくされたときは、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) グローバルな事業展開におけるリスク
当社は、北米、欧州、中国、東南アジア及び中近東等において、関係会社を通じて事業を展開しております。海外での事業展開には、現地の法律や規制の変更、政治・経済情勢の悪化、テロ・戦争・感染症・その他の要因による社会的混乱などのリスクが内在しています。これらのリスクに対しては、現地情勢の調査研究の実施、グループ内での情報収集等により、その予防・回避に努めていますが、リスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 燃料油価格の変動
当社グループの物流事業における港湾運送業及び陸上運送業並びに海運事業においては、燃料油の調達が不可欠となっております。燃料油価格は、原油の需給バランス、産油国の政情、投機資金の流入その他の要因により変動します。燃料油価格が変動した場合、当社グループは顧客の理解を得ながら運賃等に反映しておりますが、高騰した場合には費用の増加分を運賃等に全て転嫁することができず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 海運市況の変動
当社グループの海運事業において、海運市況は、世界各国の景気動向や商品市況、政治・社会的要因、船舶需給バランス等により、短期間のうちに大きく変動する傾向にあります。当社グループは、中期契約等による安定収益の確保及び各種経費の削減に努めておりますが、海上運賃の下落等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 事業用資産の減損
当社グループは、事業用資産(土地、建物、船舶等)を保有しております。事業用資産は、物流事業資産及び海運事業資産については管理会計上の区分に基づき、不動産事業資産及び遊休資産については個別物件ごとにグルーピングを行っており、時価下落や収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合は、資産グループごとに帳簿価額を回収可能額まで減額し、減損損失を計上します。これにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 海運事業
海運事業においては営業損益が継続的にマイナスとなっております。当社グループは、収益力の低下している事業については構造改革を図ってまいりますが、この実施により事業構造改革費用等の損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 情報の漏洩
当社は、企業の文書・磁気テープ・フィルム等情報記録媒体の保管等を行っており、最新鋭のセキュリティシステムの導入及び関係部署における情報セキュリティマネジメントの国際規格ISO27001の認証取得など、情報記録媒体の管理・保護には万全を期す体制を整備しております。さらに、ISO27001については外部審査機関による継続審査を通じて体制の維持・改善を図っております。しかし、万一情報の外部漏洩等が発生した場合には、社会的信用の低下のほか、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
3.自然環境等に関連するリスク
(1) 自然災害と事故
当社グループは、自然災害や不測の事故の発生に備えて、倉庫や賃貸ビルなどの保有施設及び船舶並びに受託貨物等に対し保険を付しております。しかし、予測不可能な自然災害や事故に起因する被害をすべて保険により填補できるとは限らないため、これらの被害の発生により当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 情報システム関係
当社は、基幹業務システム等を自然災害や情報セキュリティに対する安全対策の整った専用ビルに設置する等、コンピュータの運用を含めた安全管理の徹底を図っております。また、外部からの不正アクセスを監視・防止する管理体制及び大規模障害時においては早期に復旧し、業務を継続できる体制を構築しております。しかし、災害や不正アクセス等によりシステムが一定期間以上ダウンし、業務処理及び顧客への情報提供等が停滞した場合には、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 地球環境保全等の取組み
当社グループは、地球環境保全が事業上の重要課題の一つであるという認識のもと、顧客のサプライチェーンにおける温室効果ガス排出量の削減に資する保管・輸送サービスの提供に努めています。さらに、自社施設における太陽光発電システムの導入、屋上緑化、建築環境総合性能評価システム(CASBEE)Aランク評価取得や、グリーン経営認証取得、グリーンボンドにより調達した資金を活用した環境保全に配慮した設備投資の実施など、企業活動における環境負荷低減に向けた取組みを継続しています。ESGを重視する企業を評価する考え方が広まっているなか、当社グループの地球環境保全に関する取組みが消極的と評価された場合は、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
なお、これらは当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクを例示したものであり、これらに限定されるものではありません。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績等の状況
当期の経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化により、依然として厳しい状況が続きましたが、国内での生産や中国向け輸出が増加に転じるなど改善の兆しが見られました。世界経済は、同感染症の影響を受け経済活動が抑制されましたが、米国では財政出動やワクチン接種の進展などにより消費が回復傾向を示し、中国では輸出が堅調となるなど、米中を中心に持ち直しの動きが見られました。
物流業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により倉庫貨物の荷動きが停滞した一方で、保管残高は堅調に推移しました。海運業界では、同感染症拡大時における輸送需要の急落に応じて船腹供給の調整が行われましたが、その後の輸送需要の急回復で需給が逼迫し、海上運賃が高騰しました。不動産賃貸業界では、企業における在宅勤務の広がりによりオフィス需要に陰りが見え、空室率の上昇や賃料水準の緩やかな下落傾向が見られました。
このような情勢のもと、当期の経営成績等は以下のとおりとなりました。
a. 経営成績の状況
|
|
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
前連結会計年度比増減 |
|
|
金額(百万円) |
比率(%) |
|||
|
営業収益 |
191,721 |
192,024 |
302 |
0.2 |
|
営業利益 |
11,101 |
10,963 |
△137 |
△1.2 |
|
経常利益 |
13,596 |
13,552 |
△43 |
△0.3 |
|
親会社株主に帰属 する当期純利益 |
8,951 |
8,454 |
△497 |
△5.6 |
セグメント別の状況は次のとおりであります。
(ⅰ)営業収益
|
内訳 |
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
前連結会計年度比増減 |
|
|
金額(百万円) |
比率(%) |
|||
|
物流事業 |
156,816 |
160,256 |
3,440 |
2.2 |
|
(倉庫収入) |
(26,321) |
(26,925) |
(603) |
(2.3) |
|
(港湾運送収入) |
(37,911) |
(35,717) |
(△2,193) |
(△5.8) |
|
(国際輸送収入) |
(41,384) |
(42,229) |
(844) |
(2.0) |
|
(陸上運送ほか収入) |
(51,198) |
(55,384) |
(4,185) |
(8.2) |
|
海運事業 |
25,790 |
22,601 |
△3,189 |
△12.4 |
|
(海運事業収入) |
(25,790) |
(22,601) |
(△3,189) |
(△12.4) |
|
不動産事業 |
10,767 |
10,773 |
5 |
0.1 |
|
(不動産事業収入) |
(10,767) |
(10,773) |
(5) |
(0.1) |
|
計 |
193,374 |
193,630 |
256 |
0.1 |
|
セグメント間内部営業収益 |
△1,653 |
△1,606 |
46 |
- |
|
純営業収益 |
191,721 |
192,024 |
302 |
0.2 |
(ⅱ)営業利益
|
|
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
前連結会計年度比増減 |
|
|
金額(百万円) |
比率(%) |
|||
|
物流事業 |
10,945 |
10,509 |
△436 |
△4.0 |
|
海運事業 |
△321 |
△140 |
180 |
- |
|
不動産事業 |
5,475 |
5,508 |
33 |
0.6 |
|
計 |
16,099 |
15,877 |
△222 |
△1.4 |
|
調整額 |
△4,998 |
△4,913 |
85 |
- |
|
営業利益 |
11,101 |
10,963 |
△137 |
△1.2 |
b. 財政状態の状況
|
|
前連結会計年度末 (百万円) |
当連結会計年度末 (百万円) |
前連結会計年度末比増減 |
|
|
金額(百万円) |
比率(%) |
|||
|
資産合計 |
318,458 |
348,968 |
30,510 |
9.6 |
|
負債合計 |
146,482 |
152,726 |
6,244 |
4.3 |
|
純資産合計 |
171,976 |
196,241 |
24,265 |
14.1 |
c. キャッシュ・フローの状況
|
|
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
|
営業活動による キャッシュ・フロー |
14,975 |
20,605 |
|
投資活動による キャッシュ・フロー |
△17,211 |
△16,366 |
|
財務活動による キャッシュ・フロー |
12,555 |
△13,116 |
|
現金及び現金同等物 に係る換算差額 |
69 |
△398 |
|
現金及び現金同等物 の増加額(△は減少額) |
10,388 |
△9,276 |
|
現金及び現金同等物 の期末残高 |
34,549 |
25,272 |
②セグメントごとの主要業務の取扱高等
(ⅰ)物流事業
(イ)倉庫業
1)保管用面積
|
内訳 |
前連結会計年度 (2020年3月31日現在) |
当連結会計年度 (2021年3月31日現在) |
|
所有庫 |
894,134㎡ |
973,253㎡ |
|
借庫 |
354,913㎡ |
347,936㎡ |
|
計 |
1,249,047㎡ |
1,321,189㎡ |
|
貸庫 |
482,684㎡ |
496,534㎡ |
|
差引実際保管用面積 |
766,363㎡ |
824,655㎡ |
2)入出庫高及び保管残高
|
区分 |
前連結会計年度 (2019年4月~2020年3月) |
当連結会計年度 (2020年4月~2021年3月) |
|
|
入庫高 |
2,258千トン |
2,176千トン |
|
|
出庫高 |
2,201千トン |
2,170千トン |
|
|
保管残高 |
期末 |
602千トン |
591千トン |
|
期中平均 |
591千トン |
610千トン |
|
3)貨物回転率(月平均)
|
区分 |
前連結会計年度 (2019年4月~2020年3月) |
当連結会計年度 (2020年4月~2021年3月) |
|
数量 |
31.0% |
29.7% |
|
(注) 貨物回転率 = |
出庫高(月平均) |
× 100 |
|
平均保管残高 |
(ロ)港湾運送業
事業別取扱数量
|
区分 |
前連結会計年度 (2019年4月~2020年3月) |
当連結会計年度 (2020年4月~2021年3月) |
|
沿岸荷役 |
1,582千トン |
1,205千トン |
|
一般荷捌 |
9,540千トン |
9,143千トン |
|
コンテナ荷捌 |
50,046千トン |
49,357千トン |
|
船内荷役 |
627千トン |
480千トン |
(ハ)国際輸送業
取扱数量
|
区分 |
前連結会計年度 (2019年4月~2020年3月) |
当連結会計年度 (2020年4月~2021年3月) |
|
国際輸送 |
14,572千トン |
13,403千トン |
(ⅱ)海運事業
|
区分 |
前連結会計年度 (2019年4月~2020年3月) |
当連結会計年度 (2020年4月~2021年3月) |
|
輸送量 |
4,215千トン |
3,981千トン |
(ⅲ)不動産事業
不動産賃貸面積
|
区分 |
前連結会計年度 (2020年3月31日現在) |
当連結会計年度 (2021年3月31日現在) |
|
賃貸ビル等 |
281,092㎡ |
281,094㎡ |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループにおきましては、2020年度から2022年度までの中期経営計画の目標として掲げた事業基盤の強靭化を図るため、事業戦略に基づく諸施策に取り組んでまいりました。
国内では、2020年4月に愛知県犬山市、9月に埼玉県羽生市において、文書等情報記録媒体を取り扱う専用施設がそれぞれ竣工したほか、2021年1月には神戸市・ポートアイランドにおいて全天候型の大型倉庫が竣工しました。また、倉庫内作業の標準化及び生産性向上に寄与する物流システムの開発を進めております。
海外では、タイの現地法人Rojana Distribution Center Co., Ltd.が2021年2月にレムチャバン地区において倉庫施設の建設用地を取得するなど、物流需要が見込まれる東南アジアでの拠点拡充に向けた取組みを推進しました。
海運事業では、運航経費の削減や採算性の高い貨物の取扱い等による業績改善を目指し、不動産事業では、賃料水準の維持等に努めてまいりました。
この結果、当期の経営成績等は以下のとおりとなりました。
a. 経営成績
(営業収益)
物流事業では、倉庫収入は、新型コロナウイルス感染症の影響により荷動きが停滞して倉庫入出庫高は減少しましたが、前期及び当期に稼働した倉庫施設の寄与や文書等情報記録媒体の取扱増加等により倉庫保管残高が増加したことから、269億25百万円(前期比2.3%増)となりました。港湾運送収入は、同感染症の影響により一般荷捌の取扱いが大幅に減少したことに加え、コンテナ荷捌の取扱いも減少したことなどから、357億17百万円(前期比5.8%減)となりました。国際輸送収入は、航空貨物の取扱いにおいて、同感染症の影響による国際線の運航減便等に伴い輸送需給が逼迫し、航空運賃が上昇したことに加え、国際一貫輸送が増収となったことから、422億29百万円(前期比2.0%増)となりました。陸上運送ほか収入は、eコマース関連輸送の取扱拡大により陸上運送収入が増収となったことから、553億84百万円(前期比8.2%増)となりました。以上の結果、物流事業の営業収益は1,602億56百万円(前期比2.2%増)となりました。
海運事業では、新型コロナウイルス感染症の影響により、上半期は日本・韓国発北米向けコンテナの輸送数量が減少した一方で下半期は輸送数量が回復しましたが、通期では取扱減となったことに加え、円高の影響もあり、営業収益は226億1百万円(前期比12.4%減)となりました。
不動産事業では、新型コロナウイルス感染症の影響により、一部の賃貸用不動産物件の稼働率が低下した一方で、新規テナントの入居や前期に取得した賃貸用不動産物件が寄与したことなどにより、営業収益は前期並みの107億73百万円(前期比0.1%増)となりました。
以上から、セグメント間の内部営業収益16億6百万円を控除した営業収益は、1,920億24百万円(前期比0.2%増)となりました。
(営業原価、販売費及び一般管理費)
営業原価は、作業諸費は減少したものの、人件費の増加及び新倉庫稼働に伴う減価償却費の増加等により、1,713億28百万円(前期比0.3%増)となりました。販売費及び一般管理費は、新型コロナウイルス感染症の影響により旅費交通費等が減少したことなどから、97億32百万円(前期比1.5%減)となりました。
(営業利益)
物流事業では、営業収益は増加したものの、人件費の増加及び新倉庫稼働に伴う減価償却費の増加等により、105億9百万円(前期比4.0%減)となりました。海運事業では、営業収益は減少した一方、燃料油価格の下落やコンテナ輸送数量の減少に伴う回送費などコンテナ関連費用の減少等により運航経費が減少したことから、損益は改善したものの、1億40百万円の営業損失(前期は営業損失3億21百万円)となりました。不動産事業では、不動産取得税の発生がなかったことなどから営業費用が減少し、55億8百万円(前期比0.6%増)となりました。
以上から、各セグメントに帰属しない全社費用等49億13百万円を控除した営業利益は、109億63百万円(前期比1.2%減)となりました。
(経常利益)
経常利益は、新型コロナウイルス感染症に関連した公的助成金があったものの、受取配当金の減少等により、135億52百万円(前期比0.3%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益の減少等により、84億54百万円(前期比5.6%減)となりました。
次期につきましては、物流事業では当期に稼働した倉庫施設が通期で寄与するとともに、eコ
マースに関連する陸上輸送貨物の取扱いが引き続き堅調に推移し、また、海運事業では海運市況の好転に伴う海上運賃の上昇及び輸送数量の増加が見込まれます。このため、当社グループの次期の業績は、営業収益は2,000億円(当期比4.2%増)、営業利益は135億円(当期比23.1%増)、経常利益は157億円(当期比15.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は102億円(当期比20.7%増)を予想しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の収束時期は不透明な状況にありますが、当社グループの次期業績に及ぼす影響は軽微であると予想しております。
b. 財政状態
資産合計は、設備投資及び借入金の返済等により「現金及び預金」が減少しましたが、新倉庫の建設等による有形固定資産の増加及び株式相場の回復に伴う「投資有価証券」の増加等により、3,489億68百万円(前期末比9.6%増)となりました。負債合計は、借入金は減少しましたが、社債発行及び投資有価証券の評価差額に係る「繰延税金負債」の増加等により、1,527億26百万円(前期末比4.3%増)となりました。純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う「利益剰余金」の増加に加え、株式相場の回復に伴う「その他有価証券評価差額金」の増加等により、1,962億41百万円(前期末比14.1%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. 連結キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益及び減価償却による資金の留保等により、206億5百万円の増加(前期は149億75百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、163億66百万円の減少(前期は172億11百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入がありましたが、借入金の返済による支出及び配当金の支払い等により、131億16百万円の減少(前期は125億55百万円の増加)となりました。
当期の連結キャッシュ・フローは、以上の結果に「現金及び現金同等物に係る換算差額」(△3億98百万円)を加えた全体で92億76百万円の減少となり、現金及び現金同等物の当期末残高は、252億72百万円となりました。
b. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金の源泉は、主として営業キャッシュ・フローによる内部資金、社債の発行及び金融機関からの借入によっております。
営業費用等の運転資金及び設備投資資金については、主として営業キャッシュ・フローによる内部資金で賄うほか、必要に応じて社債の発行及び金融機関からの借入を行っております。調達時期及び方法については、事業計画に基づく資金需要、金利動向及び起債環境等を考慮の上、決定しております。当期末における社債、借入金等を含む有利子負債の残高は892億39百万円、現金及び現金同等物の残高は252億72百万円となっております。
次期のキャッシュ・フローの見通しについては、賃貸用オフィスビル改修工事等の設備投資に加え、自己株式の取得等がありますが、利益の計上及び減価償却費等の資金の留保により、現金及び現金同等物の期末残高は当期末並みになると予想しております。
なお、資金の流動性を確保するため、金融機関と当座勘定借越契約を締結しており、また、調達手段の多様化のため、コマーシャルペーパーの発行枠を設定いたしました。なお、当社は、㈱日本格付研究所から「AA-」の長期発行体格付及び「J-1+」の国内CP格付を取得しております。
株主還元につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載している配当方針のとおり、剰余金の配当については利益水準にかかわらず1株につき47円の年間配当金を維持することとし、現在の中期経営計画期間において増配の継続を目指すこととしております。また、経済情勢及び財務状況を勘案のうえ、本計画期間中も自己株式を機動的に取得することとしております。上記の増配の継続を目指す方針のもと、次期の剰余金の配当につきましては、配当性向40%を基準とし、当期に比べ2円増配の1株につき50円(中間・期末とも1株につき25円)とさせていただく予定です。さらに、次期におきましても自己株式の取得(取得株式総数上限150万株、取得総額上限25億円)を実施いたします。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況」における「1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。