第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)中長期的な経営戦略・対処すべき課題

 当社グループを取り巻く事業環境は、国内においては労働力不足等を背景に多様な働き方の推進やAI・ロボティクス等新技術の活用が進むとともに、お客様からもこれまで以上に付加価値の高いサービスの提供が期待されています。また海外においては、アジアを中心とする人口増加に伴う急速な経済発展等により、貿易量や域内消費市場の今後更なる拡大が見込まれています。
 このような外部環境の変化のもと当社グループでは、事業体制の構築と更なる成長を目指し、2030年のあるべき姿としての「長期ビジョン2030」と、長期ビジョンを実現するための計画として2019年度から2021年度までの3年間を対象期間とする中期経営計画「YASDA Next 100」を策定しており、当社グループとして掲げる基本方針、「お客様ニーズに多彩なソリューションと最先端テクノロジーで応え、お客様と共にグローバルなロジスティクスカンパニーへと成長する。」に基づき、引き続き大きな変化が予想される物流業界の中で成長を目指します。

 また、この成長戦略を加速させ、お客様へ更に付加価値の高いロジスティクス・サービスを提供するため、本年2月に出資をしたRFルーカス株式会社のRFID技術をはじめとした最先端テクノロジーやデジタル技術を積極的に活用しデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進してまいります。

 

「長期ビジョン2030」 ~次の100年に向けて~

世界に誇れるYASDAブランドと革新的テクノロジーの融合で全てのステークホルダーの期待を超える企業グループを目指す。

 [顧 客] 他の追随を許さないロジスティクス・ソリューションと人間力で確固たる顧客満足を獲得する。

 [従業員] 多様性を尊重し働きやすく且つ働き甲斐のある職場で従業員が最大限のパフォーマンスを発揮する。

 [社 会] 事業を通じた環境負荷低減や高い災害強靭性で持続可能な社会の構築に貢献する。

 [株 主] 高い収益力と強固な財務基盤により企業価値の向上を図る。

 

中期経営計画 「YASDA Next 100」
 1.基本方針

  お客様ニーズに多彩なソリューションと最先端テクノロジーで応え、お客様と共にグローバルなロジスティク

スカンパニーへと成長する。

 2.基本目標

  上記の基本方針を踏まえ、以下の4点を基本目標とします。

 (1)お客様の潜在的なロジスティクス・ニーズを捉えたスピーディーな課題解決

物流のプロフェッショナルとしての知識と経験や人間力でお客様とのコミュニケーションをより密にし、潜在ニーズを捉える。お客様の抱える課題に対してはグループの力を結集しスピード感のあるロジスティクス・ソリューションを提供し、常に収益力の高い組織を目指す。

 (2)保有不動産の資産価値向上による収益基盤の強化

保有不動産の再開発や適切なメンテナンスと機能向上の推進により資産価値を向上させ、当社グループの収益基盤としての不動産事業強化を図る。

 (3)グローバルに渡り合えるグループ経営インフラの確立

世界的な拠点展開やグローバルな視点を持つ職員の育成、働き方改革を中心とする生産性の更なる向上、多様な人材の活用等によって世界基準の経営インフラ構築を目指す。また災害等の有事を想定したBCP体制の運用と訓練の継続的実施や環境を意識した取り組み等、グローバルに渡り合える安田倉庫グループを目指す。

 (4)業績目標

最終年度の2021年度に営業収益550億円、営業利益40億円、経常利益45億円、営業利益率7%の達成を目指す。

 3.基本戦略

  基本目標達成のため、以下の3点を基本戦略とします。

 (1)付加価値の高いロジスティクス・サービスの提供

・ソリューション提案型営業の徹底

・サービスメニューの拡充

・アジアネットワークの拡大

・最先端テクノロジーの活用

・アライアンスの強化

・収益力の向上

 (2)不動産事業の維持・拡大

・保有不動産再開発の促進

・施設の適切なメンテナンスと機能向上の推進

 (3)経営インフラの高度化

・多様な人材活用、働き方の推進

・専門性の高い人材の育成

・情報システムの高度化

・グループ連携の強化

・コンプライアンス、リスク管理の徹底とガバナンスの強化

・シナジーの見込めるМ&Aの実施

・事業基盤の災害強靭化

・財務規律の維持、強化

 

(2)新型コロナウイルス感染症の影響

 今後のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大が防止される下では、感染症の影響により生じた落ち込みから経済が緩やかに回復していく姿も想定されておりますが、依然として経済下振れのリスクは残り今後の動向は不透明な状況が続くものと予測されます。
 こうした経済情勢にあって、当社グループを取り巻く事業環境は、倉庫物流業界では国内貨物・輸出入貨物で持ち直していくことが期待されつつあるものの不安定な状況が継続すると予想され、また、不動産業界では空室率の上昇と賃料水準の下落が懸念され、厳しい状況で推移するものと予測しております。
 このような外部環境ではございますが、当社グループでは、新型コロナウイルス感染症拡大防止・収束に向けて最大限尽力するとともに、中期経営計画「YASDA Next 100」に基づく諸施策を実行し、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を図っていく所存であります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)自然災害等

当社グループの主要な事業拠点は首都圏に集中しております。当社グループでは自然災害及び火災等による被害を最小限に抑えるべく事業継続計画の制定、防災委員会の定時開催、設備等の耐震性対策、自衛消防隊の設置及び安全パトロールの実施等を行っております。しかしながら万一自然災害及び火災等が発生した場合特に首都圏での大規模地震が発生した場合にはこれらの施策にかかわらず当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、新型コロナウイルス等をはじめとする感染症の流行等も想定し、事前の予防対策及び発生時の緊急体制の整備等を行っておりますが、感染症の拡大等により事業の安定的継続に支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、新型コロナウイルス感染症対策本部のもと、衛生管理の徹底、在宅勤務や時差出勤等の予防対策や事業継続計画体制での業務実施等を行っておりますが、万一当社グループ内で従業員等への急激な感染拡大が発生し、事業の安定的継続に支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(2)法的規制

当社グループは物流事業及び不動産事業並びに経営全般において倉庫業法及び建築基準法等に代表される種々の法的規制を受けております。当社はコンプライアンス体制の強化に従来より取り組んでおりますが、今後これらの法的規制の強化又は新設が行われる場合には、対応に費用又は時間を要することにより当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(3)経営環境の変化

物流事業・不動産事業ともに当社グループの提供サービスに対する需要は従来より経営環境の変化により変動しております。

物流事業においては、国内外の景気動向やお客様の物流戦略の変更等により稼働率が低下しまたは原価率が上昇し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。不動産事業においては、地価の動向及び不動産賃貸市況の動向等により賃料相場が下落し、または空室率が上昇し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。現在、新型コロナウイルス感染症の影響等により、物流事業においては、国内貨物・輸出入貨物で持ち直していくことが期待されつつあるものの不安定な状況が継続すると予想され、また、不動産業界では空室率の上昇と賃料水準の下落が懸念されており、今後の新型コロナウイルス感染症の拡大状況によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(4)固定資産の減損会計

当社グループが保有する固定資産は主に物流施設及び賃貸不動産施設として使用されております。今後各事業所において土地又は建物の時価が下落した場合、採算性が悪化した場合、若しくは賃貸オフィス市況が悪化した場合等には固定資産の減損により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)投資有価証券の時価変動

当連結会計年度末における当社グループの投資有価証券残高は50,260百万円でありますが、投資先の業績不振
及び証券市場における市況の悪化等により資産価値が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があり
ます。

(6)退職給付債務

当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の前提条件により算出されております。これらの数値は将来に対する予測に基づくものであり、実際の結果が見積数値と乖離した場合には、将来期間において認識される費用及び債務に影響を与えます。今後割引率の低下や運用実績の悪化が生じた場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(7)個人情報保護

当社グループは事業の過程において個人情報を取り扱っております。当社グループでは個人情報保護方針及び関連諸規程の制定・遵守や職員教育等を通じ個人情報の厳正な管理に努めておりますが、万一個人情報の流出により問題が発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)情報システム障害

当社グループでは総合物流情報システムを構築し物流サービスを提供しております。各種情報セキュリティ対策やホストコンピュータ及びネットワークの二重化体制を構築することにより当該システムの高い安全性を確保しておりますが、不正アクセス等による一時的なシステム障害により業務処理が停滞した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)海外事業展開

当社グループは海外においては、子会社等を通じて倉庫・国際貨物取扱等の物流事業を展開しております。海外の事業展開に当たっては、現地の法令、行政上の手続き、商慣習等に則した事業活動を行っておりますが、現地法令規制等の変更、為替相場の変動あるいは事業活動に不利な政治又は経済要因の発生、戦争・テロ・伝染病・その他要因による社会的混乱により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

1.財政状態及び経営成績の概要

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響等により急速に減少した企業収益や個人消費に一部持ち直しの動きも見られましたが、国内外の景気は依然として安定せず、厳しい状況で推移しました。

こうした経済情勢にあって、当社グループを取り巻く事業環境は、倉庫物流業界では国内貨物・輸出入貨物ともに荷動きは鈍さを増し、また、不動産業界では都市部におけるオフィスビルの空室率上昇が続いており、一段と厳しい状況で推移いたしました。

このような状況のもと、当社グループは、2030年のあるべき姿としての「長期ビジョン2030」と、長期ビジョンを実現するための計画として中期経営計画「YASDA Next 100」を策定し、事業体制の構築と更なる成長を目指しております。その一環として、物流事業においては、付加価値の高いロジスティクス・サービスの提供による取引の拡大や東雲営業所(東雲倉庫)・東雲営業所(辰巳倉庫)をはじめとする物流施設の拡充など事業基盤の強化を図り、不動産事業においては、既存施設の適切なメンテナンスと機能向上の推進による稼働率の維持・向上に努め、事業拡大を推進してきました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

(1)財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ18,630百万円増の147,101百万円となりました。

負債については、前連結会計年度末に比べ10,872百万円増の70,865百万円となりました。

純資産については、前連結会計年度末に比べ7,758百万円増の76,235百万円となりました。

 

(2)経営成績

当連結会計年度における当社グループの経営成績は、営業収益では、前年同期比1,059百万円増(2.3%増)の47,709百万円となりました。営業利益は前年同期比181百万円減(5.2%減)の3,288百万円、経常利益は前年同期比87百万円減(2.0%減)の4,363百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比156百万円減(5.3%減)の2,791百万円となりました。

セグメントの経営成績は、次のとおりです。

物流事業では、営業収益は前年同期比2,029百万円増(5.1%増)の41,715百万円、セグメント利益は前年同期比48百万円増(1.5%増)の3,254百万円となりました。

不動産事業では、営業収益は前年同期比1,005百万円減(13.3%減)の6,554百万円、セグメント利益は前年同期比169百万円減(7.4%減)の2,105百万円となりました。

 

2.キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ851百万円増の8,680百万円となりました。

    (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払やたな卸資産の増加による減少もありましたが、主に税金等調整前当期純利益や減価償却費の資金留保等により3,943百万円増(前年同期は5,039百万円増)となりました。

    (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、主に固定資産の取得による支出により9,761百万円減(前年同期は9,372百万円減)となりました。

   (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、主に社債の発行により6,660百万円増(前年同期は4,294百万円増)となりました。

 

3.生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 生産部門がないため、該当事項はありません。

(2)受注実績

 当連結会計年度における営業能力及び受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

①物流事業

a.グループの2021年3月31日現在の各地区別の営業能力(保管面積)を示すと、次のとおりであります。

地区

所有面積

(イ)

(㎡)

前期比

(㎡)

借庫面積

(ロ)

(㎡)

前期比

(㎡)

所管面積

(イ)+(ロ)

(㎡)

前期比

(㎡)

貸庫面積

(ハ)

(㎡)

前期比(㎡)

保管面積

(イ)+(ロ)-

(ハ) (㎡)

前期比

(㎡)

北海道地区

15,892

10,648

26,540

4,023

22,517

埼玉地区

25,600

28,955

54,555

12,339

42,216

東京地区

87,727

13,519

54,884

20,604

142,611

34,123

20,853

235

121,758

33,888

千葉地区

20,953

20,953

294

20,659

神奈川地区

158,506

△478

49,207

4,188

207,713

3,710

40,513

167,200

3,710

北陸地区

2,204

2,204

2,204

2,204

2,204

2,204

大阪地区

39,485

701

24,258

8,395

63,743

9,096

13,248

701

50,495

8,395

 九州地区

15,458

15,458

224

15,234

365,825

15,946

167,952

33,187

533,777

49,133

91,494

936

442,283

48,197

 (注)1 倉庫業における主な営業能力は保管面積によって表示されております。

    2 保管面積は倉庫業法に基づく営業倉庫面積であります。貸庫面積は主に物流賃貸面積であります。

    3 海外における主な営業能力(保管面積)は29,968㎡であります。

 

b.グループの主要業務についての取扱高等の概要を示すと、次のとおりであります。

内訳

取扱高等

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比(%)

倉庫業(保管)

保管残高(トン)

304,962

321,753

5.5

 

(数量・月末平均)

 

 

 

 

貨物回転率(%)

29.4

27.2

△2.2

倉庫業(荷役)

入庫トン数(トン)

1,071,257

1,055,646

△1.5

 

出庫トン数(トン)

1,079,340

1,043,116

△3.4

自動車運送業

取扱トン数(トン)

763,198

991,651

29.9

港湾運送業

取扱トン数(トン)

875,559

926,886

5.9

 

 貨物回転率は貨物の荷動きの状況を示すものであって、次の算式によって算出されております。

 

貨物回転率=

(当期中入庫高+当期中出庫高)×1/2

(%)

 

月末保管残高年間合計

 

②不動産事業

  グループの2021年3月31日現在における建物賃貸の営業能力を示すと、次のとおりであります。

営業能力は(所有面積+賃借面積)からなっております。

地区

建物賃貸面積

所有面積

(㎡)

前期比

(㎡)

賃借面積

(㎡)

前期比

(㎡)

合計(㎡)

前期比

(㎡)

北海道地区

17,069

17,069

東京地区

27,573

2,761

2,987

30,560

2,761

神奈川地区

57,942

△11

1,364

192

59,306

181

102,585

2,750

4,351

192

106,936

2,942

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

物流事業

41,691

5.1

不動産事業

6,018

△13.8

47,709

2.3

 (注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

1.当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(1)経営成績等

①財政状態

当連結会計年度末の総資産は、主に投資有価証券の時価評価が増加したことや物流施設の取得による固定資産の増加により、前連結会計年度末に比べ18,630百万円増の147,101百万円となりました。

負債については、主に社債の発行により、前連結会計年度末に比べ10,872百万円増の70,865百万円となりました。

純資産については、その他有価証券評価差額金の増加により前連結会計年度末に比べ7,758百万円増の76,235百万円となりました。以上の結果により自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.5ポイント減の51.6%となりました。

 

②経営成績

(営業収益)

営業収益は、不動産事業が前年同期比で減収となった一方、物流事業が増収となり、前年同期比1,059百万円増(2.3%増)の47,709百万円となりました。

(営業原価)

 営業原価は、倉庫作業料や国際貨物取扱料の減収に伴う作業費の減少があった一方で、前連結会計年度中に子会社化した大西運輸株式会社の人件費通期計上などにより、前年同期比1,134百万円増(2.8%増)の41,355百万円となりました。

(販売費及び一般管理費)

 販売費及び一般管理費は、減価償却費や支払手数料の増加などにより、前年同期比106百万円増(3.6%増)の3,065百万円となりました。

(営業利益、経常利益)

 以上の結果、営業利益は、前年同期比181百万円減(5.2%減)の3,288百万円となりました。また、経常利益は、前年同期比87百万円減(2.0%減)の4,363百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比156百万円減(5.3%減)の2,791百万円となりました。

 

(2)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループを取り巻く事業環境は、倉庫物流業界では国内貨物・輸出入貨物で持ち直していくことが期待されつつあるものの不安定な状況が継続すると予想され、また、不動産業界では空室率の上昇と賃料水準の下落が懸念され、厳しい状況で推移するものと予測しております。

物流事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響による下振れのリスクはあるものの、新規施設の通期稼働や倉庫・輸配送ネットワークの拡充等など事業基盤の強化により、増収を見込んでおります。

不動産事業においても同様に、新型コロナウイルス感染症の影響は懸念されますが、既存施設の稼働率維持・向上と保有不動産の再開発促進により、増収を見込んでおります。

従って、2022年3月期の連結業績予想につきましては、2021年5月7日に公表いたしました通期の連結業績予想に変更はありませんが、現時点で当社が把握可能な情報に基づいており、今後の新型コロナウイルス感染症拡大状況等の要因によって当予想は大きく変動する可能性があります。

 

<ご参考>

0102010_001.png2022年3月期の連結業績予想(2021年4月1日~2022年3月31日)

 

当社グループでは、新型コロナウイルス感染症拡大防止・収束に向けて最大限尽力するとともに、2019年2月に策定した中期経営計画「YASDA Next 100」の基本目標を達成すべく、以下の3点の基本戦略に取り組んでおります。

① 付加価値の高いロジスティクス・サービスの提供

② 不動産事業の維持・拡大

③ 経営インフラの高度化

なお、当社グループの経営に影響を与える要因は、「2[事業等のリスク]」に記載しております。

 

(3)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、中期経営計画「YASDA Next 100」に基づき諸施策を策定・実行し、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を図っていく所存であります。「YASDA Next 100」では当社グループの重要な経営指標として、最終年度の2021年度に営業収益550億円、営業利益40億円、経常利益45億円、営業利益率7%の達成を目指しております。

当連結会計年度における当社グループの重要な経営指標については、営業収益は不動産事業が減収となった一方、物流事業が増収となったことにより、前年同期比1,059百万円増(2.3%増)の47,709百万円となりました。また、倉庫作業や施工工事の減少、物流施設の新設に伴う営業費用の増加などにより、営業利益は前年同期比181百万円減(5.2%減)の3,288百万円、経常利益は前年同期比87百万円減(2.0%減)の4,363百万円、営業利益率は前年同期比0.5ポイント減の6.9%となりました。

 

(4)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 物流事業では、新型コロナウイルス感染症の影響などにより倉庫作業料や国際貨物取扱料が減少した一方、前期に子会社化した大西運輸株式会社による陸運料の増加や、倉庫施設の新設や拡張による保管料が増加し、営業収益は前年同期比2,029百万円増(5.1%増)の41,715百万円、セグメント利益は前年同期比48百万円増(1.5%増)の3,254百万円となりました。セグメント資産は主に物流施設の取得に伴う固定資産の増加により前年同期比10,077百万円増(17.8%増)の66,774百万円となりました。

不動産事業では、既存施設において稼働率を維持する一方、施工工事の減少などにより、営業収益は前年同期比1,005百万円減(13.3%減)の6,554百万円、セグメント利益は前年同期比169百万円減(7.4%減)の2,105百万円となりました。セグメント資産は主に不動産事業における子会社の金融資産(現金及び預金)の増加により前年同期比95百万円増(0.3%増)の29,468百万円となりました。

 

2.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 2.キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な運転資金及び設備資金を主に内部資金、借入及び社債の発行により調達しております。運転資金及び設備資金の調達については、財務規律のバランスを維持しつつ、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金及び社債の償還時期等を考慮の上、適宜判断して調達していくこととしており、国内関係会社については、一部の関係会社を除き原則として資金需要に応じて当社が一括して金融機関等から借入、貸付ける方法によっております。また、一部の海外関係会社の設備資金は、直接邦銀現地法人より調達しております。

また、当社は金融機関との間で長期に亘って築き上げてきた良好な取引関係の維持と財務規律のバランスの維持により、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な運転資金及び設備資金の調達に関しては今後とも問題なく実施可能と認識しております。

なお、より安定的な資金調達能力の向上を課題とし、日本格付研究所より格付を取得しており、本報告書提出日においては「A-(安定的)」を取得しております。

新型コロナウイルス感染症による資金繰り等に与える影響は軽微と見ており、当初の資金計画に基づいた資金調達を行う予定であります。なお、今後コロナウイルス感染症が更に拡大し当社グループの事業に大きな影響を与えた場合には、別途資金調達を行う可能性があります。

 

3.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表を作成するのに当たっては、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載した基準に従っております。これらを含め、当社グループはわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて連結財務諸表を作成しております。

 なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 特記事項はありません。

5【研究開発活動】

 特記事項はありません。