第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、世界同時株安の進行や資源価格の下落による企業の景況感の悪化や消費マインドの減退により、足踏み状態が長期化し厳しい業務環境となりました。

このような状況下におきまして、当連結会計年度の連結業績は、食品部門におけるコメの販売価格の下落による減収を物流部門・情報部門の増収でカバーし、売上高は518億26百万円(前期比0.4%増)となりました。営業利益は、物流部門、情報部門、不動産部門で増益となったことから、48億3百万円(同5.2%増)となりました。経常利益も、受取配当金の増加や支払利息の減少等により41億31百万円(同10.2%増)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は22億63百万円(同10.8%増)となりました。

 

物流関連

物流業界におきましては、企業の景況感の悪化による在庫調整の影響等により、倉庫の保管残高で前年割れが続き、荷動きに関しても低調に推移しました。また、国際貨物についても輸送量・取扱金額ともに前年を下回りました。
 このような状況下で、物流部門では、国内物流での既存先や新規先の配送センター業務等が堅調に推移したことから、運送・荷役等を中心に売上が増加し、海外引越業務も前年対比増収となりました。この結果、売上高は213億7百万円(前期比3.0%増)、営業利益は31億5百万円(同4.1%増)となりました。

 

食品関連

コメ流通業界におきましては、政府による主食米の飼料用米への転作奨励策によりコメ取引の需給が締まるとの思惑等もあり、昨年秋口の平成27年産米への切替えを境にコメの取引価格が反転上昇に転じました。しかしながら、平成27年度通期では上期の価格低下傾向の要因により、卸売各社とも売上高は前年対比横ばいからやや減少となりました。

このような状況下で、食品部門では、量販店や外食向けである精米販売の数量は、67千玄米トン(前期比0.6%減)と前年対比微減で推移しました。一般小売店や他卸売業者向けである玄米販売の数量は、取引価格が変動する中で一時的な需要が増加したこと等で43千玄米トン(同4.5%増)となりました。この結果、総販売数量は110千玄米トン(同1.3%増)となりました。しかしながら、売上高はコメの販売価格の下落の影響で244億8百万円(前期比2.2%減)となりました。営業利益は秋口以降の平成27年産米への切替えに伴う仕入価格の上昇等により利鞘が縮小し、2億12百万円(同31.3%減)となりました。

 

情報関連

情報サービス業界におきましては、昨今の事業継続計画(BCP)対策や個人情報保護への関心の高まり等により、企業のIT関連投資は増加傾向となり、特に金融機関や公共部門等のシステム需要が底堅く推移しました。

このような状況下で、情報部門では、棚卸機器レンタル及び棚卸代行関連業務が堅調に推移したことに加え、システム開発業務においても、金融機関や自治体を中心とした基幹系システム改修案件等の受注が増加し、売上高は23億38百万円(前期比7.2%増)となりました。営業利益は3億15百万円(同13.2%増)となりました。

 

不動産関連

不動産業界におきましては、三大都市圏を中心に活発な取引が続き、地価の上昇基調が続きました。また、都心部の賃貸オフィスビル市場も、景況感の改善から空室率が低下し、賃料水準も下げ止まりの状態となりました。

このような状況下で、不動産部門では、売上高は37億71百万円(前期比0.8%減)と微減で推移しましたが、賃借物件であった「朝日コンピュータビル」を平成27年1月に購入したこと等により、収支は大きく改善し、営業利益は18億79百万円(同12.7%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益39億75百万円や減価償却費15億31百万円に加え、利息の支払額が減少したことで44億87百万円の収入(前期比2億26百万円の収入増)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出が8億55百万円あったこと等から7億53百万円の支出(前期比32億58百万円の支出減)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れや社債の新規発行で増加しましたが、借入金の返済や社債の償還があったこと等から、16億33百万円の支出(前期は5億80百万円の収入)となりました。

この結果、現金及び現金同等物の当期末残高は21億円増加し、44億76百万円となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループの業種・業態は多分野にわたっており、また、取引形態も一様ではないので、セグメントごとに生産・受注及び販売の規模については金額あるいは数量で示すことはしておりません。

このため生産、受注及び販売の状況については、「1 業績等の概要」における各セグメント業績に関連付けて示しております。

 

3 【対処すべき課題】

平成36年(2024年)に迎える創業100周年に向けめざすべき企業像を示した長期ビジョンとして「ヤマタネ 2024ビジョン」を策定しました。また、同時にこのビジョンの実現に向けて、平成28年度より新たな3ヵ年計画として「ヤマタネ中期経営計画 2019プラン」をスタートし、持続的な成長をめざしてまいります。各部門においては、成長基盤の構築に最注力し、事業規模・業務範囲の拡大に向け、計画的な設備投資と人材投資を行ってまいります。本中期経営計画では、最終年度の平成30年度において営業利益50億円、経常利益45億円の達成を業務目標としております。

今後を展望いたしますと、わが国経済は年明け以降の円高・株安による企業の景況感の悪化や消費マインドの減退、在庫調整による生産抑制などから、力強さを欠く状況が続く見込みです。企業の底堅い収益環境や、雇用環境の改善傾向等を踏まえれば、景気は先行き徐々に底堅さを取り戻していく見通しながら、中国をはじめとする海外経済の根強い減速懸念などから、回復ペースは緩やかなものにとどまる公算です。

このような状況下ではありますが、「ヤマタネ中期経営計画 2019プラン」の初年度となります平成29年3月期の連結業績予想につきましては、食品部門におけるコメの取引価格の反転上昇による営業収入増が見込まれることから売上高は536億円(前期比3.4%増)の増収を予想しております。一方、収益面では、千葉県印西市の不動産取得に伴う取得税の一時費用発生や、不動産部門における新規テナント向けの施設改修等に伴う一時的な稼働率の低下などにより減益を見込み、営業利益は43億10百万円(同10.3%減)、経常利益は37億40百万円(同9.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は22億10百万円(同2.4%減)を予想しております。

 

平成28年度の経営方針及び各部門重点施策は下記のとおりであります。

 

経営方針

イ.「ヤマタネ中期経営計画 2019プラン」の推進

ロ.新規顧客開拓と既存顧客満足度の向上によるベース収益の増強

ハ.新規事業を含む中長期戦略の策定と推進

ニ.企業価値の向上

ホ.組織基盤の整備

 

各部門重点施策

① 物流関連

イ.物流アウトソーシング受託業務の拡大

ロ.ノンアセット型物流による業務拡大

ハ.物流品質の向上と人材の育成

ニ.事業規模拡大に向けた国内輸配送体制の強化

ホ.国際輸送業務を切り口とした国内倉庫と配送に繋がる新規顧客の開拓

へ.大型新規顧客の獲得と主要顧客の取引拡大

ト.海外ネットワークの充実

チ.業務見直しによる差益率の向上

 

② 食品関連

イ.信頼されるヤマタネブランドの確立

ロ.顧客へのきめ細かな提案営業と焦点を絞った新規顧客開拓

ハ.今後の農政改革に対応した新たな仕入れルートの開拓

ニ.生産管理体制の強化による安全・品質の追求と効率改善

ホ.すべての業務手順を見直しムダを徹底排除

 

③ 情報関連

イ.レンタルサービスの機能強化による収益拡大と新機種の試行導入

ロ.陳列サービスの基盤構築と業容拡大

ハ.グループ一体となった新IT体制の構築と情報セキュリティ体制の高度化

ニ.ソリューションビジネスの展開によるシステム外販能力の強化

 

④ 不動産関連

イ.長期保守計画に基づく既存設備の更新・修繕の実施

ロ.テナント動向の把握と稼働率の維持

 

その他の課題

①会社法の改正と内部統制システムの整備

平成27年5月1日施行の改正会社法及び会社法施行規則に対応すべく、平成27年4月に「内部統制システムの整備に関する基本方針」を改定しました。この改定により、グループ内部統制・監査役監査体制・監査役宛報告体制等に係る規程を追加いたしました。また、平成27年度の運用状況について検証を行いました。平成28年度についても内部統制システムの整備に努めてまいります。

 

②コーポレートガバナンス・コード策定への対応

平成27年6月よりコーポレートガバナンス・コードが適用開始になりました。本コードに対応し、「コーポレートガバナンスに関する基本方針」を制定するとともに本コードに掲げられた各原則の実施状況について検証を行い、平成27年12月にコーポレートガバナンス報告書にて開示しました。平成28年度もコーポレートガバンスの整備に努め、その実施状況については、コーポレートガバナンス報告書にて開示いたします。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。

なお、文中に記載されている将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の変動について

当社グループは、物流関連事業、食品関連事業、情報関連事業、不動産関連事業の各事業を営んでおります。

物流関連事業においては、荷主企業の在庫動向、物流拠点の見直し等により稼働率が変動し、業績に影響を与える場合があります。

 食品関連事業においては、流通制度改革や環太平洋経済連携協定(TPP)の最終合意後の動向、米の作況動向により仕入・販売価格が変動し、業績に影響を与える場合があります。また、期末の在庫については価格変動の影響を受ける場合があります。さらに、「安心・安全」をモットーに品質管理には万全の体制で臨んでおりますが、当社固有の品質問題のみならず、産地において品質問題が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。

情報関連事業においては、大型のシステム開発受託案件の受注動向により、業績に影響を与える場合があります。また予期せぬコンピュータプログラムのバグ(不具合)による損害が発生する可能性があります。

不動産関連事業においては、テナントの入替による空室の発生により、賃貸料収入に影響を与える場合があります。

 

(2) 財政状態の変動について

当社グループは、有利子負債の削減を進めるとともに、変動金利借入の金利変動リスクを低減するため、主に固定金利による調達を図ってまいりました。しかしながら、変動金利借入利息及び借換時における資金調達に関しては、金利情勢の影響を受け、業績が変動する可能性があります。

 

(3) 情報セキュリティについて

情報セキュリティに対しては、社内情報管理体制の整備に努め、情報流出の防止、社内情報システムへの外部からの侵入防御等適切な対応をしております。また、個人情報の取扱についてもプライバシーマークの認証を取得する等適切な対応をしております。しかしながら、情報システムの一時的な操作不能状態や情報流出、喪失等の事態が生じた場合には当社グループのみならず取引先企業等への影響が予想され、当社グループの信用低下並びに業績への影響を招く可能性があります。

 

 (4)自然災害等について

大規模地震等の自然災害や新型インフルエンザ等感染症につきましては、対応策を検討し、対応マニュアルを整備し、事業継続計画(BCP)を策定しておりますが、当社グループのみならず取引先企業等に多大な被害が発生した場合には、業績への影響を招く可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。作成にあたっての方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の連結業績は、食品部門におけるコメの販売価格の下落による減収を物流部門・情報部門の増収でカバーし、売上高は518億26百万円(前期比0.4%増)となりました。営業利益は、物流部門、情報部門、不動産部門で増益となったことから、48億3百万円(同5.2%増)となりました。経常利益も、受取配当金の増加や支払利息の減少等により41億31百万円(同10.2%増)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は22億63百万円(同10.8%増)となりました。

 

(3) 当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度末の資産合計は、有形固定資産の建物及び構築物や投資有価証券が減少しましたが現金及び預金が増加したこと等により前期末比5億25百万円増加し926億9百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、1年内償還予定の社債等の有利子負債が減少したこと等により前期末比10億59百万円減少し594億7百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、その他有価証券評価差額金が減少しましたが利益剰余金が増加したこと等により前期末比15億85百万円増加し332億2百万円となりました。

この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は33.1%(前期末は31.8%)となりました。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金及び設備資金は、主に営業キャッシュ・フローと銀行借入金で賄っております。当連結会計年度は、営業キャッシュ・フロー及び銀行からの新規調達により、有形固定資産の取得や社債等の有利子負債の返済資金に充てております。

キャッシュ・フローにつきましては、「第2  事業の状況  1 業績等の概要  (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(5) 経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループは、「信は万事の本を為す」の理念のもとに、社業を通じて豊かな社会の実現に貢献することを基本方針としております。顧客、株主、社員など全てのステークホルダーにとって価値のある企業となるべく、誠意ある対応で信用信頼を蓄積し永続的な発展をめざしております。

平成28年度より、新3ヵ年計画「ヤマタネ中期経営計画 2019プラン」をスタートし、持続的な成長をめざしてまいります。各部門においては、成長基盤の構築に最注力し、事業規模・業務範囲の拡大に向け、計画的な設備投資と人材投資を行ってまいります。本中期経営計画では、最終年度の平成30年度において営業利益50億円、経常利益45億円の達成を業績目標としております。
 また、企業体質の強化のために、コーポレート・ガバナンスの徹底と内部統制体制の整備にも積極的に取組んでまいります。