第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、世界経済の緩やかな回復等を背景にした輸出や設備投資をけん引役に、底堅く推移しました。

このような状況下におきまして、当連結会計年度の連結業績は、食品部門における玄米の販売数量の減少とその他部門での減収により、売上高は502億13百万円(前期比3.1%減)となりました。営業利益においては、物流部門と食品部門で増益、情報部門ではほぼ前年並みとなったものの、不動産部門で大きく減益となったことから、45億84百万円(同4.6%減)となりました。また、支払利息の減少等により営業外損益は改善しましたが、経常利益は40億84百万円(同1.1%減)となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産の売却による特別利益の計上と法人税率の引き下げの影響等により26億21百万円(同15.8%増)となりました。

 

物流関連

物流業界におきましては、上半期を中心に企業の在庫調整の影響等が残り、倉庫の保管残高の前年割れが続きました。荷動きに関しては、消費関連や建設関連の貨物が堅調に推移したことから、国内の総輸送量は5年振りに増加に転じました。また、国際貨物についても世界経済の回復基調のもとで、輸送量・取扱金額ともに前年を上回りました。 
  このような状況下で、物流部門では、配送センター業務や海外引越業務が堅調に推移しましたが、倉庫の保管残高の減少による保管料の減収に加え、大口荷主との取引内容の見直し等の影響もあり、売上高は209億90百万円(前期比1.5%減)となりました。一方、営業利益は低採算先の見直しに加え、付帯作業等が堅調に推移したことから31億42百万円(同1.2%増)となりました。

 

食品関連

コメ流通業界におきましては、飼料用米の増産等により生産調整目標(減反目標)が2年連続で達成されたことを受け、主食用のコメ取引の需給が締まり、平成28年産米の価格は前年に続き上昇しました。特に業務用の低価格米の逼迫感が大きく、余剰ぎみの高級ブランド米との価格差が縮小しました。

このような状況下で、食品部門では、量販店・外食向けである精米販売の数量は、69千玄米トン(前期比3.9%増)と増加しましたが、一般小売店や他卸売業者向けである玄米販売は、主要産地である東北・関東を中心に取引価格の高騰から思うようなコメの手当ができず、23千玄米トン(同47.7%減)と大幅に減少しました。この結果、総販売数量は92千玄米トン(同16.6%減)となりました。売上高は、コメの取引価格は上昇したものの玄米の販売数量の落ち込みの影響が大きく、234億22百万円(前期比4.0%減)となりました。一方、営業利益は、需給が締まる中で適正な販売差益の確保に努めた結果、2億96百万円(同39.4%増)となりました。

 

情報関連

情報サービス業界におきましては、IoTやAI等といった新規技術の導入の動きが強まり、IT関連投資は増加を続けております。

このような状況下で、情報部門では、システム開発業務は堅調に推移しましたが、棚卸代行関連業務における不採算取引の縮小等の影響により、売上高は22億69百万円(前期比3.0%減)となりました。一方、営業利益は3億14百万円(同0.2%減)とほぼ横ばいで推移しました。

 

不動産関連

不動産業界におきましては、三大都市圏を中心に活発な取引が続き、地価は上昇基調となりました。また、都心部の賃貸オフィスビル市場も、景況感の改善から空室率が低下傾向が続き、賃料水準も底堅い動きとなりました。

このような状況下で、不動産部門では、大口テナントの入れ替わりに伴う稼働率の低下により、売上高は35億30百万円(前期比6.4%減)、営業利益は16億81百万円(同10.6%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益41億37百万円や減価償却費14億28百万円がありましたが、営業債権やたな卸資産の増加等があり38億4百万円の収入(前期比6億83百万円の収入減)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出が26億70百万円あったこと等から25億88百万円の支出(前期比18億34百万円の支出増)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済や社債の償還があったこと等から、33億97百万円の支出(前期比17億63百万円の支出増)となりました。

この結果、現金及び現金同等物の当期末残高は21億81百万円減少し、22億95百万円となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループの業種・業態は多分野にわたっており、また、取引形態も一様ではないので、セグメントごとに生産・受注及び販売の規模については金額あるいは数量で示すことはしておりません。

このため生産、受注及び販売の状況については、「1 業績等の概要」における各セグメント業績に関連付けて示しております。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

「ヤマタネ 2024ビジョン」の実現に向けて、平成28年度より新3ヵ年計画として「ヤマタネ中期経営計画 2019プラン」をスタートし、持続的な成長をめざしております。各部門においては、成長基盤の構築に最注力し、事業規模・業務範囲の拡大に向け、計画的な設備投資と人材投資を行っております。本中期経営計画では、最終年度の平成30年度において営業利益50億円、経常利益45億円の達成を業務目標としております。

今後を展望いたしますと、わが国経済は、世界経済の持ち直しを背景に輸出や設備投資の増加が続き、景気対策としての公共投資の増加も企業収益を下支えすると見込まれることから、堅調に推移すると見込まれます。ただし、米国のトランプ新政権の経済政策の実現可能性は不透明であり、北朝鮮や中東等に対する政策次第では、リスクオフによる急激な株安や円高の懸念が残ります。

このような状況下ではありますが、「ヤマタネ中期経営計画 2019プラン」の2年目となります平成30年3月期の連結業績予想につきましては、食品部門においてコメ取引価格の上昇により営業収入の増加が見込まれることから、売上高は514億円(前期比2.4%増)と前期比11億87百万円の増収を予想しております。一方、利益面では、不動産部門における施設改修に伴う稼働率の低下等により減益を見込み、営業利益は42億90百万円(同6.4%減)、経常利益は38億60百万円(同5.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は24億60百万円(同6.1%減)を予想しております。

 

平成29年度の経営方針及び各部門重点施策は下記のとおりであります。

 

経営方針

イ.「ヤマタネ中期経営計画 2019プラン」の推進

ロ.ベース収益の増強

ハ.中長期戦略への計画的取組み

ニ.企業価値の向上

ホ.組織基盤の整備

 

各部門重点施策

① 物流関連

イ.物流アウトソーシング受託業務の拡大

ロ.物流品質の向上と人材の育成

ハ.国内輸配送の強化

ニ.印西第一期プランの策定と着工準備

ホ.既存物流施設の有効活用とリーシングビジネスの拡大

へ.国際営業統合シナジー効果による事業拡大

ト.大型新規顧客の獲得と主要顧客取引拡大

チ.業務見直しによる差益率の向上

 

② 食品関連

イ.信頼されるヤマタネブランドの確立

ロ.顧客のシェア拡大と柱となる新規顧客の開拓

ハ.新規調達ルートの開拓

ニ.生産管理体制の強化による安全・品質の追求と効率改善

ホ.ヤマタネ基準に基づく品質管理体制の強化

 

③ 情報関連

イ.グループ一体となった新IT体制の推進と情報セキュリティ体制の高度化

ロ.次世代レンタルサービスの試験導入と迅速な基盤構築の推進による収益の拡大

 

④ 不動産関連

イ.長期保守計画に基づく設備更新・修繕の実施による賃貸物件の品質維持向上

ロ.既存物件の稼働率アップと賃料改定による収益基盤の強化

 

その他の課題

①内部統制システムの整備

会社法に対応して「内部統制システムの整備に関する基本方針」を制定しております。毎期、内部統制システムの運用状況について検証を行い、その概要について事業報告にて開示しております。今後も内部統制システムの整備に努めてまいります。

 

②コーポレートガバナンス・コードへの対応

コーポレートガバナンス・コードに対応して、「コーポレートガバナンスに関する基本方針」を制定しております。本コードに掲げられた各原則の実施状況について検証を行い、「コーポレートガバナンス報告書」にて開示しております。今後もコーポレートガバナンスの整備に努めてまいります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。

なお、文中に記載されている将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の変動について

当社グループは、物流関連事業、食品関連事業、情報関連事業、不動産関連事業の各事業を営んでおります。

物流関連事業においては、荷主企業の在庫動向、物流拠点の見直し等により稼働率が変動し、業績に影響を与える場合があります。

 食品関連事業においては、米の作況動向により仕入・販売価格が変動し、業績に影響を与える場合があります。また、期末の在庫については価格変動の影響を受ける場合があります。さらに、「安心・安全」をモットーに品質管理には万全の体制で臨んでおりますが、当社固有の品質問題のみならず、産地において品質問題が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。

情報関連事業においては、大型のシステム開発受託案件の受注動向により、業績に影響を与える場合があります。また予期せぬコンピュータプログラムのバグ(不具合)による損害が発生する可能性があります。

不動産関連事業においては、テナントの入替による空室の発生により、賃貸料収入に影響を与える場合があります。

 

(2) 財政状態の変動について

当社グループは、有利子負債の削減を進めるとともに、変動金利借入の金利変動リスクを低減するため、主に固定金利による調達を図ってまいりました。しかしながら、変動金利借入利息及び借換時における資金調達に関しては、金利情勢の影響を受け、業績が変動する可能性があります。

 

(3) 情報セキュリティについて

情報セキュリティに対しては、社内情報管理体制の整備に努め、情報流出の防止、社内情報システムへの外部からの侵入防御等適切な対応をしております。また、個人情報の取扱についてもプライバシーマークの認証を取得する等適切な対応をしております。しかしながら、情報システムの一時的な操作不能状態や情報流出、喪失等の事態が生じた場合には当社グループのみならず取引先企業等への影響が予想され、当社グループの信用低下並びに業績への影響を招く可能性があります。

 

 (4)自然災害等について

大規模地震等の自然災害や新型インフルエンザ等感染症につきましては、対応策を検討し、対応マニュアルを整備し、事業継続計画(BCP)を策定しておりますが、当社グループのみならず取引先企業等に多大な被害が発生した場合には、業績への影響を招く可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。作成にあたっての方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の連結業績は、食品部門における玄米の販売数量の減少とその他部門での減収により、売上高は502億13百万円(前期比3.1%減)となりました。営業利益においては、物流部門と食品部門で増益、情報部門ではほぼ前年並みとなったものの、不動産部門で大きく減益となったことから、45億84百万円(同4.6%減)となりました。また、支払利息の減少等により営業外損益は改善しましたが、経常利益は40億84百万円(同1.1%減)となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産の売却による特別利益の計上と法人税率の引き下げの影響等により26億21百万円(同15.8%増)となりました。

 

(3) 当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度末の資産合計は、現金及び預金が減少しましたが有形固定資産の土地や投資有価証券が増加したこと等により前期末比14億44百万円増加し940億54百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、社債等の有利子負債が減少したこと等により前期末比16億22百万円減少し577億85百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、利益剰余金やその他有価証券評価差額金が増加したこと等により前期末比30億66百万円増加し362億68百万円となりました。

この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は35.7%(前期は33.1%)となりました。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金及び設備資金は、主に営業キャッシュ・フローと銀行借入金で賄っております。当連結会計年度は、営業キャッシュ・フロー及び銀行からの新規調達により、有形固定資産の取得や社債等の有利子負債の返済資金に充てております。

キャッシュ・フローにつきましては、「第2  事業の状況  1 業績等の概要  (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(5) 経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループは、「信は万事の本を為す」の理念のもとに、社業を通じて豊かな社会の実現に貢献することを基本方針としております。顧客、株主、社員など全てのステークホルダーにとって価値のある企業となるべく、誠意ある対応で信用信頼を蓄積し永続的な発展をめざしております。

平成28年度より、新3ヵ年計画「ヤマタネ中期経営計画 2019プラン」をスタートし、持続的な成長をめざしてまいります。各部門においては、成長基盤の構築に最注力し、事業規模・業務範囲の拡大に向け、計画的な設備投資と人材投資を行ってまいります。本中期経営計画では、最終年度の平成30年度において営業利益50億円、経常利益45億円の達成を業績目標としております。
 また、企業体質の強化のために、コーポレート・ガバナンスの徹底と内部統制体制の整備にも積極的に取組んでまいります。