(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善がみられましたが、年初以降は急速に円高・株安が進行するなど金融市場の混乱に加え、中国をはじめ新興国の経済減速のリスク懸念により、先行きに不透明感が強まる状況で推移しております。
倉庫物流業界においては、一部荷動きに若干の回復基調がみられるようになったものの、荷主の合理化要請などによる企業間競争が激化しており、引き続き厳しい事業環境が続いております。
こうした情勢の中で、当社グループにおいては顧客満足度の向上と業務のより一層の効率化を図るため、事業活動の核となる倉庫設備の整備を進めるとともに、積極的な営業活動を展開いたしました。大阪市港区の当社大阪港営業所における新倉庫の建替え工事は順調に進んでおり、平成28年7月の竣工予定となっております。
このような状況下、当連結会計年度における当社グループの営業収益は、102億6千4百万円となり、前連結会計年度に比べ3億1千4百万円(3.2%)の増収となりました。営業原価は83億1千8百万円となり、前連結会計年度に比べ2億6千4百万円(3.3%)増加しましたが、販売費及び一般管理費は6億9千5百万円となり、前連結会計年度に比べ1億6百万円(13.2%)減少しました。この結果、営業利益は12億5千万円となり、前連結会計年度に比べ1億5千6百万円(14.3%)の増益となりました。営業外収益・費用では保険返戻金が減少しましたが、受取配当金が増加し、支払利息や持分法による投資損失等が減少しましたので、経常利益は12億2百万円となって、前連結会計年度に比べ1億9千3百万円(19.2%)の増益となりました。
また、倉庫の改修工事に係る固定資産処分損やゴルフ会員権の売却損及び評価損の他、一部の連結子会社が加入する大阪府貨物運送厚生年金基金について特例解散の手続きが進み、合理的な損失負担金の見積りが可能となったことから、厚生年金基金解散損失引当金繰入額を特別損失に計上しました。これにより親会社株主に帰属する当期純利益は7億2百万円となり、前連結会計年度に比べ2億9千万円(70.7%)の増益となりました。
セグメントの業績を示すと次のとおりであります。
① 物流事業
当連結会計年度は新倉庫の建替え工事の影響などで、米や紙製品などの取扱が前連結会計年度に比べ減少し、保管料収入が減少しました。しかし、電気製品や食料品の取扱、オフィス移転作業やリネンサプライの配送等の取扱が堅調に推移し、荷役荷捌料収入や運送料収入が増加しました。この結果、外部顧客に対する営業収益は86億9千6百万円となり、前連結会計年度に比べ2億3千8百万円(2.8%)の増収となりました。費用面では減価償却費や修繕費、動力光熱費等が減少しましたので、セグメント利益は5億9千5百万円となり、前連結会計年度に比べ3千8百万円(6.9%)の増益となりました。
② 不動産事業
一部の賃貸物件の契約解除の影響等による減収要因もありましたが、昨年8月には大阪市港区の賃貸物件が竣工し、業績に寄与しました。外部顧客に対する営業収益は13億円となり、前連結会計年度に比べ7千4百万円(6.1%)の増収となりました。費用面では修繕費等が増加しましたが、セグメント利益は10億3千5百万円となり、前連結会計年度に比べ5千万円(5.2%)の増益となりました。
③ その他の事業
ゴルフ練習場は入場者数が増加して営業収益が2億1千4百万円となりました。人件費や減価償却費等が減少し、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。
売電事業は、営業収益が5千1百万円に留まりましたが減価償却費が減少したので、前連結会計年度に比べ減収増益となりました。
以上により、その他の事業の営業収益は2億6千7百万円となり、前連結会計年度に比べ1百万円(0.5%)の増収となりました。セグメント利益は4千9百万円となり、前連結会計年度に比べ1千万円(25.2%)の増益となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べて9千9百万円増加し、23億9千3百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、9億2千3百万円の収入超過(前連結会計年度は15億4千4百万円の収入超過)となりました。
収入の主な内訳は税金等調整前当期純利益10億8千4百万円、減価償却費6億4百万円等であり、支出の主な内訳はリース投資資産の増加額7億7千2百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、6億4千2百万円の支出超過(前連結会計年度は5億1千4百万円の支出超過)となりました。
これは主に有形固定資産の取得による支出5億1百万円、有形固定資産の除却による支出1億7千1百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1億8千2百万円の支出超過(前連結会計年度は8億1百万円の支出超過)となりました。
これは主に長期借入れによる収入14億円に対し、長期借入金の返済による支出14億8千7百万円、配当金の支払額9千5百万円等によるものであります。
該当事項がないため記載しておりません。
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績(セグメント間の取引を含んでおりません。)は次のとおりであります。
セグメントの名称 | 前連結会計年度 平成26年4月~平成27年3月 | 当連結会計年度 平成27年4月~平成28年3月 | 前年同期比(%) |
物流事業 | 8,457,324千円 | 8,696,118千円 | 2.8 |
不動産事業 | 1,226,047 | 1,300,883 | 6.1 |
その他の事業 | 266,451 | 267,660 | 0.5 |
合計 | 9,949,823 | 10,264,663 | 3.2 |
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
富士フイルムロジスティックス㈱ | 3,547,210 | 35.7 | 3,679,246 | 35.8 |
2 上記金額には消費税等は含んでおりません。
また、物流事業における取扱実績等は以下のとおりであります。
① 物流事業(倉庫)
イ 保管面積利用率
区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
期末 | 月平均 | 期末 | 月平均 | |
保管面積(㎡) | 115,906 | 115,906 | 101,167 | 102,395 |
在貨面積(㎡) | 80,324 | 81,668 | 89,679 | 73,851 |
利用率(%) | 69.3 | 70.5 | 88.6 | 72.1 |
(注) (算定方式): | 在貨面積 | ×100 |
保管面積 |
ロ 貨物入出庫高及び保管残高
区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
数量(トン) | 数量(トン) | ||
貨物入庫高 | 401,581 | 376,606 | |
貨物出庫高 | 414,428 | 383,003 | |
保管残高 | 期末 | 57,198 | 50,801 |
月平均 | 60,583 | 52,387 | |
② 物流事業(運送)
区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
取扱数量(トン) | 165,752 | 170,178 |
当社グループの主たる事業である物流事業は企業間競争が激化しており、今後もこの状況は継続すると思われます。当社グループは、社会環境の変化に関する分析や様々な情報の収集を的確に行いながら、財務体質の強化を図り、強固な経営体質を確立することが大きな課題であると認識しております。
① グループが一体となった保管・加工業務・配送などの総合的一貫物流の提案
② 顧客満足度の向上に向けたシステム対応
③ 積極的な設備投資と既存設備の再編による効率化の推進
④ 各種認証の取得による品質管理の向上
⑤ 人材の育成
⑥ 健全な財務体質の堅持
お客様に対しては、いかに高品質のサービスを提供できるかを模索して、積極的に提言を行うことが必要だと思っております。それとともに、コーポレート・ガバナンス体制の充実及びコンプライアンス、リスク管理など内部統制体制の整備を図り、CSR(企業の社会的責任)の推進に努めてまいります。
当社グループの財政状態及び経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性のあると考えられる主なリスクには次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 取引関係
当社グループの主要な事業である物流事業は、景気の変動はもとより、顧客の経営活動に影響されます。国際情勢の変化や国内の景気動向、主要顧客の物流政策の変更によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 他社との競合
当社グループの事業は競合する同業者が多く、たえず競争に晒されております。競争の結果、顧客を失う影響を受ける可能性があります。
③ 公的規制
物流事業は関連法規による規制を受けており、これらの法令規制の変更・強化がコストの増加につながり、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④ 借入金と金利動向
現在、取引銀行との関係は友好的に推移しており、借入金の金利も低水準であります。しかし、金融不安の再燃、インフレなどの問題が起これば当社は、資金調達に影響を受けることもあり、また、金利の上昇は業績に影響を及ぼすリスクがあります。
⑤ 減損損失
当社の保有している土地、建物、投資有価証券等の資産の時価が下落したり、運営している事業所等の採算性が著しく悪化した場合には減損処理を行う必要が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 情報システムのリスク
当社グループの在庫管理や財務情報を掌る基幹情報システムのダウンや誤作動等が発生した場合、復旧までの間に業務へ影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 自然現象による災害
地震、台風、津波等自然現象による災害で、施設の損壊や社会インフラの障害が発生した場合、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、この内特に固定資産の減損、有価証券の評価、退職給付に係る会計処理及び繰延税金資産に関する見積り及び判断が連結財務諸表作成に大きな影響を及ぼすと考えております。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ5億3千4百万円増加し、205億2百万円となりました。これは、流動資産のリース投資資産や有価証券などが増加したことなどによります。
(負債)
負債合計は、ほぼ前連結会計年度末並みの101億6千3百万円となりました。これは、固定負債の繰延税金資産が減少したものの流動負債の未払法人税等、固定負債の退職給付に係る負債が増加したことに加え厚生年金基金解散損失引当金を計上したことなどによります。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ5億3千5百万円増加し、103億3千8百万円となりました。これは、株主資本の利益剰余金が増加したことなどによります。
(3) 経営成績の分析
当連結会計年度の経済環境や各事業部門の業績は、「第2 事業の状況」の「1 業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりであります。
当連結会計年度は、物流事業において倉庫の貨物入庫高が37万6千トンとなり、前連結会計年度に比べ6.2%減少しました。貨物出庫高は38万3千トンとなり7.6%減少し、期末の保管残高は5万トンとなって11.2%減少しました。品目別では電気機械、食料工業品は入出庫量共に増加しましたが、米や紙・パルプ等の取扱が減少しました。倉庫建替え工事により貨物の新規入庫を制限したこともあって、米などの期末保管在庫高が前連結会計年度に比べ減少して、保管料収入が減収となりましたが、電気製品や食料品の取扱が増加して荷役・荷捌料収入が増収となりました。また、運送業務でオフィス移転作業が堅調に推移したのに加え、リネンサプライの配送等の取扱が好調で運送料収入の増収につながり、燃料費の減少もあって、利益の下支え要因となりました。また、不動産事業においては、平成27年8月竣工の大阪市港区の賃貸物件の賃貸料収入の増加が増収に寄与し、その他の事業においては、ゴルフ練習場の入場者数が前年を上回り、減価償却費や人件費等の経費が減少したことにより増益となりました。
そして、営業外収益で受取配当金が増加したことや営業外費用で支払利息や持分法による投資損失が減少したことなどにより、経常利益は増益となりました。連結子会社での厚生年金基金解散損失引当金繰入額を特別損失に計上しましたが、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は増益となりました。