第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策等により緩やかな回復基調にあるものの、中国をはじめ新興国経済の減速懸念や英国のEU離脱問題、米国新政権の政策動向が金融市場に影響し、国内景気の先行きに不透明感が強まる状況で推移しました。倉庫物流業界においては物流不動産投資が活発化する中、荷動きが依然として鈍い状況で推移し、荷主の合理化要請等による企業間競争が激化しており、引き続き厳しい事業環境が続いております。

このような情勢の下、当社グループにおいては高品質の物流サービスの提供による顧客満足度の向上と業務のより一層の効率化を目指してまいりました。大阪市港区の当社大阪港営業所の新倉庫の建替え工事は、平成28年7月に完了し、稼働を開始いたしました。

当連結会計年度における当社グループの営業収益は、101億9千万円となり、前連結会計年度に比べ7千4百万円(0.7%)の減収となりました。営業原価は83億6百万円となり、前連結会計年度に比べ1千2百万円(0.2%)減少しましたが、販売費及び一般管理費は7億8千1百万円となり、前連結会計年度に比べ8千6百万円(12.4%)増加しました。この結果、営業利益は11億2百万円となり、前連結会計年度に比べ1億4千7百万円(11.8%)の減益となりました。営業外収益の持分法による投資利益が増加しましたが、営業外費用の支払利息が増加しましたので、経常利益は10億4千9百万円となって、前連結会計年度に比べ1億5千2百万円(12.7%)の減益となりました。

特別損失に大阪港営業所の倉庫建替え等に係る固定資産処分損を1億3千2百万円計上しましたが、特別利益に投資有価証券売却益を2億3千5百万円計上しましたので、親会社株主に帰属する当期純利益は7億8千4百万円となり、前連結会計年度に比べ8千1百万円(11.6%)の増益となりました。

 

セグメントの業績を示すと次のとおりであります。

 

① 物流事業

当連結会計年度は、関西地区における機械消耗品の配送拠点の新設や新規顧客との取引が開始し、これに加えて文書保管の取扱が増加しました。しかし、電気製品、食料品等の取扱が低調で、前連結会計年度に比べ保管料収入が増加したものの、荷役荷捌料収入、運送料収入が減少しました。この結果、外部顧客に対する営業収益は86億1千8百万円となり、前連結会計年度に比べ7千7百万円(0.9%)の減収となりました。費用面では減価償却費や租税公課等が増加しましたので、セグメント利益は4億7千9百万円となり、前連結会計年度に比べ1億1千6百万円(19.5%)の減益となりました。

 

② 不動産事業

一部の物件での賃貸料値下げや賃貸駐車場の解約による減収要因もあり、外部顧客に対する営業収益は12億8千1百万円となり、前連結会計年度に比べ1千9百万円(1.5%)の減収となりました。しかし費用面で修繕費等が減少したことにより、セグメント利益は10億5千2百万円となり、前連結会計年度に比べ1千6百万円(1.6%)の増益となりました。

 

③ その他の事業

ゴルフ練習場は入場者数が微増したものの、使用球数が減少し営業収益が2億1千2百万円となり、ほぼ前連結会計年度並みとなりました。しかし、賃借使用料や動力光熱費等の費用が減少し、前連結会計年度に比べ増益となりました。

売電事業は、平成28年5月に新規設備の稼働により営業収益が7千5百万円となり、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。

以上により、その他の事業の営業収益は2億9千万円となり、前連結会計年度に比べ2千2百万円(8.5%)の増収となりました。セグメント利益は7千1百万円となり、前連結会計年度に比べ2千1百万円(43.8%)の増益となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べて6億円増加し、29億9千4百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、10億5百万円の収入超過(前連結会計年度は9億2千3百万円の収入超過)となりました。

これは税金等調整前当期純利益11億5千3百万円、減価償却費8億2千4百万円がありましたが、主に投資有価証券売却益2億3千5百万円、未収消費税の増加額3億2千1百万円、法人税等の支払額5億9千6百万円があったこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、44億6千4百万円の支出超過(前連結会計年度は6億4千2百万円の支出超過)となりました。

これは主に有形固定資産の取得による支出46億8千8百万円、有形固定資産の除却による支出1億7百万円、投資有価証券の売却による収入3億2千7百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、40億5千9百万円の収入超過(前連結会計年度は1億8千2百万円の支出超過)となりました。

これは主に長期借入れによる収入59億円に対し、長期借入金の返済による支出14億9千6百万円等によるものであります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産及び受注の状況

該当事項がないため記載しておりません。

 

(2) 販売実績

前連結会計年度及び当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績(セグメント間の取引を含んでおりません。)は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

前連結会計年度

平成27年4月~平成28年3月

当連結会計年度

平成28年4月~平成29年3月

前年同期比(%)

物流事業

8,696,118千円

8,618,470千円

△0.9

不動産事業

1,300,883

1,281,486

△1.5

その他の事業

267,660

290,285

8.5

合計

10,264,663

10,190,242

△0.7

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度
平成27年4月~平成28年3月

当連結会計年度
平成28年4月~平成29年3月

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

富士フイルムロジスティックス㈱

3,679,246

35.8

3,659,112

35.9

 

2 上記金額には消費税等は含んでおりません。

また、物流事業における取扱実績等は以下のとおりであります。

 

① 物流事業(倉庫)

イ 保管面積利用率

 

区分

前連結会計年度
平成27年4月~平成28年3月

当連結会計年度
平成28年4月~平成29年3月

期末

月平均

期末

月平均

保管面積(㎡)

101,167

102,395

128,665

121,718

在貨面積(㎡)

89,679

73,851

97,705

94,947

利用率(%)

88.6

72.1

75.9

78.0

 

 

(注) (算定方式):

在貨面積

×100

保管面積

 

 

ロ 貨物入出庫高及び保管残高

 

区分

前連結会計年度
平成27年4月~平成28年3月

当連結会計年度
平成28年4月~平成29年3月

数量(トン)

数量(トン)

貨物入庫高

376,606

369,391

貨物出庫高

383,003

363,010

保管残高

期末

50,801

57,182

月平均

52,387

55,015

 

 

② 物流事業(運送)

 

区分

前連結会計年度
平成27年4月~平成28年3月

当連結会計年度
平成28年4月~平成29年3月

取扱数量(トン)

170,178

172,089

 

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

今後の当社グループを取り巻く環境は、国内での製造業の縮小や人口の減少、また大型物流施設の相次ぐ開設などにより需要・供給両面に、また取扱貨物や物流形態に大きな変化が予想されます。このような認識のもと当社グループは不動産事業の安定的収益基盤を維持しながら物流事業の基盤拡大と収益力強化に取り組み、持続的な成長を実現するため、以下の課題に対処いたします。

 

① 物流拠点の整備・構築、新情報システムの構築

大阪港営業所の倉庫を高機能の物流施設に建替えていくことを継続するとともに、新たな拠点の構築に挑んでまいります。また基幹情報システムについて、より高品位な物へと再構築すべくプロジェクトチームを発足いたします。

 

② サービス体制の充実

当社が得意とする丁寧できめ細やかなサービスを維持しつつ、同時に品質と生産性の向上も追及いたします。またグループの連携強化、特に㈱杉村倉庫と杉村運輸㈱の連携を強化し、倉庫・配送等一貫したサービスを提供して、顧客満足度の向上を目指してまいります。

 

③ 顧客基盤・取扱貨物の拡大

引き続き荷主のアウトソーシング需要に対し積極的に取り込みを図るとともに、特に高付加価値の貨物へのアプローチを強化いたします。また、杉村運輸㈱が得意とするオフィス移転サービスは首都圏で需要が拡大しており、受注の強化に取り組みます。

 

④ 不動産事業の安定収益の維持

既存施設のメンテナンスやテナント誘致など外部とも連携し、ノウハウを蓄積してまいります。また引き続き所有不動産の有効活用の情報収集・検討を継続していきます。

 

⑤ 経営基盤強化

大事な貨物を安心して委託して頂けるようコンプライアンスの遵守を徹底するとともに、労働災害防止を含め未然事故防止教育を含めた活動にも取り組みます。また人材の育成に力を注ぐとともに、人材確保のためにも長時間勤務の削減など働き方改革にも取り組みます。さらに前期有利子負債も増加しており、今後の投資資金確保のためにも財務基盤の強化にも取り組みます。

 

当社の経営理念である「常にお客様ニーズを先取りし期待に応える」、「物流業務を通じて社会に貢献する」、「株主、従業員に豊さを還元する」に則り、お客様に安心安全で高品質な物流サービスを提供することで、社会から本当に必要とされる物流企業を目指します。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの財政状態及び経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性のあると考えられる主なリスクには次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

① 取引関係

当社グループの主要な事業である物流事業は、景気の変動はもとより、顧客の経営活動に影響されます。国際情勢の変化や国内の景気動向、主要顧客の物流政策の変更によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 他社との競合

当社グループの事業は競合する同業者が多く、たえず競争に晒されております。人員不足等によるコスト上昇の結果、顧客を失う影響を受ける可能性があります。

③ 公的規制

物流事業は関連法規による規制を受けており、これらの法令規制の変更・強化がコストの増加につながり、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

④ 借入金と金利動向

現在、取引銀行との関係は友好的に推移しており、借入金の金利も低水準であります。しかし、金融不安の再燃、インフレなどの問題が起これば当社は、資金調達に影響を受けることもあり、また、金利の上昇は業績に影響を及ぼすリスクがあります。

⑤ 減損損失

当社の保有している土地、建物、投資有価証券等の資産の時価が下落したり、運営している事業所等の採算性が著しく悪化した場合には減損処理を行う必要が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 情報システムのリスク

当社グループの在庫管理や財務情報を掌る基幹情報システムのダウンや誤作動等が発生した場合、復旧までの間に業務へ影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 自然現象による災害

地震、台風、津波等自然現象による災害で、施設の損壊や社会インフラの障害が発生した場合、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、この内特に固定資産の減損、有価証券の評価、退職給付に係る会計処理及び繰延税金資産に関する見積り及び判断が連結財務諸表作成に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ44億2百万円増加し、249億4百万円となりました。これは、流動資産の現金及び預金や固定資産の建物及び構築物等が増加したことなどによります。

(負債)

負債合計は、前連結会計年度末に比べ39億5百万円増加し、140億6千9百万円となりました。これは、固定負債の長期借入金が増加したことなどによります。

(純資産)

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4億9千6百万円増加し、108億3千5百万円となりました。これは、株主資本の利益剰余金が増加したことなどによります。

 

(3) 経営成績の分析

①営業収益

物流事業は、輸入米や文書箱等の在庫の増加により保管料収入が増加しました。オフィス移転業務やリネンサプライの配送が堅調に推移しましたが、電気製品や食料品の取扱いの減少のため荷役・荷捌料収入及び運送料収入は減少しました。その結果、営業収益は前連結会計年度に比べ7千7百万円(0.9%)減収の86億1千8百万円となりました。

不動産事業は、一部の物件での賃貸料値下げや賃貸駐車場の法人契約の解約により、営業収益は前連結会計年度に比べ1千9百万円(1.5%)減収の12億8千1百万円となりました。

その他の事業は、ゴルフ練習場の入場者数は前年比0.7%と微増でしたが、使用球数が伸びず前連結会計年度並みでした。売電事業で大阪港営業所の新倉庫屋上に太陽光発電設備を増設し、発電能力が約60%向上した結果、営業収益は前連結会計年度に比べ2千2百万円(8.5%)増収の2億9千万円となりました。

②営業原価

営業原価は、大阪港営業所の新倉庫の稼動により減価償却費等が増加しましたが、物流事業での荷役・荷捌費の減少、不動産事業での前期行なった大型修繕工事の修繕費の反動減等により、前連結会計年度に比べ1千2百万円(0.2%)減少の83億6百万円となりました。

③販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は、人件費や租税公課等の増加により前連結会計年度に比べ8千6百万円(12.4%)増加の7億8千1百万円となりました。

④営業利益、経常利益

以上の結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ1億4千7百万円減益の11億2百万円となり、経常利益は、借入金の増加に伴い支払利息も増加したこともあり、前連結会計年度に比べ1億5千2百万円減益の10億4千9百万円となりました。

⑤親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益で投資有価証券売却益2億3千5百万円を計上したことなどにより、前連結会計年度に比べ8千1百万円(11.6%)増益の7億8千4百万円となりました。