第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

今後の当社グループを取り巻く環境は、国内での製造業の縮小や人口の減少、また大型物流施設の相次ぐ開設などにより需要・供給両面に、また取扱貨物や物流形態にまで大きな変化が予想されます。このような認識のもと当社グループは不動産事業の安定的収益基盤を維持しながら物流事業の基盤拡大と収益力強化に取り組み、持続的な成長を実現するため、以下の課題に対処いたします。

 

① 物流拠点の整備・構築、新情報システムの構築

大阪港営業所の倉庫を高機能の物流施設に建替えていくことを継続するとともに、新たな拠点の構築に挑んでまいります。また基幹情報システムについてはプロジェクトチームを発足し、より高品位なシステムへと再構築すべく取り組んでおります。

 

② サービス体制の充実

当社が得意とする丁寧できめ細やかなサービスを維持しつつ、同時に品質と生産性の向上も追及いたします。またグループの連携強化、特に㈱杉村倉庫と杉村運輸㈱の連携を強化し、倉庫・配送等一貫したサービスを提供して、顧客満足度の向上を目指してまいります。

 

③ 顧客基盤・取扱貨物の拡大

引き続き荷主のアウトソーシング需要に対し積極的に取り込みを図るとともに、特に高付加価値の貨物へのアプローチを強化いたします。また、杉村運輸㈱が得意とするオフィス移転サービスは首都圏で需要が拡大しており、受注の強化に取り組みます。

 

④ 不動産事業の安定収益の維持

既存施設のメンテナンスやテナント誘致など外部とも連携し、ノウハウを蓄積してまいります。また引き続き所有不動産の有効活用の情報収集・検討を継続していきます。

 

⑤ 経営基盤強化

大事な貨物を安心して委託して頂けるようコンプライアンスの遵守を徹底するとともに、労働災害防止を含め未然事故防止教育を含めた活動にも取り組みます。また人材の育成に力を注ぐとともに、人材確保のためにも長時間勤務の削減など働き方改革にも取り組みます。さらに今後の投資資金確保のためにも財務基盤の強化にも取り組みます。

 

当社の経営理念である「常にお客様ニーズを先取りし期待に応える」、「物流業務を通じて社会に貢献する」、「株主、従業員に豊さを還元する」に則り、お客様に安心安全で高品質な物流サービスを提供することで、社会から本当に必要とされる物流企業を目指します。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの財政状態及び経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性のあると考えられる主なリスクには次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

① 取引関係

当社グループの主要な事業である物流事業は、景気の変動はもとより、顧客の経営活動に影響されます。国際情勢の変化や国内の景気動向、主要顧客の物流政策の変更によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 他社との競合

当社グループの事業は競合する同業者が多く、たえず競争に晒されております。人員不足等によるコスト上昇の結果、顧客を失う影響を受ける可能性があります。

③ 公的規制

物流事業は関連法規による規制を受けており、これらの法令規制の変更・強化がコストの増加につながり、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

④ 借入金と金利動向

現在、取引銀行との関係は友好的に推移しており、借入金の金利も低水準であります。しかし、金融不安の再燃、インフレなどの問題が起これば当社は、資金調達に影響を受けることもあり、また、金利の上昇は業績に影響を及ぼすリスクがあります。

⑤ 減損損失

当社の保有している土地、建物、投資有価証券等の資産の時価が下落したり、運営している事業所等の採算性が著しく悪化した場合には減損処理を行う必要が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 情報システムのリスク

当社グループの在庫管理や財務情報を掌る基幹情報システムのダウンや誤作動等が発生した場合、復旧までの間に業務へ影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 自然現象による災害

地震、台風、津波等自然現象による災害で、施設の損壊や社会インフラの障害が発生した場合、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3千8百万円増加し、249億4千2百万円となりました。これは、流動資産において現金及び預金が増加し、固定資産において建物及び構築物や投資有価証券が減少したことなどによります。

負債合計は、前連結会計年度末に比べて9億7千9百万円減少し、130億8千9百万円となりました。これは流動負債において未払金等が増加し、固定負債において長期借入金が減少したことなどによります。

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ10億1千8百万円増加し、118億5千3百万円となりました。これは、株主資本の利益剰余金が増加したことなどによります。

 

セグメントごとの財政状態は次のとおりであります。

 

(物流事業)

当連結会計年度末は、前連結会計年度末に比べセグメント資産は1億1千8百万円増加し、182億2千2百万円となりました。倉庫設備の維持、改修や車両の入れ替え等を行いましたが、大規模な設備投資は実施しませんでした。

(不動産事業)

当連結会計年度末は、前連結会計年度末に比べセグメント資産は2千3百万円減少し、59億1千万円となりました。一部の顧客で賃貸スペースが増床となり、所管面積が増加しましたが、大阪府泉佐野市の土地を売却しました。

(その他の事業)

当連結会計年度末は、前連結会計年度末に比べセグメント資産は5千6百万円減少し、8億1千1百万円となりました。ゴルフ練習場設備の減価償却費が投資額を上回りました。

 

グループ全体としての当連結会計年度末の財政状態は、減価償却費が投資額を上回ることとなったため有形固定資産は減少しましたが、土地や投資有価証券等の売却益により現金及び預金が増加しましたので、流動資産が増加し、セグメント資産の合計は増加となりました。

 

(2) 経営成績

当連結会計年度における当社グループの営業収益は、100億6千7百万円となり、前連結会計年度に比べ1億2千2百万円(1.2%)の減収となりました。営業原価は82億3千7百万円となり、前連結会計年度に比べ6千8百万円(0.8%)減少し、販売費及び一般管理費は7億8千3百万円となって、前連結会計年度に比べ2百万円(0.3%)増加しました。この結果、営業利益は10億4千6百万円となり、前連結会計年度に比べ5千6百万円(5.1%)の減益となりました。営業外収益で持分法による投資利益が減少したことなどにより、経常利益は9億7千4百万円となり、前連結会計年度に比べ7千5百万円(7.1%)の減益となりました。特別利益に投資有価証券売却益6億3千5百万円、関係会社株式売却益3千万円、固定資産売却益9千5百万円を計上し、大阪港営業所において倉庫の一部の取壊しを決定したことによる減損損失を特別損失に3億7千万円計上しました。法人税等2億4千4百万円を差し引くと、親会社株主に帰属する当期純利益は11億2千1百万円となり、前連結会計年度に比べ3億3千6百万円(42.9%)の増益となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

 

(物流事業)

当連結会計年度は、前連結会計年度より稼働している機械部品、消耗品等の新規配送拠点の取扱や新規顧客が業績に寄与しましたが、電気製品、食料品等の取扱が減少しました。一部の地域で貨物の配送エリアが拡大されたものの、移転作業関連は前連結会計年度の大口受注の反動減となり、また、物流加工作業も減少しました。この結果、外部顧客に対する営業収益は84億7千4百万円となり、前連結会計年度に比べ1億4千3百万円(1.7%)の減収となりました。費用面で燃料油脂費や租税公課等が増加しましたので、セグメント利益は4億1千万円となり、前連結会計年度に比べ6千9百万円(14.5%)の減益となりました。

倉庫の稼働状況は貨物入庫高が33万2千トンとなって、前連結会計年度に比べ10.0%の減少となり、貨物出庫高は34万4千トンとなって、前連結会計年度に比べ5.2%の減少となりました。また、貨物の期末在庫高は4万5千トンとなって20.3%の減少となりましたが、運送においては取扱トン数が17万6千トンとなって、ほぼ前年並みとなりました。当連結会計年度は、前連結会計年度に開始した新規業務が収益へ貢献したものの、既存貨物の入出庫量や期末在庫高が減少したことに加え、新倉庫においては空坪部分がまだ残っており、稼働率を上げることができませんでした。

 

(不動産事業)

一部の既存顧客の賃貸エリアが増床となり、またパーキング収入が増収となりましたが、賃貸料値下げなどの影響により、外部顧客に対する営業収益は12億8千2百万円となり、ほぼ前連結会計年度並みとなりました。費用面は減価償却費等が減少したものの修繕費等が増加しましたので、セグメント利益は10億5千3百万円となって、ほぼ前連結会計年度並みとなりました。

関西のオフィスビルの空室率は低下の傾向にあり、賃料相場も幾分か上昇の兆しとなっておりますが、物流施設の賃貸不動産に関しては依然として厳しい値下げ圧力が継続しております。当連結会計年度においても一部の物件で賃貸料の値下げが発生しましたが、他に新たな契約による増収とパーキングにおいて法人顧客との新規契約があったため、賃貸料の値下げ分を吸収した結果となりました。

 

(その他の事業)

ゴルフ練習場の入場者数が増加し、営業収益が2億2千3百万円となり、費用面では人件費や動力光熱費などが減少しましたので、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。

売電事業は、前連結会計年度5月稼働の1基増設分が通期に寄与したため、営業収益が8千4百万円となり、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。

以上により、その他の事業の営業収益は3億9百万円となり、前連結会計年度に比べ1千9百万円(6.8%)の増収となりました。セグメント利益は9千3百万円となり、前連結会計年度に比べ2千1百万円(30.2%)の増益となりました。

ゴルフ練習場の入場者数は3.9%、使用球数は6.0%の増加となり、特に平日夕方の入場者が増加しました。また、売電事業も前連結会計年度に比べ稼働日数が増加しましたので、増収へと繋がりました。

 

当社グループは、2017年に2021年を最終年とする中期経営計画を策定しており、営業収益114億円、営業利益12億円の達成目標を掲げております。目標達成のためには今後の新倉庫の稼働率の向上と、荷役荷捌作業、運送のより一層の効率化が不可欠となっております。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 

a.生産及び受注の状況

該当事項がないため記載しておりません。

b.販売実績

前連結会計年度及び当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績(セグメント間の取引を含んでおりません。)は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

前連結会計年度

平成28年4月~平成29年3月

当連結会計年度

平成29年4月~平成30年3月

前年同期比(%)

物流事業

8,618,470千円

8,474,833千円

△1.7

不動産事業

1,281,486

1,282,708

0.1

その他の事業

290,285

309,967

6.8

合計

10,190,242

10,067,510

△1.2

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度
平成28年4月~平成29年3月

当連結会計年度
平成29年4月~平成30年3月

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

富士フイルムロジスティックス㈱

3,659,112

35.9

3,764,311

37.4

 

2 上記金額には消費税等は含んでおりません。

また、物流事業における取扱実績等は以下のとおりであります。

 

① 物流事業(倉庫)

イ 保管面積利用率

 

区分

前連結会計年度
平成28年4月~平成29年3月

当連結会計年度
平成29年4月~平成30年3月

期末

月平均

期末

月平均

保管面積(㎡)

128,665

121,718

119,570

126,350

在貨面積(㎡)

97,705

94,947

93,526

100,227

利用率(%)

75.9

78.0

78.2

79.3

 

 

(注) (算定方式):

在貨面積

×100

保管面積

 

 

ロ 貨物入出庫高及び保管残高

 

区分

前連結会計年度
平成28年4月~平成29年3月

当連結会計年度
平成29年4月~平成30年3月

数量(トン)

数量(トン)

貨物入庫高

369,391

332,607

貨物出庫高

363,010

344,242

保管残高

期末

57,182

45,547

月平均

55,015

54,614

 

 

② 物流事業(運送)

 

区分

前連結会計年度
平成28年4月~平成29年3月

当連結会計年度
平成29年4月~平成30年3月

取扱数量(トン)

172,089

176,344

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べて17億4千3百万円増加し、47億3千7百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、23億2千5百万円の収入超過(前連結会計年度は10億5百万円の収入超過)となりました。

これは主に税金等調整前当期純利益13億6千5百万円、減価償却費8億4千4百万円、減損損失の計上3億7千万円、未収消費税の減少額3億2千5百万円がありましたが、投資有価証券売却益6億3千5百万円、法人税等の支払額2億2百万円があったこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、10億3千8百万円の収入超過(前連結会計年度は44億6千4百万円の支出超過)となりました。

これは主に有形固定資産の売却による収入4億2百万円、投資有価証券の売却による収入9億5千3百万円、関係会社株式の売却による収入1億1千9百万円、有形固定資産の取得による支出3億9千3百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、16億2千1百万円の支出超過(前連結会計年度は40億5千9百万円の収入超過)となりました。

これは主に長期借入金の返済による支出15億4千9百万円等によるものであります。

 

前連結会計年度は、新倉庫を建築したことにより投資活動によるキャッシュ・フローが支出超過となり、財務活動によるキャッシュ・フローがその工事費用の資金調達により収入超過となっておりましたが、当連結会計年度は投資有価証券等や土地の売却により、投資活動によるキャッシュ・フローが収入超過となりました。このため、当連結会計年度は新たな資金調達を行わず、借入金の返済が進んだことにより、財務活動によるキャッシュ・フローは支出超過となりました。

 

資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの資本の財源は設備の維持・更新や新規投資に多大な費用が掛かることから、自己資金に加え金融機関からの借入金が主体となっております。金融機関との関係は良好で、現状は比較的低金利で迅速に資金調達が可能なことから、収益性の高い顧客が獲得でき次第、機動的に設備投資が行える状況となっております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。