第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針・経営戦略等

① 会社の経営の基本方針

 当社グループの営んでおります倉庫業を中心とする総合物流業は、経済活動に不可欠な公共性の高い事業であると認識し、事業を通じて顧客のために、また、顧客とともに物流システムの合理化及び効率化をすすめることにより、社会と経済の発展に貢献することを基本方針としております。

 そのため、事業の安定的な経営基盤を拡充することにより、株主と顧客及び従業員の満足度を高めていくことを目標としております。

② 目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、2019年度から2021年度までを対象期間とする、第6次3カ年中期経営計画「CHANGE!to2021」を策定し、最終年度である2021年度において、営業収益24,000百万円、営業利益1,770百万円、経常利益1,910百万円、営業利益率7.4%、自己資本比率80%程度、ROIC(投下資本利益率)4.3%を連結業績目標としております。なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や梅小路地区において建築中の宿泊施設(不動産賃貸)の稼働予定時期の変更、収益認識に関する会計基準等の適用などの影響を受けて、当初の中期経営計画業績目標値から修正しております。

 第6次中期経営計画「CHANGE!to2021」の内容につきましては、以下のとおりであります。

(3つの「CHANGE」)

・スピード・生産性重視の視点を持ちながら新しいことに「挑戦」する「意識のCHANGE」

・高い専門性でお客様の要求に応える「知識のCHANGE」

・独自性を発揮しつつグループ力を結集して課題解決を目指す「組織のCHANGE」

(グループ経営中長期ビジョン)

・お客様の満足を得るソリューションを提案できる企業

・多様な物流サービスが提供できる総合物流会社

・収益力、健全な財務バランスと高度な品質に支えられた信頼感のある企業

・ESG(環境・社会・ガバナンス)に取組む企業

・未来志向で創造力ある人材が育つ風土を持つ企業

(戦略基本方針)

 当社は、第6次中期経営計画「CHANGE!to2021」の最終年度である2021年度において、

・変化するお客様の要求に高い水準で応えられる企業

・将来を展望し、新分野に挑戦する企業

・優れた業務品質と高い効率性を提供できる企業

・ステークホルダーから信頼される企業

・強固な財務基盤に支えられた信用力のある企業

を目指してまいります。

(具体的取組み)

 第6次中期経営計画「CHANGE!to2021」では以下の課題に取組んでまいります。

・変化するマーケットへの対応

・新分野への挑戦

・高い生産性に向けた改革

・業務品質向上への取組み

・人材の確保と育成への取組み

・コンプライアンスの徹底とガバナンスの強化

・財務戦略の高度化

・働き易い職場環境づくり

 

(2) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 今後の見通しにつきましては、世界経済では、各国の感染予防対策の影響に加え、米中間の貿易摩擦、ウクライナ情勢等を起因とするエネルギーや原材料価格等の高騰が続くなど景気の下押しリスクがあり、日本国内でも新型コロナウイルス感染症の影響が残る中で、国際情勢を受け原油価格の高騰や原材料価格の上昇などの影響等引き続き厳しい状況が続くと予想されます。

 このような状況のもと、当社は、以下を重点課題と捉え、当社を取り巻く経営環境が変化したことに鑑み、グループ経営中長期ビジョンを見直すとともに、対象期間を2022年度から2024年度までの3カ年とする第7次中期経営計画「Let’s TRY ! 2024 」を策定いたしました。

 

< 対処すべき重点課題 >

・世界情勢の変化が業績に大きな影響を与える社会環境に

 →燃料費の高騰や取引先の生産計画の見直しに対する適切な対応が必要

・感染症拡大、新規事業拡大に伴い、新たなリスク要因が増加

 →考えられるリスクを想定し、的確な対応策を整える必要

・顧客が物流に求める内容の変化と水準の高度化

 →業界に精通した安定した物流システムの提案等高度な専門性が求められる

・従業員や採用人材の価値観が多様化

 →強く重視されるようになった「働き甲斐」「働き易い職場環境」へ対処

・サステナビリティやSDGsへの対応が企業が判断される重要な要素に

 →社会との共存を強く意識した具体的な行動が必要

・デジタル技術の活用水準が企業の競争力に強く関連する

 →データの整備・集中化とシステムによる効率化の推進

・経営判断において、より高度なガバナンスの視点が求められる

 →取締役会の活性化、高度な社内規範の構築

・東京証券取引所プライム市場の上場維持基準適合の達成を図る必要あり

 →新たな資本政策の徹底、IR活動の積極的展開

 

◆グループ経営新中長期ビジョンと第7次中期経営計画「Let’s TRY ! 2024

< グループ経営新中長期ビジョン >

◇ 進化する物流ニーズを創造できる企業

◇ 多様な人材がその能力を最大限に発揮できる企業

◇ 高い業務品質によってお客様に信頼される企業

◇ 主体的にサステナビリティの推進に取組む企業

◇ 健全な財務バランスを有し積極経営のできる企業

 当社は、創立100周年を迎える2027年度に向けて、従業員それぞれが「自らが変化することの価値」を共有する企業として、様々な課題に取組み、ビジョンの実現を目指してまいります。

 

< 第7次中期経営計画「Let’s TRY ! 2024 」 >

Ⅰ 新分野へ積極的に挑戦し、グループとして成長を遂げる企業

Ⅱ 無形資産・人的資産への投資を通じ、イノベーションを育む企業

Ⅲ 多様な価値観を尊重し、皆が高いパフォーマンスを発揮できる企業

Ⅳ デジタル技術の活用を図り、高い業務品質と生産効率を実現させる企業

Ⅴ サステナビリティの基本方針を組織に浸透させ、施策に真摯に取組む企業

Ⅵ 積極的な投資と強い財務体質をバランスさせ、健全経営を継続させる企業

Ⅶ プライム市場の企業として期待される企業

Ⅷ 上記施策展開を可能とするガバナンスの充実

を目指し、これらの戦略基本方針にもとづき具体的取組みを推進してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境のリスクについて

① 営業基盤を取巻く環境のリスク

 当社グループの事業であります倉庫業を中核とする物流事業は、国内のみならず海外の景気動向や顧客企業の経営判断・物流合理化・事業再編等の影響を受けております。また、当社グループの主要取扱貨物の市場が縮小すること等により、当社グループの貨物取扱量が減少することが想定されます。そのような要因により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 当社グループは、広いエリアで多様な業種の顧客企業の様々な品目の貨物を取り扱うことでリスクの分散を図っており、また、環境問題に代表されるような社会問題にも目を向けて貨物構成を変えていくこと等により、リスクの低減を図っております。

② 他社との競合のリスク

 当社グループの事業は同業者が多く厳しい競合状態にあります。その競合の結果、価格引き下げや過剰なサービス競争となることで収益や利益率が低下する等の要因により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、真の顧客志向は、双方が適切なメリットを享受し取引が維持・継続できることとの信念のもと、変化する顧客企業の要求に最適な水準で応えるサービスを提供すること等により、リスクを回避してまいります。

③ 新規事業の立上げのリスク

 当社グループは、収益基盤の多様化と持続的な成長を実現していくために新規事業への取組みが重要であると認識しております。しかし、新規事業の立上げにあたっては、設備費等の先行投資が発生し利益率が低下する可能性があり、新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の期間を要することも想定されます。また、契約上の問題など新規事業に固有のリスク要因が加わるとともに、事業環境の急激な変化や不測の事態等により、想定した売上が見込めない、または、想定していなかった多額の費用が発生する等、当初の計画どおりに進捗しない場合には、投資の回収が遅れる、または、回収できない等の要因により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、新規事業を開始するにあたっては、事業や契約の内容について社外専門家の調査等も踏まえた高度で多面的なリスクの検証を行い、様々な専門スキルを有するメンバーが参画する当社の指名・報酬・ガバナンス委員会や取締役会での議論を重ねることに加え、必要に応じて賠償責任保険等を付保するなどにより、リスクをコントロールしております。

④ 公的規制・制度変更のリスク

 当社グループの事業は、関連法規による規制を受けておりますが、法令改正・制度の変更等により、それを遵守するための費用の増加や事業戦略の変更等が発生した場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、法令・制度等改正監視に係る諸規定を定め、当社グループ企業に関わる法令・制度等の改正等の情報を適確且つ早期に把握し、十分な時間を持って準備を行い適切に対処できる体制を整えることにより、リスクの低減を図っております。

⑤ 事業提携、M&A等に関するリスク

 当社グループは、経営資源の最適化を図るとともに事業規模・業態の拡大・拡充による収益の拡大、競争力強化、企業価値の向上のために、他企業との事業提携やM&A等の必要性を認識しております。しかしながら、提携・買収後の事業環境の大きな変化や当初想定できなかった対象企業のリスクが顕在化すること等により、事業計画どおりに進捗しない場合、のれんの減損処理など、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、事業提携、M&A等の実施にあたっては、対象企業について社外専門家も交えて事前の十分な検討と財務内容や契約条件等のデューデリジェンスを行うことにより、リスクの低減を図っております。

 

⑥ 地政学的リスク

 当社グループの事業であります物流業におきましては、国家間の関係悪化や海外でのテロ・紛争・伝染病の発生等の影響を受けて、顧客企業の海外事業活動の停滞や国際物流の遅延・停止等に伴い物流量が低下することなどにより、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 当社グループは中国上海市にのみ事業拠点を有しているため海外情勢による直接的な影響は低いものの、事業全体においては顧客企業の事業活動のグローバル化の進展により間接的・潜在的なリスクは今後も高まっていくものととらまえております。

 当社グループでは、海外情勢の動向を注視するとともに、今後も多様な業種や地域に係る顧客企業との取引を継続していくことにより、リスクの分散・低減を図っております。

 

(2)事業継続に関するリスクについて

① 自然災害・インフラ障害等のリスク

 地震・台風などの自然災害や火災あるいは事故等が発生することにより、当社グループの施設等資産の損壊等や道路・鉄道・空港・港湾施設といった社会インフラの障害等が発生した場合、当社グループの通常の業務遂行が困難となること等の要因により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、地震・風水害の対策マニュアルを策定し、安否確認や避難訓練を定期的に行うなど社員の安全を第一に考慮した事業継続計画を策定しており、加えて、緊急事態の際には相互に機能を補完し合えるよう業務提携先である安田倉庫等との間で災害時における事業継続相互協力協定を締結する等を行い、リスクの低減を図っております。

② 感染症の発生・拡大に関するリスク

 当社グループが営んでおります物流事業は社会基盤を支える重要な事業であり、感染症流行時等の非常時においても事業を可能な限り継続していくことが社会的責任であると考えております。しかしながら、感染拡大により当社グループ従業員が感染するリスクは否定できず、その場合には、通常の業務の遂行、事業継続が困難となり、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、感染症の感染拡大発生時には正確な情報収集を可能な限り行い、適切な感染防止策及び感染拡大防止策を実施し、社員並び取引先等関係者の安全を第一に考慮した上で、適正な業務の継続に努めてまいります。また、新型コロナウィルス感染症の流行拡大から得られた経験を踏まえ、「新型感染症対策規程」を策定し、今後発生しうる可能性のある未知のウイルス等による感染症の感染拡大時の対応についての基本的な考え方や必要とされる常備品等を定めることにより、今後のリスクに備えております。

 なお、新型コロナウィルス感染症の世界的規模での流行が継続しておりますが、当社グループでは、事業所に消毒液を備え置き手洗い・消毒を徹底するとともに、従業員にはマスクの着用を義務付ける等の対策を行っております。また、感染者が出た場合には行政機関の指示に従い濃厚接触者の確認や営業所内の消毒等の感染拡大防止対策を行うとともに、当社ウェブサイトにおいて状況について開示しております。

 また、営業や会食等の自粛及び移動を伴う会議のオンライン化、時差出勤やテレワークの実施等の対策など感染状況の変化に対応した感染予防策を都度見直し当社グループ内で周知徹底することにより、感染拡大防止と事業継続に努めております。

 

(3)情報システム及び情報管理のリスクについて

① システム障害のリスク

 当社グループは、業務の遂行・取引先とのデーター交換や財務情報作成等を正確かつ効率的に行うため、基幹業務システム等の情報システムを利用しております。しかしながら、ハードウェア・ソフトウェア等のダウン・誤作動等のシステムの不備、コンピューターウィルス感染・外部からの不正アクセス等の情報セキュリティの不備や停電などが発生すること等で情報システムが使用できなくなった場合、それらの復旧に係る直接・間接費用の発生のみならず、基幹業務システムが使用出来なくなることで当社グループ及び取引先等の通常業務の遂行が困難となること、及びそれによる取引先の当社グループへの信用失墜等の要因により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、情報システム管理規程及び関連諸規定を定め、情報システムの適正な運用・管理を図っており、加えて、データー管理の一層の強化のためにクラウド化や営業所間のバックアップ体制の強化を図っております。また、財務・人事管理、業務の一部に外部のパッケージソフトを導入することにより、関連業務の平準化、効率化を図るとともに、システムの堅確性向上、法改正等への対応を行っております。外部からのコンピューターウィルス等の攻撃に関しては、社内の基幹業務システムは専用のオペレーティングシステムを使用しており、外部からの情報セキュリティについては二重の防御体制を敷いておりますが、特に悪意を持った外部からのサイバー攻撃等は日々高度化・巧妙化しており完全に防ぐことは困難であることから、防御できなかった場合も想定した対応策も検討してまいります。加えて、停電対策として主要事業所に小型発電機を設置するなどの対策を実施し、リスクの低減を図っております。

② 情報技術の水準に係るリスク

 当社グループは、基幹業務システム等の情報システムを利用しておりますが、デジタル技術の急速な進歩や市場の変化、顧客企業のニーズ等に適確に対応できなかった場合、将来において当社グループの情報システムが陳腐化し、適正かつ効率的な事業の遂行に支障をきたしたり、顧客の要請に応えられず機会損失を起こす等の要因により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、従来より、基幹業務システムについては当社スタッフによる自社開発を行っておりますが、財務・人事管理、業務の一部に外部のパッケージソフトを導入し基幹業務システムと連携することにより、関連する業務の効率化や平準化に加え、法改正等への対応を行っております。加えて、システム改修計画を策定し計画的な投資を行っていくことで、機器の定期的な改修・更新や基幹業務システムの更新、クラウド化等を進め、システムの「ブラックボックス化」を回避していくことなどにより、リスクの回避を図ってまいります。

 また、今後想定されるデジタルトランスフォーメーションに対しても、情報システム部と業務部が中心となり、得意先のニーズへの対応、生産性の向上を図るための取り組み等を行ってまいります。

③ 個人情報管理のリスク

 当社グループは、事業活動の過程において個人情報を扱っており、その情報の外部漏洩やデーターの喪失等が発生した場合、当社グループの信用の失墜、または損害賠償等の要因により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、個人情報保護方針及び関連諸規定を定め、社内で個人情報の重要性の認識を高め、その厳格な管理に努めております。

 

(4)様々な時価変動のリスク

① 固定資産の減損処理のリスク

 当社グループは、倉庫・土地等の事業用の有形固定資産を有しておりますが、資産の時価の下落や収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合、減損損失を計上することになり、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 当社グループは、重要な設備投資に対して価格の妥当性や投資における将来の収支について社内及び取締役会において厳格に検証しております。また、事業所単位での経営成績管理についても、月次で分析を行い、都度、取扱貨物の構成や料金、人員配置等の適正化を図ることで、リスクの低減を図っております。

 なお、減損会計の適用にあたっては、事業用資産については独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位として事業所ごとに、また、処分予定資産や遊休資産等については個別資産ごとにグルーピングを行っており、減損の兆候の把握については、資産グループの営業活動から生ずる損益や市場価格等を適正に見積もることにより判定を行っております。

② 投資有価証券の時価変動のリスク

 当社グループは、営業上の取引関係や情報交換等の協力関係の維持・強化を主な目的として投資有価証券を保有しておりますが、株式相場の変動や投資先企業の財政状態の悪化等により資産価値が下落した場合、評価損の発生により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、保有する投資有価証券について保有目的と定性的な評価、資本コストより算出される定量的な評価等に基づく検証を定期的に行っており、保有の合理性が欠ける・乏しいと判断されたものについては、一定の期間内に売却することにより、リスクの低減を図っております。

③ 退職給付債務のリスク

 当社グループの従業員の退職給付費用及び債務は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の前提条件によって算出されていますが、これらの数値は将来の予測に基づくものであり、今後の割引率や年金資産の運用実績の変動等により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 当社グループは、年金資産の運用内容・方針等を定期的に確認し検討を加え、必要と認められる対応を適宜行うことによりリスクの低減を図っております。

 

(5)企業イメージに関するリスクについて

① 重要な訴訟によるリスク

 現在、当社グループに関して、経営に大きく影響を及ぼす重要な訴訟等は提起されておりません。しかし、将来におきまして重要な訴訟等が発生した場合、その判決結果如何によっては、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、適正なコンプライアンスとガバナンス体制の構築に努めており、法的に問題となる懸念がある案件については、事前に弁護士等に確認するなどの体制を敷いております。また、仮に訴訟等が発生した場合には、速やかにその分野での専門性の高い弁護士に相談できる体制とすることなどで、リスクの低減を図っております。

② 深刻なレピュテーションリスク

 当社グループ、当社グループ従業員及び協力会社等が、国内外において遵守すべき法令等に違反するような行為を行った場合、また、当社グループにとって事実の有無にかかわらず好ましくない風評や信用情報が広まること等によって深刻なレピュテーション上の問題が発生すること等の要因により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、内部監査室において定期的なコンプライアンス研修を実施し、内部通報体制を整備するとともに、内部業務監査において定期・不定期のモニタリング調査を行っております。また、内部統制委員会において管理体制の評価や不正防止策の検討等、常に内部管理体制の強化に取り組んでおります。ハラスメントについても、基本方針及び関連諸規定を定めるとともに、ハラスメント対応専用相談窓口として人事部内にハラスメントヘルプラインを設置する等、管理体制の一層の強化に取り組んでおります。その上で、何か有事の際には、「正しい情報を速やかに開示」する体制を整えることで、リスクの低減を図っております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染症拡大や、個人消費の低迷の影響が残るものの、全体では徐々に持ち直しの動きとなりました。しかし、世界経済では、期前半では世界の生産と貿易が回復した一方で、期後半は国際海上コンテナ輸送の逼迫に加えて、半導体供給不足、資源価格の高騰などの影響により回復のペースは停滞しました。また、期終盤にはウクライナ情勢等を起因とするエネルギーや原材料価格等の高騰による影響が広がるなど、先行き不透明な状況となりました。

 物流業界におきましても、国内の生産活動等の持ち直しの影響から取扱貨物量は回復傾向にあり、輸出入貨物量も増加が続きましたが、海上輸送料金の高騰による国際物流の混乱や電子部品供給不足などに起因する生産調整による物流量の減少、燃料価格の大幅な上昇が続くなど、依然として厳しい状況が続いています。

このような事業環境のもと、当社グループは第6次中期経営計画「CHANGE!to2021」の最終年度として具体的取組みを着実に実行に移し、業界を取り巻く時代の流れに遅れることのないよう、「CHANGE(意識・知識・組織)」の考え方の組織浸透と実践に直向きに取組んでまいりました。また、変化が加速する顧客ニーズに的確に対応できる営業体制の構築の一つとして、九州地区への足掛かりとする福岡事務所を2021年6月に開設いたしました。加えて、汎用業務の集約を目的とした事務センター開設を推進・拡大するなど業務の効率化への取組みを進め業務品質のさらなる向上を目指すとともに、財務・人事システム及び通関業務のシステムのパッケージ化など業務の見直しを図り、併せて会議等のペーパーレス化やweb化を図るなど、効率化・省力化にも努めました。また、京都梅小路地区資産有効活用計画については、当社として初めての本格的な不動産賃貸事業となる宿泊施設の建築をおこない、2022年3月1日より賃貸を開始いたしました。

 これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

(財政状態)

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2,400,118千円増の53,306,492千円となりました。

 負債については、前連結会計年度末に比べ、1,768,196千円増の12,056,727千円となりました。

 純資産については、前連結会計年度末に比べ、631,922千円増の41,249,764千円となりました。

 

(経営成績)

 当連結会計年度の営業収益は23,931,611千円(前年同期比7.7%減)、営業利益は1,866,907千円(前年同期比7.8%増)、経常利益は2,080,652千円(前年同期比8.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,352,291千円(前年同期比3.4%増)となりました。

 なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。これに伴い、当連結会計年度の営業収益及び営業原価がそれぞれ4,923,225千円減少しておりますが、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益に影響はありません。当該基準を適用しなかった場合の営業収益は28,854,836千円(前期比11.3%増)であります。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 倉庫業におきましては、営業収益は6,802,024千円(前年同期比2.8%増)、セグメント利益は1,294,096千円(前年同期比12.1%増)となりました。

 運送業におきましては、営業収益は13,086,839千円(前年同期比5.1%増)、セグメント利益は1,029,747千円(前年同期比16.9%増)となりました。

 国際貨物取扱業におきましては、営業収益は4,217,719千円(前年同期比39.8%減)、セグメント利益は384,007千円(前年同期比5.6%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ181,348千円(4.6%)減少し、当連結会計年度末には3,726,026千円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、資金は2,256,321千円の増加(前期は2,902,365千円の増加)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益2,010,561千円、減価償却費1,364,395千円であります。また、主な減少要因は、営業債権の増加421,793千円、未払消費税等の減少195,441千円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、資金は1,921,032千円の減少(前期は2,387,290千円の減少)となりました。主な増加要因は、投資有価証券の売却による収入156,049千円であります。また、主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出1,966,809千円、投資有価証券の取得による支出101,244千円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、資金は516,744千円の減少(前期は136,849千円の減少)となりました。主な増加要因は、長期借入による収入455,000千円であります。また、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出499,886千円、配当金の支払額428,410千円であります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 当社グループの主たる事業は、倉庫業を中心とした総合物流業であり、役務の提供を主体とする事業の性格上、生産、受注及び販売の実績を区分して把握することは困難であります。

 これに代えて、当連結会計年度におけるセグメントごとの営業収益及び主要業務の取扱高等を示すと、次のとおりであります。

 

a.セグメントごとの営業収益

セグメントの名称

当連結会計年度

(2021年4月1日~2022年3月31日)

前年同期比(%)

倉庫業(千円)

6,802,024

102.8

運送業(千円)

13,086,839

105.1

国際貨物取扱業(千円)

4,217,719

60.2

合計(千円)

24,106,584

92.5

 (注)上記の営業収益にはセグメント間の内部営業収益174,972千円を含んでおります。

 

b.セグメントごとの主要業務の取扱高等

セグメントの名称

当連結会計年度

(2021年4月1日~2022年3月31日)

前年同期比(%)

倉庫業

保管残高

(数量・月末平均)

226千トン

97.6

入庫高

1,213千トン

108.2

出庫高

1,208千トン

106.7

貨物回転率

(数量・月末平均)

44.5%

110.1

運送業

運送取扱高

2,034千トン

105.9

国際貨物取扱業

輸出入取扱高

621千トン

118.3

梱包取扱高

98千m3

117.7

 

 

 

 

(年間入庫高+年間出庫高)

×

 

 

 (注)

貨物回転率

×

100

月末保管残高年間合計

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態

 

前連結会計年度

(2021年3月31日)

当連結会計年度

(2022年3月31日)

前連結会計年度比

(%)

流動資産(千円)

13,063,709

13,682,271

104.7

固定資産(千円)

37,842,664

39,624,220

104.7

流動負債(千円)

6,695,132

7,899,315

118.0

固定負債(千円)

3,593,398

4,157,411

115.7

純 資 産(千円)

40,617,842

41,249,764

101.6

 流動資産の増加要因は、現金及び預金が181,348千円、受取手形が247,044千円、それぞれ減少しましたが、営業未収入金が668,837千円増加したこと等によるものです。固定資産の増加要因は、建設仮勘定が京都梅小路地区宿泊施設建設工事竣工による本勘定への振り替えにより1,503,837千円、投資有価証券が378,489千円、それぞれ減少しましたが、建物及び構築物が2,927,889千円、リース資産が588,978千円、それぞれ増加したこと等によるものです。

 流動負債の増加要因は、その他に含まれております未払消費税等が252,834千円減少しましたが、設備関係支払手形が835,914千円、その他に含まれております未払金が399,398千円、それぞれ増加したこと等によるものです。固定負債の増加要因は、繰延税金負債が284,255千円減少しましたが、リース債務が654,165千円増加したこと等によるものです。

 以上の結果、1株当たりの純資産額は2,161.13円と前連結会計年度2,128.81円に比し、32.32円増加し、自己資本比率は76.9%と前連結会計年度79.3%に比し2.4ポイント減少しました。

 

 財政状態につきましては、資産のさらなる有効活用を図り、一層の利益を生み出すことがこれからの大きな経営の課題と考えております。今後も収益性の高い貨物へのシフトや資産をより有効に活用することに努めてまいります。

 

b.経営成績

 

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前連結会計年度比

(%)

営業収益  (千円)

25,927,637

23,931,611

92.3

営業利益  (千円)

1,732,516

1,866,907

107.8

経常利益  (千円)

1,921,049

2,080,652

108.3

親会社株主に帰属する当期純利益(千円)

1,307,297

1,352,291

103.4

 営業収益の減少要因は、倉庫業で163,058千円、運送業で625,013千円、それぞれ増加しましたが、収益認識に関する会計基準等の適用の影響があり国際貨物取扱業で2,784,098千円減少したことによるものです。

 営業利益の増加要因は、国際貨物取扱業で22,976千円減少しましたが、倉庫業で139,601千円、運送業で149,100千円、それぞれ増加したことによるものです。

 経常利益の増加要因は、営業利益が134,391千円、営業外収益の受取配当金が13,671千円、持分法による投資利益が11,808千円、それぞれ増加したこと等によるものです。

 

 親会社株主に帰属する当期純利益の増加要因は、特別損失に北陸支店福井営業所一部既存倉庫設備の解体工事費用を計上したことにより固定資産除却損が170,308千円、法人税等合計が36,528千円、それぞれ増加しましたが、経常利益が159,602千円、特別利益の投資有価証券売却益が83,993千円、それぞれ増加したことに加え、前連結会計年度に計上しておりました減損損失24,010千円がなくなったこと等によるものです。

 

 セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

(倉庫業)

 期中平均の保管残高は前期に比し減少しましたが、既存荷主への営業拡大により自社倉庫及び再寄託先も含めた入出庫高及び貨物回転率は増加したことなどから、営業収益は増加しました。また、当社の物流ノウハウを活かした構内荷役作業サービスの提供や貨物構成の見直し、料金改定などの効果により、セグメント利益は増加しました。

(運送業)

 国内の輸送貨物及び保管貨物の荷動きの回復に加え、新規取扱拡大もあり取扱量は前期に比し増加したことなどから、営業収益は増加しました。また、燃料費単価高止まりの影響はあるものの、料金改定や貨物積み合わせの効率化などの効果により、セグメント利益は増加しました。

(国際貨物取扱業)

 通関業の取扱数量は、国内および海外の経済活動の持ち直し等から輸出入ともに前期に比し増加し、梱包業の取扱数量についても、海外市況の回復等の影響から増加しましたが、収益認識に関する会計基準等適用の影響があり営業収益は減少しました。また、コンテナ不足等による海外物流の混乱の影響を受けて、セグメント利益は減少しました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 当連結会計年度のキャッシュ・フロー状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本とし、設備投資等資金につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

 今後の資金需要のうち、主なものは、運転資金の他、事業用地取得、物流施設建築・改修等の設備投資等であります。これらの資金についても、基本方針に基づき、負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要に応じて金融機関からの借入を実施する等、必要な資金を調達してまいります。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や現時点における客観的情報、将来の計画事項等を合理的・総合的に判断し会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果につきましては、見積り特有の不確実性により、これらの見積りと異なる可能性があります。なお、当社グループが採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 第6次中期経営計画「CHANGE!to2021」の最終年度となる2021年度の達成状況は以下のとおりであります。

 営業収益は計画比68百万円(0.3%)減となりましたが、営業利益は計画比96百万円(5.5%)増、経常利益は計画比170百万円(8.9%)増となりました。また、営業利益率につきましては計画値7.4%を0.4ポイント上回る7.8%となり、ROIC(投下資本利益率)については4.4%となりました。

 

指標

第6次中期経営計画

(2019年度~2021年度)

最終年度目標値

(修正前)

第6次中期経営計画

(2019年度~2021年度)

最終年度目標値

(修正後)

当連結会計年度

(2021年度)

実績

営業収益

28,760百万円

24,000百万円

23,931百万円

営業利益

1,760百万円

1,770百万円

1,866百万円

経常利益

1,880百万円

1,910百万円

2,080百万円

営業利益率

6.1%

7.4%

7.8%

自己資本比率

80%程度

80%程度

76.9%

ROIC

(投下資本利益率)

4.5%

4.3%

4.4%

※ROIC:(営業利益+受取利息・配当)÷(純資産+有利子負債)

※第6次中期経営計画最終年度の目標値について、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や梅小路地区において建築中の宿泊施設(不動産賃貸)の稼働予定時期の変更、収益認識に関する会計基準等の適用などの影響を受けて、当初の目標値から修正しております。

 

 以上の結果を踏まえて、新型コロナウイルス感染拡大やコンテナ不足等による海外物流の混乱などの影響があり、営業収益においてはわずかに計画を達成できなかったものの、倉庫部門における料金改定や貨物構成の見直しや既存荷主への営業拡大等を進め、また、費用全般の削減に引き続き取組んだこと等により、営業利益、経常利益は計画を上回ることが出来ました。

 今後につきましては、2022年度から開始する第7次中期経営計画「Let’s TRY ! 2024 」において自ら能動的に行動する「自身にTRY!」、挑戦する風土を創って、分かち合う「組織でTRY!」、社会に応える・つなげる「社会へTRY!」、この3つのTRY!に取組むことで、全社一丸となって収益拡大を図り、企業価値向上に努めてまいります。また、当社の企業理念「誠実」「進歩」「挑戦」とコーポレート・スローガン「未来を預かる、未来を運ぶ」にもとづき、グループ経営新中長期ビジョンの実現に向け、当社グループの持続的な成長と企業価値向上のため、当社を取り巻く様々な課題に果敢に挑戦してまいります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 特記事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 特記事項はありません。