(1) 業績
当社グループでは当期を最終年度とする第5次中期経営計画の重点施策である自動車関連物流を軸とした海外事業の強化・拡大を図るとともに、国内に於いては施設再編を開始し、経営の効率化に取り組みました。
海外では、今年度より開始した英国での自動車部品集配業務が収益に貢献したほか、上海での倉庫保管業務や国内配送業務も順調に推移しました。また、既存顧客との料金見直し交渉が利益向上に寄与しました。一方、インド、香港、タイなどで主要顧客の事業再編や現地経済の低迷の影響などで取扱いが減少しました。
国内では、中国コンテナの取扱減少に加え、海外大手船社の経営破綻や合併、航路再編などの影響で港湾関連事業の売上の落ち込みが見られましたが、堺泉北港での新ターミナル開設、横浜本牧地区でのコンテナヤード集約などの施設再編により事業収益の改善を図りました。また、年度後半より中国、アジア向けの電子デバイスの荷動きが活発化し、航空貨物の取扱いが増加しました。
旅行事業では、業務渡航、国内団体旅行、ホールセール事業が堅調に推移しました。
これらの結果、当期における売上高は、前期比横ばいの201,209百万円となりました。利益につきましては、営業利益は前期比0.4%増の5,607百万円、経常利益は前期比6.4%増の6,266百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比39.5%増の4,457百万円となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① 物流事業
日本では、海上貨物において完成車の輸出は現地生産が進み減少したものの、米州、アジア向けを中心とした自動車部品、化学品、プラント関連の輸出取扱い、および食品関連、建設資材の輸入取扱いが回復しました。
航空貨物は、北米向け自動車イベント関連や、中国、アジア向け自動車部品、電子デバイス、雑貨、設備機械のスポット案件の輸出取扱いが増加し、取扱重量は前年を上回りました。また、食品関連、医薬品の輸入取扱いも堅調に推移しましたが、航空運賃燃油サーチャージの下落が売上に影響を及ぼしました。
国内倉庫では、雑貨、食品関連等の輸入品の保管取扱いが増加し収益に貢献しました。
港湾関連では、横浜港におけるコンテナ・ターミナルの集約効果に加え、アジアの新規航路開設により取扱いが増加し、収益は回復基調で推移しました。
米州では、米国とカナダの自動車関連貨物取扱いが堅調に推移し、メキシコでは倉庫業務、設備輸送案件の新規受注が収益に貢献しました。
欧州では、英国における自動車部品集配業務が収益に貢献したほか、ポーランドの配送センターを増床し、好調に推移しました。
アジアでは、ベトナムが好調に推移するも、その他新興国における通貨安の影響で、収益が減少しました。
中国では、航空輸入取扱いや内需品の倉庫保管業務、国内配送業務等が伸長しましたが、航空輸出取扱いの収益は低調に推移しました。
この結果、売上高は前期比2.3%減の142,867百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比5.5%減の4,116百万円となりました。
② 旅行事業
テロの影響による海外団体旅行の減少がありましたが、一般管理費の削減に努め、業務渡航、国内団体旅行、ホールセール事業は堅調に推移しました。
この結果、売上高は前期比5.0%増の57,422百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比14.7%増の659百万円となりました。
③ 不動産事業
京浜地区などで展開する不動産事業が伸長したほか、商業ビル、商業用地が引き続き安定した収益を確保しました。
この結果、売上高は前期比30.9%増の1,623百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比27.9%増の832百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益6,728百万円、減価償却費による資金留保2,625百万円等の資金の増加と、法人税等の支払額1,437百万円等の資金の減少により、8,368百万円の収入(前連結会計年度は6,342百万円の収入)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,230百万円、定期預金の預入による支出1,164百万円等の資金の減少と、有形固定資産の売却による収入196百万円等の資金の増加により、2,143百万円の支出(前連結会計年度は1,486百万円の支出)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入916百万円等の資金の増加と、長期借入金の返済による支出3,095百万円、配当金の支払額850百万円等の資金の減少により、4,636百万円の支出(前連結会計年度は4,189百万円の支出)となりました。
この結果、当連結会計年度の連結キャッシュ・フローは、これらに現金及び現金同等物に係る換算差額および新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額を加え、前連結会計年度に比べ1,338百万円の資金の増加となり、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は15,936百万円となりました。
「第2 事業の状況 1 業績等の概要」をご参照ください。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、社名の由来である「日々新たに、また、日に新たなり」の精神を基本に、自己革新を続けながら、安全・迅速・低コストに高品質な物流・旅行サービスを提供することで、豊かな社会の実現に貢献するとともに、お客様との間に信頼を築き上げながら企業価値を高め、株主をはじめとする全てのステークホルダーのご期待に応えることを経営の基本方針としています。
この基本方針を実現するために、当社グループは、経済・社会の発展に不可欠である物流事業をはじめ旅行業などの関連事業を、企業倫理・法令遵守の徹底および地球環境保全への積極的な取り組みなど企業の社会的責任(CSR)をはたしながら、グローバルに展開していくことを目指しています。
(2) 目標とする経営指標
平成34年3月期を最終年度とする日新グループ第6次中期経営計画では、収益の柱である物流事業、旅行事業、不動産事業のグループシナジーを最大限に発揮し、以下の目標を達成していく所存です。
平成34年3月期の連結経営指標は、以下のとおりです。
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平成29年3月期(実績) |
平成34年3月期(目標) |
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売 上 高 |
2,012億円 |
2,300億円 |
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営業利益 |
56億円 |
74億円 |
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経常利益 |
62億円 |
77億円 |
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当期純利益 |
44億円 |
53億円 |
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営業利益率 |
2.8% |
3.2% |
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自己資本利益率(ROE) |
8.8% |
8.0%程度 |
(3) 中長期的な会社の経営戦略
本年4月にスタートした第6次中期経営計画(平成29年4月~平成34年3月)では、計画期間を従来の3年から5年に伸ばして、当社グループのテーマである「グローバル・ロジスティクス・サービス・プロバイダー(GLSP)」として世界最高品質の物流企業への更なる進化を目指します。
第6次中期経営計画での主要な取り組みは以下のとおりです。
1.重点分野への投資加速
・自動車関連物流 ~自動車関連物流における日新ブランドの確立
・化学品・危険品物流 ~危険品施設の拡充と化学品・危険品物流のグローバルネットワーク構築
・食品物流 ~食品物流機能の拡充と食品物流のグローバル展開
2.国内事業の収益力向上
・物流施設の再編
・業務効率化の追求
・物流事業・旅行事業の連携強化
・AIを活用した提案型営業の推進
3.グループ経営基盤の強化
・ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底
・人材の確保と育成
・資金の効率化などの財務体質の強化
(4) 会社の対処すべき課題
当期における世界経済は、英国のEU離脱問題、米国新政権の発足、中国を含む新興国の成長鈍化の影響により先行きの不透明な状況が続いています。日本では、個人消費には力強さを欠いたものの、年度後半からの輸出の持ち直しなどから企業収益は底を打ち、雇用・所得情勢も改善傾向にあり、緩やかながらも回復基調が続いています。
このような状況下、海外事業では、経済成長が見込まれる中国・アジア・米州への経営資源の重点投入をはじめ、海外拠点の営業・管理体制の整備、グローバルIT対応力の向上などにより、海外事業基盤の強化を進め、海外現地法人の利益の増大を目指します。
国内事業においては、物流施設の再編や既存事業の再構築を図るとともに、業務や組織体制を見直すことで、業務の効率化、組織のスリム化を進め、収益力の向上に努めます。
これらを実現するためにグローバルベースで人材の確保・育成を進めてまいります。
当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものを想定しています。
本項には、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(平成29年6月26日)現在において、当社グループが判断したものです。
(1) 経済環境によるリスク
当社グループの主要事業である物流事業は、特に当社グループが得意とする自動車、電機・電子関連の取扱いにおいて、世界各国の経済状況の影響を受けやすく、各国の景気が停滞・低迷した場合、貨物取扱いが減少するなど、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 海外事業に関するリスク
当社グループの海外事業展開は、米州、欧州、アジア、中国など世界各国にわたっておりますが、これらの海外事業に関しては、政治変動やテロ・暴動、新型インフルエンザなど伝染性の高い疾病の発生等、不測の事態が生じた場合、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 為替レート変動によるリスク
当社グループは、米州、欧州、アジア、中国などで海外事業を展開しておりますが、為替レートが変動した場合、貨物取扱いの減少や、連結財務諸表の作成にあたり海外グループ会社の財務諸表等を円換算していることから、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 自然災害によるリスク
当社グループは、港湾部を中心に、倉庫、サイロ、埠頭施設などの物流基盤を有しております。地震、台風等自然災害の発生を想定し耐性を十分考慮の上建設しておりますが、万一、想定を超えるような自然災害が生じた場合、これら施設になんらかの損害が生じ、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 事故によるリスク
当社グループは、火災等の不測の事故の発生に備えて、倉庫などの保有施設等に対し保険を付しております。しかしながら、予測不可能な事故に起因する損害をすべて保険により填補できるとは限らないため、これらの被害の発生により当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 法令遵守にかかるリスク
国内においては、通関業法をはじめ港湾運送事業法、貨物自動車運送事業法等の物流および流通に関係するあらゆる法令、規則の対象となっていると同時に、国外においては進出先・輸出先国の法律・規則の対象にもなっております。常日頃より社員教育を通じ、法令遵守を徹底しておりますが、万一法令違反が生じた場合、制裁等により日常業務が制限されたり、課徴金が課せられることも想定され、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 情報漏洩によるリスク
当社グループは、物流および旅行業務などの受託に際し顧客などの情報を取扱っております。情報保護に関しては、その重要性を十分認識し、コンプライアンス・マニュアル等に基づき、情報管理の徹底に努めておりますが、情報の外部漏洩やデータ喪失などの事態が生じた場合、当社グループの社会的信用の低下を招くだけでなく、損害賠償請求を受ける可能性もあり、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 事業用資産の時価下落によるリスク
土地・建物等の時価下落や収益性低下等が生じた場合、固定資産の減損会計に伴い、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)退職給付債務の変動リスク
当社は、確定給付型の制度として、確定給付企業年金制度および退職一時金制度を設けておりますが退職給付債務の割引率および年金資産の運用実績等により数理計算上の差異が変動し、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載のとおりであります。
(3) 当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金の増加、株価の上昇に伴う投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末に比べ3,974百万円増加の112,413百万円となりました。
負債は、支払手形及び買掛金は増加しましたが、短期借入金の返済などにより、前連結会計年度末に比べ405百万円減少の57,285百万円となりました。
純資産は、為替換算調整勘定は減少しましたが、当期純利益の計上による利益剰余金の増加、株価の上昇に伴うその他有価証券評価差額金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ4,380百万円増加の55,128百万円となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
キャッシュ・フロー指標の状況
自己資本比率及び時価ベースの自己資本比率、債務償還年数、インタレスト・カバレッジ・レシオは次のとおりであります。
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平成27年3月期 |
平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
44.2 |
45.2 |
47.0 |
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時価ベースの自己資本比率(%) |
26.6 |
28.3 |
32.7 |
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債務償還年数(年) |
8.7 |
5.0 |
3.4 |
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インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
8.0 |
13.9 |
22.3 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
② 資金の流動性について
当社グループは、主要な連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、日本国内のグループ内資金を当社が一元管理しております。各グループ会社において創出したキャッシュ・フローを当社に集中することで資金の流動性を確保し、また、機動的かつ効率的にグループ内で配分することにより、金融負債の極小化を図っております。
③ 資金の調達
現在そして将来の営業活動及び債務の返済等の資金需要に備え十分な資金を確保するために、資金調達及び流動性の確保に努めております。必要な資金は、主に営業活動によって得られるキャッシュ・フローの他、金融機関等からの借り入れ及び社債発行によって調達しております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針
「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。