第2【事業の状況】

 当社グループ(当社及び連結子会社)の消費税等の会計処理は、税抜方式によっているためこの項の営業収入等の記載には、消費税等は含まれていない。

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1)経営方針

 当社は、グループ各社の連携を強化し、よりよい物流サービスの提供を行うため、平成29年度から平成31年度までの3年間を対象期間とする、東洋埠頭グループ中期経営計画を策定している。

 

①経営方針

「健全な姿で持続的に発展する企業集団を目指す」

ⅰ)国民経済を支えている物流を効率よく運営することによって、国民生活の安定に資する。

ⅱ)社会の発展に伴って変化していく得意先ニーズを的確に把握して、より満足していただける物流サービスを提供する。

ⅲ)株主、社員、得意先、関係先等、全てのステークホルダーにとって価値の高い企業集団となることを目指す。

ⅳ)法令を遵守し、安全の確保と地球環境の保全を図り、社会的責任を果たすことに努める。

 

②基本目標

ⅰ)営業の拡大

お客様ニーズの確実な把握と最適な物流提案を積極的に行う。

ⅱ)経営基盤の強化

組織、人材、施設、物流品質、IT等の強化を図る。

)社会的責任の向上

コンプライアンスを推進するとともに、ステークホルダーとの関係を強化する。

 

③連結計画数値

(単位:億円)

 

 

平成31年度計画

営業収入

360

営業利益

20

親会社株主に帰属する当期純利益

13

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

 日本経済は今後も緩やかな回復が期待されるものの、依然として先行き不透明な状況にある。物流業界においては、企業間の競争激化や人手不足によるコストの上昇等により、厳しい状況が継続することが予想される。

 このような経営環境の中、当社グループは総合物流企業集団として、お客様に満足度の高い物流サービスを提供するとともに、中長期的な観点から設備投資や業務改革を計画的に行ってゆく。そして、競争力のある企業体質を構築し、健全で持続的な成長により企業価値を高めてゆく。

 次期において、国内総合物流事業では、堅調な荷動きに加え、新しい施設の稼働や新規集荷の拡大により、コンテナ・石油化学品・危険品等の取扱い増加を見込んでいる。国際物流事業では、ロシア及びその周辺国での貨物の取扱い増加を見込んでいる。

 今後、当社グループが対処すべき課題とその取組みについては次のとおりである。

①営業の拡大

 国内総合物流事業では、物流拠点の再編・集約化、作業・保管・運送業務の効率化等、最適な物流提案を積極的に行い取扱数量の増加を図る。

 国際物流事業では、ロシアを中心とした周辺国での営業活動を強化し、取扱数量の増加を図ってゆく。また、ロシア、上海、バンコク等、当社グループの海外拠点間のネットワークを強化して、業務の拡大を図ってゆく。

②計画的な設備の拡充

 お客様に安心してご利用いただける、環境に配慮した新しい設備投資及び更新を計画的に行ってゆく。

 志布志支店では新倉庫が平成29年11月に竣工し、川崎支店ではばら積み貨物用のテント倉庫が平成30年3月に竣工した。次期において、大阪支店では危険品倉庫が5月に竣工し、博多支店では青果物加工センターの増設が平成31年1月に完了する予定である。

 また、東扇島支店での自然冷媒方式による冷却設備の更新、東扇島支店と志布志支店でのコンテナ貨物用の省エネ型荷役機器の増備、川崎支店でのばら積み貨物用大型クレーンの制御盤更新等を計画している。

 今後もBCPを含めて、計画的に設備の拡充と更新を図ってゆく。

③新規事業への挑戦

 物流用地の新規取得を図りながら、当社グループ全体の営業拠点の拡充や現有施設のさらなる活用を視野に入れ、新しい貨物の獲得、新しい事業モデルの構築に日々挑戦してゆく。

 また、お客様によりいっそう満足いただけるよう、当社グループの事業を中心としてその周辺サービスの提供にも取り組んでゆく。

④経営基盤の強化

 組織再編による体制強化と人材育成を推進してゆく。また、AI(人工知能)や自動化(機械やシステム)等の技術を活用し、お客様に輸送ルートの効率化や物流管理の省力化など物流コスト低減を実現する最適な物流サービスを提供することを目指す。

 抜本的な業務の標準化・効率化を実施するため、情報システムの再構築に向けて新たな業務システムの導入を進めてきたが、現段階で開発目標を達成する目途が立たないことから一旦中止することを平成30年3月28日開催の取締役会において決議した。

 情報システムについては、業務のさらなる標準化・効率化、業務情報の正確性向上等を図るため、内容を見直して再構築を進めてゆく。

⑤労働環境の整備

 物流業界での深刻な人材不足の状況に対応するため、積極的な求人活動を行うとともに、安全衛生活動の強化、労働時間短縮等の働き方の見直しを図り、人材の確保と安全で働きやすい職場環境作りを推進してゆく。

⑥社会的責任の向上

 コンプライアンスの推進、リスク管理体制の強化、内部監査の充実、地域社会への貢献等を図り、社会的責任の向上に努めてゆく。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。

 なお、将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものである。

① 事業環境の変動

 当社グループでは、経営基盤の安定、拡充を図るため、適時適切な設備投資を行い、且つ経営の多角化を図っている。しかし、景気変動、国際情勢の変動、IT技術等の進展による物流の変化、また、荷主企業の生産集約・物流合理化に伴う競争の激化等が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

② 物流施設の災害による被災

 当社グループの主たる事業においては、物流施設が重要な資産である。これらの施設は、東京、神奈川、大阪、福岡、茨城及び鹿児島等に立地している。これらの地域で大規模災害が発生した場合は、当社グループの物流施設に甚大な被害が発生し、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

③ 資金調達及び金利変動

 当社グループは、必要資金を主に金融機関からの借入れにより調達している。現在当社グループは、設備投資資金の調達や運転資金等の借換えに支障をきたす状況にはなく、借入金利も安定した状況にあるが、予想外の社会・経済変動により金融市場が逼迫し、資金の調達、金利面に急激な変化が生じた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。

④ 株価の変動

 当社グループの保有する時価のある株式は、当連結会計年度末現在、取得原価で29億1千4百万円、貸借対照表計上額(時価)で52億8千8百万円であり、評価差額は23億7千3百万円の評価益となっているが、今後の経済情勢または発行会社の経営状態の急激な変動等による株価の大幅な下落が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

⑤ 顧客等に対する信用リスク

 当社グループは、顧客及び関係先に対して営業未収入金・貸付金等の債権を保有すること等により信用を供与している。この債権の回収については、最大の注意を払い、必要に応じて督促・貨物の留置等の対策を講じているが、主要な顧客及び関係先が財務上の問題に直面した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

⑥ 固定資産の減損

 当社グループは、建物及び土地をはじめとする多額の固定資産を保有しており、今後の経済変動等による固定資産の時価下落、及び資産グループの収益力の低下等に伴い、減損損失が発生する可能性がある。

⑦ 繰延税金資産

 当社グループの当連結会計年度末における繰延税金資産の計上額は、評価性引当額(回収可能性がないと判断されたもの)を除き、14億9千8百万円である。今後、グループ各社の将来所得の発生見込額の減少等に伴い、多額の評価性引当額が発生する可能性がある。

⑧ 退職給付債務

 当社は、平成19年4月から退職一時金の一部を確定拠出年金に移行したが、その他の退職給付債務については、割引率、昇給率等の見積もり数値を用いて計算されており、その変動に伴い変動する。

 また、当社グループは、退職給付信託を設定しており、その信託財産は、主に信託設定時に当社が拠出した株式により占められている。このため、想定外の株価変動により発生する数理計算上の差異の費用処理等が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

⑨ 投資の減損等

 当社グループの保有する時価のない有価証券の当連結会計年度末における貸借対照表計上額は、4億2千万円であり、これらは発行会社の財政状態の悪化による実質価値の著しい低下に伴い、減損処理の対象となる可能性がある。

 また、当社グループの保有する非連結子会社及び関連会社株式の当連結会計年度末における貸借対照表計上額は5億6千1百万円である。これらの株式の帳簿価額は、当該子会社及び関連会社の経営成績または財政状態の悪化に伴い、減額の対象となる可能性がある。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概要は次のとおりである。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度の埠頭・倉庫業界は、日本経済の緩やかな拡大を背景に、荷動きは回復基調で推移したが、人手不足や電気料及び燃料費の上昇を背景としたコストの増加と同業者間の競争激化など厳しい経営環境が継続した。

 このような経営環境の中、当社グループでは、グループ各社の連携を一層強化し、営業拡大、経営基盤の強化、社会的責任の向上に取り組んできた。

 国内総合物流事業では、国内貨物や輸入貨物の取扱数量が増加し、保管残高も前期を上回った。また、国際物流事業では、ロシア経済が回復基調にあることと新規貨物を集荷したことにより取扱数量が増加した。この結果、営業収入、営業利益、経常利益とも前期を上回った。しかし、業務システム開発の中止に伴い、特別損失を4億3千1百万円計上したことにより、最終利益は前期を下回った。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなった。

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ14億6千2百万円増加し392億9千9百万円となった。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ5億4千4百万円増加し195億6百万円となった。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ9億1千7百万円増加し197億9千2百万円となった。

b.経営成績

 当連結会計年度の営業収入は334億6千1百万円(前期比18億7千4百万円、5.9%の増収)、営業利益は17億7千2百万円(前期比2億6百万円、13.2%の増益)、経常利益は18億9千6百万円(前期比1億5千2百万円、8.8%の増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億5千9百万円(前期比1億7千万円、15.1%の減益)となった。

 

 セグメントの経営成績は次のとおりである。

 *以下の営業収入及び営業利益は、セグメント間の取引を含んでいる。

 

○国内総合物流事業

 国内総合物流事業の営業収入は、307億9千5百万円、前期比4.2%の増収、営業利益は16億5千8百万円、前期比14.0%の増益となった。国内貨物、輸入貨物の取扱数量及び保管残高の増加により営業収入は前期を上回った。また、穀類加工用設備の能力増強、新倉庫の稼働等により営業利益は前期を大きく上回った。

 

≪倉庫業≫

 倉庫業の営業収入は、100億2千4百万円、前期比2.0%の増収となった。

 平均保管残高は、27万トン(前期26万トン)、入出庫数量は、369万トン(前期348万トン)であった。普通倉庫貨物は、石油化学品、大豆、輸入食品等が増加した。輸入青果物は、アボカド等が減少したが、収穫量が回復したバナナ、パイナップルは増加した。冷蔵倉庫貨物は、農産物が減少したが、畜産物、水産物は増加した。

 

≪港湾運送業≫

 港湾運送業の営業収入は、77億3千2百万円、前期比9.8%の増収となった。

 ばら積み貨物の取扱数量は、532万トン(前期488万トン)であった。石炭は減少したが、鹿島支店での穀物類が増加した。また、前期に引き続き川崎支店の残土は都市部の再開発工事が進み、取扱いが更に増加した。

 コンテナ取扱数量は、219千TEU(前期191千TEU)であった。川崎港での輸入雑貨が増加したほか、各港とも堅調に推移し取扱いが増加した。

 

≪自動車運送業≫

 自動車運送業の営業収入は、冷蔵貨物、飼料等の取扱いが増加したことにより59億5千4百万円、前期比5.4%の増収となった。

≪その他の業務≫

 その他の業務の営業収入は、70億8千4百万円、前期比0.7%の増収となった。工場構内作業は前期を下回ったものの、輸入貨物が堅調に推移したことにより通関などの収入が増加した。

 

○国際物流事業

 国際物流事業の営業収入は、29億8千5百万円、前期比27.4%の増収、営業利益は1億4百万円、前期比2.7%の増益となった。ロシア周辺国向け貨物の取扱いが増加した。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末より2億1千6百万円増加し、14億9千5百万円となった。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、災害損失の支払額がなかったこと等により、前連結会計年度に比べ8億9千5百万円増加し35億9千1百万円となった。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、17億6千6百万円の純支出となった。資産除去債務の履行による支出はなかったが、固定資産の取得による支出が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ1億6千7百万円純支出が増加した。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、16億6百万円の純支出となった。長期借入金の返済による支出が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ4億8千2百万円純支出が増加した。

 

③生産、受注及び販売の実績

 当社グループ(当社及び連結子会社)は、役務の提供を主体とする総合物流業者であり、生産、受注及び販売の実績を区分して把握することは困難であるため、これに代えてセグメント別業務別の営業収入及び取扱数量を記載している。

 

a.セグメント別業務別営業収入

当連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)

セグメント名

業務の名称

営業収入

金額(百万円)

前年同期比(%)

国内総合物流事業

倉庫業

10,024

102.0

港湾運送業

7,732

109.8

自動車運送業

5,954

105.4

その他の業務

7,084

100.7

30,795

104.2

国際物流事業

国際運送取扱業

2,985

127.4

合計

33,781

105.9

 (注) 上記の金額には、セグメント間の取引が含まれている。

 

b.セグメント別業務別取扱数量

○国内総合物流事業

1) 倉庫業

(イ)倉庫入出庫残高及び回転率

項目

期首残高

入庫

出庫

期末残高

回転率(%)

数量

(千トン)

数量

(千トン)

数量

(千トン)

数量

(千トン)

数量

倉庫

前連結会計年度

257

1,562

1,590

228

55.8

(平成28年4月1日~

平成29年3月31日)

当連結会計年度

228

1,713

1,679

262

57.5

(平成29年4月1日~

平成30年3月31日)

サイロ

前連結会計年度

23

167

162

27

45.8

(平成28年4月1日~

平成29年3月31日)

当連結会計年度

27

146

156

17

45.9

(平成29年4月1日~

平成30年3月31日)

 (注) 貨物回転率は貨物荷動きの状況を示すものであって、下記の算式によって算定される。

回転率=

年間入出庫高

×100

前月末残高及び当月末残高の年間累計

 

(ロ)倉庫品目別保管残高

品目

前連結会計年度

(平成29年3月31日現在)

当連結会計年度

(平成30年3月31日現在)

保管数量

保管数量

千トン

比率(%)

千トン

比率(%)

倉庫

 

 

 

 

農水産品

59

26.2

59

22.5

金属

6

2.9

5

1.9

金属製品・機械

3

1.4

4

1.6

窯業品

2

0.8

その他の化学工業品

57

25.1

84

32.1

紙・パルプ

36

16.1

35

13.4

食料工業品

12

5.6

20

7.7

雑工業品

1

0.6

1

0.7

雑品

50

22.1

50

19.3

228

100.0

262

100.0

サイロ

 

 

 

 

農水産品

22

79.5

12

69.9

雑品

5

20.5

5

30.1

27

100.0

17

100.0

 

2) 港湾運送業

(イ)一般貨物

作業別

前連結会計年度

(平成28年4月1日~平成29年3月31日)

当連結会計年度

(平成29年4月1日~平成30年3月31日)

搬入

 

 

本船揚(千トン)

1,763

1,917

艀揚(千トン)

11

0

車卸(千トン)

257

283

計(千トン)

2,032

2,202

搬出

 

 

本船積(千トン)

843

871

艀積(千トン)

車積(千トン)

617

625

計(千トン)

1,460

1,497

搬入、搬出を伴わない作業(千トン)

3,310

3,669

合計(千トン)

6,804

7,368

 

(ロ)コンテナ

作業別

前連結会計年度

(平成28年4月1日~平成29年3月31日)

当連結会計年度

(平成29年4月1日~平成30年3月31日)

取扱数量(TEU)

191,908

219,761

 (注) TEU:20フィートコンテナ換算

 

3) 自動車運送業

扱別

前連結会計年度

(平成28年4月1日~平成29年3月31日)

当連結会計年度

(平成29年4月1日~平成30年3月31日)

輸送数量(千トン)

1,671

1,702

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものである。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されている。

a.投資の減損

 当社グループは、長期的な資金の運用または長期的な取引関係の維持等のために、金融機関を含む取引先の株式等に対する投資を行っている。これらの投資には時価のある価格変動性の高い上場会社の株式と、時価の決定が困難な非上場会社の株式等が含まれており、当社グループはこれらの株式等の投資価値の低下が一時的でないものと判断した場合に減損処理を行うこととしている。当連結会計年度において計上した減損処理額はなく、当連結会計年度末において保有する上場会社の株式に係る未実現損失の額は僅少である。

b.固定資産の減価償却等

 当社グループの主な事業である埠頭業・倉庫業は施設に多額の投資を行う必要があり、有形固定資産及び無形固定資産の当連結会計年度末における帳簿価額は244億1千7百万円で総資産額の62.1%、営業収入の額の73.0%に相当している。当社グループは、平成10年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備を除く)並びに平成28年4月1日以降取得した建物附属設備及び構築物を除く有形固定資産の減価償却方法について定率法を採用し、投資資金の早期回収を図っている。当連結会計年度における減価償却費の計上額は14億8千2百万円であり、これは減価償却の対象となる固定資産の当連結会計年度末における帳簿価額の9.7%に相当している。

c.退職給付に係る会計処理

 当社グループは、退職給付費用及び債務の計算の前提となる割引率を、退職給付の支払見込期間を反映したAA格以上の普通社債の連結会計年度末における市場利回りを勘案して設定している。

 当社グループの数理計算上の差異の主な発生原因は、退職給付信託の設定に伴い当社が拠出した株式の想定外の価格変動及び割引率の変更によるものであり、その処理方法は発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(15年)による定額法によっている。当連結会計年度末における数理計算上の差異の未認識額は2億7千4百万円(借方残高)である。

 制度移行に伴う過去勤務費用の処理方法は、数理計算上の差異の処理方法に準じて、発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(15年)による定額法によることとしている。当連結会計年度末における過去勤務費用の未認識額は1千8百万円(貸方残高)である。

d.繰延税金資産

 当社グループの税効果会計の適用に際しては、グループ各社の所得の過去の発生状況及び将来の発生見込に基づくスケジューリングの結果等を勘案して繰延税金資産の回収可能性の判定を行っている。当社グループにおいては、スケジューリング不能のもの、所得の発生見込みに不確実性の存する一部の連結子会社に係るもの等を除き回収可能であると判断している。

 また、連結納税制度を採用しており、これに沿った会計処理を行っている。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

(資産)

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ14億6千2百万円増加し392億9千9百万円となった。流動資産は、現金及び預金や受取手形及び営業未収入金の増加に伴い、前連結会計年度末に比べ7億3千1百万円増加した。固定資産は、有形固定資産で建設仮勘定が増加したことや株価の上昇により投資有価証券が増加したこと等で、前連結会計年度末に比べ7億3千万円増加した。

(負債)

 負債は、前連結会計年度末に比べ5億4千4百万円増加し195億6百万円となった。借入金は長期短期合わせて12億円減少したが、未払法人税等や設備関係支払手形等が増加した。

(純資産)

 純資産は、前連結会計年度末に比べ9億1千7百万円増加し197億9千2百万円となった。利益剰余金が5億7千3百万円、その他有価証券評価差額金が3億1千4百万円増加した。

 この結果、自己資本比率は50.2%で前連結会計年度末比0.5ポイント上昇した。

2)経営成績

(イ) 営業収入

 当連結会計年度における営業収入は、334億6千1百万円(前連結会計年度対比18億7千4百万円の増収)となった。なおセグメント別営業収入の概要については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載している。

(ロ) 営業原価

 当連結会計年度における営業原価は、298億5千8百万円(前連結会計年度対比15億9千1百万円の増加)となった。この結果、営業原価の営業収入に対する比率は89.2%となり、前連結会計年度の89.5%と比較して0.3ポイント低下した。

(ハ) 販売費及び一般管理費

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、18億3千万円(前連結会計年度対比7千6百万円の増加)となった。

(ニ) 営業外損益

 当連結会計年度における営業外収益は、3億2千2百万円(前連結会計年度対比6千8百万円の減少)となった。

 営業外費用は1億9千8百万円(前連結会計年度対比1千4百万円の減少)となった。

 金融収支は前連結会計年度より2千5百万円改善し、赤字額は僅少となった。

(ホ) 特別損益

 当連結会計年度における特別利益は、固定資産売却益6百万円を計上した。一方、特別損失は、減損損失2億5百万円、業務システム開発中止に伴う損失引当金繰入額2億2千5百万円、固定資産除却損5千3百万円を計上した。

3)キャッシュ・フローの状況

 当社グループの当連会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、災害損失の支払額がなかったこと等により、前連結会計年度に比べ8億9千5百万円増加し、35億9千1百万円となった。なお当連結会計年度における投資活動・財務活動によるキャッシュ・フローの概要については「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載している。

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」及び「d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載している。

c.資本の財源及び資金の流動性

1)資本構成

 当社グループの当連結会計年度末における資本構成はその他の包括利益累計額を含めた自己資本が197億1千万円(前連結会計年度末対比8億9千9百万円の増加)で総資産に対する比率は50.2%、借入金が106億1千3百万円(前連結会計年度末比12億円の減少)同27.0%となっており、前連結会計年度末と比較して自己資本比率が0.5ポイント上昇し、借入金の比率は4.2ポイント低下している。自己資本比率の上昇は、利益剰余金の増加等による自己資本の増加率が、総資産の増加率を上回ったことによるものである。また、総資産借入金比率の低下は、借入金残高が減少したことと、環境配慮型の更新投資実施に伴う有形固定資産の建設仮勘定の増加や株価の上昇による投資有価証券の増加等に伴い総資産が増加したことによるものである。

2)資金の流動性

 当社グループの当連結会計年度末における流動比率は58.4%で、前連結会計年度末における56.0%と比べ2.4%上昇した。

 当連結会計年度の売上債権の平均滞留期間は1.4ヶ月で前連結会計年度と変わりなく、回収はおおむね順調であった。

3)財政政策

 当社グループは現在、運転資金及び設備資金を内部資金及び借入により調達している。運転資金の借入については、当社が一括して金融機関等から短期借入により調達し、関係会社の資金需要に応じて貸し付ける方法をとっている。設備資金については、金融収支の安定性を重視し金融機関から主に長期固定金利の借入(変動金利による借入を金利スワップにより実質固定金利に変換する場合を含む)により調達している。

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の課題等を達成するための客観的な指標として、平成31年度計画を以下のとおり掲げている。

 

(単位:億円)

 

平成31年度計画

営業収入

360

営業利益

20

親会社に帰属する当期純利益

13

 

 当該指標に対し、当連結会計年度の期首時点での連結業績予想では、営業収入330億円、営業利益16億円、親会社株主に帰属する当期純利益11億円を見込んでいた。

 当連結会計年度の埠頭・倉庫業界は、日本経済の緩やかな拡大を背景に、荷動きは回復基調で推移したが、人手不足や電気料及び燃料費の上昇を背景としたコストの増加と同業者間の競争激化など厳しい経営環境が継続した。

 このような経営環境の中、当社グループでは、グループ各社の連携を一層強化し、営業拡大、経営基盤の強化、社会的責任の向上に取り組んできた。

 国内総合物流事業では、国内貨物や輸入貨物の取扱数量が増加し、保管残高も前期を上回った。また、国際物流事業では、ロシア経済が回復基調にあることと新規貨物を集荷したことにより取扱数量が増加した。この結果、営業収入、営業利益とも見込みを上回った。しかし、業務システム開発の中止に伴い、特別損失を4億3千1百万円計上したことにより、最終利益は見込を下回った。

 次期については、中期経営計画の達成に向けて当社グループは総合物流企業集団として、お客様に満足度の高い物流サービスを提供するとともに、中長期的な観点から設備投資や業務改革を計画的に行ってゆく。そして、競争力のある企業体質を構築し、健全で持続的な成長により企業価値を高めてゆく。

e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」及び「d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載している。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項なし。

5【研究開発活動】

 該当事項なし。