(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「人を大切にすることを基本理念とし、お客様にとってなくてはならない存在としての山九を築きます。そして、社業の発展を通じて社員の福祉向上並びに社会の発展に貢献します。」とする経営理念のもと、各事業分野における豊富な実績と、技術・技能に裏付けられた質の高いサービスを提供することにより、お客様・株主・従業員・社会(地域)から信頼を獲得し、世の中から選ばれる企業であり続ける事を目指してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、「中期経営計画2020」(2017~2020)において、「営業利益率5.0%以上」「D/Eレシオ0.6以下」の維持を目標に掲げ、筋肉質な収益体質を構築し持続的な成長を図るとともに安定した財務体質を維持してまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
企業を取巻く経営環境は、国内における少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や将来的な国内需要の縮小、海外においては政治的・地政学的リスクの増大など、国内外ともに先行きは依然として不透明な状況にあります。
当社グループにおいては、これらの状況を踏まえ、更なる競争力強化のために「筋肉質な収益体質を構築すること」、またお客様のグローバルサプライチェーンに貢献するために一層の「グローバル化を推進すること」を中長期的な課題と捉えております。中期経営計画においては以下の4点に重点を置き、「将来にわたってお客様から選ばれる企業であり続ける」ための諸施策を強力に推進してまいります。
① 収益力向上
国内外の各部門において費目別の原価率管理を徹底すること、また、新工法の開発や省人化・機械化等による生産性向上を図ることにより、マーケットにおいて「勝てる原価作り」を推進してまいります。構内作業に代表されるように、いつもお客様のそばに寄り添って事業を営んでいる強みを活かし、お客様のニーズを見極め、適正な価格でご満足いただけるサービスを提供してまいります。
物流事業における国内外の倉庫や、機工事業における大型クレーン、ユニットドーリなど、戦略的に行っている設備投資に関しては、その機能を十分に活かした高付加価値なサービスを提供することで、投資の早期回収を図っていくとともに、不採算作業の高収益作業への転換・切替えを推進し、グループ全体で収益力の向上に努めてまいります。
② 人財強化
当社グループが提供している物流事業、機工事業のサービスは、「人」が生み出す力であり、人財の確保・育成は最も重要な課題と認識しております。日本国内においては、既に人手不足の問題が顕在化しており、当社グループ全体で計画的に必要な人財を採用し、その教育に力を注いでまいります。これまで脈々と培ってきた技術・技能・ノウハウを伝承し現場力を強化することで、更に高品質なサービスを提供してまいります。
特に機工事業の工事やメンテナンスにおいては、必要なときに必要な人財を組織的に供給することができる「動員力」が当社グループの強みであり、関係会社を含めた当社グループと、各事業における協力会社との連携をより強固なものとし、全国において要員の流動化を図りながら、動員力の維持・拡大に努めてまいります。また海外においては、各地域におけるパートナーを選定し、戦略的提携・協業、資本提携を含めた選択肢の中で基盤の強化を図り、グローバルな動員体制を整えてまいります。
③ 事業拡大
長期ビジョンにおいてコア事業に掲げている、「プラント・エンジニアリング(機工)」、「オペレーション・サポート(工場構内サービス)」、「ロジスティクス(物流)」、3事業がそれぞれが強みを磨くとともに各事業が連携し、工場建設から構内における操業・メンテナンス、原材料や製品の物流まで、ワンストップのサービスを提供することができる「山九のユニーク」を武器として新しい事業領域にも進出し、グローバルに事業を拡大していくことを目指しております。
プラント・エンジニアリング事業においては、EPCに重量物輸送のT(Transport)を加えた独自のEPTCビジネスモデルを武器に、お客様のFS(事業性検証)段階から参画することにより海外プロジェクト案件を確実に獲得してまいります。メンテナンスにおいては、3PM(一括メンテナンス)のサービスを更に進化させ、お客様の上流工程に対応できる技術力を磨き、海外メジャーのお客様への参入を目指してまいります。また、鉄鋼・化学業界に次ぐ第3の柱として、電力・エネルギー業界へ注力してまいります。
オペレーション・サポート事業においては、お客様のアウトソーシングニーズが一段と高まる中、操業・物流ならびに設備保全の作業全般について、計画的に要員を確保した上で教育のための拠点を整備し、お客様の要求に応えることのできる体制を構築してまいります。国内の各製鉄所におけるコークス炉更新工事については、「コークス炉の山九」としての地位を確立し、シリーズでの継続受注を目指してまいります。また、海外において需要が高まっている化学プラントのメンテナンスについては、日本で培ったノウハウを海外に展開できるよう、日本と海外現地法人の連携を強化し海外での事業拡大を図ってまいります。
ロジスティクス事業においては、自由貿易の拡大に対応すべく、グローバルネットワークを活かしたフォワーディング事業の更なる拡大に注力し、日本と各現地法人において確実に輸出入作業を獲得することで国際物流事業を拡大してまいります。物流システムを基盤とした合理化・省力化を推進し、組織的な営業活動を強化することで、お客様のグローバルサプライチェーンマネージメントに貢献するための積極的な提案営業を行ってまいります。
④ 基盤強化
当社グループのすべての事業の基盤となる、「安全・品質・コンプライアンス」文化の浸透を図ってまいります。グローバルに事業が拡大する中で、山九品質を世界に浸透させるとともに、グループガバナンス体制を強化し、グローバルなリスク管理を徹底してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 海外事業
当社グループは、東南アジア、東アジア、米欧州、中東の各地域に現地法人等の拠点を設け積極的な事業展開を行っております。したがって、各地域において経済状況の変化・景気の後退、為替レートの変動、予期し難い法律・規制の変更、政治の混乱、テロ・戦争等による治安の悪化が生じた場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 特定業界・特定取引先への依存
当社グループは、鉄鋼および石油精製・石油化学業界のお客様に関わる事業が大きなウエイトを占めております。したがって、これらの業界動向とともに、お客様の合理化要請等が当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 事業免許・法的規制
当社グループは、物流事業にあっては貨物運送、貨物取扱い、港湾運送、倉庫、通関等に関わる各種事業免許、機工事業にあっても、建設、産業廃棄物処理等に関わる各種事業免許と付帯する各種規制に従って事業を行っております。これら各種事業免許の保持および規制のクリアーは、事業推進の武器でありますが、予測し難い免許基準の変更、規制緩和等は競合他社の増加、価格競争の激化を通じて当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 重大災害、事故等
当社グループは、主要なお客様であります鉄鋼および石油精製・石油化学業界各社の事業所および国内・海外の各地域において作業請負、プラント建設工事等を行っており、その作業を行うにあたっては安全を最重要事項と認識しております。作業遂行過程等において事故または災害等が発生いたしますと、お客様に対する損害賠償、被災者に対する補償金等の負担だけでなく、当社グループの社会的信用が低下することにより当社グループの事業活動が制限される可能性があります。したがって、これらの安全の問題は、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 金利変動
当社グループは、運転資金および設備投資資金の多くを借入金によっているため、有利子負債の圧縮を進めるとともに将来の金利変動によるリスク回避を目的として固定金利借入や金利スワップ取引を行っております。近年、低金利の状態が続いており、売上高に占める支払利息の比率は低くなっておりますが、今後の金利変動は当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 退職給付債務
当社グループの従業員に係る退職給付債務額は、一部簡便法によるものを除き割引率、退職率等数理計算上で設定される基礎率等の前提条件に基づき算出されております。その前提条件による算出額と実際の結果が異なった場合、前提条件に変更が生じた場合、または年金資産の時価に変動があった場合、その影響額は将来の一定期間にわたって処理することになります。
(7) 繰延税金資産
繰延税金資産は、将来の課税所得の予測・仮定に基づき回収可能性があるものについて計上しております。したがって、実際の結果が予測・仮定とは異なる場合、また、法令の改正等があった場合には、繰延税金資産の金額が変動する可能性があります。
(8) 保有株式等の価値変動
当社グループが保有している株式等が証券市場における市況等により変動した場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度の世界経済は、米中貿易摩擦による不透明感から、中国では停滞局面が続いており、米国は昨年半ば以降、設備投資や輸出に弱さが見られるものの、個人消費を中心に景気は底堅く推移しました。一方、国内経済でも生産、輸出とも年明け以降弱含みで推移しており、景気の回復は力強さに欠けるものとなりました。
このような経済情勢の下、当社連結グループの物流事業分野では、グローバルネットワークを活かした国際物流貨物や大型プロジェクト輸送の受注拡大と既存作業の収益力向上を進めており、機工事業分野では、SDM(大型定期修理工事)・製造基盤整備工事を中心に工事量拡大を図りながら工程効率化による原価率改善ならびに動員力の強化を進めてまいりました。
その結果、当連結会計年度における売上高は5,725億16百万円と前連結会計年度に比べ7.6%の増収となりました。また、利益面においては、営業利益が392億47百万円と24.3%の増益となり、経常利益は391億84百万円と25.9%、親会社株主に帰属する当期純利益は274億70百万円と41.6%のそれぞれ増益となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
①物流事業
港湾事業では、新規航路を含む主要船社のコンテナ取扱量が好調に推移したことに加え、この取扱量が臨港地区の倉庫作業にも繋がり増収となりました。国際物流事業では、海外におけるプロジェクト輸送や自動車部品物流が堅調に推移し、海外向けの設備輸出作業の増加もあり、取扱いが拡大しました。3PL事業では、店舗向け配送作業の増加に加え、消費材や化成品の取扱量が増加しました。構内事業では、東南アジアでの作業量増加や中東における新規構内操業等が順調に収益を拡大し、物流事業全体で増収増益となりました。
売上高は2,891億81百万円と前連結会計年度と比べ5.4%の増収、セグメント利益(営業利益)は101億21百万円と5.4%の増益となりました。
なお、当連結会計年度の売上高に占める割合は50.5%であります。
②機工事業
設備工事では、電力・環境関連工事や大型橋梁架設工事等の完成に加え、構内を中心とした設備の更新・改良・解体工事等が好調に推移しました。保全作業では、今年度は石油・石化構内設備のSDMがメジャー年であり、前期マイナー年と比較した工事量の増加に加え、追加・周辺付帯工事等の獲得による拡大が進みました。海外では、SDMが増加したことに加え、設備関連の製造ライン追加・付帯工事獲得等により、機工事業全体では増収増益となりました。
売上高は2,578億93百万円と前連結会計年度と比べ10.6%の増収、セグメント利益(営業利益)は272億17百万円と33.8%の増益となりました。
なお、当連結会計年度の売上高に占める割合は45.1%であります。
③その他
SDMの増加に伴う機材賃貸ならびに交通インフラの整備・補修作業の増加に加え、製作工場作業における施工管理の強化・コスト改善等により増収増益となりました。
売上高は254億41百万円と前連結会計年度と比べ4.7%の増収、セグメント利益(営業利益)は17億2百万円と16.8%の増益となりました。
なお、当連結会計年度の売上高に占める割合は4.4%であります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ73億53百万円増加し、当連結会計年度末残高は356億53百万円となりました。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動による資金の増加額は、495億87百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、法人税等の支払額および未払消費税の支出額が減少したことに加え、債権流動化の実行額を増加させたこと等により、資金の収入は268億27百万円増加しました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動による資金の減少額は、98億12百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、固定資産の取得による支出が増加した一方、有価証券および固定資産の売却による収入も増加したこと等により、資金の支出は9億22百万円減少しました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動による資金の減少額は、317億57百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、国内無担保普通社債を償還したこと、長期借入金の調達がなかったこと等により、資金の支出は215億44百万円増加しました。
①資産
当連結会計年度末における総資産は4,095億13百万円であり、前連結会計年度末に比べ75億2百万円増加しました。この増加の主な要因は、作業量の増加による現金及び預金、ならびに受取手形及び売掛金の増加等によるものです。
②負債
当連結会計年度末における負債の部は2,111億57百万円であり、前連結会計年度末に比べ86億40百万円減少しました。この減少の主な要因は、社債の償還、ならびに借入金の返済等によるものです。
③純資産
当連結会計年度末における純資産の部は、1,983億55百万円であり、前連結会計年度末に比べ161億43百万円増加しました。この増加の主な要因は、利益剰余金の増加とその他有価証券評価差額金および為替換算調整勘定の減少との差等によるものです。
その結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末を3.4ポイント上回る47.9%、D/Eレシオについては前連結会計年度末を0.14下回る0.20倍となっております。
当社連結グループが営んでおります事業では生産実績を定義することは困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1. 当社連結グループの事業では、「販売実績」という定義は実態にそぐわないため、各事業の売上実績を記載しております。
2. 主な相手先別の売上実績および当該売上実績の総売上実績に対する割合
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4. 「新日鐵住金㈱」は2019年4月1日付で「日本製鉄㈱」へ商号変更しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
①売上高
当連結会計年度の売上高は5,725億16百万円と前連結会計年度に比べ7.6%の増収となりました。
物流事業の売上高は、2,891億81百万円と前連結会計年度に比べ5.4%の増収となりました。
港湾事業では、新規航路を含む主要船社のコンテナ取扱量が好調に推移したことに加え、この取扱量が臨港地区の倉庫作業にも繋がり増収となりました。国際物流事業では、海外におけるプロジェクト輸送や自動車部品物流が堅調に推移し、海外向けの設備輸出作業の増加もあり、取扱いが拡大しました。3PL事業では、店舗向け配送作業の増加に加え、消費財や化成品の取扱量が増加しました。構内事業では、東南アジアでの作業量増加や中東における新規構内操業等が順調に拡大し、グループ全体で増収となりました。
機工事業の売上高は、2,578億93百万円と前連結会計年度に比べ10.6%の増収となりました。
設備工事では、電力・環境関連工事や大型橋梁架設工事等の完成に加え、構内を中心とした設備の更新・改良・解体工事等が好調に推移しました。保全作業では、今年度は石油・石化構内整備のSDMがメジャー年であり、前期マイナー年と比較した工事量の増加に加え追加・周辺付帯工事等の獲得による拡大が進みました。海外ではSDMが増加したことに加え、設備関連の製造ライン追加・付帯工事獲得により、グループ全体で増収となりました。
その他の売上高は、254億41百万円と前連結会計年度に比べ4.7%の増収となりました。
SDMの増加に伴う機材賃貸ならびに交通インフラの整備・補修作業の増加により増収となりました。
②売上原価・販売費及び一般管理費
売上原価は、5,123億80百万円と前連結会計年度に比べ321億90百万円増加し、売上高に対する売上原価の比率は0.8ポイント低下し、89.5%となっております。
物流事業では既存作業の収益力向上、機工事業では工程効率化等により、グループ全体の原価率を改善いたしました。
販売費及び一般管理費は、208億89百万円と前連結会計年度に比べ7億3百万円増加しております。これは、主として海外事業拡大に伴う要員等の費用増が影響しております。
③営業利益
営業利益は、売上高の増収効果ならびに原価率低減施策等により、392億47百万円と前連結会計年度に比べ76億66百万円の増益、増益率は24.3%となりました。
営業利益率は6.9%と前連結会計年度の5.9%から1.0ポイント上昇しております。
④営業外収益・営業外費用
営業外収益は、受取利息・受取配当金10億24百万円、持分法による投資利益69百万円等、総額で25億51百万円を計上しております。
営業外費用は、支払利息5億38百万円、為替差損9億80百万円等、総額で26億14百万円を計上しております。
⑤経常利益
経常利益は、営業利益の増加等により391億84百万円と前連結会計年度に比べ80億59百万円の増益、増益率は25.9%となりました。
経常利益率は6.8%と前連結会計年度の5.9%から0.9ポイント上昇しております。
⑥特別利益・特別損失
特別利益は、当連結会計年度においては投資有価証券売却益14億43百万円を計上しております。
特別損失は、当連結会計年度においては該当はありません。
⑦法人税等
当連結会計年度の法人税等の計上額は、126億24百万円で法人税等の負担率は31.1%となっております。当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ、法人税等の負担率が3.4ポイント低下しております。
⑧非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、主として海外子会社の非支配株主に帰属する損益からなり、当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益は5億33百万円を計上しております。
⑨親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、274億70百万円と前連結会計年度に比べ80億68百万円の増益、増益率は41.6%となりました。
その結果、1株当たりの当期純利益金額は、前連結会計年度に比べ133.39円増加し、454.02円となっております。
当期の連結業績につきましては、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益で過去最高を更新いたしました。これは、お客様のグローバルニーズに柔軟に対応し、「中期経営計画2020」で掲げた4つの中心戦略である「収益力向上」・「人財強化」・「事業拡大」・「基盤強化」についての諸施策が一定の効果を上げたものと評価しております。
(2) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社連結グループの主な資金需要は、事業運営に必要な労務費、外注費、材料費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用、さらには当社連結グループの設備新設、改修等に係る投資であります。
また上記以外にも、当社連結グループの企業価値向上の観点において、効果的なM&Aや、AI・IoT等の最新技術を用いた作業の効率化、新しいビジネスモデルの構築のための成長投資の検討も行っております。
これらの必要資金は、まずは営業活動によるキャッシュ・フローと自己資金にて賄い、必要に応じて、適正な範囲内での金融機関からの借入および社債発行等による資金調達にて対応することとしております。
現金及び現金同等物を含む手許の資金流動性につきましては、可能な限り圧縮し資金効率の向上に努めております。一方、急激な金融環境の変化や突発的な資金需要への備えとして、迅速かつ機動的に資金調達ができる融資枠400億円のコミットメントライン契約(契約期間3年)を金融機関と締結しております。
当連結会計年度につきましては、好調な業績を背景とした営業収入の増加に加え、前連結会計年度と比較して投資支出が減少したこと等により、フリーキャッシュフローは397億74百万円と、前連結会計年度から277億50百万円増加しました。この潤沢なフリーキャッシュフローを財源にして、国内無担保普通社債の償還を含む有利子負債の圧縮を行った結果、当連結会計年度末における有利子負債残高(リース債務除く)は399億91百万円と、前連結会計年度末から203億39百万円減少、D/Eレシオは0.20倍と、前連結会計年度末から0.14改善いたしました。
なお、キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照ください。
(3) 財政状態
当社連結グループは、中長期的な重要経営戦略の1つとして「収益力向上」を掲げており、その一環として「資産の圧縮と効率化」に取り組んでおります。事業の選択と集中を実施し、フリーキャッシュフローの有効活用を進める過程で、不稼動・低稼働資産の集約・売却等による資産圧縮を行い、3PLや3PM(一括メンテナンス)の高度化、新興国関連注力事業への投資の集中を図っております。
また、負債の部に関しては、資金調達手段の多様化を図るとともに、引き続き有利子負債の圧縮を課題として認識し、その実現に向けた施策を継続的に進めております。
①流動資産
当連結会計年度末における流動資産は2,047億93百万円であり、前連結会計年度末に比べ105億42百万円、5.4%増加しました。主な要因は、作業量の増加による現金及び預金、ならびに受取手形及び売掛金の増加等によるものです。
②固定資産
当連結会計年度末における固定資産は2,047億19百万円であり、前連結会計年度末に比べ30億40百万円、1.5%減少しました。主な要因は、時価下落による投資有価証券の減少等によるものです。
③流動負債
当連結会計年度末における流動負債は1,386億34百万円であり、前連結会計年度末に比べ14億38百万円、1.0%減少しました。主な要因は、未払法人税等および未払消費税の増加と1年内に償還期日が到来する社債の減少との差等によるものです。
④固定負債
当連結会計年度末における固定負債は725億22百万円であり、前連結会計年度末に比べ72億2百万円、9.0%減少しました。主な要因は、長期借入金の減少等によるものです。
⑤純資産
当連結会計年度末における純資産は1,983億55百万円であり、前連結会計年度末に比べ161億43百万円、8.9%増加しました。主な要因は、利益剰余金の増加とその他有価証券評価差額金および為替換算調整勘定の減少との差等によるものです。
当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末を3.4ポイント上回る47.9%となっております。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はありません。
特記すべき事項はありません。