第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

当第1四半期連結累計期間における世界経済は、ワクチン接種等による防疫と経済の両立が進む一方、ウクライナ情勢により回復ペースは緩やかなものになると共に、引き続き不透明な状況が続きました。米国では、設備投資・個人消費がプラス成長を維持しており、インフレ上昇に歯止めがかかっていませんが、雇用・所得環境の改善により総じて堅調を維持しました。中国では、ゼロコロナ政策下の経済活動の抑制から成長減速が継続しています。新興国でも、ワクチンの段階的普及に伴いコロナとの共生が進みつつあり、成長回復が見られます。国内経済では、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の進展により感染者数が抑制され、活動制限の緩和により個人消費は回復の兆しが見られたものの、ウクライナ情勢を受けた資源価格の上昇による物価高や為替相場における急激な円安等の影響もあり、先行き不透明な状況が続いております。

このような経済情勢の下、当第1四半期連結累計期間における売上高は1,417億17百万円前年同四半期比3.5%の増収、利益面においては営業利益が88億76百万円5.6%の増益、経常利益が100億21百万円15.0%の増益、親会社株主に帰属する四半期純利益が60億62百万円9.6%の増益となりました。

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。

① 物流事業

港湾国際事業では、国内の海上コンテナ取扱いの増加やこれに伴うヤード内作業・保管作業が増加となりました。国際物流では、昨年度完工した東南アジアでのプロジェクト案件の剥落はあるものの、国内外での海上・航空貨物の輸出入取扱い増に加え、中国ではドレー作業等が好調に推移しました。3PL一般事業では、中国・東南アジアでの自動車部品・消費財等の輸送・保管作業等が堅調に推移しました。構内では、国内での作業で一部客先への業務移管があり作業量が減少となったのに加え、海外で装置の不具合による緊急対応に伴う先行コストがありました。

以上の結果、物流事業全体の売上高は744億14百万円前年同四半期比7.2%の増収セグメント利益(営業利益)は24億53百万円前年同四半期比18.0%の減益となりました。

なお、当第1四半期連結累計期間の売上高に占める割合は52.5%であります。

 

② 機工事業

設備工事では、昨年度完工した化学プラント建設工事や重量物輸送での風力関連の建設工事等の剥落があったものの、メンテナンスでは国内SDM(大型定期修理工事)の工事や検査工事が増加となりました。

以上の結果、機工事業全体の売上高は614億29百万円前年同四半期比0.2%の増収セグメント利益(営業利益)は60億35百万円前年同四半期比20.3%の増益となりました。

なお、当第1四半期連結累計期間の売上高に占める割合は43.4%であります。

 

③ その他

各関連工事への機材・資材貸出ではコストの抑制により利益は増加しました。

以上の結果、その他の事業全体の売上高は58億73百万円前年同四半期比4.6%の減収セグメント利益(営業利益)は3億12百万円前年同四半期比4.6%の増益となりました。 

なお、当第1四半期連結累計期間の売上高に占める割合は4.1%であります。

 

(2) 財政状態の分析

① 流動資産

当第1四半期連結会計期間末における流動資産は2,594億94百万円であり、前連結会計年度末に比べ209億51百万円、8.8%増加しました。主な要因は、季節資金等の支払を目的とした、コマーシャル・ペーパーの発行に伴う現金及び預金の増加、および受取手形、売掛金及び契約資産の増加等によるものです。

 

② 固定資産

当第1四半期連結会計期間末における固定資産は2,258億23百万円であり、前連結会計年度末に比べ18億98百万円、0.8%増加しました。主な要因は、設備投資による有形固定資産の増加等によるものです。

 

③ 流動負債

当第1四半期連結会計期間末における流動負債は1,555億46百万円であり、前連結会計年度末に比べ147億49百万円、10.5%増加しました。主な要因は、季節資金等の支払を目的としたコマーシャル・ペーパーの発行等によるものです。

 

④ 固定負債

当第1四半期連結会計期間末における固定負債は744億12百万円であり、前連結会計年度末に比べ14億66百万円、2.0%増加しました。主な要因は、リース負債の増加等によるものです。

 

⑤ 純資産

当第1四半期連結会計期間末における純資産は2,553億58百万円であり、前連結会計年度末に比べ66億33百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金および為替換算調整勘定の増加等によるものです。

当第1四半期連結会計期間末の自己資本比率は、前連結会計年度末を1.2ポイント下回る52.0%となっております。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

① サステナビリティ基本方針とマテリアリティ

当社グループは、当第1四半期連結累計期間においてサステナビリティ基本方針を制定いたしました。経営理念に込められていた精神を具体的に明示することで、企業と社会が共に持続可能な発展を遂げるための取組みを推し進めることを狙いとしています。

 

山九グループのサステナビリティ基本方針

 山九グループは創業以来、経営理念に込められた精神を受け継ぎ、社会要請に応じて事業形態を変化させ、社会の発展と共に歩んでまいりました。これからも経営理念に基づき、事業活動を通じて、環境問題を含む社会課題の解決に貢献し、企業と社会が共に持続的に発展していくことを目指します。

 

 山九グループの「経営理念」は、サステナビリティと深く結びついています。

 1.「人を大切にすることを基本理念とする」

    誰もが安心して働き、山九グループに関わる全ての人々が幸せに暮らせる未来を目指します。
 2.「お客様にとってなくてはならない存在となる」

    環境の変化に対応し、社会の要請に応じたサービスを提供することで、世の中から選ばれ続ける企業

    を目指します。

 3.「社業の発展を通じて、社会の発展に貢献する」

    グローバルに展開する事業活動を通して、社会の発展に貢献することを目指します。

 

 

 

 

また、当社グループの事業における重要度とステークホルダーにおける重要度で社会課題を評価し、マテリアリティを特定しました。特定した16のマテリアリティを6つのテーマに整理し、テーマ毎に対応方針を定め、取り組みを推進してまいります。

テーマ

マテリアリティ

対応方針

関連するSDGs

E

環境保全

気候変動への対応

「地球環境は全人類にとってかけがえのないものである」との共通認識に立ち、事業活動に伴う環境負荷の低減を積極的に推進します。


資源循環

S

働きがいのある職場づくり

働きがいのある職場環境づくり

「人を大切にする」という経営理念のもと、ワークライフバランスを推進し、多様な人財が一人ひとりの能力を高め、誇りを持って意欲的に働くことができる環境づくりに取組みます。


人財育成

ダイバーシティ

労働安全衛生の向上

サービスの安全・品質の担保

「安全を全てにおいて優先する」という強い決意のもと、安全を全ての事業の根幹として技術・技能を磨き、サービス品質の向上に努めます。社会要請に応じたサービスを提供することで、事業の発展を目指します。


サービスの安全・品質の担保

社会変化に対応した価値提供

情報セキュリティの担保

革新技術を活用したサービスの提供

地域社会への貢献

人権尊重および地域社会への貢献

「社業の発展を通じて社会の発展に貢献する」という経営理念に込められた精神のもと、地域社会と共に持続可能な成長を目指します。


G

経営基盤の強化

ガバナンス体制の確保

適切なガバナンス体制の構築によりリスク管理を行い、経営の透明性を確保して公平公正な事業活動を行うことで、ステークホルダーから信頼される企業であることを目指します。


リスク管理の徹底

ステークホルダーとの対話

事業活動の情報開示

コンプライアンス

コンプライアンスの徹底

企業倫理ならびに、法令および社内で取り決めたルールを遵守し、国際社会の一員として社会良識をもって行動します。


 

 

② 気候変動への対応

当社グループは、気候変動は重要な経営課題の一つと捉え、気候変動が与える2030年までのリスクと機会を定量的・定性的の両面から評価を実施し、気温が1.5℃(環境保全シナリオ)と4.0℃(成行シナリオ)上昇することを想定としたシナリオを用いて財務影響の評価と対応策を検討しております。複数のシナリオから対応策を検討することで、環境変化・社会情勢に応じた臨機応変な対応が出来るよう検討しております。

また、気候変動の原因となる温室効果ガス(特に影響の大きいCO2)について、中長期的な目標を設定し削減に向けた取り組みを推進し、2050年までに、CO2排出削減目標である実質ゼロを目指して活動していきます。

 (CO2排出量の削減目標)
   ・2030年度目標:42%削減(2020年度比)
   ・2050年度目標:実質ゼロ(2020年度比)
   ※対象はスコープ1と2、範囲は山九単体および国内連結子会社とする。

 

[ シナリオ分析、リスクと機会の評価 ]

 

 

 

中分類

小分類

 

 

移行

リスク

政策・

法規制

炭素価格

リスク

各国政府の炭素税の導入により、コスト負担分をサービス料金に転嫁しきれずに利益率が低下

主な対応策

・CO2排出量削減取り組みの推進

評判

金融機関・

投資家・

社職員の行動変化

リスク

グリーン戦略の実行・管理可能な体制整備の遅れ及び役職員の行動変容が伴わずに戦略推進の停滞により売上・利益が低下、市場評価も低下

主な対応策

・施策推進機能の構築
・評価制度導入

市場

顧客の

行動変化

リスク

機工・物流領域における脱炭素施策の取り組み遅れにより、顧客から選ばれず、既存売上が減少

主な対応策

・脱炭素施策の推進

顧客の

市場規模

縮小

リスク

主要顧客の環境コスト負担が大きく、海外メーカーとの製造コスト差が発生し、日本の生産量及びサプライチェーンが縮小、既存売上が減少

主な対応策

・海外のプラントにおける事業展開の強化

設備寿命の

延伸

リスク

サーキュラーエコノミーの加速で、顧客の設備寿命延長の取り組みが進み、保全に係る既存売上が減少

主な対応策

・新技術による予知保全領域への事業拡大

顧客の製造

プロセス変化

リスク

主要顧客のCO2削減対応設備の採用や循環型原料への代替など、脱炭素への対応が進むことにより、既存領域での作業が減少、売上が減少

主な対応策

・各種のCO2削減対応設備および非石油原料プラント技術に関する対応の強化

機会

新たな製造技術が進むことにより、老朽化設備の解体工事や、設備新設工事が増え、工事参画により売上機会を獲得

主な対応策

・工事対応力の強化

代替エネルギーインフラへの要請

機会

水素・アンモニアのサプライチェーン形成に伴い、製造プラントや燃料を利用する発電所・製造業等の事業機会に参画することで新たな売上機会を獲得

主な対応策

・水素・アンモニア設備に関する事業参画

廃棄物リサイクルへの要請

機会

化学製品/鉄/非鉄の領域において、商流・物流・情報流のエコシステムへの参画により、新たな売上機会を獲得

主な対応策

・静脈物流網構築、エコシステムへの参画

再エネ発電普及

機会

再エネ事業(太陽光、風力、水力等)の施工体制の整備、工法等のノウハウ習得による売上機会の獲得

主な対応策

・再エネ事業対応力の強化

 

 

 

中分類

小分類

 

 

物理的

リスク

急性

リスク

自然災害

の頻発

リスク

気候変動により引き起こされる将来の海面上昇に伴う台風豪雨発生時の被害甚大化により、倉庫移転のリスクや機材等の修繕コスト増加

主な対応策

・浸水対策等自然災害に対する対応強化

慢性

リスク

平均気温

の上昇

リスク

ヒートストレス対策コストの増加、ヒートストレスによる労働生産性の悪化により利益率が低下

主な対応策

・労働環境の整備

 

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社連結グループが対処すべき課題について、重要な変更および新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

特記すべき事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等は行われておりません。