第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社企業グループが判断したものであります。

 

(1)会社経営の基本方針

 当社企業グループの事業基盤である新潟は、国際港湾や国際空港、高速道路網といった多様な交通インフラを備えた対岸諸国の玄関口として優れた拠点性を有しているだけでなく、農業分野でも今後大きな可能性を秘めております。当社企業グループは、こうした新潟の優位性を活かしながら地域社会に貢献し、グローバルな企業を目指しております。

 さらに当社企業グループは、全体の総合的価値を高めながら安定的な発展を遂げるため「統一された意思を持った強い企業集団」となるべく、以下の「リンコーグループ経営理念」を定めております。

「リンコーグループ経営理念」

① 顧客・株主・社員とその家族・地域社会に信頼され、その全ての人々に貢献する企業集団を目指します。

② 新潟を基盤とした事業展開を図りつつも、常に視野を世界に拡げグローバル化を意識し、進取の精神でビジネスに挑戦します。

③ 総合物流事業、ホテル事業、不動産事業、各種販売代理店業及び環境事業を通じて、安全かつホスピタリティーの精神に基づき様々なサービスを社会に提供するとともに各事業分野に於いて地域NO.1企業を目指します。

④ 効率的な経営とコスト競争力のある企業体質を保持しつつ、常に良質なサービスを提供し続けることによって安定した成長を目指します。

 

(2)会社の経営戦略

 当社は、「コンテナ貨物関連の事業強化」「港湾荷役作業・運搬事業の作業効率の向上とコスト削減」「社有資産の有効活用の推進」「人材確保・育成」等を主な方針とする「中期経営計画(2022年度~2024年度)」を2021年10月に策定いたしました。さらに、港湾荷役を中心としたインフラ機能の維持等、ESGを意識した事業運営を行うとともに、企業価値の向上の実現に取組んで参ります。詳細は、次の(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題をご参照願います。

 

(3)経営環境

 新型コロナウイルス感染症の影響による世界的なサプライチェーンの混乱による一部部材の供給不足や原材料価格の上昇が経済活動の足枷となりましたが、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進んだ結果、全体的には個人消費、企業の設備投資が回復し、先行き不透明感は残るものの日本経済は徐々に回復の動きが見られます。そのような状況の中、運輸部門においては、前連結会計年度でコロナ禍の影響を受け需要が低下していた素材原料の一部の荷動きに回復傾向が見られます。

 ホテル事業部門では、2021年4月に株式会社ホテル大佐渡の全株式を譲渡いたしました。また、株式会社ホテル新潟では、コロナ禍の影響により厳しい事業環境が続いておりますが、当ホテル内の感染防止対策の徹底を継続し、安心・快適に当ホテルをご利用いただけるように、様々な企画、サービスの提供に取組んでおります。このようにコロナ禍での同事業への影響を最小限にとどめ、業績回復に努めておりますが、当面、ホテル事業部門が当社企業グループに大きな影響を与えるものと認識しております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上、財務上の課題

 当社企業グループは、「リンコーグループ経営理念」、「リンコーグループ行動規範」のもと、顧客・株主・社員とその家族・地域社会に信頼され、その全ての人々に貢献するため、社会的な規範と法令順守の浸透を図り、コーポレートガバナンスの充実により経営の透明性を目指し、持続的な成長と安定的な発展を実現して参ります。

 さらに、企業の長期的な成長のため、ESG(E:環境、S:社会、G:企業統治)を意識した事業運営を行い、企業価値向上につながる以下の課題に取組んで参ります。

 

① 収益基盤の安定・向上の取組み

 当社企業グループの中核である運輸部門におきましては、厳しい事業環境の中でも収益を確保することが喫緊の課題であると認識しております。その中で、当社企業グループの運輸部門の事業基盤強化の一環として、2022年2月に当社は横浜港を事業拠点とする連結子会社の株式会社ワイ・エス・トレーディングを吸収合併いたしました。本合併により、新潟港と京浜港のコンテナ物流事業の連携強化と拡大を図って参ります。また、同年4月には、運輸系連結子会社2社間による合併(丸肥運送倉庫株式会社が新光港運株式会社を吸収合併)を行い、新たにリンコー港運倉庫株式会社となりました。これにより、新潟港における荷役作業の更なる作業効率の向上、倉庫・運搬体制の増強を図り、当社企業グループのシナジー効果を発揮して、収益力の安定と向上に取組んで参ります。

 ホテル事業部門におきましては、依然、新型コロナウイルスによる影響を受け、厳しい経営環境が続いておりますが、感染拡大防止策を徹底し、各種キャンペーンの企画、高品質なサービスの提供により宿泊やレストランの集客の他、宴会場の利用拡大につながる提案等、受注増の取組みを継続して参ります。

 

② 人材の確保、育成の取組み

 少子高齢化が進む中、次世代を担う人材の確保・育成は、今後の事業継続の上で重要課題の一つとして認識しております。特に当社企業グループの現場で必要な技能・資格を持った人材の確保は重要であり、中途採用も継続して参ります。また、人事諸制度の見直しを図り、職位階層別の教育、作業技能の習得、各種資格の取得等、社員教育を計画的に実施し、人材育成に継続的に取組んで参ります。

 

③ 職場環境の整備と安全衛生の取組み

 当社企業グループにおきましては、現場作業における労働災害の撲滅と健康に配慮した職場環境の実現は経営の要と認識しております。労災ゼロを目指して、安全教育の徹底により、安全な職場環境の構築と維持に継続して取組み、さらに、働きやすい職場環境の維持の他、育児等を理由とした在宅勤務、女性社員が活躍できる職場環境の拡大に努めて参ります。

 

④ 財務基盤の安定に向けた取組み

 当社企業グループでは、安定した財務基盤の構築に向けて取組んでおりますが、当期における連結の借入金残高は110億円となり、前連結会計年度比で10億円減少いたしました。

 今後も財務基盤の安定維持のため、経営資源を最大限活かして、利益を安定して生み出し、内部留保の増加による自己資本の充実を図ります。また、グループ全体の効率的な運転資金の一元管理を継続し、営業活動から稼得するキャッシュ・フローを勘案して適切な規模の資金調達を行い、借入金残高の抑制を図ります。

 

⑤ コンプライアンス・内部統制強化の取組み

 当社企業グループでは、コンプライアンス意識を高く持ち、社員が業務に当たることが重要であると認識しております。

 社員に対するコンプライアンス研修を定期的に実施するとともに、法令違反や企業倫理違反、ハラスメントを早期に発見するため、啓蒙活動の他、内部通報制度に関する社内体制の強化も行っております。また、適切な業務遂行のため、内部監査の指摘事項に対応した内部統制の強化策を実施し、その内部統制の運用が各部署で適正に行われているか確認して、グループ全体でリスク管理を遂行しております。

 

⑥ 環境保全への取組み

 環境保全への取組みは、当社企業グループの重要な経営課題と捉えており、SDGs(持続可能な開発目標)のなかの大きな柱である「環境保護」の取組みにもつながると認識しております。

 当社企業グループでは、海洋環境の保全及び近隣住民に配慮した港湾荷役作業の実施、輸送車両のアイドリングストップ、倉庫内の電動フォークリフトの使用等により環境負荷の低減に努めております。また、木材リサイクル事業を通じた廃材資源の利活用も継続して取組み、環境保全に配慮した事業活動を推進して参ります。ホテル事業部門では、「プラスチックストローの使用廃止」「食べ残しゼロ」等に取組み、環境保護・エネルギー消費の削減に取組んでおります。さらに、新潟県が表明しているカーボンニュートラルに関する各種協議会等に参加し脱炭素社会の実現に向け協力して参ります。

 

⑦ 事業資産の有効活用の取組み

 当社企業グループの資産については、現状の用途にとらわれず、事業の効率化や新たな事業につながる利用方法を継続して検討して参ります。

 臨港埠頭地区全体の有効活用は、当社企業グループにおきまして重要課題として認識しております。新潟港の目指すべき将来像とその実現のため、臨港地区がどのような役割を担うことが可能か、関係機関と連携を図りながら臨港地区の将来構想を策定して参ります。

 また、当社が保有している政策保有株式の縮減にも積極的に取組んで参ります。

 

2【事業等のリスク】

 当社企業グループにおける財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。ただし、現時点で予見出来ない不確実なリスク等により影響を受ける可能性があります。

 

① 労働災害に関わるリスク

 当社企業グループは、現場作業が伴う事業が多いため、不測の重大な労働災害が発生した場合、顧客の信頼や社会的評価が低下するだけでなく、事故等に伴う補償等に対応しなければならないことから、当社企業グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 このような重大な労働災害の発生を未然に防止する取組みを最重要課題として位置付けており、作業前ミーティングによる危険予知の確認、些細な事故でも事故対策会議を開催し、危険要素を取り除き、大規模な労災事故を未然に防ぐ取組みを行っております。また定期的に安全衛生委員会を開催し、労働災害の原因及び再発防止策の確認、職場環境の改善、社員の健康管理に取組んでおります。

 

② 人材の確保・育成に関わるリスク

 当社企業グループの各事業は労働集約型のものが多く、運輸部門では港湾地域などの現場作業やトラック輸送を担う人材、機械販売部門は整備作業を担う人材、さらにホテル事業部門でも接客、調理を担う人材などにより支えられております。

 一方、少子高齢化に伴う労働力不足は日本が直面している課題のひとつですが、特に地方にとっては大きな課題であります。このような厳しい労働市場の中、相応しい人材を継続的に採用することが困難になる場合、既存事業における売上確保や事業の推進に支障が出るなど、当社企業グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社企業グループにおいては、若年層の定着率向上のため働きやすい職場環境の整備や専門技能を持つ人材の通年の中途採用の実施などによる人材確保のほか、職位階層別の教育、運輸部門の現場作業、機械販売部門の機械整備の技術習得のための計画的な教育にも取組んでおります。さらに港湾地区以外でも港湾荷役の現場経験を活かして従業員の多様な働き方が可能となる職場の確保に取組んで参ります。

 

③ 事業環境に関わるリスク

 当社企業グループの主力事業である運輸部門は、新潟港を拠点にして、国際物流の一部を担う港湾運送事業を営んでおり、国内外の経済環境や顧客企業の物流戦略の変更、為替の変動、エネルギー価格の上昇、地政学的リスクの影響、さらに、今後の少子高齢化の進行に伴う新潟県の人口減少による地元経済の規模縮小等、様々なリスクに晒されております。また、上記等の事業環境の変化から、新潟港を利用している取引先の大規模な生産調整・休業リスクもあります。このようなリスクにより、当社企業グループが取扱う貨物量が相当減少する場合には、運輸部門の収益が急減し、当社企業グループの財政状態、経営成績に悪影響を与える可能性があります。ホテル事業部門においても、新型コロナウイルスの感染拡大が収束後、お客様の意識が変わり、従来と同様のホテルの利用頻度、規模の水準まで回復しない可能性があります。

 当社企業グループでは、新潟港を最大限に活かすため、拡充した倉庫機能を活かした物流改善提案、港湾荷役の長年の実績とノウハウを活かした特殊貨物の取りこみ、事業環境に応じて港湾荷役、倉庫作業、トラック輸送の効率的な運営体制を連携して構築し、既存顧客の維持・取引拡充と新規貨物の獲得を図って参ります。またIT活用による業務改善、作業時間の軽減につながる荷役方法の見直しなどにより高品質の物流サービスを提供することで、収益力の安定・強化を図り、事業環境の変化に対応できるように取組んで参ります。さらに、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上、財務上の課題」において記載したように、横浜港を拠点としていた子会社を当社が吸収合併し、当社の横浜営業所とし、新潟港と京浜港のコンテナ物流事業の連携強化と拡大を図って参ります。加えて、運輸系子会社2社同士の合併で設立した新会社を中心にして、新潟港の荷役作業の更なる作業効率の向上、倉庫・運搬体制の増強を図って参ります。

 ホテル事業部門も、新型コロナウイルスが収束後、お客様の行動様式とニーズの変化を的確に捉え、ホテルのご利用の機会が増える効果的な対策を講じて参ります。

 

 

④ 自然災害に関わるリスク

 当社企業グループの運輸部門の事業を行う臨港埠頭や新潟東港周辺において大規模な自然災害が発生し、港湾施設に甚大な被害が発生した場合には、当社企業グループの事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。また自然災害による風評被害により、ホテル事業部門に悪影響が及ぶ可能性もあります。

 風水害、強風、地震などの自然災害に備えるため、作業現場で危険が予想される場合の早期退避行動、各現場での防災備品の備蓄、避難訓練など日々の取組みを実施しております。また、危機管理委員会を設け、迅速に対応できる危機管理体制の整備、管理に努めております。

 

⑤ 新型コロナウイルス感染症の拡大に関わるリスク

 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、ワクチンの職域接種など社員の感染防止対策を継続しております。また、社会的に重要なインフラのひとつである港湾機能を維持する運輸部門では、海外との玄関口である港湾区域で、外航船の船内や沿岸で社員が作業を行う際、寄港する船舶の状況を事前に把握し、作業前の感染予防策を徹底しております。しかし、新型コロナウイルスの感染を完全に防ぐことは困難であり、社内で感染が拡大した場合には、事業を安全適切に遂行できず、当社企業グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、ホテル事業部門では感染防止対策を万全にしてサービスを提供する体制を整え、お客様に安心してホテルをご利用していただけるように取組んでおります。しかし、ホテル内にクラスター感染が発生した場合、ホテルスタッフの隔離措置によりホテルサービスの提供が困難となり、当事業部門の運営に大きな影響が及ぶ可能性があります。

 

⑥ 固定資産の減損に関わるリスク

 当社企業グループは、運輸部門では港湾施設、倉庫・上屋、不動産部門では賃貸用不動産、機械販売部門やホテル事業部門でも大規模な事業用施設を保有しております。

 これらの固定資産については「固定資産の減損に係る会計基準」を適用し、当該固定資産から得られる将来キャッシュ・フローによって資産の帳簿価額を回収できるか検証しており、減損処理が必要な資産については適正に減損損失を計上しております。しかし、経営環境の変化等に伴い、将来キャッシュ・フローの見込額が減少した場合、減損損失の金額によっては、当社企業グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対応については、減損リスクを意識した上で、当社企業グループ全体で資産効率を上げる利用方法の検討と実施により、固定資産の収益性を高めてキャッシュ・フローの増大に繋げて参ります。

 なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響は、2023年3月期の一定期間は継続するものの、その後、段階的に弱まるとの仮定に基づき、固定資産の減損判定を行っておりますが、感染拡大の影響が想定よりも長引く場合には、見積り将来キャッシュ・フローが低下し、固定資産の減損損失の見積りに影響を与える可能性があります。

 

⑦ 資金調達に関わるリスク

 当社は、現在及び将来の事業活動のために必要な資金と債務の返済に備えるため、営業活動から稼得するキャッシュ・フローと金融機関からの借入等により資金を調達しておりますが、金融市場や経済情勢の急激な変動や、当社の財政状態の悪化等により、金融機関の融資姿勢が変化した場合、当社が必要な資金を必要な時期に適切な条件で調達出来ず、資金調達の制限や調達コストが増加する可能性があります。

 当該リスクへの対応については、当社企業グループの運転資金を親会社が一元管理し、資金の過不足を調整するなど資金管理を的確に行うと共に、営業キャッシュ・フローを安定、増大させる取組みを継続し、財務体質の改善に取組むことで、安定した資金調達を実現できるように取組んで参ります。

 なお、現在、新型コロナウイルス感染拡大による運転資金の調達の影響は出ておりませんが、今後の事業環境により、資金調達に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 金利の変動に関わるリスク

 当社企業グループは有利子負債を有しており、その金利は、日銀による金融政策の効果により低位に安定的に推移しておりますが、日銀の金融政策の変更や日本の財政再建の道筋に対する信認が低下するような場合には、国内金利の上昇により支払利息の負担が高まるため、当社企業グループの業績や財政状態が悪化する可能性があります。

 当該リスクへの対応については、営業キャッシュ・フローの安定・増大の継続による有利子負債の削減、的確な資金管理と調達により支払利息の削減に取組み、リスク低減に繋げて参ります。

 

 

⑨ 投資有価証券の評価損に関わるリスク

 当社企業グループが保有している投資有価証券は、株式市況により時価の変動が大きい場合、減損処理を行う必要があり、当社企業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当該投資有価証券は、政策保有目的のものであり、その銘柄は当社企業グループの事業活動に必要な取引先であります。今後も当社と当該取引先の双方の事業発展につながるように関係をより一層深め、一方で、事業の発展につながらないと判断される取引先の株式は売却による縮減を進めることで、万が一、評価損が発生した場合でもその影響が低減されるように取組んで参ります。

 

⑩ 繰延税金資産の取崩しに関わるリスク

 当社企業グループは、将来の課税所得の見積りや会計と税務の一時差異が解消される時期を基準に繰延税金資産の回収可能性を検討しておりますが、収益性の低下に伴い、将来において十分な課税所得が確保できないと判断された場合、繰延税金資産を取崩し、多額の税金費用(法人税等調整額)が発生することになり、当社企業グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクの対応については、主力である運輸部門を中心にコスト削減に取り組むとともに、既存顧客の維持・取扱拡充と新規貨物の獲得のための方策を着実にすすめ、収益力の安定化を図り、課税所得の確保につなげて参ります。

 なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響は、2023年3月期の一定期間は継続するものの、その後、段階的に弱まるとの仮定に基づき、将来の課税所得の見積りを行っておりますが、感染拡大の影響が想定よりも長引く場合には、将来の課税所得の見積りに影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概況

 当連結会計年度における当社企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。

 これに伴い、当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比較して大きく減少しております。

 そのため、当連結会計年度における経営成績に関する説明は、売上高については前連結会計年度と比較しての増減額及び前連結会計年度比(%)を記載せずに説明しております。

 詳細は、「1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

 当連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進み、社会経済活動に一部持ち直しの動きが見られたものの、新たな変異株の感染拡大、部材不足や資源高、さらにウクライナ情勢などにより先行き不透明な状況が続きました。

 このような状況の下、当社企業グループの主要な事業拠点であります新潟港においては、貨物取扱量は前連結会計年度比で増加し、当社企業グループの主力である運輸部門の貨物取扱量も同様に増加いたしました。また、ホテル事業部門では、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、ホテルの新たな利用機会を増やす取組みを継続した結果、前連結会計年度比で業績の回復は見られたものの、依然として厳しい状況が続きました。

 この結果、当連結会計年度の当社企業グループの売上高は126億9千4百万円、営業利益は1億2千4百万円(前連結会計年度は5億2千5百万円の損失)、経常利益は3億7千6百万円(前連結会計年度は3億8百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億5千5百万円(前連結会計年度は15億6千5百万円の損失)となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。

 

 

(運輸部門)

 当社運輸部門と運輸系子会社を合わせた同部門の当連結会計年度の貨物取扱数量は、前連結会計年度比8.3%増加の559万7千トンとなりました。そのうち一般貨物については、前連結会計年度においてコロナ禍の影響を受け需要が低下していた主要貨物である素材原料の一部の荷動きが回復したことなどにより前連結会計年度比で13.5%増加し、コンテナ貨物も前連結会計年度比で5.4%増加しました。この結果、同部門の売上高は100億5千1百万円となりました。また、経費面においては外注費の抑制と労務コスト削減を中心に取り組んだ結果、1億2千1百万円のセグメント利益(前連結会計年度は1億9千7百万円の損失)となりました。

 

(不動産部門)

 商品土地の販売が進んだ一方で、大口の不動産賃貸契約終了の影響もあり、売上高は3億5千6百万円、セグメント利益は1億8千6百万円(前連結会計年度比3.8%の減益)となりました。

 

(機械販売部門)

 大型建設機械の販売件数は前連結会計年度比で減少しましたが、自動車や荷役機械に関わる部品販売、整備、修理が堅調に推移しました。この結果、同部門の売上高は6億5千9百万円、セグメント利益は4百万円(前連結会計年度比55.6%の増益)となりました。

 

(ホテル事業部門)

 新型コロナウイルス感染症の影響が続いた中、ホテル内の感染対策を徹底し、宿泊部門においては、前連結会計年度比で宿泊人数が増加し、宴会部門も、小人数の宴会の受注や飲食を伴わない宴会場の利用の促進に努めました。レストラン部門は、テイクアウトやクリスマス・正月商品の販売を強化いたしました。この結果、同部門の売上高は12億6千4百万円、セグメント損失は2億7千3百万円(前連結会計年度は5億8千1百万円の損失)となりました。

 なお、前連結会計年度においてホテル事業部門に属しておりました株式会社ホテル大佐渡につきましては、同社株式の譲渡に伴い、当連結会計年度の期首より連結から除外しております。

 

(その他事業部門)

 産業廃棄物の処理業については、木材の廃材受入が増加したことにより堅調に推移いたしました。保険代理店業を合わせたその他事業部門の売上高は3億3千7百万円、セグメント利益は7千4百万円(前連結会計年度比139.0%の増益)となりました。

 

(その他)

 建設資材販売のうち、セメント系商品を納入する工事案件が前連結会計年度比で減少した結果、同部門の売上高は8千6百万円、セグメント利益は9百万円(前連結会計年度比61.1%の減益)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フローが9億4千3百万円の収入超過、投資活動によるキャッシュ・フローが7千万円の収入超過、財務活動によるキャッシュ・フローが12億3千万円の支出超過となったことにより、前連結会計年度末に比べて2億1千6百万円減少し、3億9千3百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 税金等調整前当期純利益、減価償却費などの非資金項目のほか、助成金の受領額等の資金の増加要因が、売上債権の増加額等の資金の減少要因を上回ったことにより、9億4千3百万円の収入超過(前連結会計年度比37.6%の増加)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資有価証券の売却による収入1億2千8百万円、関係会社株式の売却による収入4千9百万円、有形固定資産の取得による支出8千7百万円等により、7千万円の収入超過(前連結会計年度は2億3千3百万円の支出超過)となりました。

 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 短期及び長期の借入金の純減額10億8千9百万円、リース債務の返済による支出1億4千万円等により、12億3千万円の支出超過(前連結会計年度は2億8千万円の支出超過)となりました。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

 

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

自己資本比率(%)

39.8

39.3

37.5

41.5

時価ベースの自己資本比率(%)

14.5

16.6

17.4

13.0

債務償還年数(年)

7.3

14.1

18.4

12.1

インタレスト・カバレッジ・レシオ

17.6

10.6

8.2

12.0

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

(注)1 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式を除く期末発行済株式数により算出しております。

3 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

③ 財政状態の状況

 当連結会計年度末における総資産は366億8千6百万円となり、前連結会計年度比0.1%、4千万円減少しました。資産の減少の主な要因は、流動資産が7千9百万円増加した一方、固定資産が1億1千9百万円減少したことによるものであります。

 負債純資産の減少の主な要因は、純資産が14億6千7百万円増加した一方、負債合計が15億7百万円減少したことによるものであります。

 

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は42億3百万円となり、前連結会計年度比1.9%、7千9百万円増加しました。この増加の主な要因は、現金及び預金の減少2億1千6百万円、受取手形、営業未収入金及び契約資産の増加2億5千6百万円などであります。

 

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産の残高は324億8千3百万円となり、前連結会計年度比0.4%、1億1千9百万円減少しました。この減少の主な要因は、償却資産の減価償却が進んだことによる有形固定資産の減少6億4千8百万円、投資有価証券の時価評価等による増加5億7千1百万円などであります。

 

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は78億4千万円となり、前連結会計年度比0.1%、9百万円増加しました。この増加の主な要因は、支払手形及び営業未払金の増加2千4百万円、電子記録債務の増加9千2百万円、短期借入金の減少5千万円、リース債務の減少2千1百万円、その他の減少2千6百万円などであります。

 

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債の残高は136億2千2百万円となり、前連結会計年度比10.0%、15億1千7百万円減少しました。この減少の主な要因は、長期借入金の減少10億3千9百万円、退職給付に係る負債の減少4億5千7百万円などであります。

 

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の残高は152億2千3百万円となり、前連結会計年度比10.7%、14億6千7百万円増加しました。これは親会社株主に帰属する当期純利益4億5千5百万円、連結子会社の連結除外に伴う利益剰余金の増加4億7千3百万円、投資有価証券の時価評価などによるその他有価証券評価差額金の増加4億6千2百万円などが主な要因であります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

 当社企業グループは受注生産形態をとらない業種のため、生産実績及び受注実績は記載しておりません。なお、販売実績については「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に含めて記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(経営成績の状況)

 当社企業グループの当連結会計年度の経営成績等の概要は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 当連結会計年度における売上高は、126億9千4百万円となりました。セグメント部門別では、運輸部門の外部顧客への売上高が、主要荷主の貨物の取扱数量が回復したことが主な要因となり、100億4千8百万円となりました。

 販売費及び一般管理費は、11億9千6百万円(前連結会計年度比9千万円、7.0%の減少)となりました。人件費、修繕費等の減少が主な要因であります。

 営業利益は1億2千4百万円(前連結会計年度は5億2千5百万円の営業損失)となりました。セグメント部門別では、前連結会計年度にセグメント損失であった運輸部門が1億2千1百万円のセグメント利益となり、それ以外の部門もホテル事業部門を除いて、前連結会計年度同様、セグメント利益を確保いたしました。

 経常利益は3億7千6百万円(前連結会計年度は3億8百万円の営業損失)となりました。営業外収益では、政府の助成金収入が、前連結会計年度比で増加しました。また営業外費用の支払利息は7千9百万円となり、前連結会計年度比で減少しております。

 特別利益では、投資有価証券や子会社株式の売却益として8千6百万円を計上しており、特別損失では、大きな損失項目はございませんでした。また、法人税等の税金面では、前連結会計年度に当社において繰延税金資産の取崩しを行ったことにより税金費用が増えましたが、当連結会計年度はそれがなくなり税金負担額も減少しました。

 この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は4億5千5百万円(前連結会計年度は15億6千5百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 各セグメントの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

[運輸部門]

 同部門の中心拠点である新潟港の荷動きは、中国や東南アジアを中心とした諸外国の経済状況、新潟県内に工場を持つ企業の生産活動、小売業者の事業活動や消費者動向、さらに同港に寄港する船会社の再編、スケジュール等に影響されます。また、物流業界では、トラックの運転手不足が課題になっており、今後、運送会社の休廃業が増えることも予想され、同部門でも荷役・輸送体制の維持が課題と認識しております。

 このような事業環境のもと、同部門の外部顧客への売上高は100億4千8百万円、セグメント利益は1億2千1百万円(前連結会計年度は1億9千7百万円の損失)となりました。

 当連結会計年度は、世界的な海上コンテナの不足や海上運賃、燃料費の高止まりが継続しましたが、前期に新型コロナウイルス感染症の影響を受け、低調であった一般貨物の素材原料の荷動きが一部で回復し、コンテナ貨物も前期比で増加いたしました。また同部門では、新潟港での港湾荷役のノウハウや一般・危険品倉庫等の倉庫群を活かし、港湾荷役と倉庫保管が結び付く貨物や重量物など特殊貨物の取込みを図って参りました。また、現場作業の内製化、トラック輸送の自社便の増加等も推進して参りました。

 今後も、世界的に海上コンテナの不足や海上運賃の高止まりが続くことが予想され、新潟港でもコンテナ貨物への影響が懸念されます。また、ロシアに対する経済制裁の影響にも注視する必要があります。

 

 

 そういった中、同部門の収益基盤の安定・強化のため、優先して取り組む課題については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上、財務上の課題」に記載しましたように、2022年2月に当社が横浜港を拠点とする子会社を吸収合併し、新潟港と京浜港のコンテナ物流事業の連携強化と拡大を図って参ります。また、同年4月の運輸系子会社2社同士の合併により、新潟港の荷役作業の更なる作業効率の向上、倉庫・運搬体制の増強を図って参ります。さらに港湾荷役にこだわらず運輸部門の長年のノウハウを活用した物流改善を提案し、地域貢献と同時に既存顧客の維持・取扱拡充と新規貨物の獲得に取組みます。

 

[不動産部門]

 同部門では、当社が保有する不動産の賃貸収入や当社保有の不動産の販売が主な収入源となります。

 同部門の外部顧客への売上高は3億3千7百万円、セグメント利益は1億8千6百万円(前連結会計年度比7百万円、3.8%の減益)となりました。

 当連結会計年度は、商品土地の販売を促進しましたが、賃貸不動産の大口契約が終了した影響もあり減収減益となりました。

 同部門では、当社が保有する不動産の有効活用を継続し、売却を含めて収益確保を図って参ります。また保有する賃貸物件については適切な修繕、維持管理を行い、安定収益確保に努めて参ります。さらに、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上、財務上の課題」に記載しましたように、当社企業グループの既存の固定資産について、現状の用途にとらわれず、潜在的な収益力を掘り起こす利用方法の見直しの検討をすすめ、連結全体の資産の有効活用にも取組んで参ります。

 

[機械販売部門]

 同部門は、建設機械の販売・整備、自動車整備が事業の中心であり、ゼネコン業者や土木建設業者の事業活動が同部門の収益に影響を及ぼします。

 同部門の外部顧客への売上高は6億2千6百万円、セグメント利益は4百万円(前連結会計年度比1百万円、55.6%の増益)となりました。

 当連結会計年度は、大型建設機械の販売が伸び悩んだものの、部品販売、整備・修理作業に注力いたしました。今後もお客様の保有する建設機械の稼働状況と新機種の入替ニーズを的確に把握し、販売の成約に繋げると同時に、継続して整備作業の稼働率向上に努めて、収支改善を図って参ります。

 

[ホテル事業部門]

 同部門の外部顧客への売上高は12億5千9百万円、セグメント損失は2億7千3百万円(前連結会計年度は5億8千1百万円の損失)となりました。

 同部門は、前期と同様に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止による影響を受け、宿泊、レストラン部門では個人客に回復の兆しが見られましたが、宴会部門は、飲食を伴う宴会の自粛が続いており、厳しい事業環境が続いております。

 この厳しい事業環境において、2021年4月に当社が所有する株式会社ホテル大佐渡の全株式を譲渡し、同社を連結から除外しております。また、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上、財務上の課題」に記載しましたように、お客様に安心してご利用していただくため徹底した感染防止策を継続し、宿泊、宴会、レストランの各種キャンペーンの企画や高品質のサービスを提供し、ホテル商品のテイクアウト、デリバリーサービスなど外販強化、さらに政府による観光需要喚起キャンペーンが実施された場合のビジネスチャンスを最大限活かし、同事業を早期に正常に戻せるように取組んで参ります。

 

[その他事業部門]

 同部門には、保険代理店業、産業廃棄物の処理業が含まれ、特に木材リサイクルでは、家屋の解体などで発生する廃材の受入数量が収支に影響を及ぼします。同部門では、特に木材リサイクルにおいて、廃材受入の数量が増加し、保険代理店業も堅調に推移し、同部門の外部顧客への売上高は3億3千7百万円、セグメント利益は7千4百万円(前連結会計年度比4千3百万円、139.0%の増益)となりました。

 リサイクル事業は、廃材資源の利活用の事業でもあり、環境保全に配慮した社会貢献につながる事業として推進して参ります。

 

 

[その他]

 建設資材、その他に荷役商品など扱う商品販売が含まれます。特に建設資材は、ゼネコン業者の工事案件の動向、住宅着工件数が収支に影響を及ぼします。

 当連結会計年度は、建設資材販売のうち、セメント系商品を納入する工事案件が減少し、同部門の外部顧客への売上高は8千4百万円、セグメント利益は9百万円(前連結会計年度比1千4百万円、61.1%の減益)となりました。

 

(財政状態の状況)

 当社企業グループの当連結会計年度末の財政状態の概要は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ 財政状態の状況」に記載の通りであります。

 当連結会計年度の資産は366億8千6百万円(前連結会計年度末比4千万円、0.1%の減少)、負債は214億6千3百万円(前連結会計年度末比15億7百万円、6.6%の減少)、純資産は152億2千3百万円(前連結会計年度末比14億6千7百万円、10.7%の増加)となりました。

 その結果、自己資本比率が41.5%となり、前期の37.5%よりも4.0ポイント増加しました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益や連結子会社の連結除外などにより利益剰余金が前期に比べて9億5千2百万円増加したことが大きな要因であります。

 企業継続のため財務基盤の安定向上は優先すべき課題として認識しており、新型コロナウイルスの影響が継続する状況のもと、全事業部門でコスト管理を徹底し、収益獲得の機会を的確に捉えて、利益の積み増しと剰余金の安定配当を勘案し、純資産の増加に努めて参ります。 当社企業グループの当連結会計年度末の財政状態の概要は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ 財政状態の状況」に記載の通りであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当連結会計年度では、税金等調整前当期純利益4億5千2百万円のほか、減価償却費7億3千1百万円、助成金の受取額2億6千万円などにより、営業活動によるキャッシュ・フローは9億4千3百万円の収入超過となりました。また、当連結会計年度においては大規模な設備投資を控え、投資有価証券の売却を進めた結果、投資活動によるキャッシュ・フローが7千万円の収入超過となり、フリー・キャッシュ・フロー(注)は、10億1千3百万円の収入超過になりました。当社企業グループでは、財務基盤の安定に向けて、営業活動から稼得するキャッシュ・フローを勘案した設備投資を行い、借入金の抑制に取組む方針であります。

 

(資本の財源及び資金の流動性について)

 当社企業グループは、事業活動に必要な資金と資金の流動性を維持するとともに健全な財政状態を目指すため、安定的な営業キャッシュ・フローを稼得することが資本財源の基本と考えております。

 

(資金需要の主な内容)

 当社企業グループの運転資金需要のうち主なものは、運輸部門の作業諸掛、機械販売部門の建設機械の仕入、商品販売部門の建設資材の仕入、ホテル事業部門の料理材料・飲料の仕入であり、共通するものとして人件費等であります。また、投資を目的とした資金需要の主なものは、事業用の設備投資であります。

 

(資金調達)

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本とし、既存の借入金の約定返済や設備投資のため、金融機関による固定金利の長期借入も行います。また、当社が連結子会社を含めたグループ内の運転資金の一元管理を行い、グループ内の資金の過不足を調整しております。

 2022年3月31日現在の有利子負債の概要は以下のとおりであります。

 

年度別要支払額(百万円)

契約債務

合計

1年以内

1年超3年以内

3年超5年以内

5年超

短期借入金

2,350

2,350

長期借入金(注)

8,670

2,646

3,990

2,033

リース債務

369

140

169

58

合計

11,389

5,136

4,160

2,092

(注)「長期借入金」には「1年内返済予定の長期借入金」を含めております。

 

 

 当社企業グループの第三者に対する保証は、連結子会社であるリンコー運輸株式会社の全国通運への交互計算精算債務に対する債務保証であります。保証した債務の債務不履行が発生した場合、当社企業グループが代わりに弁済する義務があり、2022年3月31日現在の債務保証は167百万円であります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び予測を行う必要があります。よって、見積りや予測の持つ特有の不確実性により、実際の結果はこれらの見積りや予測と異なる場合があります。

 当社企業グループは、特に次の会計上の見積りが重要であると考えております。

 

(固定資産の減損)

 当社企業グループでは、固定資産のうちの兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回り、さらに回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

 減損の兆候判定、減損損失の認識及び測定に当たっては、将来キャッシュ・フローの見積りが重要になりますが、この見積りは取締役会で承認された収支計画を基準に一定の補正をしており、経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、当初の見積りを著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。

 なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響については、「2 事業等のリスク ⑥ 固定資産の減損に関わるリスク」を参照願います。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

 繰延税金資産の回収可能性の評価については、将来の収支計画に基づき課税所得が十分確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について、繰延税金資産を慎重に計上しております。この繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りを前提にするため、この見積りは取締役会で承認された収支計画を基準にしており、その条件や仮定に変更が生じた場合には、繰延税金資産を取り崩す必要があり、税金費用が増加する可能性があります。

 なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響については、「2 事業等のリスク ⑩ 繰延税金資産の取崩しに関わるリスク」を参照願います。

 

(退職給付費用及び退職給付債務)

 退職給付費用及び退職給付債務の算定に使用される見積りには、年金資産の長期期待運用収益率、割引率、平均残存勤務年数等を計算基礎としており、当社企業グループは、この数理計算上の仮定は適切であると認識しておりますが、年金資産の運用実績の結果や一定の仮定の変動は将来の退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼします。なお、退職給付費用及び退職給付債務に関する見積りや数理計算上の計算基礎については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)」を参照願います。

 

(貸倒引当金)

 当社企業グループは、信用調査会社を通じてお客様の信用情報を入手し、支払履歴も考慮して与信管理を行っております。また、貸倒引当金については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 4 会計方針に関する事項 (3)重要な引当金の計上基準」に基づき、計上しております。

 現在の貸倒引当金の金額は、過去の貸倒実績率に基づき算出しており、今後、取引先の債権の支払状況によって貸倒実績率が高くなる場合や、多額の破産更生債権等が発生した場合には貸倒引当金が増加し、当社企業グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(注)文中のフリー・キャッシュ・フローは、以下の計算式で算定しております。

フリー・キャッシュ・フロー:営業活動によるキャッシュ・フローの金額と投資活動によるキャッシュ・フローの金額の合計

 

4【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 特記すべき事項はありません。