当社企業グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社企業グループが判断したものであります。
(1)会社経営の基本方針
当社企業グループの事業基盤である新潟は、国際港湾や国際空港、高速道路網といった多様な交通インフラを備えた対岸諸国の玄関口として優れた拠点性を有しているだけでなく、農業分野でも今後大きな可能性を秘めております。当社企業グループは、こうした新潟の優位性を活かしながら地域社会に貢献し、グローバルな企業を目指しております。
さらに当社企業グループは、全体の総合的価値を高めながら安定的な発展を遂げるため「統一された意思を持った強い企業集団」となるべく、以下の「リンコーグループ経営理念」を定めております。
「リンコーグループ経営理念」
① 顧客・株主・社員とその家族・地域社会に信頼され、その全ての人々に貢献する企業集団を目指します。
② 新潟を基盤とした事業展開を図りつつも、常に視野を世界に拡げグローバル化を意識し、進取の精神でビジネスに挑戦します。
③ 総合物流事業、ホテル事業、不動産事業、各種販売代理店業及び環境事業を通じて、安全かつホスピタリティーの精神に基づき様々なサービスを社会に提供するとともに各事業分野に於いて地域NO.1企業を目指します。
④ 効率的な経営とコスト競争力のある企業体質を保持しつつ、常に良質なサービスを提供し続けることによって安定した成長を目指します。
(2)会社の経営戦略
当社は、「コンテナ貨物関連の事業強化」「港湾荷役作業・運搬事業の作業効率の向上とコスト削減」「社有資産の有効活用の推進」「人材確保・育成」等を主な方針とする「中期経営計画(2022年度~2024年度)」を2021年10月に策定いたしました。さらに、港湾荷役を中心としたインフラ機能の維持等、ESGを意識した事業運営を行うとともに、企業価値の向上の実現に取組んで参ります。詳細は、次の(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題をご参照願います。
(3)経営環境
新型コロナウイルスの感染拡大が徐々に弱まったことに伴い行動制限が緩和され、経済活動が正常化に向かう中、景気は緩やかな持ち直しの動きが見られました。一方、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化等による原材料費やエネルギー価格の高騰、円安の進行等に起因する物価上昇が続き、個人消費を押し下げる懸念もあり、先行き不透明な状況が続いております。そのような状況の中、運輸部門においては、フォワーディング事業の強化と荷役料金の見直し等で業績は回復傾向にあります。
ホテル事業部門では、レストランや宴会の需要回復のペースは遅く、コロナ禍前の水準には届かないものの、新潟市内の各種イベントの開催、全国旅行支援等の効果もあり、宿泊客を中心にホテルの利用客は前連結会計年度比で増加しております。しかしながらエネルギー価格の高騰や料理原材料費の負担増等により厳しい事業環境が続いております。今後も、様々な企画、サービスの提供に取組み、コロナ禍での同事業への影響を最小限にとどめ、業績回復に努めて参りますが、当面、ホテル事業部門が当社企業グループに大きな影響を与えるものと認識しております。
(4)優先的に対処すべき事業上、財務上の課題
当社企業グループは、「リンコーグループ経営理念」、「リンコーグループ行動規範」のもと、顧客・株主・社員とその家族・地域社会に信頼され、貢献するため、社会的な規範と法令順守の浸透を図り、コーポレートガバナンスの充実により経営の透明性の確保を目指し、持続的な成長と安定的な発展を実現して参ります。
そのため、2021年10月に策定した「中期経営計画(2022年度~2024年度)」の主な方針として「コンテナ貨物関連の事業強化」「港湾荷役作業・運搬事業の作業効率の向上とコスト削減」「社有資産の有効活用の推進」「人材確保・育成」等を掲げております。さらに港湾荷役を中心としたインフラ機能の維持等、ESGを意識した事業運営に取組み、社会に貢献できる事業の構築に向け、以下の課題に取組んで参ります。
① 収益基盤の安定・向上の取組み
当社企業グループの中核である運輸部門におきましては、厳しい事業環境の中でも収益を確保することが喫緊の課題であると認識しております。その中で、当社企業グループの運輸部門の事業基盤強化の一環として、当社において2023年4月に「フォワーディング事業課(東京支社内)」を新設し、新潟港・京浜港と海外とのコンテナを中心とした国際輸送サービスの一層の強化を図っております。また、2022年4月に子会社の再編で設立した「リンコー港運倉庫」を中心に新潟港における荷役作業の効率の向上、倉庫・運搬体制の増強を継続し、当社企業グループのシナジー効果を発揮して、収益力の安定と向上に取組んで参ります。
さらに新潟港周辺地域では、バイオマス発電事業や新潟県沖の洋上風力発電事業が計画されており、当社も2023年4月に「再生可能エネルギー推進部」を新設し、再生可能エネルギー関連商材の輸送に携わることが出来るように情報収集を進めて参ります。
ホテル事業部門におきましては、新型コロナウイルス感染拡大による行動制限が緩和され、社会経済活動も正常化に向かう中、ホテル利用の需要も回復が見込まれます。その需要回復を収益向上につなげるため、各種キャンペーンの企画、高品質なサービスの提供により、宿泊やレストランの集客の他、宴会場の利用拡大につながる提案等、受注増の取組みを継続して参ります。
② 人材の確保、育成の取組み
少子高齢化が進む中、次世代を担う人材の確保・育成は、今後の事業継続の上で重要課題の一つとして認識しております。当社企業グループの現場・事務で必要な技能・資格を持った多様な人材の確保は重要であり、中途採用、女性社員の管理職への積極的登用の取組み等についても継続して参ります。また、人事諸制度の見直しを図り、職位階層別の教育、作業技能の習得、各種資格の取得等、社員教育を計画的に実施し、人材育成に継続的に取組んで参ります。
③ 職場環境の整備と安全衛生の取組み
当社企業グループにおきましては、現場作業における労働災害の撲滅と健康に配慮した職場環境の実現は経営の要と認識しております。労災ゼロを目指して、安全教育の徹底により、安全な職場環境の構築と維持に継続して取組み、さらに、働きやすい職場環境の維持の他、育児等を理由とした在宅勤務、女性社員が活躍できる職場環境の拡大に努めて参ります。
④ 財務基盤の安定に向けた取組み
当社企業グループでは、安定した財務基盤の構築に向けて取組んでおりますが、当連結会計年度における連結の社債及び借入金の残高は102億円となり、前連結会計年度比で7億円減少いたしました。
今後も財務基盤の安定維持のため、経営資源を最大限活かして、利益を安定して生み出し、内部留保の増加による自己資本の充実を図ります。また、グループ全体の効率的な運転資金の一元管理を継続し、営業活動から稼得するキャッシュ・フローを勘案して適切な規模の資金調達を行い、借入金残高の抑制を図ります。
なお、当連結会計年度は、株式会社第四北越銀行による「SDGs私募債」を通じて資金調達を実施しており、同私募債発行の際の手数料の一部を活用し新潟県へ食品等を寄付するなど地域貢献の役割も果たしております。
⑤ コンプライアンス・内部統制強化の取組み
当社企業グループでは、コンプライアンス意識を高く持ち、社員が業務に当たることが重要であると認識しております。
社員に対するコンプライアンス研修を定期的に実施するとともに、法令違反や企業倫理違反、ハラスメントを早期に発見するため、啓蒙活動の他、内部通報制度に関する社内体制の強化も行っております。また、適切な業務遂行のため、内部監査の指摘事項に対応した内部統制の強化策を実施し、その内部統制の運用が各部署で適正に行われているか確認して、グループ全体でリスク管理を遂行しております。
⑥ 環境保全への取組み
環境保全への取組みは、当社企業グループの重要な経営課題と捉えており、SDGs(持続可能な開発目標)のなかの大きな柱である「環境保護」の取組みにもつながると認識しております。
当社企業グループでは、より一層SDGsに関連した取組みを推進するため、2022年12月に国土交通省による「みなとSDGsパートナー登録制度」に登録いたしました。同制度の中で、CO2排出量の削減目標(前年度比1%減)を掲げて、輸送車両のアイドリングストップ、倉庫・事務所内のLED化、電動フォークリフトの使用等により環境負荷の低減をさらに進めて参ります。また、海洋環境の保全及び近隣住民に配慮した港湾荷役作業の実施に努めて参ります。木材リサイクル事業を通じた廃材資源の利活用も継続して取組み、環境保全に配慮した事業活動を推進して参ります。
ホテル事業部門では、「循環型農業で収穫された野菜の使用」、「プラスチック容器の削減」、「食べ残しゼロ」等に取組み、環境保護・エネルギー消費の削減に取組んでおります。さらに、新潟県が表明しているカーボンニュートラルに関する各種協議会等に参加し脱炭素社会の実現に向け協力して参ります。
⑦ 事業資産の有効活用の取組み
当社企業グループの資産については、現状の用途にとらわれず、事業の効率化や新たな事業につながる利用方法を継続して検討して参ります。
臨港埠頭地区全体の有効活用は、当社企業グループにおきまして重要課題として認識しております。新潟港の目指すべき将来像とその実現のため、臨港地区がどのような役割を担うことが可能か、関係機関と連携を図りながら臨港地区の将来構想を策定して参ります。
また、当社が保有している政策保有株式の縮減にも継続して取組んで参ります。
⑧ スタンダード市場の上場維持基準充足に向けた取組み
当社は、2022年4月に東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、スタンダード市場へ移行いたしましたが、移行基準日(2021年6月)に「流通株式比率」について基準を充たしておらず、2021年12月に「上場維持基準適合に向けた計画書」を東京証券取引所へ提出しております。資本政策による流通株式比率の向上に取組むとともに、流通株式時価総額の向上のため収益基盤の安定・向上に向けた取組み等を推進し、企業価値を高めることで、2025年3月期までに上場維持基準を充たすよう取組んで参ります。
当社企業グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社企業グループが判断したものであります。
当社は、サステナビリティを巡る課題への対応は経営の重要課題と認識し、中長期的な企業価値の向上の観点から、海洋環境の保全及び近隣住民に配慮した港湾荷役作業の実施、木材リサイクル事業を通じた廃材資源の利活用、ホテル事業におけるプラスチックストローの使用廃止、食べ残しゼロ等に取組み、環境保護・エネルギー消費量の削減に取組んでおります。
また、次世代を担う人材の確保・育成は、今後の事業継続の上で重要課題であり、人事諸制度の見直し、社員教育を計画的に実施し、人材育成に継続的に取組んでおります。
(1)ガバナンス
取締役会において、経営の基本課題の一つとして、人材面においては、「人事制度の見直しと人材戦略の構築」、環境面においては「ESG、SDGsを踏まえた経営の継続的な取組み」を決議しております。
特に環境面では、SDGsの普及促進と達成に向けた取組の更なる推進を図り、港湾及び港湾関係産業の魅力向上と将来にわたる持続的な発展に貢献して参ります。
(2)戦略
(人的資本に関する方針)
1)基本的な考え方
当社企業グループは、社会インフラの一つである“物流”を主力事業として位置付け、企業価値の創造と社会への貢献を目指しております。物流事業者に求められる正確なサービスを提供するためには誠実な心でお客様と接することが欠かせません。その心を持つことは当社企業理念である「お客様の心を大切にし、未来を見つめ、新しい社会・豊かな人間環境を創造する企業を目指します。」の実践にも繋がります。企業理念の実践を推進し、社員が自らの仕事に誇りを持ち、生き生きと働くことのできる“強い組織”となることを目指しており、特に以下の観点を重視し、ダイバーシティ経営を推進して参ります。
① 「現場力」を重視した組織作り
当社が提供するサービスは、その多くが自社・お取引先様の施設等の“現場”で行われ、その内容は多岐に渡り、且つ日々変化を伴います。お取引先様のニーズに応え、“現場”での変化にも柔軟に応えることができるよう、「現場力」を重視した人的資本の割り当て及び人材育成を行っております。
② 多様な人材の活躍支援
年齢や性別に関係無く、多様な人材の活躍を推進しております。定年を65歳までとする就労環境を整備しており、高齢者は技能伝承等の重要な役割を担っています。女性の活躍推進にも力を入れ、専門的分野での国家資格取得支援や管理職への積極的登用も実施しております。
-当社の女性の活躍推進に係る実績(ご参考)-
育児休業取得率
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男性社員 |
出産 |
9人 |
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育休取得 |
4人 |
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取得率 |
44.4% |
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女性社員 |
出産 |
2人 |
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育休取得 |
2人 |
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取得率 |
100.0% |
男女間賃金格差
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男女の賃金の差異 |
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正規労働者 |
88% |
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アルバイト |
- |
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全ての労働者 |
87% |
2)人的資本経営の実践に向けた取組み
当社では、「経営戦略と人材戦略の連動」をテーマとする人材戦略チーム(以下、「チーム」と記載)を2023年度期初に立ち上げ、具体的な取組みを開始しております。チームは人事部を担当する常務執行役員が統括し、“採用”、“教育”、“事業拡大”を三本柱として経営戦略と人材戦略を連動させ利益を生み出し、人への投資を行うサイクルを構築することを使命としています。
3)社内の環境整備に関する取組み
① 働き方の多様化
育児・介護と仕事の両立を図る社員を支援することを目的として、テレワーク制度を2023年度期初より運用を開始しております。本制度は、他にも自然災害や感染症発生時の事業継続並びに通勤時の交通災害等発生時の就労継続や通勤による心身の負担軽減等も利用目的としており、働き方の多様化が期待されています。
② 育児・介護関係制度の拡充
現行の育児・介護関係制度においては、対象となる子の上限年齢や適用要件を法定通りとしておりますが、2023年度より要件を緩和し社員の支援体制を充実して参ります。要件緩和の主な内容は、育児制度における短時間勤務及び時差勤務の上限年齢引き上げ(3歳未満から6歳)や、介護制度における短時間勤務の導入であります。
③ 社員教育
従前の集合研修在りきの教育方針を転換し、当連結会計年度より集団研修にWEB型研修を加えた二軸での社員教育を実施しています。この方針転換により教育機会が増加し、社員の“学び”へのニーズにも応えることが出来る環境が出来ています。会社が指定する研修以外にも、社員が自己啓発を目的にWEB型研修を受講できる環境も用意しており、“学び直し”を支援することのできる環境が整備されています。
参考:WEB研修により実施した研修の数・・・・・・35講座
自己啓発プログラムを受講した社員の割合・・・13.8%
(環境に関する方針)
港湾運送事業を主力事業とする当社は、環境に対する取組みを強固にするため、2022年12月に国土交通省による「みなとSDSsパートナーズ登録制度」に登録を致しました。この登録制度に基づき、2023年度からSDGs達成に向けた重点的な取組を推進して参ります。
(3)リスク管理
当社において、リスク評価委員会によるリスク評価委員会を年2回開催し、当社企業グループの事業上のリスク評価とリスク管理について検討しており、代表取締役社長を委員長とする危機管理委員会に、その内容を報告しております。
そのリスクの中には「人材不足、人材確保、人材育成に関わるリスク」、「環境に関するリスク」が含まれております。「人材不足、人材確保、人材育成に関わるリスク」では、社員の定着率向上のため、働きやすい職場作り、人材育成に繋がる人事異動、人事制度の見直しについて確認しております。また、事業継続のため、社内に人材戦略チームを発足させ、中途採用等の人材の多様性の確保、教育関係の充実、事業計画に基づく人員確保等に積極的に取組んでおります。「環境に関するリスク」では、事業活動において発生する環境汚染のリスクについて評価と対策に不備がないか確認しております。
(4)指標及び目標
1)人的資本に関する指標及び目標
当社は2021年度策定の一般事業主行動計画(「女性活躍推進法」に基づく)において以下の目標を掲げ、各種施策に取組んでいますが、当期末時点での実績を含む実施状況は以下のとおりです。
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指標 |
目標 |
実績(当連結会計年度) |
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① 女性管理職の割合 |
2025年度までに女性管理職の割合を20%まで引き上げる。 |
当社 女性管理職比率13.1% (参考) 株式会社ホテル新潟 同18.7% |
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② 在宅勤務テレワーク制度利用率 |
2025年度までに同制度の利用率を20%に到達させる。 |
2023年度期初よりテレワークの制度を開始した。 |
2)環境に関する指標及び目標
「みなとSDGsパートナー登録制度」に基づき、2023年度から以下の目標達成に向け、当社のCO2排出量の把握、環境負荷の少ない施設・設備への更新を重点的な取組みとして進めております。
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指標 |
目標 |
実績(当連結会計年度) |
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CO2排出量 |
前年比1%削減 |
2023年度から排出量の収益を開始した。 |
当社企業グループにおける財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。ただし、現時点で予見出来ない不確実なリスク等により影響を受ける可能性があります。
① 労働災害に関わるリスク
当社企業グループは、現場作業を伴う事業が多いため、不測の重大な労働災害が発生した場合、顧客の信頼や社会的評価が低下するだけでなく、事故等に伴う補償等に対応しなければならないことから、当社企業グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
このような重大な労働災害の発生を未然に防止する取組みを最重要課題として位置付けており、作業前ミーティングによる危険予知の確認、些細な事故でも事故対策会議を開催し、危険要素を取り除き、大規模な労災事故を未然に防ぐ取組みを行っております。また定期的に安全衛生委員会を開催し、労働災害の原因及び再発防止策の確認、職場環境の改善、社員の健康管理に取組んでおります。
② 人材の確保・育成に関わるリスク
当社企業グループの各事業は労働集約型のものが多く、運輸部門では港湾地域などの現場作業やトラック輸送を担う人材、ホテル事業部門でも接客、調理を担う人材、さらに機械整備販売業においては整備作業を担う人材などにより支えられております。
一方、少子高齢化に伴う労働力不足は日本が直面している課題のひとつですが、特に地方にとっては大きな課題であります。このような厳しい労働市場の中、相応しい人材を継続的に採用することが困難になる場合、既存事業における売上確保や事業の推進に支障が出るなど、当社企業グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社企業グループにおいては、若年層の定着率向上のため働きやすい職場環境の整備や専門技能を持つ人材の通年の中途採用の実施などによる人材確保のほか、職位階層別の教育、運輸部門の現場作業、機械整備販売業の機械整備の技術習得のための計画的な教育にも取組んでおります。さらに港湾地区以外でも港湾荷役の現場経験を活かして従業員の多様な働き方が可能となる職場の確保に取組んで参ります。
③ 事業環境に関わるリスク
当社企業グループの主力事業である運輸部門は、新潟港を拠点にして、国際物流の一部を担う港湾運送事業を営んでおり、国内外の経済環境や顧客企業の物流戦略の変更、為替の変動、エネルギー価格の上昇、地政学的リスクの影響、さらに、今後の少子高齢化の進行に伴う新潟県の人口減少による地元経済の規模の縮小等、様々なリスクに晒されております。また、上記等の事業環境の変化から、新潟港を利用している取引先の大規模な生産調整・休業リスクもあります。このようなリスクにより、当社企業グループが取扱う貨物量が相当減少する場合には、運輸部門の収益が急減し、当社企業グループの財政状態、経営成績に悪影響を与える可能性があります。ホテル事業部門においても、新型コロナウイルスの感染拡大による行動制限が緩和される一方、お客様の行動意識が変わり、従来と同様のホテルの利用頻度、規模の水準まで回復しない可能性があります。
当社企業グループでは、新潟港を最大限に活かすため、拡充した倉庫機能を活かした物流改善提案、港湾荷役の長年の実績とノウハウを活かした特殊貨物の取りこみ、事業環境に応じて港湾荷役、倉庫作業、トラック輸送の効率的な運営体制を連携して構築し、既存顧客の維持・取引拡充と新規貨物の獲得を図って参ります。またIT活用による業務改善、作業時間の低減につながる荷役方法の見直しなどにより高品質の物流サービスを提供することで、収益力の安定・強化を図り、事業環境の変化に対応できるように取組んで参ります。さらに、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上、財務上の課題」において記載したように、2023年4月に「フォワーディング事業課(東京支社内)」を新設し、新潟港・京浜港と海外とのコンテナを中心とした国際輸送サービスの一層の強化を図っております。また、2022年4月に子会社の再編で設立した「リンコー港運倉庫」を中心に新潟港における荷役作業の効率の向上、倉庫・運搬体制の増強を継続し、当社企業グループのシナジー効果を発揮することなどによって、収益力の安定と向上に取組んで参ります。
ホテル事業部門も、新型コロナウイルスの影響が弱まる中、お客様の行動様式とニーズの変化を的確に捉え、ホテル利用の機会が増える効果的な対策を講じて参ります。
④ 自然災害に関わるリスク
当社企業グループの運輸部門の事業を行う臨港埠頭や新潟東港周辺において大規模な自然災害が発生し、港湾施設に甚大な被害が発生した場合には、当社企業グループの事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。また自然災害による風評被害により、ホテル事業部門に悪影響が及ぶ可能性もあります。
風水害、強風、地震などの自然災害に備えるため、作業現場で危険が予想される場合の早期退避行動、各現場での防災備品の備蓄、避難訓練など日々の取組みを実施しております。また、危機管理委員会を設け、迅速に対応できる危機管理体制の整備、管理に努めております。
⑤ 固定資産の減損に関わるリスク
当社企業グループは、運輸部門では港湾施設、倉庫・上屋、不動産部門では賃貸用不動産、ホテル事業部門や関連事業部門の機械整備販売業においても大規模な事業用施設を保有しております。
これらの固定資産については「固定資産の減損に係る会計基準」を適用し、当該固定資産から得られる将来キャッシュ・フローによって資産の帳簿価額を回収できるか検証しており、減損処理が必要な資産については適正に減損損失を計上しております。しかし、経営環境の変化等に伴い、将来キャッシュ・フローの見込額が減少した場合、減損損失の金額によっては、当社企業グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクへの対応については、減損リスクを意識した上で、当社企業グループ全体で資産効率を上げる利用方法の検討と実施により、固定資産の収益性を高めてキャッシュ・フローの増大に繋げて参ります。
⑥ 資金調達に関わるリスク
当社は、現在及び将来の事業活動のために必要な資金と債務の返済に備えるため、営業活動から稼得するキャッシュ・フローと金融機関からの借入等により資金を調達しておりますが、金融市場や経済情勢の急激な変動や、当社の財政状態の悪化等により、金融機関の融資姿勢が変化した場合、当社が必要な資金を必要な時期に適切な条件で調達出来ず、資金調達の制限や調達コストが増加する可能性があります。
当該リスクへの対応については、当社企業グループの運転資金を親会社が一元管理し、資金の過不足を調整するなど資金管理を的確に行うと共に、営業キャッシュ・フローを安定、増大させる取組みを継続し、財務体質の改善に取組むことで、安定した資金調達を実現できるように取組んで参ります。
⑦ 金利の変動に関わるリスク
当社企業グループは有利子負債を有しており、その金利は、日銀による金融政策の効果により低位に安定的に推移しておりますが、日銀の金融政策の変更や日本の財政再建の道筋に対する信認が低下するような場合には、国内金利の上昇により支払利息の負担が高まるため、当社企業グループの業績や財政状態が悪化する可能性があります。
当該リスクへの対応については、営業キャッシュ・フローの安定・増大の継続による有利子負債の削減、的確な資金管理と調達により支払利息の削減に取組み、リスク低減に繋げて参ります。
⑧ 投資有価証券の評価損に関わるリスク
当社企業グループが保有している投資有価証券は、株式市況により時価の変動が大きい場合、減損処理を行う必要があり、当社企業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該投資有価証券は、政策保有目的のものであり、その銘柄は当社企業グループの事業活動に必要な取引先であります。今後も当社と当該取引先の双方の事業発展につながるように関係をより一層深め、一方で、事業の発展につながらないと判断される取引先の株式は売却による縮減を進めることで、万が一、評価損が発生した場合でもその影響が低減されるように取組んで参ります。
⑨ 繰延税金資産の取崩しに関わるリスク
当社企業グループは、将来の課税所得の見積りや会計と税務の一時差異が解消される時期を基準に繰延税金資産の回収可能性を検討しておりますが、収益性の低下に伴い、将来において十分な課税所得が確保できないと判断された場合、繰延税金資産を取崩し、多額の税金費用(法人税等調整額)が発生することになり、当社企業グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応については、主力である運輸部門を中心にコスト削減に取り組むとともに、既存顧客の維持・取扱拡充と新規貨物の獲得のための方策を着実にすすめ、収益力の安定化を図り、課税所得の確保につなげて参ります。
(1)経営成績等の状況の概況
当連結会計年度における当社企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大が徐々に弱まったことに伴い行動制限が緩和され、経済活動の正常化に向かう中、景気は緩やかな持ち直しの動きが見られました。一方、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化などによる原材料費やエネルギー価格の高騰、円安の進行等に起因する物価上昇により、個人消費を押し下げる懸念もあり、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の下、当社企業グループの事業拠点である新潟港の貨物取扱量は、前連結会計年度比で減少しましたが、当社企業グループの主力である運輸部門の貨物取扱量は、一般貨物、コンテナ貨物共に増加しました。また、ホテル事業部門では、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたものの、回復基調で推移しました。
この結果、当連結会計年度の当社企業グループの売上高は134億4千2百万円(前連結会計年度比5.9%の増収)、営業利益は2億8百万円(前連結会計年度比68.2%の増益)、経常利益は4億2千8百万円(前連結会計年度比13.8%の増益)となりました。また、政策保有株式の縮減に伴う株式の売却益2億9千9百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は6億8千3百万円(前連結会計年度比50.1%の増益)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
(運輸部門)
当社運輸部門と運輸系子会社を合わせた同部門の当連結会計年度の貨物取扱量は、当期初めに発生した上海ロックダウンによって海上コンテナの輸送に影響が出ましたが、その後は一般貨物を含めて堅調に推移し、580万9千トン(前連結会計年度比3.8%の増加)となりました。また、フォワーディング事業の強化と荷役料金の見直しなどにより、セグメント売上高は103億6千1百万円(前連結会計年度比3.1%の増収)となりました。一方、経費面では、労務コストの低減に努めましたが、物価上昇の影響などにより下払費や動力燃料費などが増加した結果、セグメント利益は、1億1千万円(前連結会計年度比8.7%の減益)となりました。
なお、前連結会計年度において運輸部門に属しておりました新光港運株式会社及び丸肥運送倉庫株式会社につきましては、2022年4月1日付で丸肥運送倉庫株式会社を存続会社、新光港運株式会社を消滅会社とした吸収合併を行い、名称をリンコー港運倉庫株式会社に変更しております。
(不動産部門)
不動産賃貸の大口契約や不動産販売件数の減少などが影響し、売上高は2億6千3百万円(前連結会計年度比26.1%の減収)、セグメント利益は1億2千2百万円(前連結会計年度比34.6%の減益)となりました。
(ホテル事業部門)
レストランや宴会の需要回復のペースは遅く、コロナ禍前の水準に届かったものの、新潟市内の各種イベントの開催、全国旅行支援等の効果もあり、宿泊を中心にホテルの利用客数は前年同期比で増加しました。経費面では、エネルギー価格の高騰による電気・ガス料金の値上げにより光熱費や料理原材料費の負担が増加しました。この結果、同部門の売上高は18億1千3百万円(前連結会計年度比43.4%の増収)、セグメント損失は1億2千3百万円(前連結会計年度は2億7千3百万円のセグメント損失)となりました。
(関連事業部門)
建設機械等の整備・販売事業や保険代理店業は取扱が減少しましたが、木材リサイクル・産業廃棄物の処理業、商品販売業はいずれも堅調に推移しました。この結果、同部門の売上高は10億5千4百万円(前連結会計年度比2.7%の減収)、セグメント利益は9千8百万円(前連結会計年度比11.7%の増益)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フローが12億6千2百万円の収入超過、投資活動によるキャッシュ・フローが1千8百万円の支出超過、財務活動によるキャッシュ・フローが9億5百万円の支出超過となったことにより、前連結会計年度末に比べて3億3千9百万円増加し、7億3千3百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益、減価償却費、売上債権の減少額等の資金の増加要因が、関係会社株式売却益、仕入債務の減少額等の資金の減少要因を大きく上回ったことにより、12億6千2百万円の収入超過(前連結会計年度比33.9%の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
関係会社株式の売却による収入3億2千万円等により資金は増加しましたが、有形固定資産の取得による支出3億7千7百万円等の資金の減少要因により、1千8百万円の支出超過(前連結会計年度は7千万円の収入超過)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期及び長期の借入金及び社債の純減額7億5千1百万円、リース債務の返済による支出1億2千6百万円等により、9億5百万円の支出超過(前連結会計年度は12億3千万円の支出超過)となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
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2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
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自己資本比率(%) |
39.8 |
39.3 |
37.5 |
41.5 |
43.4 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
14.5 |
16.6 |
17.4 |
13.0 |
11.4 |
|
債務償還年数(年) |
7.3 |
14.1 |
18.4 |
12.1 |
8.5 |
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インタレスト・カバレッジ・レシオ |
17.6 |
10.6 |
8.2 |
12.0 |
17.5 |
自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式を除く期末発行済株式数により算出しております。
3 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③ 財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は369億6千3百万円となり、前連結会計年度比0.8%、2億7千7百万円増加しました。資産の増加の主な要因は、流動資産が2億7千万円、繰延資産が8百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。
負債純資産の増加の主な要因は、純資産が8億2千2百万円増加した一方、負債合計が5億4千5百万円減少したことによるものであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は44億7千3百万円となり、前連結会計年度比6.4%、2億7千万円増加しました。この増加の主な要因は、現金及び預金の増加3億3千9百万円、受取手形、営業未収入金及び契約資産の減少1億4千2百万円などであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は324億8千1百万円となり、前連結会計年度に比べ1百万円減少しました。この減少の主な要因は、荷役機械等の設備投資を実施した一方、既存設備の減価償却が進んだことなどにより有形固定資産及び無形固定資産が1億9千1百万円減少したこと、投資有価証券が時価の上昇等により1億7千1百万円増加したことなどであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は72億1千5百万円となり、前連結会計年度比8.0%、6億2千5百万円減少しました。この減少の主な要因は、短期借入金が6億5千万円、一年内返済予定の長期借入金が1億1千1百万円、それぞれ減少した一方、一年内償還予定の社債が1億8千万円増加したことなどによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は137億2百万円となり、前連結会計年度比0.6%、7千9百万円増加しました。この増加の主な要因は、長期借入金が8億8千9百万円減少した一方、社債が7億2千万円増加したことなどであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は160億4千5百万円となり、前連結会計年度比5.4%、8億2千2百万円増加しました。これは親会社株主に帰属する当期純利益6億8千3百万円、投資有価証券の時価評価などによるその他有価証券評価差額金の増加1億6千3百万円などが主な要因であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社企業グループは受注生産形態をとらない業種のため、生産実績及び受注実績は記載しておりません。なお、販売実績については「① 経営成績の状況」におけるセグメントの業績に含めて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績の状況)
当社企業グループの当連結会計年度の経営成績等の概要は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における売上高は、134億4千2百万円となりました。セグメント部門別では、運輸部門の外部顧客への売上高が、貨物取扱量の増加などにより103億6千万円(前連結会計年度比3億1千1百万円、3.1%の増収)となりました。また、ホテル事業部門の外部顧客への売上高が、ホテル需要の回復に伴う利用客数の増加などにより18億7百万円(前連結会計年度比5億4千7百万円、43.5%の増収)となりました。
販売費及び一般管理費は、12億6千8百万円(前連結会計年度比7千1百万円、6.0%の増加)となりました。人件費、雑費等の増加が主な要因であります。
営業利益は2億8百万円(前連結会計年度比8千4百万円、68.2%の増益)となりました。セグメント部門別では、ホテル事業部門のセグメント損益は当連結会計年度も1億2千3百万円の損失(前連結会計年度は2億7千3百万円の損失)となりましたが、前連結会計年度に比べ1億5千万円の増益であり、営業利益の増益要因となりました。
経常利益は4億2千8百万円(前連結会計年度比5千2百万円、13.8%の増益)となりました。営業外収益では、受取配当金が前連結会計年度比で増加しました。また営業外費用も前連結会計年度比で減少しております。
親会社株主に帰属する当期純利益は6億8千3百万円(前連結会計年度比2億2千8百万円、50.1%の増益)となりました。特別利益が、主に関係会社株式売却益の増加により前連結会計年度比で2億2千万円を増加した他、特別損失も大きな損失項目はございませんでした。
各セグメントの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
[運輸部門]
同部門の中心拠点である新潟港の荷動きは、中国や東南アジアを中心とした諸外国の経済状況、新潟県内に工場を持つ企業の生産活動、小売業者の事業活動や消費者動向、さらに同港に寄港する船会社の再編、スケジュール等に影響されます。また、物流業界では2024年問題への対応が課題となっており、同部門にとっても今後の荷役・輸送体制の維持における課題と認識しております。
このような事業環境のもと、同部門の外部顧客への売上高は103億6千万円(前連結会計年度比3億1千1百万円、3.1%の増収)、セグメント利益は1億1千万円(前連結会計年度比1千万円、8.7%の減益)となりました。
当連結会計年度初めに発生した中国上海のロックダウンによるサプライチェーンの目詰まりや、世界的な海上コンテナ不足、海上運賃の高騰が同年度の途中まで続き、その影響を受けたものの、その後はコンテナ貨物の荷動きが回復に向かいました。さらに一般貨物も堅調に推移し、貨物取扱量は前連結会計年度比で増加いたしました。また同部門では、新潟港での港湾荷役のノウハウや一般・危険品倉庫等の倉庫群を活かし、港湾荷役と倉庫保管が結び付く貨物や重量物など特殊貨物の取込みを図ったほか、トラック輸送の自社便の増加等も推進して参りました。
今後も、世界的に海上コンテナの不足や海上運賃の高止まりは続くことが予想され、新潟港でもコンテナ貨物への影響が懸念されます。また、ロシア・ウクライナ情勢にも留意する必要があります。
そのような中、同部門の収益基盤の安定・強化のため、優先して取り組む課題については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上、財務上の課題」に記載しましたように、2023年4月に東京支社内に「フォワーディング事業課」を新設し、新潟港・京浜港と海外とのコンテナを中心とした国際輸送サービスの一層の強化を図って参ります。また、2022年4月に運輸系子会社の再編で設立した「リンコー港運倉庫」を中心に新潟港における荷役作業の効率の向上、倉庫・運搬体制の増強を継続し、当社企業グループのシナジー効果を発揮することなどによって、収益力の安定と向上に取組んで参ります。
さらに、新潟港周辺地域で計画されているバイオマス発電事業や新潟県沖の洋上風力発電事業などについて、当社も2023年4月に「再生可能エネルギー推進部」を新設し、再生可能エネルギー関連商材の輸送に携わることが出来るよう情報収集に努めて参ります。
[不動産部門]
同部門では、当社が保有する不動産の賃貸収入や当社保有の不動産の販売が主な収入源となります。
同部門の外部顧客への売上高は2億5千1百万円(前連結会計年度比8千5百万円、25.5%の減収)、セグメント利益は1億2千2百万円(前連結会計年度比6千4百万円、34.6%の減益)となりました。
当連結会計年度は、商品土地の販売件数の減少、短期賃貸契約の減少などにより、減収減益となりました。
同部門では、当社が保有する不動産の有効活用を継続し、売却を含めて収益確保を図って参ります。また保有する賃貸物件については適切な修繕、維持管理を行い、安定収益確保に努めて参ります。さらに、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上、財務上の課題」に記載しましたように、当社企業グループの既存の固定資産について、現状の用途にとらわれず、潜在的な収益力を掘り起こす利用方法の見直しの検討をすすめ、連結全体の資産の有効活用にも取組んで参ります。
[ホテル事業部門]
同部門の外部顧客への売上高は18億7百万円(前連結会計年度比5億4千7百万円、43.5%の増収)、セグメント損失は1億2千3百万円(前連結会計年度は2億7千3百万円の損失)となりました。
当連結会計年度は、レストランや宴会については需要回復のペースが遅く、コロナ禍前の水準には届かないものの、新潟市内の各種イベント開催、全国旅行支援等の効果もあり、宿泊を中心に利用客は前連結会計年度比で増加いたしました。
今後につきましては「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上、財務上の課題」に記載しましたように、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限がなくなり、社会経済活動が正常化に向かう中、ホテル利用の需要も回復が見込まれます。その需要回復を収益向上につなげるため、各種キャンペーンの企画、高品質なサービスの提供により、宿泊やレストランの集客の他、宴会場の利用拡大につながる提案等、受注増の取組みを継続して参ります。
[関連事業部門]
同部門には、機械整備販売業、保険代理店業、産業廃棄物の処理業、商品販売業が含まれ、ゼネコン業者や土木建設業者の事業活動、住宅着工件数や解体件数の動向などが、同部門の収益に影響を及ぼします。
同部門の外部顧客への売上高は10億2千2百万円(前連結会計年度比2千6百万円、2.5%の減収)、セグメント利益は9千8百万円(前連結会計年度比1千万円、11.7%の増益)となりました。
当連結会計年度は、建設機械整備、保険代理店業の取扱件数が伸び悩んだものの、木材リサイクル、商品販売は堅調に推移いたしました。今後もお客様の多様なニーズを的確に把握し、収益確保に努めて参ります。
(財政状態の状況)
当社企業グループの当連結会計年度末の財政状態の概要は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ 財政状態の状況」に記載の通りであります。
当連結会計年度の資産は369億6千3百万円(前連結会計年度末比2億7千7百万円、0.8%の増加)、負債は209億1千7百万円(前連結会計年度末比5億4千5百万円、2.5%の減少)、純資産は160億4千5百万円(前連結会計年度末比8億2千2百万円、5.4%の増加)となりました。
その結果、自己資本比率が43.4%となり、前期の41.5%よりも1.9ポイント増加しました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益などにより利益剰余金が前連結会計年度末に比べて4億2千1百万円増加したことが要因であります。
企業継続のため財務基盤の安定向上は優先すべき課題として認識しており、全事業部門でコスト管理を徹底し、収益獲得の機会を的確に捉えて、利益の積み増しと剰余金の安定配当を勘案し、純資産の増加に努めて参ります。
当社企業グループの当連結会計年度末の財政状態の概要は、「(1)経営成績等の状況の概況 ③ 財政状態の状況」に記載の通りであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度では、税金等調整前当期純利益6億9千万円のほか、減価償却費7億4千9百万円などにより、営業活動によるキャッシュ・フローは12億6千2百万円の収入超過となりました。また、政策保有株式の縮減を目的として売却を進めた一方、前連結会計年度まで控えていた設備投資を再開した結果、投資活動によるキャッシュ・フローは1千8百万円の支出超過となり、フリー・キャッシュ・フロー(注)は、12億4千4百万円の収入超過となりました。当社企業グループでは、財務基盤の安定に向けて、営業活動から稼得するキャッシュ・フローを勘案した設備投資を行い、借入金の抑制に取組む方針であります。
(注)フリー・キャッシュ・フロー:営業活動によるキャッシュ・フローの金額と投資活動によるキャッシュ・フローの金額の合計
(資本の財源及び資金の流動性について)
当社企業グループは、事業活動に必要な資金と資金の流動性を維持するとともに健全な財政状態を目指すため、安定的な営業キャッシュ・フローを稼得することが資本財源の基本と考えております。
(資金需要の主な内容)
当社企業グループの運転資金需要のうち主なものは、運輸部門の作業諸掛、ホテル事業部門の料理原材料等の仕入、関連事業部門の建設機械の仕入、建設資材の仕入などであり、共通するものとしては人件費等であります。また、投資を目的とした資金需要の主なものは、事業用の設備投資であります。
(資金調達)
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本とし、既存の借入金の約定返済や設備投資のため、金融機関による固定金利の長期借入等も行います。また、当社が連結子会社を含めたグループ内の運転資金の一元管理を行い、グループ内の資金の過不足を調整しております。
2023年3月31日現在の有利子負債の概要は以下のとおりであります。
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|
年度別要支払額(百万円) |
||||
|
契約債務 |
合計 |
1年以内 |
1年超3年以内 |
3年超5年以内 |
5年超 |
|
短期借入金 |
1,700 |
1,700 |
- |
- |
- |
|
長期借入金(注) |
7,669 |
2,534 |
3,931 |
1,203 |
- |
|
社債(注) |
900 |
180 |
360 |
360 |
- |
|
リース債務 |
413 |
135 |
169 |
70 |
37 |
|
合計 |
10,683 |
4,550 |
4,461 |
1,633 |
37 |
(注)「長期借入金」及び「社債」には、「1年内返済予定の長期借入金」及び「1年内償還予定の社債」をそれぞれ含めております。
当社企業グループの第三者に対する保証は、連結子会社であるリンコー運輸株式会社の全国通運への交互計算精算債務に対する債務保証であります。保証した債務の債務不履行が発生した場合、当社企業グループが代わりに弁済する義務があり、2023年3月31日現在の債務保証は159百万円であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び予測を行う必要があります。よって、見積りや予測の持つ特有の不確実性により、実際の結果はこれらの見積りや予測と異なる場合があります。
当社企業グループは、特に次の会計上の見積りが重要であると考えております。
(固定資産の減損)
当社企業グループでは、固定資産のうちの兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回り、さらに回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
減損の兆候判定、減損損失の認識及び測定に当たっては、将来キャッシュ・フローの見積りが重要になりますが、この見積りは取締役会で承認された収支計画を基準に一定の補正をしており、経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、当初の見積りを著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産の回収可能性の評価については、将来の収支計画に基づき課税所得が十分確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について、繰延税金資産を慎重に計上しております。この繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りを前提にするため、この見積りは取締役会で承認された収支計画を基準にしており、その条件や仮定に変更が生じた場合には、繰延税金資産を取り崩す必要があり、税金費用が増加する可能性があります。
(退職給付費用及び退職給付債務)
退職給付費用及び退職給付債務の算定に使用される見積りには、年金資産の長期期待運用収益率、割引率、平均残存勤務年数等を計算基礎としており、当社企業グループは、この数理計算上の仮定は適切であると認識しておりますが、年金資産の運用実績の結果や一定の仮定の変動は将来の退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼします。なお、退職給付費用及び退職給付債務に関する見積りや数理計算上の計算基礎については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)」を参照願います。
(貸倒引当金)
当社企業グループは、信用調査会社を通じてお客様の信用情報を入手し、支払履歴も考慮して与信管理を行っております。また、貸倒引当金については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 4 会計方針に関する事項 (3)重要な引当金の計上基準」に基づき、計上しております。
現在の貸倒引当金の金額は、過去の貸倒実績率に基づき算出しており、今後、取引先の債権の支払状況によって貸倒実績率が高くなる場合や、多額の破産更生債権等が発生した場合には貸倒引当金が増加し、当社企業グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
特記すべき事項はありません。
特記すべき事項はありません。