第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用環境の改善傾向が継続する一方、個人消費には停滞感が見受けられ、景気は先行き不透明な状況で推移いたしました。

一方、世界経済は、新興国経済の停滞や、米国新大統領の政策動向、英国のEU離脱問題など、今後も予断を許さない状況が続くことが見込まれます。

このような環境のなかで、当社グループが営業の基盤を置く名古屋港の港湾貨物は、自動車部品等の輸出は増加しましたが、工作機械等の輸出や、原油等の輸入が減少し、前年実績を下回りました。

当社グループといたしましては、輸出貨物は、自動車部品の取扱いが増加しましたが、工作機械等の取扱いが減少となりました。輸入貨物は、建材等の取扱いが増加しましたが、食糧や雑貨の取扱いが減少しました。

これらの結果、当連結会計年度の当社グループの売上高は、602億79百万円と前年同期と比べ3億29百万円(0.5%)の減収となりました。

営業利益は、38億27百万円と前年同期と比べ1億52百万円(4.2%)の増益となりました。

経常利益は、46億27百万円と前年同期と比べ2億21百万円(5.0%)の増益となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、32億8百万円と前年同期と比べ5億円(18.5%)の増益となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

①港湾運送およびその関連

(港湾運送部門)

当部門は、コンテナ船のターミナル業務ならびに自動車船および在来船業務が増加しましたが、海外での貨物取扱いが減少し、全体としては横ばいとなりました。

売上高といたしましては、359億64百万円と前年同期と比べ2億86百万円 (0.8%)の減収となりました。

(倉庫保管部門)

当部門は、海外保管貨物の取扱いが減少しましたが、国内保管貨物が堅調に推移し、取扱いは増加となりました。

売上高といたしましては、72億30百万円と前年同期と比べ2億68百万円 (3.9%)の増収となりました。

(陸上運送部門)

当部門は、自動車を中心とした内国貨物輸送の低迷により、取扱いは減少となりました。

売上高といたしましては、101億18百万円と前年同期と比べ2億94百万円 (2.8%)の減収となりました。

(航空貨物運送部門)

当部門は、自動車部品の取扱いが堅調に推移して輸出貨物は増加しましたが、輸入貨物が減少となり、取扱いは減少となりました。

売上高といたしましては、23億28百万円と前年同期と比べ2億12百万円 (8.4%)の減収となりました。

(その他の部門)

当部門は、内航海上運送は減少しましたが、梱包作業等の増加により、取扱いは増加となりました。

売上高といたしましては、38億4百万円と前年同期と比べ1億1百万円 (2.8%)の増収となりました。

 

これらの結果、港湾運送およびその関連の売上高は、594億46百万円と前年同期と比べ4億23百万円(0.7%)の
減収、セグメント利益(営業利益)は33億18百万円と前年同期と比べ、85百万円(2.7%)の増益となりました。

 

 

②賃貸

当事業は、土地賃貸面積の拡大により、増加となりました。

この結果、賃貸の売上高は、8億32百万円と前年同期と比べ93百万円(12.7%)の増収、セグメント利益(営業利益)は4億92百万円と前年同期と比べ67百万円(15.9%)の増益となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の連結キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローの収入、投資活動によるキャッシュ・フローの支出、財務活動によるキャッシュ・フローの支出、これに現金及び現金同等物に係る換算差額(1億15百万円の減少)があり、全体で19億29百万円の増加となりました。これに新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加7億44百万円があり、現金及び現金同等物の期末残高は195億38百万円となりました。
 
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度の営業活動により得られたキャッシュ・フローは、59億34百万円(前年同期比5.2%増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益48億23百万円(前年同期比9.5%増)、減価償却費が23億24百万円(前年同期比3.4%減)が反映された一方で、法人税等の支払額が13億62百万円(前年同期比16.4%減)あったことが主な要因であります。
 
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度の投資活動により支出されたキャッシュ・フローは、29億27百万円(前年同期比24.9%減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が22億2百万円(前年同期比12.4%増)あったことに加え、関係会社株式の取得による支出が5億38百万円(前年同期比70.0%減)あったことが主な要因であります。
 
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度の財務活動により支出されたキャッシュ・フローは、9億62百万円(前年同期比31.3%増)となりました。これは、配当金の支払額が5億99百万円(前年同期比0.2%減)あったことが主な要因であります。
 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

該当事項はありません。

 

(2) 受注実績

該当事項はありません。

 

(3) 売上実績

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 平成28年4月1日  至 平成29年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

港湾運送およびその関連

59,446,240

△0.7

賃貸

832,858

12.7

合計

60,279,099

△0.5

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

今後の見通しにつきましては、企業収益が堅調に推移し、輸出の持ち直しが見受けられるものの、米国、欧州および朝鮮半島を中心とした海外政治情勢の不安定さから、景気は先行き不透明な状況が継続するものと思われます。

当社グループといたしましては、取扱貨物量の確保とともに、物流の合理化・省力化等の顧客ニーズに対応するため、国内においては、物流センターの機能強化ならびに輸送用車両および荷役機器の増強を進めてまいりました。また、海外においても、増加する取扱貨物への対応として、倉庫の新設ならびに輸送用車両および荷役機器の充実を図っております。

これら施設の有効的活用をはじめ、諸経費の節減により、営業収益を確保拡大し、業績の向上に全力を尽くす所存であります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼし、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があるものとして、当社が認識している「事業等のリスク」には以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済状況によるリスク

当社グループの事業は、港湾運送、倉庫保管、陸上運送、貨物利用運送、海運代理店、航空貨物・国際複合輸送、賃貸の7つの事業に分かれております。その中核である港湾運送部門におきましては、輸出入貨物量の変動に大きな影響を受けることから、欧米、アジア等における景気と貿易量の動向は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 海外事業に関するリスク

当社グループの海外拠点は、欧米、中国、東南アジア等の国々に広く展開しており、国内企業の生産拠点海外シフト等により生じる現地発着の輸出入や三国間貿易に対しても、国際一貫輸送をはじめとする物流サービスでサポートしております。これらの海外事業に関しては、テロ、戦争など日本国内では想定できないようなリスクをはらんでおり、事業活動に支障をきたす可能性があります。

 

(3) 自然災害によるリスク

当社グループの経営基盤は名古屋港地区に集中しており、近い将来発生が予想されている南海トラフ巨大地震等の大規模災害が発生し、従業員や自社倉庫、港湾施設等が被災した場合は、当社グループの経営に少なからず影響を与える可能性があります。

 

(4) 公的規制の変化によるリスク

当社グループは、港湾運送、貨物運送、貨物取扱、倉庫、通関等に関わる各種の事業免許・許可を取得し事業を営んでおります。免許・許可基準等の変更等により規制緩和等が行われ競合他社の増加および価格競争の激化が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 情報漏洩によるリスク

当社グループでは、各種物流情報システムを構築しており、顧客との情報交換を行っておりますが、外部からの不正なアクセスによるシステム内部への侵入やコンピューターウィルスの感染等の障害が発生する可能性があります。ウィルス対策ソフト、ファイアーウォールシステム等を使用し、安全には万全を期しておりますが、情報の外部漏洩やデータ喪失などの事態が生じた場合、社会的信用の低下を招くだけでなく、損害賠償請求を受ける可能性もあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成においての重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

①  収益の認識

当社グループの売上高の主な部分を占める港湾運送業は、作業の内容、料金体系が複雑であり、料金の決済方法も一様でありませんが、収益の計上基準の概要を示すと次のとおりであります。

輸出貨物船積作業…貨物積込本船の出港日を収益実現の日とし、作業料請求額を売上高に計上しております。

輸入貨物船卸作業…入港本船に係る荷役作業完了日を収益実現の日とし、作業料請求額を売上高に計上しております。

倉庫事業については、毎月10日・20日・月末を締切日とし保管屯数、倉出屯数により、保管料、倉庫作業料を計算して毎月の売上高に計上しております。

 

②  貸倒引当金

当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、回収可能性を検討し貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、個別に回収可能性を検討し引当金を計上しております。

 

③ 固定資産の減損

当社グループは、港湾運送及びその関連、賃貸用の土地、建物等につき地価の下落、収益性の低下等により、投資額の回収が見込まれない場合、減損処理を行っております。
 事業用資産のグルーピングについては、管理上の事業区分をもとに独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位(連結子会社は、その会社を1つの単位とする。)に分割しております。

 

④ 投資有価証券の減損

当社グループは、長期的な取引関係を維持するため特定の顧客及び金融機関の株式を所有しております。これらの株式には時価のある上場会社の株式と時価の把握が極めて困難である非上場会社の株式が含まれております。

上場会社の株式については、時価が帳簿価額より50%を下回った場合、投資先が債務超過に陥った場合又は時価が2期連続して帳簿価額の30%を下回った場合に、減損処理を行っております。
 また非上場会社の株式については、株式の実質価額が帳簿価額の50%を下回った場合に、回復可能性があると認められる場合を除き、減損処理を行っております。

 

 

⑤  繰延税金資産

当社グループは、将来の収益力に基づく回収可能性を十分に検討した上で繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性が見込めないと判断した場合には、回収不能と見込まれる金額を見積り、評価性引当額を計上しております。

 

⑥  退職給付費用

当社及び国内連結子会社は確定給付型の制度として、確定給付年金制度及び退職一時金制度を設けております。

従業員の退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される割引率、昇給率、退職確率、死亡確率、年金資産の期待運用収益率等に基づいて算出されております。

割引率は、優良社債の利回りを参考に決定しております。期待運用収益率は、幹事信託会社の運用実績及び将来運用予測を参考に決定しております。

各種基礎率等が変更された場合、その影響は数理計算上の差異として累積され、将来期間において認識される費用に影響を及ぼします。

数理計算上の差異の費用処理額は、各連結会計年度の発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(5年)による定額法により按分した金額をそれぞれ発生の翌連結会計年度から費用処理しております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの経営成績の分析につきましては、「1 業績等の概要(1)業績」に記載しております。

 

(3) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析

当社グループのキャッシュ・フローの分析につきましては、「1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

(4) 戦略的現状と見通し

当社グループは、港湾運送事業を中核として、海・陸・空にわたる総合物流業を営んでおります。

現在、国内では、名古屋港を中心として50万㎡を超える多種多様の倉庫群を擁し、多くの優れた近代的輸送荷役機械を駆使して、大量の貨物を安全かつ迅速に取扱っております。また、営業網は、東京支店をはじめ北海道から九州まで全国を結んでいます。

海外では、米国、メキシコ、ベルギー、ドイツ、ポーランド、タイ、中国およびインドの各地に拠点を設置して、倉庫、フォワーディング、陸上輸送、通関業務を営み、わが国と世界各地を結ぶ地球規模のネットワークを確立しています。

近年、物流に対するニーズはますます多様化し高度化していますが、当社グループは、国内外の充実したハードと、柔軟性のあるソフトの両面を活用することにより絶え間なく展開し、変化するニーズに常に先見性を以って対応し、国際的かつ総合的見地から、顧客に対するタイムリーな情報の提供と万全のサービスを行なっています。

そして当社グループは、これら事業を営むことにより、適正な利潤の確保と会社の安定、確実な成長をはかり、顧客、株主、協力業者および従業員に報いることを経営の理念としております。あわせて、単に当社グループの利益のみにとらわれず、当社グループの営業の主要基盤である名古屋港全体の発展を常に視野におき、ひいては、広く経済社会における物流事業の公共的使命を認識し、常にサービスの向上に努めてまいります。