文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社は、『お客様に最適な物流サービスを提供する総合物流企業を目指し、社会に貢献するとともに、企業価値を高める』ことを経営理念としております。
また、経営理念を実現するために、社会、環境、安全、情報開示等に対する責任を明確にした7項目の行動指針を掲げ、株主・投資家・取引先・従業員などのステークホルダーの皆様からの強い信頼と期待に応えられるよう努め、新しい物流の動向に柔軟に対応し、持続的に成長する企業を目指します。
「企業行動指針」
当社は社会的責任を自覚し、すべてのステークホルダーとの対話を通して、社会の持続的発展に貢献してまいります。
○法とルールを遵守した事業活動を行います。
○地球環境の保全に努めます。
○適時、適切に社会とのコミュニケーションを図ります。
○グローバルかつ柔軟な発想で、お客様のニーズを実現します。
○仕事に情熱を持ち、新しいことに挑戦し続けます。
○雇用と人権を確保し、多様な価値観を尊重します。
○安全で健康な職場環境を保持します。
(2) 経営戦略等
当社グループは、将来にわたって持続的な成長を遂げるため、『将来のありたい姿』と3つの長期的な課題を掲げ、事業を通じてSDGsの達成を含む社会課題の解決に貢献できる企業を目指します。
『市場と顧客に選ばれる企業』
1.環境変化への適応
2.最新技術の取込み
3.事業領域の拡大
また、『将来のありたい姿』に向けた第2ステップとして、2021年度から2023年度までの3ヵ年を対象期間とする新たな中期経営計画『ステップアップ AZUMA2023』を策定いたしました。
計画の基本方針と主要な取り組みは以下のとおりです。
1 基本方針
将来を見据えた拡大事業を中心に経営資源を集中することで、収益力と資本効率の向上を目指す3年間とする。
2 基本戦略 ~ESG経営からSDGs達成に貢献する。~
(1)企業基盤の強化
・ グループ経営体制再構築:グループ本社機能の最適化、ガバナンスの強化
・ 新たな生活様式の実践:在宅勤務体制確立、デジタルインフラ整備
・ 人財育成・活用:営業力強化、現場力強化、女性活躍、グローバル人財・幹部候補育成
(2)グループ営業体制の推進
・ 事業戦略:拡大事業を中心とした付加価値を付けた最適サービスの創出
・ ネットワーク戦略:グループネットワークの拡大及び活用
(3)事業ポートフォリオ別戦略の実行
・ 拡大事業(倉庫、不動産、フェリー、環境、国際、新規):積極的設備・人財投資による事業規模拡大
・ 基盤事業(海運、コンテナターミナル、輸出入・通関):事業規模維持と利益最大化
・ 最適化事業(建材等輸送、コンテナドレイ、アグリ、その他):利益安定化
1 経営環境
(1)市場環境
新型コロナウイルス感染症による国内外の経済活動制限やロシア・ウクライナ情勢の緊迫化による物価上昇などが当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があるものと認識しております。
当社グループは、社会インフラを担う物流事業者として、従業員の安全や地球環境を配慮したサービスの安定供給に努めてまいります。
(2)企業構造
当社グループは、外部環境の変化を踏まえ、倉庫、不動産、フェリー、環境、国際、新規の各事業を「拡大事業」、海運、コンテナターミナル、輸出入・通関の各事業を「基盤事業」、建材等輸送、コンテナドレイ、アグリ、その他の各事業を「最適化事業」と位置づけ、経営資源の配分などを決定しております。
ESGの観点から本社と各事業にとっての重要課題を特定し、中長期的な社会課題の解決に効果を発揮し得る体制を目指しており、現在の事業運営は概ね良好に機能しているものと評価しております。
また、今後も事業ポートフォリオの最適化に向けた体制を整備してまいります。
(3)顧客動向
海上運賃、航空運賃高騰の長期化や、エネルギーをはじめとする原材料価格の高騰が予想される一方、政府によりコロナ感染拡大対策として実施された社会経済活動の制限緩和やガソリンなどの価格上昇抑制策の実施により、国民生活や企業の経済活動への影響の最小化が期待されます。顧客にとって不透明な事業環境となることが予想されますが、当社グループは、サービス品質とネットワークの充実に取り組み、顧客満足度を高めてまいります。
(4)競合他社の状況
競合他社は、物流サービスの範囲や専門性を拡充するとともに、ESGへの取り組み強化による持続的な企業価値向上を支える仕組みの構築により顧客との強固な信頼関係を構築しているものと認識しております。
(5)法改正
わが国政府が「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、その実現に向けた法整備の進行が想定され、環境対策費用の増加が見込まれる一方、環境に配慮した事業運営は市場に歓迎されるものと認識しております。
2 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症との共存やデジタルトランスフォーメーションの推進を含めESG経営を確立させることが重要であると認識しております。
このような状況の下、中期経営計画『ステップアップ AZUMA2023』に則り、企業基盤の強化、グループ営業体制の推進、事業ポートフォリオ別戦略の実行を基本戦略とした企業価値向上に向けた施策に取り組んでおります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している事項には、以下のようなものがあります。
当社グループは、企業価値の最大化と継続的発展を阻害するリスクを適切にコントロールするとともに、リスクが顕在化した場合において、適切な活動をもって対応することにより、当社グループの被害を最小限とするため、リスク管理体制を整備しております。具体的には、リスク管理基本方針及びリスク管理規程に基づき、リスク管理委員会を推進組織として、その適切な運用を図るものとしております。
なお、当社グループでは、事業等のリスクを、将来の経営成績等に与える影響の程度や発生の蓋然性等に応じて、「特に重要なリスク」「重要なリスク」に分類しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは事業の運営等に際し、主に、以下の法律による法的規制を受けております。当社グループでは、関連法令等を遵守して事業運営を行っており、当連結会計年度末現在で事業運営上の支障をきたすような法的規制はありませんが、これらの法的規制が見直された場合には、事業展開に影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、各事業に関係する事業者団体に加入して役員を務めるなど、監督官庁との対話に努めるとともに、法的規制の変更を事前に察知し、パブリックコメントで意見を表明するなどリスク回避を図っております。
(注) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく、事業経営の許可についてはすべて更新の方針を採っております。
当社グループの主要な事業の継続性について、当該認可・登録の有効な期間等の定めは産業廃棄物収集運搬業(5年)以外はありませんが、当連結会計年度末現在において取消事由に相当する事実はありません。
しかしながら、将来何らかの事由により許可の取消等があった場合には、当社グループの主要な事業活動に支障をきたし、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、グループコンプライアンス体制を構築し、監査部による内部監査の実施、コンプライアンス統括部によるコンプライアンス監査及びコンプライアンス教育等を実施するとともに、内部通報制度をグループ内で構築・運用しております。
当社の主要株主である太平洋セメント㈱及び同社グループのセメント原料等を輸送しており、その営業収益は、当社の全営業収益の25.7%を占めております。今後の太平洋セメントグループの動向等によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
2022年3月期における当社グループと太平洋セメント㈱との取引関係は下記のとおりであります。
(注) 取引条件及び取引条件の決定方針等
製品及び原料の輸送等の料金については、各輸送品目又は輸送形態ごとに以下のとおりに取り決めております。
(1) セメント専用船による海上輸送料金については、輸送原価を勘案して当社見積料金を提示し、毎期料金交渉の上、決定しております。
(2) 一般貨物船による海上輸送料金及びセメント関連製品の陸上輸送料金については、品目ごとの輸送運賃を提示し、毎期料金交渉の上、決定しております。
(3) サービス・ステーション作業管理料金については、市場価格、管理原価を勘案して当社見積料金を提示し、毎期料金交渉の上、決定しております。
2022年3月期における当社グループと主要な太平洋セメントグループ会社との取引関係は下記のとおりであります。
(注) 取引条件及び取引条件の決定方針等
(1) 製品及び原料の輸送料金については、市場価格、輸送原価を勘案して当社見積料金を提示し、毎期料金交渉の上、決定しております。
(2) 事務所等賃借料については、隣接の賃借料を参考にして同等の価格によっております。
(3) 燃料代については、市場価格を勘案し、毎期価格交渉の上、決定しております。なお、収益認識会計基準等の適用により1,118,535千円減少しております。
海運事業における太平洋セメント㈱及び太平洋セメントグループ会社との取引状況は以下のとおりであります。
なお、太平洋セメントグループ向けの海運事業は、その大部分がセメント専用船によるセメントの国内輸送業務であります。
当連結会計年度末現在で、当社と太平洋セメントグループ内の他社との間において、大きな競合はありませんが、事業環境の変化が生じた場合には、事業競合が発生する可能性があります。
当社グループでは、平常から同社グループとの関係を強化し、コミュニケーションを図るとともに、セメントや原料、廃棄物を安定的に大量輸送するなど同社グループ内でのプレゼンスを高めるよう努めております。また、同社グループへの依存度を低減するため、港湾運送事業、倉庫事業、国際事業などの拡大を目指しております。
当社グループの主要事業である海上輸送事業、陸上輸送事業、港湾運送事業、倉庫事業及び構内作業事業等において、船舶、トラック、フォークリフト及びトラクター等を数多く保有しており、燃料費は、変動費の中で大きなウエイトを占めております。経済情勢や産油国の政情等で燃料価格の高騰を招いた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、定期的に燃料価格の市場調査を行うとともに、複数の仕入先から燃料の大量購入等の対策を実施しております。
当社グループにおいて利益面での貢献度が高い不動産事業は、不動産市況、貸出金利水準等に対する顧客の需要動向の影響を受けております。従いまして、土地や建物等の賃貸相場が変動した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、賃料改定のルールを明確化することや契約期間を長期化することにより安定的な収入源を確保することで利益の平準化を図るなどリスク対策を実施しております。
当社グループは、その他事業としてミニトマトの生産及び販売を行っております。ミニトマトの生産は環境制御システムを導入したビニールハウス内で行っておりますが、天候不順による日照不足や病害虫の発生などにより、出荷品質の基準を満たした収穫量が確保されず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、生育環境の改善を図るべく、暖房設備増強の実施や、グローバルギャップ認証に基づいた生産工程の管理を徹底することにより、リスク対策を実施しております。
当社グループは、グローバル化へ対応するため、東アジア、東南アジア及びCIS諸国に現地法人等の拠点を設け、海外事業展開を図っております。この過程において、以下のような種々の要因が発生した場合には、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、日常的に進出国政府や現地大使館等からの発信情報、注意喚起を基に進出国とその周辺国の情勢、景気動向等の最新情報を入手し、顧客や同業他社の動向に注視しながら、現地駐在員の安全確保の観点からも、状況に応じて事業計画の見直しを行っております。
特に今般のウクライナ情勢の変化や長期化によって、更なる経済の停滞や為替レートの変動が生じ、当該リスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、大型の船舶や輸送・荷役機器を利用し、港湾運送事業や海上輸送事業、陸上輸送事業等を実施しており、不測の事故、特に油濁事故及びそれに起因する海洋汚染や大規模な交通事故等が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、国土交通省が定める運輸安全マネジメントに基づき、安全と環境保全を最優先課題とし、安全運航及び安全運転に関するPDCAを回すとともに、重大事故訓練を実施するなど危機管理体制の維持強化を図っております。
また、港湾設備、倉庫等のターミナル施設を保有・管理し、船舶、車両、ストラドルキャリア等の運搬・荷役機器で作業を実施し、施設や機器内に貨物等を保管しております。これらの施設や機器、貨物は常時、気象変動による台風や大雨、地震などのリスクに曝されており、その発生により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、自然災害の発生に備え、基準となる風速を超えた場合、作業を中止し貨物を固縛する等業務プロセスにリスク低減策を実装することや各種保険を付すなど損害の最小化に努めております。
さらに、新型のインフルエンザやコロナウイルス感染症等、これまで国民の大部分が免疫を獲得していない新しい感染症の発生が少なくとも10年周期で発生し、国際的なパンデミックに至るケースもあります。これらへの対策は、感染症法や検疫法、新型インフルエンザ等対策特別措置法等に則り政府や地方自治体が実施することとなっておりますが、当社にとどまらず、国民の生命や経済に深刻な影響を与える可能性があります。
特に今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の長期化によって更なる経済の停滞が生じ、当該リスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、リスク管理規程に基づき、危機対策本部を設置し、役職員の安全確保と事業活動の継続に向け、情報収集や当社グループにおける感染症対策を迅速かつ的確に実施し、リスクを最小限とするよう努めております。
当社グループの物流事業においては、内外の景気の変動、顧客企業の物流合理化による影響等や規制緩和の進展による他業種あるいは海外からの新たな競合会社の参入による影響等で、収受料金の下落やシェアの低下を招く恐れがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、2021~2023年度の3ヵ年における中期経営計画『ステップアップ AZUMA2023』の重点課題の1つとして「グループ営業体制の推進」を掲げ、国内外の既存顧客、新規顧客との取引の維持拡大に努めております。
運転手不足など労働市場の状況により、当社グループが必要とする人材を確保できない場合、あるいは労働組合等とのトラブルの発生等により、事業の遂行に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、業界内のネットワークを構築し新たな協力会社を探す等、運転手不足への対応を行っております。
また、人材登録会社等を通じて常に市場に対して目を向け、優秀な人材を確保するように努めております。
当社グループの直近2期の期末有利子負債残高(リース債務を除く)及び総資産に占める割合は下記のとおりであります。当社グループは今後有利子負債の削減による財務体質の強化に努める方針でありますが、経済情勢等により、市場金利が変動した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、顧客や契約先、役職員等の個人情報、料金表や顧客リスト、ノウハウ、船舶図面等の営業秘密情報及びその他の情報をグループ内で取得、生成、保管、利用しております。これら顧客情報をはじめとした個人情報の漏洩、紛失、改竄、不正利用等が発生し、当社グループの信用や競争力の低下等が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、「個人情報保護規程」、「企業秘密管理規程」、「情報セキュリティ基本規程」及び「文書管理規程」を制定し、個人情報や営業秘密をはじめとした社内情報の適正な取扱いに努めております。
また、情報セキュリティ運営委員会による情報セキュリティ教育を定期的に実施しております。
当社グループでは、ほぼすべての業務とその中で生成されたデータをオンラインで接続されたコンピューターシステムによりIT化し運用しております。しかしながら、サイバー攻撃やコンピューターウイルス、大規模災害等により、長期間にわたる重大なシステム障害が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、コンピューターシステムの停止や誤作動又はハッキング等のシステムリスクに対しては、「情報セキュリティ基本規程」に則り、予防、監視、対応等適正な情報管理を行い、運用面や保守面での対策を実施しております。
また、重大なシステム障害に対応するため、社外のデータセンターに代替機を用意しバックアップデータを保管する体制を構築しております。
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準に基づき、保有する固定資産について時価の著しい下落や市場環境の悪化により収益性が著しく低下した場合には、減損損失の計上により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)のわが国経済は、新型コロナウイルス変異株の出現により経済活動の回復が鈍化したほか、ウクライナ情勢の緊迫化、原材料やエネルギー資源の価格が高騰する等、依然として、厳しく不安定な状況で推移しました。
物流業界におきましては、生産関連貨物について、先送りにしていた設備投資の再開等により、持ち直しの動きがみられました。また、建設関連貨物については、公共投資が資材価格の上昇の影響等により減少傾向となり、住宅投資は弱含みとなり弱い荷動きが続きました。
国際貨物輸送につきましては、輸出は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和される中で、緩やかな増加が続きました。輸入は、個人消費が弱含みで推移した一方で、国内産業の緩やかな持ち直しにより総じて回復基調で推移しました。
このような経営環境の下、当社グループは、将来にわたって持続的な成長を遂げるため、『市場と顧客に選ばれる企業』を将来のありたい姿として掲げるとともに、その達成のための長期的な課題として (1) 環境変化への適応、(2) 最新技術の取込み、(3) 事業領域の拡大を示し、事業を展開する市場だけではなく株式市場や労働市場においても、より多くの方々に魅力的であると認識され、選ばれる企業を目指しております。
また、『将来のありたい姿』に向けた第2ステップとして、ESG経営からSDGs達成に貢献するため、将来を見据えた拡大事業を中心に経営資源を集中することで、収益力と資本効率の向上を目指す基本方針に則り、2021年度から2023年度までの3ヵ年を対象期間とする中期経営計画『ステップアップ AZUMA2023』を策定しました。基本戦略として (1) 企業基盤の強化、(2) グループ営業体制の推進、(3) 事業ポートフォリオ別戦略の実行を掲げ、企業価値向上に向けた施策に取り組んでおります。
企業基盤の強化については、アフターコロナを見据え、在宅勤務など勤務制度を見直したほか、女性活躍のための社内研修や意見交換会を開催しました。また、ESG経営を強力に推進するため、2022年4月1日にサステナビリティ推進部を設置しました。
グループ営業体制の推進については、フレキシタンクを用いた液体輸送サービスを開始したほか、新規案件の獲得に努めました。
事業ポートフォリオ別戦略の実行については、拡大事業を中心とした投資計画の検討を進めました。基盤事業においては、安定したサービスの提供と生産性の向上に取り組みました。利益の安定化を目指している最適化事業においては、燃料費の高騰や荷動きの伸び悩みにより、小幅な改善にとどまりました。
これらの結果、当連結会計年度の営業収益は、396億1千3百万円と前連結会計年度に比べ6億1千2百万円(1.6%)の増収となり、営業利益は6億8千4百万円と前連結会計年度に比べ1千6百万円(2.3%)の減益、経常利益は8億8千9百万円と前連結会計年度に比べ1億5千5百万円(21.2%)の増益となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、6億3千5百万円と前連結会計年度に比べ2億4千1百万円(61.4%)の増益となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、営業収益は22億5千9百万円減少しております。
セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。
① 物流事業
物流事業におきましては、国際貨物について、経済活動の制限と緩和が繰り返される中で、国内外の景気が緩やかに持ち直していることを背景に、輸出入貨物の取扱量は下支えされたものの、海外港湾混雑の影響でコンテナ船の寄港隻数減便により、取扱量は総じて減少しました。また、荷役作業においてはスケジュール遅延により作業費用が嵩んだ一方、コンテナターミナル蔵置量の適正化に努めたことで全体的な費用を抑えることができました。ロシア・中央アジア関連貨物については、新型コロナウイルス感染症等の影響でロシア向けの生産関連貨物の取扱量が減少したほか、中国の越境検疫強化等で物流が停滞したことやコンテナ不足を背景に、中央アジア向けの自動車関連貨物等の取扱量が減少しました。一方で、ロシア向け消費財関連貨物のコンテナ輸送量が堅調に推移したほか、同地域向け貨物輸送に伴う日本国内での付帯作業の取扱量が増加しました。また、液体輸送事業や欧州向けの設備輸送案件が開始したことにより、収益性が向上しました。なお、ロシア等への輸出については、経済産業省発表の輸出入禁止措置に基づき取扱いを行っております。国内貨物については、鋼材をはじめとする資材価格が上昇している影響等により、建材関連貨物の荷動きが低調に推移し、カーフェリー輸送や陸上輸送での取扱量は減少しました。
これらの結果、物流事業の営業収益は、304億2千9百万円と前連結会計年度に比べ22億4千5百万円(8.0%)の増収となり、セグメント利益は、16億1千2百万円と前連結会計年度に比べ1億7千6百万円(12.3%)の増益となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により営業収益は2百万円増加しております。
海運事業におきましては、内航船について、建設現場における人手不足に伴う工期の長期化やコロナ禍での工期遅延、住宅投資の低迷等を背景に、セメント船の取扱量は減少しました。内航貨物船は、一般貨物船において、建設発生土や石膏、スラグ等の需要が堅調に推移し、取扱量は増加しました。一方、燃料価格の高騰により費用が増加しました。粉体船においては、石炭灰発生量増に伴い取扱量は増加しました。外航船については、粉体船が昨年度末に契約終了となり取扱量が減少しました。一般貨物船においては、航海数が減少したことにより取扱量が減少しました。
これらの結果、海運事業の営業収益は、82億9千5百万円と前連結会計年度に比べ16億2千4百万円(16.4%)の減収となり、セグメント利益は、3億4千9百万円と前連結会計年度に比べ1億7千7百万円(33.8%)の減益となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により営業収益は22億6千1百万円減少しております。
不動産事業におきましては、保有資産の適正な維持管理を行いました。
これらの結果、不動産事業の営業収益は、6億5千9百万円と前連結会計年度に比べ1百万円(0.2%)の減収となりましたが、セグメント利益は、5億6千5百万円と前連結会計年度に比べ1千9百万円(3.7%)の増益となりました。
④ その他事業
その他事業におきましては、植物工場のある東海地方において、平年より早く梅雨入りしたことを背景とした天候の影響により、上期の収穫量は減少したものの、苗の植え替え作業を早めたことにより下期での収穫量は増加しました。一方で、人員体制強化により固定費が増加したほか、燃料費が増加しました。
これらの結果、その他事業の営業収益は、2億2千9百万円と前連結会計年度に比べ6百万円(2.7%)の減収となり、セグメント損失は、1千5百万円(前連結会計年度は9百万円のセグメント損失)となりました。
上記セグメント利益又は損失は、セグメント間取引消去前の金額で記載しており、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
生産、受注及び販売の状況は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、製造原価によっております。
当社グループの業務形態は物流事業、海運事業、不動産事業、その他事業と多岐にわたっており、受注が各事業にまたがる特質を有し、かつ、浮動的であるため、受注実績を画一的に表示することは困難であります。
よって、受注状況は記載しておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引につきましては、相殺処理をしております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
資産合計は、前連結会計年度末に比べ13億5千3百万円増加の373億5千3百万円(3.8%増)となりました。主な要因は、減価償却等により有形固定資産の船舶が2億2千万円、棚卸資産が1億1千1百万円減少したものの、仮払金の増加等により流動資産のその他が4億1千6百万円、現金及び預金が3億6千2百万円増加したこと等によります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ6億8千9百万円増加の212億2千万円(3.4%増)となりました。主な要因は、約定返済が進んだこと等により短期借入金が3億1千1百万円、固定負債のリース債務が1億9千1百万円減少したものの、未払金の増加等により流動負債のその他が5億7千5百万円、営業未払金が2億4千2百万円増加したこと等によります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ6億6千3百万円増加の161億3千3百万円(4.3%増)となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上6億3千5百万円及び配当金の支払い1億9千8百万円等により利益剰余金が4億3千7百万円、その他有価証券評価差額金が1億4千3百万円、為替換算調整勘定が3千万円、退職給付に係る調整累計額が2千6百万円、非支配株主持分が1千9百万円、自己株式が5百万円増加したことによります。
この結果、自己資本比率は43.0%と前連結会計年度末に比べて0.2ポイントの増加となりました。
① キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前年度末から3億6千2百万円増加し54億8千1百万円となりました。
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は21億7千3百万円の収入となり、前年同期と比べ22億4千9百万円減少しました。税金等調整前当期純利益は3億8千5百万円増加しましたが、売上債権の増減額が12億7千7百万円減少したこと等が影響しました。
投資活動による支出は5億7千6百万円(前年同期は4億8千2百万円の収入)となりました。無形固定資産の取得による支出は1千2百万円減少しましたが、有形固定資産の取得による支出が4億4千3百万円増加したことや投資有価証券の売却による収入が2億1千9百万円減少したこと等が影響しました。
財務活動による支出は12億4千8百万円となり、前年同期と比べ22億2千5百万円減少しました。シンジケーション方式によるコミットメントライン契約を効果的に運用した結果、短期借入金による収入は9億1千万円、長期借入金による収入は11億3千万円それぞれ増加しました。
キャッシュ・フロー関連指標のトレンド
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
2 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しています。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、リース債務を除く利息を支払っている負債を対象としています。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要のうち営業活動による主な支出は、仕入債務や販売費及び一般管理費のほか、借入金利息、法人税等の支払による支出であります。投資活動による主な支出は、将来の成長に必要な新規設備投資や投融資であります。また、財務活動による主な支出は、借入金、リース債務、長期未払金の返済等による支出であります。
資金需要のための所要資金については、主に借入金によって調達しており、一部は自己資金にて賄っております。また、緊急時の資金調達方法として合計30億円のコミットメントライン契約を主要金融機関と締結しており、資金の流動性を確保しております。
なお、当社グループでは、適正な現預金水準について検証を行っており、安定した経営が可能である必要運転資金を売上高の約1ヶ月分以上としております。これを超える分については、緊急の資金需要のために確保して十分な水準の手元流動性を確保いたします。
当社グループの資本政策につきましては、将来の成長に必要な内部留保資金の充実と株主の皆様への還元とのバランスを最大限考慮することを基本方針としております。将来の成長に必要な内部留保については、拡大注力事業と位置付けている倉庫・不動産事業、海外事業の収益拡大に資源を優先的に充当するほか、成長育成事業と位置付けている環境関連事業や新規事業において、M&Aも視野に積極的な投資を行う方針であります。また、株主の皆様への還元方針につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載をしております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
市場価格又は合理的に算定された価額のある有価証券については、50%以上下落した場合に減損損失を計上しております。また30%以上50%未満の場合には、当該会社の経営成績及び財政状態で判断いたします。
市場価格のない有価証券については、実質価額が帳簿価額と比較して、50%以上下落した場合、当該会社の財政状態及び将来の展望を考慮した結果、回復不能と判断した場合には、減損損失を計上しております。
将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の帳簿価額に反映されていない損失又は帳簿価額の回収不能が発生した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。減損損失の認識におきましては、将来キャッシュ・フローの見積り及び割引率の見積り等が必要になります。市場環境の悪化により固定資産の収益性が見積りより低下した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
当社グループにおける退職給付費用の計算は、その計算の際に使われた仮定により異なります。この仮定は割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の期待収益率、死亡率などの要因が含まれております。これらの仮定と実際の結果との差額は累計され、将来の会計期間にわたって償却するため、原則として将来の会計期間に費用化されます。
実際との差異又は仮定自体の変更により、退職給付の費用に影響を与える可能性があります。
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。同様に顧客の財政状態が改善し、その支払能力が回復した場合や見積り以上の回収があった場合、引当の戻し入れが生じる可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。