文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社は、『お客様に最適な物流サービスを提供する総合物流企業を目指し、社会に貢献するとともに、企業価値を高める』ことを経営理念としております。
また、経営理念を実現するために、企業行動指針、サステナビリティ基本方針を掲げ、株主・投資家・取引先・従業員などのステークホルダーの皆様からの強い信頼と期待に応えられるよう努め、新しい物流の動向に柔軟に対応し、持続的に成長する企業を目指します。
「企業行動指針」
当社は社会的責任を自覚し、すべてのステークホルダーとの対話を通して、社会の持続的発展に貢献してまいります。
○法とルールを遵守した事業活動を行います。
○地球環境の保全に努めます。
○適時、適切に社会とのコミュニケーションを図ります。
○グローバルかつ柔軟な発想で、お客様のニーズを実現します。
○仕事に情熱を持ち、新しいことに挑戦し続けます。
○雇用と人権を確保し、多様な価値観を尊重します。
○安全で健康な職場環境を保持します。
「サステナビリティ基本方針」
当社グループは、人々の豊かな生活と社会インフラの構築を支える総合物流企業として、安心・安全・健康を尊重し、人や地球社会にやさしいロジスティクスを実現します。
さらに、「運ぶ力」「繋ぐ力」「貫く力」と常に新しいことに挑戦し続ける「挑む力」によって、未来へ続く社会の発展に貢献してまいります。
当社グループは、以下5つのマテリアリティに事業活動を通じて取り組んでまいります。
1.人的資本経営 × DX
2.脱炭素社会の実現に貢献する
3.サーキュラーエコノミーの実現に貢献する
4.海をきれいにする
5.地域社会の発展に貢献する
(2) 経営戦略等
当社グループは、将来にわたって持続的な成長を遂げるため、『将来のありたい姿』として『市場と顧客に選ばれる企業』を掲げ、事業を通じてSDGsの達成を含む社会課題の解決に貢献できる企業を目指します。
また、『将来のありたい姿』に向け、2024年度から2026年度までの3ヵ年を対象期間とする新たな中期経営計画を策定し、計画最終年度である2027年3月期において、連結営業収益440億円、連結経常利益11億円を目標に掲げました。
計画の基本方針と主要な取組は以下のとおりです。
1.基本方針
・将来のありたい姿に向けて、利益向上を目的とした基本戦略を展開し、ステークホルダー(株主、従業員、取引先、地域社会)の期待に応えるとともに、成長投資を実行することにより企業価値向上を図る。
・マテリアリティの解決をはじめとしたESG経営を推進し、持続的社会の発展に貢献する。
2.基本戦略
(1)事業戦略
・既存領域の深化(拡大事業:倉庫、フォワーディング、輸出入通関、海外)
・収益基盤の維持(基盤事業:海運、コンテナターミナル、不動産)
・利益の安定化(最適化事業:陸運、アグリ、その他、不採算事業)
・営業部門の増強
・ICT戦略の推進
(2)組織・人財・財務戦略
・組織力の強化
・人的資本経営の推進
・資本コストや株価を意識した経営の実現
(3)ガバナンスの強化
・コンプライアンスの徹底
・リスクマネジメントの強化
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、将来のありたい姿として掲げている「市場と顧客に選ばれる企業」の実現に向け、現中期経営計画「26中期経営計画」の基本方針である「マテリアリティの解決をはじめとしたESG経営を推進し、持続的社会の発展に貢献する」取り組みを推進するため2025年4月1日付でサステナビリティ委員会を設置しております。また、当社グループは、企業価値創造に向けたサステナビリティ経営の確立を目的として、経営会議にて都度、以下の内容の協議等を行っております。
① サステナビリティに関する重要課題の特定及び数値目標の策定
② サステナビリティに関するリスク及び機会への対応の基本方針の策定
③ IT 活用を含めたサステナビリティ推進に係る施策
④ サステナビリティに関する情報開示の拡充
取締役会は、サステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有しております。経営会議で協議・決議された内容の報告を受け、当社グループのサステナビリティのリスク及び機会への対応方針、実行計画等についての審議・監督を行っております。
また、当社グループでは、経営理念やサステナビリティ基本方針のもと、「1.人的資本経営×DX」、「2.脱炭素社会の実現に貢献する」、「3.サーキュラーエコノミーの実現に貢献する」、「4.海をきれいにする」、「5.地域社会の発展に貢献する」の5つのマテリアリティを定めました。当社グループは、事業活動においてこれらのマテリアリティに取り組んでいくことにより、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、企業価値を高めてまいります。
(2)リスク管理
当社グループは、当社グループに発生する損害を最小限とするために、リスクを適切にコントロールし、リスクが顕在化した場合において、適切な活動をもって対応できるよう、リスク管理体制を整備しております。
具体的には、リスク管理基本方針、リスク管理規程に基づき、リスク管理委員会を推進組織として、その適切な運用を図っております。
特に、リスク管理委員会では、ERM(Enterprise Risk Management)の一環として、毎年、各部門・各子会社にリスク特定表により、リスクの識別、分析、評価及びその対応策の実施状況を報告させて、グループ全体のリスクに関する脆弱性を把握するためにリスクマップを作成し、確認のうえ、問題等があれば対処しております。
サステナビリティに関するリスク管理もこの体制の中で運用しており、中でも、地球環境保全及び人的資本確保に関するリスクについては、「
(3)戦略
当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
人材の育成に関する方針
当社の経営理念である「お客様に最適な物流サービスを提供する総合物流企業を目指し、社会に貢献するとともに、企業価値を高める」の、最適な物流サービスを提供する源泉は「人財」であるとの認識のもと、人材育成を行っております。具体的には、職員に意欲向上と能力開発の機会を提供し、資格、役職、事業別に求められる能力を開発する研修制度だけではなく、高い目標に挑戦する意欲や課題の解決に必要なスキルを向上させるため「問題解決」意識と「業務改善」手法を職場に浸透させる研修制度を実施しております。また、物流事業の根底は安全第一との認識のもと、業務遂行に必要な各法令知識を身につけ、安全管理の強化とコンプライアンスの徹底・重要性の再認識を図り、潜在リスクを抑制しております。
社内環境整備方針
a.教育研修の提供
職員の成長が持続的な会社の発展を支える礎として、公平かつ平等な教育研修の機会を提供しております。
b.多様な働き方の実現
多様な価値観をもつ職員がワーク・ライフバランスを整えながら柔軟に働くことができる制度を整備しております。
① 在宅勤務制度
在宅勤務を希望する職員に対しては、組織と個人の生産性を維持・向上させるべく、コミュニケーションツールのデジタル化、社内決裁の簡素化・デジタル化等を行っております。
② 時差出勤制度
各自のライフステージに合わせて柔軟に働けるよう時差出勤を導入しております。
③ 短時間勤務
家族の育児や介護を行う職員が仕事と家庭の両立ができるよう、短時間勤務ができる制度を設けております。育児の場合は、子供の小学校4年の始期に達するまで本制度を利用できます。
④ 男性職員の育児休業取得促進
男性職員が育児休業を取得しやすいよう、その利用方法を分かりやすく丁寧に説明しております。また、男性の育児休業取得事例を社内広報にて発信し取得促進を図っております。
c.原動力となる人材の採用
チャレンジ精神があり、アグレッシブな姿勢で失敗を恐れず行動ができ、常にポジティブに考えられる人材を積極的に採用しております。また、そのような人材が活躍できる組織風土を実現します。
d.キャリア形成と能力開発の支援
職員が新しいスキルを身につけ成長するための能力開発、職員自身のキャリア形成を支援するため通信教育補助制度及び資格取得報奨制度を設けております。
e.職員の安全と心身の健康
職員の安全と心身の健康を第一に考えます。安全管理の強化とコンプライアンスの徹底を図っております。また、職場におけるコミュニケーションを重視し、職員一人ひとりの心と身体の健康を図っております。
f.多様性の確保についての考え方
当社では、従来から性別や国籍に関係なく能力や人物本位の人材登用を行っており、多様な人材の視点や価値観を活かし、持続的な成長が図れるよう努めております。女性活躍推進では、女性管理職研修を始め、女性若手職員によるディスカッションや、女性部下を持つ男性管理職研修等、女性が働きやすい職場になるよう努めております。
当社グループでは、上記「(3)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組が行われているものの、当社グループに属する全ての会社では行われていないため、当社グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、提出会社のものを記載しております。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績
(注)1 2022年度から2024年度を対象期間として算出したものであります。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
4 有期雇用労働者・パートの賃金の差異20.2%の内訳は、有期雇用労働者64.0%、パート21.2%であります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している事項には、以下のようなものがあります。
当社グループは、企業価値の最大化と継続的発展を阻害するリスクを適切にコントロールするとともに、リスクが顕在化した場合において、適切な活動をもって対応することにより、当社グループの被害を最小限とするため、リスク管理体制を整備しております。具体的には、リスク管理基本方針及びリスク管理規程に基づき、リスク管理委員会を推進組織として、その適切な運用を図るものとしております。
なお、当社グループでは、事業等のリスクを、将来の業績等に与える影響の程度や発生の蓋然性等に応じて、「特に重要なリスク」「重要なリスク」に分類しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、事業の運営等に際し、主に、以下の法律による法的規制を受けております。当社グループでは、関連法令等を遵守して事業運営を行っており、当連結会計年度末現在で事業運営上の支障をきたすような法的規制はありませんが、これらの法的規制が見直された場合には、事業展開に影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、各事業に関係する事業者団体に加入して役員を務めるなど、監督官庁との対話に努めるとともに、法的規制の変更を事前に察知し、パブリックコメントで意見を表明するなどリスク回避を図っております。
(注) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく、事業経営の許可についてはすべて更新の方針を採っております。
当社グループの主要な事業の継続性について、当該認可・登録の有効な期間等の定めは産業廃棄物収集運搬業(5年)以外ありませんが、当連結会計年度末現在において取消事由に相当する事実はありません。
しかしながら、将来何らかの事由により許可の取消等があった場合には、当社グループの主要な事業活動に支障をきたし、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、グループコンプライアンス体制を構築し、監査部による内部監査の実施、コーポレート統括部によるコンプライアンス監査及びコンプライアンス教育等を実施するとともに、内部通報制度をグループ内で構築・運用しております。
当社の主要株主である太平洋セメント㈱及び同社グループのセメント原料等を輸送しており、その営業収益は、当社の全営業収益の27.8%を占めております。今後の太平洋セメントグループの動向等によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
2025年3月期における当社グループと太平洋セメント㈱との取引関係は下記のとおりであります。
(注) 取引条件及び取引条件の決定方針等
製品及び原料の輸送等の料金については、各輸送品目又は輸送形態ごとに以下のとおりに取り決めております。
(1) セメント専用船による海上輸送料金については、輸送原価を勘案して当社見積料金を提示し、毎期料金交渉の上、決定しております。
(2) 一般貨物船による海上輸送料金及びセメント関連製品の陸上輸送料金については、品目ごとの輸送運賃を提示し、毎期料金交渉の上、決定しております。
(3) サービス・ステーション作業管理料金については、市場価格、管理原価を勘案して当社見積料金を提示し、毎期料金交渉の上、決定しております。
2025年3月期における当社グループと主要な太平洋セメントグループ会社との取引関係は下記のとおりであります。
(注) 取引条件及び取引条件の決定方針等
(1) 製品及び原料の輸送料金については、市場価格、輸送原価を勘案して当社見積料金を提示し、毎期料金交渉の上、決定しております。
(2) 事務所等賃借料については、隣接の賃借料を参考にして同等の価格によっております。
(3) 燃料代については、市場価格を勘案し、毎期価格交渉の上、決定しております。
海運事業における太平洋セメント㈱及び太平洋セメントグループ会社との取引状況は以下のとおりであります。
なお、太平洋セメントグループ向けの海運事業は、その大部分がセメント専用船によるセメントの国内輸送業務であります。
当連結会計年度末現在で、当社と太平洋セメントグループ内の他社との間において、大きな競合はありませんが、事業環境の変化が生じた場合には、事業競合が発生する可能性があります。
当社グループでは、平常から同社グループとの関係を強化し、コミュニケーションを図るとともに、セメントや原料、廃棄物を安定的に大量輸送するなど同社グループ内でのプレゼンスを高めるよう努めております。また、同社グループへの依存度を低減するため、港湾運送事業、倉庫事業、国際事業などの拡大を目指しております。
当社グループの主要事業である海上輸送事業、陸上輸送事業、港湾運送事業、倉庫事業及び構内作業事業等において、船舶、トラック、フォークリフト及びトラクター等を数多く保有しており、燃料費は、変動費の中で大きなウエイトを占めております。経済情勢や産油国の政情等で燃料価格の高騰を招いた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、定期的に燃料価格の市場調査を行うとともに、複数の仕入先から燃料の大量購入等の対策を実施しております。
当社グループにおいて利益面での貢献度が高い不動産事業は、不動産市況、貸出金利水準等に対する顧客の需要動向の影響を受けております。従いまして、土地や建物等の賃貸相場が変動した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、賃料改定のルールを明確化することや契約期間を長期化することにより安定的な収入源を確保することで利益の平準化を図るなどリスク対策を実施しております。
当社グループは、その他事業としてミニトマトの生産及び販売を行っております。ミニトマトの生産は環境制御システムを導入したビニールハウス内で行っておりますが、天候不順による日照不足や病害虫の発生などにより、出荷品質の基準を満たした収穫量が確保されず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、生育環境の改善を図るべく、暖房設備増強の実施や、グローバルギャップ認証に基づいた生産工程の管理を徹底することにより、リスク対策を実施しております。
(1) 地球環境保全(気候変動や生物多様性等)について
地球環境保全の観点から温室効果ガスが気候変動や生物多様性等に多大な影響を与えているとの認識が広がり、この排出量削減がグローバルに政府や企業を巻き込み国際的なイニシアティブとなってきております。
当社グループでは、船舶や貨物自動車、フォークリフトなど輸送機器・荷役機器を多数保有するとともに、倉庫やコンテナターミナル等を運営しており、重油や軽油、ガソリンなどの化石燃料や電気などを使用することによって温室効果ガスの排出に関与しております。
また、当社グループは、メーカーや商社など顧客の物流を担っており、様々なサプライチェーンやバリューチェーンに組み込まれております。
このため、省エネルギーや再生可能エネルギーへの転換など温室効果ガスの排出量削減を積極的に推進できない場合、社会的な信用を失い、顧客から排除され、新たなビジネスチャンスも得られないことから、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、地球環境保全が人類共通の課題と認識し、豊かな環境を次世代に引き継ぐため、環境保全と循環型社会の実現を目指した事業活動を積極的に推進しております。
(2) 人的資本確保について
当社グループでは、人的資本が企業価値を創造する最大のファクターであると認識しており、これを確保できない場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
人的資本を確保し、その価値を最大限に引き出すためには、差別やいじめのない働きやすい健全な職場環境を実現し、絶えず改善する必要があります。
このため、当社グループでは、ダイバーシティ(ジェンダーや人種、民族、年齢、雇用形態などの多様性)に配慮し、インクルージョン(多様な価値観を受け入れ、組織が一体となること)を進めております。
特に、人権に配慮するため、セクシャルハラスメントやパワーハラスメントなど様々な形態のいじめが発生しないよう、経営トップがメッセージを発し、定期的に教育を実施するとともに、内部通報制度やグループ内アンケートなどを活用し、早期発見・是正に努め、懲戒を厳正に行うなど再発防止策を着実に実施しております。
また、従業員一人ひとりが誇りとやりがいを感じ自己実現と企業価値向上の両立を目指して、イノベーションに挑戦できるよう、人事諸制度、教育、福利厚生など労働環境の改善に努めております。
中でも、政府が推進する働き方改革につきましては、これを尊重し、子育て・介護の支援や在宅勤務・時差勤務の制度化などとともに長時間労働の削減にも取り組んでおります。特に当社グループでは多くの貨物自動車を保有しており、いわゆる2024年問題に関しましても適切に対処してまいります。
さらに、当社グループで働く者全ての「安全」と「健康」が事業活動における最重要課題であることを認識し、無事故・無災害とともに、安全で健康的な就労環境の保持に取り組んでおります。
(3) 不正について
当社グループの役職員や関係者による粉飾決算やインサイダー取引、背任、横領、窃盗、反社会的勢力との取引など不正が発生すると、レピュテーションリスクを含め、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、業務執行に係る経営戦略及び事業目的を組織として効率的に機能させ、財務報告を正確に作成するとともに、社内に不正が生じないよう組織として自律的に管理するために内部統制システムを継続的に見直し、改善しております。
また、当社グループは、法令はもちろんのこと、経営理念、行動指針、社内規程をはじめ企業倫理を遵守し、自律的に管理できる企業風土を醸成するため、体制を整備しております。
具体的には、コンプライアンス規程、社内通報規程、コンプライアンスマニュアルに基づき、コンプライアンス委員会を中心に、計画の策定、その実施・確認、社内通報への対応、法令違反事件についての調査・是正措置及び再発防止策の実施並びにそのフォローアップ、社内教育などを行っております。
当社グループは、グローバル化へ対応するため、東アジア、東南アジア及びCIS諸国に現地法人等の拠点を設け、海外事業展開を図っております。この過程において、以下のような種々の要因が発生した場合には、当社グループの事業運営及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、日常的に進出国政府や現地大使館等からの発信情報、注意喚起を基に進出国とその周辺国の情勢、景気動向等の最新情報を入手し、顧客や同業他社の動向に注視しながら、現地駐在員の安全確保の観点からも、状況に応じて事業計画の見直しを行っております。
特に今般のウクライナ情勢の変化や長期化によって、更なる経済の停滞や為替レートの変動が生じ、当該リスクが顕在化した場合、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、大型の船舶や輸送・荷役機器を利用し、港湾運送事業や海上輸送事業、陸上輸送事業等を実施しており、不測の事故、特に油濁事故及びそれに起因する海洋汚染や大規模な交通事故等が生じた場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、国土交通省が定める運輸安全マネジメントに基づき、安全と環境保全を最優先課題とし、安全運航及び安全運転に関するPDCAを回すとともに、重大事故訓練を実施するなど危機管理体制の維持強化を図っております。
また、港湾設備、倉庫等のターミナル施設を保有・管理し、船舶、車両、ストラドルキャリア等の運搬・荷役機器で作業を実施し、施設や機器内に貨物等を保管しております。これらの施設や機器、貨物は常時、気象変動による台風や大雨、地震などのリスクに曝されており、その発生により当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、自然災害の発生に備え、基準となる風速を超えた場合、作業を中止し貨物を固縛する等業務プロセスにリスク低減策を実装することや各種保険を付すなど損害の最小化に努めております。
さらに、新型のインフルエンザやコロナウイルス感染症等、これまで国民の大部分が免疫を獲得していない新しい感染症の発生が少なくとも10年周期で発生し、国際的なパンデミックに至るケースもあります。これらへの対策は、感染症法や検疫法、新型インフルエンザ等対策特別措置法等に則り政府や地方自治体が実施することとなっておりますが、当社にとどまらず、グローバルに生命や経済に深刻な影響を与える可能性があります。
特に、新型コロナウイルス感染症については、感染拡大に歯止めがかかり、感染症法上も第5類に移行されるなど、落ち着きを見せておりますが、感染力の強い変異株が出現する可能性もあり、当社グループとしては、緊急時に備えて、リスク管理規程に基づき、危機対策本部を設置し、役職員の安全確保と事業活動の継続のため、情報収集や当社グループにおける感染症対策を迅速かつ的確に実施し、リスクを最小限とすることとしております。
当社グループの物流事業においては、内外の景気の変動、顧客企業の物流合理化による影響等や規制緩和の進展による他業種あるいは海外からの新たな競合会社の参入による影響等で、収受料金の下落やシェアの低下を招く恐れがあり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、2024~2026年度の3ヵ年における中期経営計画の基本戦略に基づき、リスクを最小限に抑制するために努めております。
当社グループの直近2期の期末有利子負債残高(リース債務を除く)及び総資産に占める割合は下記のとおりであります。当社グループは今後有利子負債の削減による財務体質の強化に努める方針でありますが、経済情勢等により、市場金利が変動した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、顧客や契約先、役職員等の個人情報、料金表や顧客リスト、ノウハウ、船舶図面等の営業秘密情報及びその他の情報をグループ内で取得、生成、保管、利用しております。これら顧客情報をはじめとした個人情報の漏洩、紛失、改竄、不正利用等が発生し、当社グループの信用や競争力の低下等が生じた場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、「個人情報保護規程」、「営業秘密管理規程」、「情報セキュリティ基本規程」及び「文書管理規程」を制定し、個人情報や営業秘密をはじめとした社内情報の適正な取扱いに努めております。
また、情報セキュリティ運営委員会による情報セキュリティ教育を定期的に実施しております。
当社グループでは、ほぼすべての業務とその中で生成されたデータをオンラインで接続されたコンピューターシステムによりIT化し運用しております。しかしながら、サイバー攻撃やコンピューターウイルス、大規模災害等により、長期間にわたる重大なシステム障害が生じた場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、コンピューターシステムの停止や誤作動又はハッキング等のシステムリスクに対しては、「情報セキュリティ基本規程」に則り、予防、監視、対応等適正な情報管理を行い、運用面や保守面での対策を実施しております。
また、重大なシステム障害に対応するため、社外のデータセンターに代替機を用意しバックアップデータを保管する体制を構築しております。
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準に基づき、保有する固定資産について時価の著しい下落や市場環境の悪化により収益性が著しく低下した場合には、減損損失の計上により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)のわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で一部に足踏みが残るものの、緩やかな回復基調で推移しております。一方で、継続的な物価高騰を背景とした個人消費の停滞や、不安定な世界情勢の影響による地政学リスクの高まり、米国における通商政策等の動向がわが国の景気を下押しするリスクとなっており、先行きは予断を許さない状況が続いております。
物流業界におきましては、生産関連貨物について、企業の堅調な設備投資意欲は持続しているものの、資材価格の高騰や深刻な人手不足による供給制約の影響等から、弱い荷動きとなりました。また、建設関連貨物については、公共投資の伸び悩みに加え、金利や建設コストの上昇を背景に住宅投資が減少し、低調な荷動きとなりました。
国際貨物輸送につきましては、輸出は、海外経済が低水準ながらも回復傾向を示す中、円安による押し上げ効果の継続を背景に、緩やかな増加基調となりました。輸入は、物価上昇や円安の加速による下押しが緩和したものの、低調に推移しました。
このような経営環境の下、当社グループは、2024年度から2026年度までの3カ年を対象期間とする中期経営計画を策定し、①「将来のありたい姿に向けて、利益向上を目的とした基本戦略を展開し、ステークホルダー(株主、従業員、取引先、地域社会)の期待に応えるとともに、成長投資を実行することにより、企業価値向上を図る」、②「マテリアリティの解決をはじめとしたESG経営を推進し、持続的社会の発展に貢献する」を基本方針として、取り組んでおります。
物流事業においては、横浜港流通センター(神奈川県横浜市)及び危険物マルチワークステーション朝倉サイト(福岡県朝倉市)にて新倉庫を稼働させ、物流サービスの強化に努めました。また、資本効率を高めるため、固定資産の売却や関係会社の組織再編等を通じた事業体制強化、不採算事業の改善等について取り組み、持続的な成長基盤の確立を目指しております。
これらの結果、当連結会計年度の営業収益は、393億9千9百万円と前連結会計年度に比べ3億4千7百万円(0.9%)の減収となり、営業利益は6億8千8百万円と前連結会計年度に比べ3億9千9百万円(138.7%)の増益、経常利益は7億3千9百万円と前連結会計年度に比べ5億8千6百万円(384.7%)の増益となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、5億7千8百万円と前連結会計年度に比べ2億6千1百万円(82.3%)の増益となりました。
セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。
① 物流事業
物流事業におきましては、国際貨物について、海外経済は全体的に持ち直してきているものの、中国からの1隻あたりのコンテナ積載数量が減少している状況は継続しており、取扱隻数は回復の兆しがみられる一方で、海上コンテナの取扱量は総じて減少しました。
ロシア・中央アジア関連貨物については、ウクライナ情勢等の影響により、ロシア向けの生産関連貨物や消費財関連貨物の取扱量は引き続き減少しました。また、中央アジア向けの自動車関連貨物は、一部の地域において、中国との国境におけるコンテナ滞留の影響により取扱量は減少し、その他の地域向けの自動車関連貨物、消費財関連貨物、ODA案件の取扱量も減少しました。
液体輸送関連貨物については、円安の影響による需要の増加に加え、紅海における治安悪化の影響により海上運賃の高騰した中東、欧州向けの輸出取扱いが増加したため、収益及び費用が増加しました。
国内貨物については、住宅投資が金利や建設コスト上昇の影響を受けて低調に推移したこと等により、建材関連貨物が弱い荷動きとなり、カーフェリー輸送や陸上輸送での取扱量が減少し、収益は減少しました。
倉庫関連貨物については、新倉庫稼働による取扱量増加で収益改善効果が見られたものの、円安や物価高を背景に既存倉庫の貨物取扱量が減少し、倉庫事業全体の収益は総じて減少しました。
これらの結果、物流事業の営業収益は、297億3千5百万円と前連結会計年度に比べ7千4百万円(0.2%)の減収となりましたが、セグメント利益は、17億1千5百万円と前連結会計年度に比べ3億5千2百万円(25.8%)の増益となりました。
海運事業におきましては、内航船について、セメント船は、住宅投資において資材価格や金利の上昇により低調に推移していることや、公共投資において人手不足による工期の長期化等で需要が低迷していることに加え、船舶の臨時入渠修繕が発生したこと等を背景に、取扱量は減少しました。内航貨物船は、一般貨物船において、建設発生土等の輸送量が減少しましたが、粉体船においては、2024年7月より新造代替船が稼働し1隻増船したことにより、取扱量は増加しました。外航船は、一般貨物船において、受注航海数が減少したことにより、取扱量は減少しました。
旅客船配乗業務については、休日時間外運航が減少したことにより、収益は減少しました。
これらの結果、海運事業の営業収益は、88億3千6百万円と前連結会計年度に比べ2億円(2.2%)の減収となりましたが、セグメント利益は、5億4百万円と前連結会計年度に比べ1億2千7百万円(33.8%)の増益となりました。
不動産事業におきましては、保有資産の適正な維持管理を行いました。一方で、当社が所有している土地の契約更新や売却等により、賃料収入が減少しました。
これらの結果、不動産事業の営業収益は、5億8千2百万円と前連結会計年度に比べ7千8百万円(11.9%)の減収となり、セグメント利益は、4億7千万円と前連結会計年度に比べ1億1千1百万円(19.1%)の減益となりました。
④ その他事業
その他事業におきましては、植物工場のある東海地方において、苗植え替え時期の猛暑の影響による病害虫被害の発生を背景に、果実の生育不良が生じたため収穫量は減少しましたが、全国的なトマトの供給不足により市況が高単価で推移したことや、販売単価の底上げにより、収益は増加しました。一方で、従業員の体制強化と定植時期の前倒しに伴い、生育管理等の工数が増加したことによる人件費や、老朽化に伴う設備・機材の修繕費等の費用が増加しました。
これらの結果、その他事業の営業収益は、2億4千6百万円と前連結会計年度に比べ5百万円(2.3%)の増収となりましたが、セグメント損失は、1千万円と前連結会計年度に比べ1千万円の減益となりました。
上記セグメント利益又は損失は、セグメント間取引消去前の金額で記載しており、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
生産、受注及び販売の状況は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、製造原価によっております。
当社グループの業務形態は物流事業、海運事業、不動産事業、その他事業と多岐にわたっており、受注が各事業にまたがる特質を有し、かつ、浮動的であるため、受注実績を画一的に表示することは困難であります。
よって、受注状況は記載しておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引につきましては、相殺処理をしております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
資産合計は、前連結会計年度末に比べ24億3千2百万円増加の411億6千2百万円(6.3%増)となりました。主な要因は、営業未収入金が8億8千2百万円、横浜港流通センター及び危険物マルチワークステーション朝倉サイトの稼働開始に伴い建設仮勘定が22億3千6百万円減少した一方、建物及び構築物が51億2百万円、土地が7億4千5百万円増加したこと等によります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ18億3千1百万円増加の235億7千7百万円(8.4%増)となりました。主な要因は、短期借入金が3億8千5百万円、営業未払金が2億4千4百万円減少したものの、長期借入金が22億8千5百万円、資産除去債務が2億6千8百万円増加したこと等によります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ6億1百万円増加の175億8千5百万円(3.5%増)となりました。主な要因は、利益剰余金が3億7千9百万円(うち親会社株主に帰属する当期純利益の計上5億7千8百万円及び配当金の支払い1億9千8百万円)、その他有価証券評価差額金が8千1百万円、為替換算調整勘定が5千5百万円、自己株式数の取得及び処分により自己株式が3千9百万円、退職給付に係る調整累計額が3千6百万円、非支配株主持分が9百万円増加したことによります。
この結果、自己資本比率は42.4%と前連結会計年度末に比べて1.1ポイントの減少となりました。
① キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末から3億6千3百万円減少し56億9千万円となりました。
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は30億2千5百万円の収入となり、前年同期と比べ22億円増加しました。税金等調整前当期純利益が2億9千4百万円増加、債権未回収額の減少により売上債権の増減額による収入が17億5千5百万円増加しましたが、仕入債務の増減額が2億6百万円減少したこと等が影響しました。
投資活動による支出は44億9百万円となり、前年同期と比べ35億1千7百万円増加しました。横浜港流通センター及び危険物マルチワークステーション朝倉サイトに関わる大型設備投資を行ったこと等により、有形固定資産の取得による支出が18億5千9百万円増加したほか、有形固定資産の売却による収入が16億2百万円減少したこと等が影響しました。
財務活動による収入は10億9百万円となり、前年同期と比べ11億7千6百万円増加しました。大型設備投資に伴い長期借入れによる収入が15億3千6百万円増加し、手元資金の有効活用による有利子負債の圧縮を行った結果、短期借入れによる収入は14億6千万円、短期借入れの返済による支出は5億円それぞれ減少したこと等が影響しました。
キャッシュ・フロー関連指標のトレンド
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
2 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しています。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、リース債務を除く利息を支払っている負債を対象としています。ただし、無利息の借入金も含めております。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
(資本政策の基本方針)
当社グループの資本政策につきましては、将来の成長に必要な内部留保資金の充実と株主の皆様への還元とのバランスを最大限考慮することを基本方針としております。
将来の成長に必要な内部留保については、拡大注力事業と位置付けている倉庫・不動産事業、海外事業の収益拡大に資源を優先的に充当するほか、成長育成事業と位置付けている環境関連事業や新規事業において、M&Aも視野に積極的な投資を行う方針であります。
また、株主の皆様への還元方針につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載をしております。
(適正な資金水準の考え方)
当社グループでは、適正な現預金水準について検証を行っており、安定した経営が可能である必要運転資金を売上高の約1ヶ月分以上としております。これを超える分については、緊急の資金需要のために確保して十分な水準の手元流動性を確保いたします。
(資金需要の主な内容)
当社グループの資金需要のうち営業活動による主な支出は、仕入債務や販売費及び一般管理費のほか、借入金利息、法人税等の支払による支出であります。投資活動による主な支出は、将来の成長に必要な新規設備投資や投融資であります。また、財務活動による主な支出は、借入金、リース債務、長期未払金の返済等による支出であります。
なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「(3) キャッシュ・フロー ① キャッシュ・フローの状況」に記載をしております。
(資金調達の方法)
資金需要のための所要資金については、主に借入金によって調達しており、一部は自己資金にて賄っております。
また、緊急時の資金調達方法として合計30億円のコミットメントライン契約を主要金融機関と締結しており、資金の流動性を確保しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。減損損失の認識におきましては、将来キャッシュ・フローの見積り及び割引率の見積り等が必要になります。市場環境の悪化により固定資産の収益性が見積りより低下した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
当社グループにおける退職給付費用の計算は、その計算の際に使われた仮定により異なります。この仮定は割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の期待収益率、死亡率などの要因が含まれております。これらの仮定と実際の結果との差額は累計され、将来の会計期間にわたって償却するため、原則として将来の会計期間に費用化されます。
実際との差異又は仮定自体の変更により、退職給付の費用に影響を与える可能性があります。
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
市場価格又は合理的に算定された価額のある有価証券については、50%以上下落した場合に減損損失を計上しております。また30%以上50%未満の場合には、当該会社の経営成績及び財政状態で判断いたします。
市場価格のない有価証券については、実質価額が帳簿価額と比較して、50%以上下落した場合、当該会社の財政状態及び将来の展望を考慮した結果、回復不能と判断した場合には、減損損失を計上しております。
将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の帳簿価額に反映されていない損失又は帳簿価額の回収不能が発生した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。同様に顧客の財政状態が改善し、その支払能力が回復した場合や見積り以上の回収があった場合、引当の戻し入れが生じる可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。