(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府や日銀による経済政策等を背景に企業収益や雇用・所得環境の改善傾向が続くなど、景気は緩やかな回復基調で推移いたしましたが、中国をはじめとするアジア新興国等の景気下振れによる国内景気への影響が懸念されるなど、先行きは不透明な状況にあります。
名古屋港における物流業界の輸出貨物につきましては、製造業の生産活動が伸び悩み、微減となりました。また、輸入貨物につきましても、円安による原材料価格の高騰等の影響により減少しました。
このような状況のなか、当社グループにおきましてはコスト管理の徹底と業務の効率化を一層推し進め、企業体質強化を図ってまいりました。また、製造業の海外進出が活発化するなか、日本をはじめ海外の各拠点と連携を深め、一層顧客に対するきめ細やかなサービスの提供を可能とするため設備の充実にも努めました。積極的な海外における営業活動としては、平成27年4月に連結子会社ISEWAN(THAILAND)CO.,LTD.において、スワンナプーム国際空港近郊に重量物対応可能な倉庫が稼働し更なるサポート体制の充実に努めました。また、平成27年6月に欧州ロシア方面物流の玄関口であるサンクトペテルブルクの駐在員事務所を連結子会社ISEWAN EUROPE GmbHの支店とすることにより、ロシア及びCIS諸国への窓口として営業活動が可能となりました。そして、平成27年12月に連結子会社ISEWAN DE MEXICO S.A.DE C.V.において、天井クレーンを備えた重量物対応可能な倉庫が稼働し、自動車・機械産業を中心とした物流サービスの提供を開始いたしました。
こうした取り組みを進めてまいりましたが、金属加工機等の輸出貨物量及び海外子会社の取扱貨物量が堅調に推移する一方、スクラップ及び自動車の部分品等の取扱貨物量の減少の影響により、当連結会計年度の売上高は463億51百万円となり、前連結会計年度に比して0.3%減となりました。
作業種別の内訳は次のとおりであります。
船内荷役料85億88百万円(前連結会計年度比1.7%減)、はしけ運送料1億94百万円(同32.6%増)、沿岸荷役料74億2百万円(同2.5%増)、倉庫料21億4百万円(同5.2%減)、海上運送料80億30百万円(同2.7%減)、陸上運送料55億30百万円(同4.6%減)、附帯作業料143億51百万円(同2.9%増)、手数料1億50百万円(同3.3%減)であります。
利益面におきましては、営業利益は組織変更によるコスト意識を一層徹底した結果、19億96百万円(前連結会計年度比18.2%増)となり、経常利益は前期の為替差益に対し、当期は2億75百万円の為替差損に転じたこと等により、20億56百万円(同12.5%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は12億29百万円(同1.1%減)となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ9億86百万円減少し、当連結会計年度末には63億65百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、24億10百万円(前連結会計年度比25.1%増)となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益21億23百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用された資金は、35億3百万円(前連結会計年度比125.1%増)となりました。
主な内訳は、有形固定資産の取得による支出34億42百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、4億47百万円(前連結会計年度比68.0%減)となりました。
主な内訳は、配当金の支払額5億66百万円及び長期借入金の返済による支出1億37百万円である一方で、長期借入れによる収入15億18百万円であります。
営業実績を示すと次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
作業種別 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
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売上金額(千円) |
前年同期比(%) |
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物流事業 |
船内荷役料 |
8,588,568 |
99.7 |
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はしけ運送料 |
194,287 |
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沿岸荷役料 |
7,402,533 |
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倉庫料 |
2,104,229 |
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海上運送料 |
8,030,401 |
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陸上運送料 |
5,530,169 |
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附帯作業料 |
14,351,667 |
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手数料 |
150,065 |
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合計 |
46,351,923 |
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(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
今後のわが国の経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあり、緩やかな回復に向かうことが期待されております。一方、海外におきましては、米国の金融政策が正常化に向かうなか、中国をはじめとするアジア新興国等の先行きへの懸念が存在し、その影響を受けてわが国は依然として不透明な状況が続くと予想されます。
当社グループの営業戦略といたしましては、製造業の海外進出が活発化している現状下において、海外展開は重要な課題のひとつと考えており、海外を中心に新規拠点開設や組織強化を図るなど、積極的投資による機能強化を推し進めてまいりました。今後につきましてはグループの総力を結集し、国内のみならず海外拠点を含めた世界中のネットワークを活用し、高度化かつ多様化する顧客のニーズに応えた物流サービスを提供できるよう取り組んでいく所存でございます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 地震等による影響について
当社グループの主要な事業である物流事業は名古屋港を主要な拠点としております。名古屋港を含む東海地方は近年、東海・東南海地震の発生が予想されております。将来予測される大地震の発生に備え、倉庫、その他施設など当社グループの資産が地震により損傷、損失しないよう対策を講じるなど十分配慮をしております。また、当社グループが主に使用する岸壁を整備管理しております名古屋港管理組合、名古屋ユナイテッドコンテナターミナル株式会社、名古屋コンテナ埠頭株式会社、飛島コンテナ埠頭株式会社におきましても同様な対策を講じて頂いておりますが、その対応には限界があります。大地震発生後には一時的に事業活動が停止する可能性があり、また、当社グループの倉庫、その他施設に重大な影響を及ぼす可能性があります。
このように、当社グループの主要な事業拠点である東海地方に大地震等の自然災害や火災等の事故等、当社グループの倉庫、その他施設に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社グループが受ける影響は甚大なものになるおそれがあります。
(2) 人材の確保・育成について
当社グループは人材戦略を事業における最重要課題のひとつとして捉えており、今後の事業拡大には既存の従業員に加えて、特に港湾運送事業の分野で十分な知識を有する人材の確保・育成が不可欠であるという認識に立っております。当社グループは、優秀な人材を確保するために、また、現在在籍している人材が退職又は転職するなどのケースを最小限に抑えるため、基本報酬については最大限の配慮を行い、必要な人材の確保に努めていく方針であります。しかしながら、いずれも継続的な人材の確保を保証するものではなく、適格な人材を十分確保できなかった場合には、当社グループの事業拡大に制限を受ける可能性があり、また、機会損失が生じるなど当社グループの業績その他に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 海外市場での事業拡大に伴う影響について
当社グループは海外市場での事業拡大を戦略の一つとしております。しかし、様々な海外市場において、当社グループは種々の障壁に直面しております。たとえば、当社グループは、海外市場での成長の機会に乗り遅れないために、収益の計上が見込まれる時期より相当前から多額の投資を行う必要性が生じる可能性があります。さらに、当社グループの中国をはじめとする海外における事業は、次のような要因によって影響を受ける可能性があります。
為替政策、輸出又は輸入規制の変更、当社グループのような新規参入者に対する市場開放が行われないこと又はその遅延、当社グループが事業を展開する国・地域における税制又は税率変更、当社グループが事業を展開する国・地域におけるその他の経済的、社会的及び政治的要因などがあげられます。
特記すべき事項はありません。
該当事項はありません。
(1) 財政状態の分析
当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動のための資金確保、及び健全なバランスシートの維持を財務方針としております。
当連結会計年度末の資産の合計は、前連結会計年度末(以下「前期末」という)比4億29百万円増加(1.0%増)して、430億67百万円となりました。流動資産は同11億5百万円減少(6.8%減)して151億48百万円、固定資産は同15億34百万円増加(5.8%増)して279億18百万円となりました。
流動資産の減少の主な要因は、現金及び預金の減少9億35百万円によるものであります。
固定資産のうち有形固定資産は、前期末比19億43百万円増加(9.5%増)して223億19百万円となりました。
この増加の主な要因は、建物及び構築物の増加19億61百万円によるものであります。
投資その他の資産は、前期末比3億86百万円減少(6.5%減)して55億47百万円となりました。
この減少の主な要因は、繰延税金資産の増加2億73百万円である一方、投資有価証券の減少4億97百万円によるものであります。
当連結会計年度末の負債の合計は、前期末比11億51百万円増加(9.9%増)して、127億44百万円となりました。流動負債は同36百万円減少(0.6%減)して61億73百万円、固定負債は11億88百万円増加(22.1%増)して65億70百万円となりました。
流動負債の減少の主な要因は、1年内返済予定の長期借入金の増加5億99百万円である一方、買掛金の減少3億40百万円、短期借入金の減少2億78百万円であります。
固定負債の増加の主な要因は、長期借入金の増加7億82百万円、退職給付に係る負債の増加4億19百万円によるものであります。
当連結会計年度末の純資産の合計額は、前期末比7億22百万円減少(2.3%減)して303億23百万円となりました。
株主資本のうち、利益剰余金は親会社株主に帰属する当期純利益の内部留保による増加などによって前期末比6億61百万円増加(2.6%増)して263億4百万円となりました。
この結果、1株当たり純資産は、前期末の1,207円25銭から1,189円08銭となりました。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度は、東日本大震災の復興需要等を背景に緩やかな回復基調が見られたものの、欧州債務危機の問題や中国を中心とした新興国の成長鈍化などの影響により、全体としては低調なものとなりました。しかしながら、昨年末の政権交代以降、新政権の経済政策に対する期待感から、円高の是正や株価の回復など改善の動きがあり、一部に景気の持ち直しの兆しが見え始めました。
このような状況の中、改善・改革とコスト管理の徹底を推し進め、業績の確保に努めました結果、当期予想に比べ売上高は1.8%減の463億51百万円、営業利益は13.2%減の19億96百万円、経常利益は22.4%減の20億56百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は18.0%減の12億29百万円となりました。
また、1株当たり当期純利益は49円58銭、自己資本当期純利益率は4.1%となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(3) キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況につきましては「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。