第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度におけるわが国の経済は、企業収益や雇用情勢が改善し、景気は緩やかな回復基調ではありましたが、個人の消費は足踏み状態が続き、英国のEU離脱問題に加え、米国新政権の政策動向に対する懸念などの影響により、金融資本市場において不安定な動きがみられるなど、景気の先行きに不透明感が残る状況で推移しました。

 名古屋港における物流業界の輸出貨物につきましては、熊本地震による一時的な生産活動の停滞等による影響が響き、微減となりました。また、輸入貨物につきましては、前年度と比べ同水準の貨物量となりました。

 このような状況のなか、当社グループにおきましてはコスト管理の徹底と業務の効率化を一層推し進め、企業体質強化を図ってまいりました。また、製造業を始めとした日本企業のグローバル化が益々進むなか、近年当社グループも積極的に海外を中心とした物流ネットワークの拡充に努めた結果、当社グループの海外拠点数は10カ国24拠点となりました。当社グループは総力を結集し、国内のみならず、その築き上げてきた海外拠点を含めた世界中のネットワークを駆使し、グローバルかつ多様化する顧客のニーズに対応すべく営業活動を推進してまいりました。

 こうした取り組みを進めてまいりましたが、金属加工機及びバルクカーゴを始めとした取扱貨物量全般が減少し、また、船会社による経営統合の影響を受けコンテナ貨物取扱本数が減少した結果、当連結会計年度の売上高は429億62百万円となり、前連結会計年度に比して7.3%減となりました

 作業種別の内訳は次のとおりであります。

 船内荷役料74億41百万円(前連結会計年度比13.4%減)、はしけ運送料1億51百万円(同22.0%減)、沿岸荷役料75億円(同1.3%増)、倉庫料20億24百万円(同3.8%減)、海上運送料71億73百万円(同10.7%減)、陸上運送料55億47百万円(同0.3%増)、附帯作業料130億13百万円(同9.3%減)、手数料1億9百万円(同27.2%減)であります。
 利益面におきましては、減収による影響並びに販売費及び一般管理費の増加等により、営業利益は16億25百万円(前連結会計年度比18.6%減)、経常利益は18億63百万円(同9.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は11億32百万円(同7.9%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ5億61百万円増加し、当連結会計年度末には69億27百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果得られた資金は、21億57百万円(前連結会計年度比10.5%減)となりました。
 主な内訳は、税金等調整前当期純利益18億73百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果使用された資金は、2億24百万円(前連結会計年度比93.6%減)となりました。
 主な内訳は、関係会社出資金の売却による収入1億99百万円である一方で、有形固定資産の取得による支出3億74百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用された資金は、12億53百万円(前連結会計年度は4億47百万円の獲得)となりました。
  主な内訳は、配当金の支払額5億68百万円及び長期借入金の返済による支出6億87百万円であります。

2【営業実績】

 営業実績を示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

作業種別

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

売上金額(千円)

前年同期比(%)

物流事業

船内荷役料

7,441,929

92.7

はしけ運送料

151,500

沿岸荷役料

7,500,206

倉庫料

2,024,502

海上運送料

7,173,404

陸上運送料

5,547,738

附帯作業料

13,013,721

手数料

109,213

 

合計

42,962,217

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、中部経済圏における物流機構の担い手として、半世紀以上にわたり名古屋港を中心に、あらゆる貨物の取り扱いを海運、陸運を通し、一貫してお引受け出来る港運業者として、信頼をいただいております。

 四方を海に囲まれ、資源に乏しい我が国にとっては、国際貿易を推進させることが最重要課題となっております。そして多様化する物流に積極的に対応するため、当社グループはその舞台を世界に広げ、いち早く港運業者より脱皮すべく、ソフト・ハード両面に亘って、積極的な投資を実行いたしました。

 当社グループは、これまでの経験を土台として、今後とも全社一丸となって、更に企業基盤の拡大強化を図り、

世界をトータルサービスで結ぶ国際物流業者を目指し、“Innovation・Service・Environment・Worldwide・

Activity・Next stage”を実行し続けることを当社グループの基本理念としています。

・Innovation  革新的な物流サービスを創造し常に進化し続けます

・Service    顧客と株主を意識した高品質の物流サービスをご提案します

・Environment  環境に配慮した事業活動を行います

・Worldwide   世界に広がるネットワークで世界を繋ぎます

・Activity   現場・現物・現実を見据えた積極的な営業活動を行います

・Next stage  未来に向けて新たなステージへ飛躍します

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、ここ数年来、冷凍冷蔵品を始めとする多品目に対応できる多機能倉庫、そして輸出向大型機械類の梱包等の増加に伴う大型梱包事業所、中部国際空港総合物流ゾーンにおける営業倉庫、産業廃棄物の収集運搬業務の稼動、環境を重視した中間処理等業務を行うリサイクルセンターの開設、並びにその国内での経験を生かし中国天津港でのリサイクル事業の開始、業界最大級の60トンクレーンをはじめ重量貨物に対応できるクレーン設備を計6基装備した超大型重量貨物対応の弥富物流センターの開設、タイ・インドネシアでの梱包設備を兼ね備えた重量物対応可能な倉庫の開設、また、メキシコでの重量物対応可能な倉庫の開設等、たて続けに施設の増強と事業展開の拡大を図ってまいりました。

 これは、とりもなおさず規制緩和による港運業界を取り巻く環境の変化により、企業間競争が激しさを増すことを踏まえ、企業としてしっかりとした基盤を築くためのものであります。

 今後はこれらの施設管理を含めた上で、今まで以上に自社作業を中心とした適正人的配置・荷役機械の作業効率を追求して収益性を高めるような事業体制を構築し、また、物流を取り巻く環境の変化に敏感に対応し、海外拠点の拡充を行ない、海外戦略を先取りしてまいります。

(3) 経営環境及び対処すべき課題

 今後のわが国の経済は、雇用情勢や所得環境の改善が続くなかで、各種経済対策の効果もあり、緩やかな回復基調が続くことが期待されております。海外におきましても、米国の金融政策の動向や中国をはじめとするアジア新興国等の先行きの不確実性やその影響による金融資本市場が変動する懸念が存在しているものの、各国の経済対策の効果により緩やかな回復が続くことが予想されます。

我々を取り巻く海運業界では、日本経済の回復に伴い貨物量の増大を期待する一方、近年国内外の船社の相次ぐ統合及び合併が進み、不透明な状況が続いております。また、世界情勢についても各国の政策動向により貨物量が影響を受ける懸念も存在し、先を見通すことが難しい環境下となっております。チャンスとリスクが混在した状況下ではありますが、当社グループが一団となり、各人のアンテナを高く掲げ情報を的確に捉え、これまで築いてきた海外を始めとした国内外のネットワークを十分に活用した営業活動や提案を積極的に行い、永続的な発展ができるよう取り組んでゆく所存でございます。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 地震等による影響について

 当社グループの主要な事業である物流事業は名古屋港を主要な拠点としております。名古屋港を含む東海地方は近年、東海・東南海地震の発生が予想されております。将来予測される大地震の発生に備え、倉庫、その他施設など当社グループの資産が地震により損傷、損失しないよう対策を講じるなど十分配慮をしております。また、当社グループが主に使用する岸壁を整備管理しております名古屋港管理組合、名古屋ユナイテッドコンテナターミナル株式会社、名古屋コンテナ埠頭株式会社、飛島コンテナ埠頭株式会社におきましても同様な対策を講じて頂いておりますが、その対応には限界があります。大地震発生後には一時的に事業活動が停止する可能性があり、また、当社グループの倉庫、その他施設に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 このように、当社グループの主要な事業拠点である東海地方に大地震等の自然災害や火災等の事故等、当社グループの倉庫、その他施設に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社グループが受ける影響は甚大なものになるおそれがあります。

(2) 人材の確保・育成について

 当社グループは人材戦略を事業における最重要課題のひとつとして捉えており、今後の事業拡大には既存の従業員に加えて、特に港湾運送事業の分野で十分な知識を有する人材の確保・育成が不可欠であるという認識に立っております。当社グループは、優秀な人材を確保するために、また、現在在籍している人材が退職又は転職するなどのケースを最小限に抑えるため、基本報酬については最大限の配慮を行い、必要な人材の確保に努めていく方針であります。しかしながら、いずれも継続的な人材の確保を保証するものではなく、適格な人材を十分確保できなかった場合には、当社グループの事業拡大に制限を受ける可能性があり、また、機会損失が生じるなど当社グループの業績その他に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 海外市場での事業拡大に伴う影響について

 当社グループは海外市場での事業拡大を戦略の一つとしております。しかし、様々な海外市場において、当社グループは種々の障壁に直面しております。たとえば、当社グループは、海外市場での成長の機会に乗り遅れないために、収益の計上が見込まれる時期より相当前から多額の投資を行う必要性が生じる可能性があります。さらに、当社グループの海外における事業は、次のような要因によって影響を受ける可能性があります。

 為替政策、輸出又は輸入規制の変更、当社グループのような新規参入者に対する市場開放が行われないこと又はその遅延、当社グループが事業を展開する国・地域における税制又は税率変更、当社グループが事業を展開する国・地域におけるその他の経済的、社会的及び政治的要因などがあげられます。

 

5【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の分析

 当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動のための資金確保、及び健全なバランスシートの維持を財務方針としております。

  当連結会計年度末の資産の合計は、前連結会計年度末(以下「前期末」という)比1億9百万円増加(0.3%増)して、431億76百万円となりました。流動資産は同13億82百万円増加(9.1%増)して165億31百万円、固定資産は同12億73百万円減少(4.6%減)して266億45百万円となりました。

 流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金の増加5億67百万円、受取手形及び売掛金の増加5億33百万円によるものであります。

 固定資産のうち有形固定資産は、前期末比7億58百万円減少(3.4%減)して215億60百万円となりました。
 この減少の主な要因は、減価償却費の計上による有形固定資産の減少9億38百万円によるものであります。

 投資その他の資産は、前期末比5億7百万円減少(9.2%減)して50億40百万円となりました。

 この減少の主な要因は、長期貸付金の減少7億17百万円によるものであります。

 当連結会計年度末の負債の合計は、前期末比4億28百万円減少(3.4%減)して、123億15百万円となりました。流動負債は同1億67百万円増加(2.7%増)して63億40百万円、固定負債は同5億96百万円減少(9.1%減)して59億74百万円となりました。

 流動負債の増加の主な要因は、未払法人税等の減少2億4百万円である一方、買掛金の増加2億59百万円によるものであります。

 固定負債の減少の主な要因は、長期借入金の減少6億95百万円によるものであります。

 当連結会計年度末の純資産の合計額は、前期末比5億37百万円増加(1.8%増)して308億60百万円となりました。

 株主資本のうち、利益剰余金は親会社株主に帰属する当期純利益の内部留保による増加などによって前期末比5億68百万円増加(2.2%増)して268億72百万円となりました。

  この結果、1株当たり純資産は、前期末の1,189円08銭から1,208円08銭となりました。

 

(2) 経営成績の分析

 当連結会計年度は、企業収益や雇用情勢が改善し、景気は緩やかな回復基調ではありましたが、個人の消費は足踏み状態が続き、英国のEU離脱問題に加え、米国新政権の政策動向に対する懸念などの影響により、金融資本市場において不安定な動きがみられるなど、景気の先行きに不透明感が残る状況で推移しました。

 このような状況の中、改善・改革とコスト管理の徹底を推し進め、業績の確保に努めました結果、当期予想に比べ売上高は0.1%減の429億62百万円、営業利益は8.4%増の16億25百万円、経常利益は49.1%増の18億63百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は74.2%増の11億32百万円となりました。

 また、1株当たり当期純利益は45円67銭、自己資本利益率は3.8%となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの状況につきましては「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。