第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、中部経済圏における物流機構の担い手として、半世紀以上にわたり名古屋港を中心に、あらゆる貨物の取り扱いを海運、陸運を通し、一貫してお引受け出来る港運業者として、信頼をいただいております。

 四方を海に囲まれ、資源に乏しい我が国にとっては、国際貿易を推進させることが最重要課題となっております。そして多様化する物流に積極的に対応するため、当社グループはその舞台を世界に広げ、いち早く港運業者より脱皮すべく、ソフト・ハード両面に亘って、積極的な投資を実行いたしました。

 当社グループは、これまでの経験を土台として、今後とも全社一丸となって、更に企業基盤の拡大強化を図り、

世界をトータルサービスで結ぶ国際物流業者を目指し、“Innovation・Service・Environment・Worldwide・

Activity・Next stage”を実行し続けることを当社グループの基本理念としております

・Innovation  革新的な物流サービスを創造し常に進化し続けます

・Service    顧客と株主を意識した高品質の物流サービスをご提案します

・Environment  環境に配慮した事業活動を行います

・Worldwide   世界に広がるネットワークで世界を繋ぎます

・Activity   現場・現物・現実を見据えた積極的な営業活動を行います

・Next stage  未来に向けて新たなステージへ飛躍します

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、ここ数年来、冷凍冷蔵品を始めとする多品目に対応できる多機能倉庫、そして輸出向大型機械類の梱包等の増加に伴う大型梱包事業所、中部国際空港総合物流ゾーンにおける営業倉庫、産業廃棄物の収集運搬業務の稼動、環境を重視した中間処理等業務を行うリサイクルセンターの開設、業界最大級の60トンクレーンをはじめ重量貨物に対応できるクレーン設備を計6基装備した超大型重量貨物対応の弥富物流センターの開設、タイ・インドネシアでの梱包設備を兼ね備えた重量物対応可能な倉庫の開設、また、メキシコでの重量物対応可能な倉庫の開設等、たて続けに施設の増強と事業展開の拡大を図ってまいりました。

 これは、とりもなおさず規制緩和による港運業界を取り巻く環境の変化により、企業間競争が激しさを増すことを踏まえ、企業としてしっかりとした基盤を築くためのものであります。

 今後はこれらの施設管理を含めた上で、今まで以上に自社作業を中心とした適正人的配置・荷役機械の作業効率を追求して収益性を高めるような事業体制を構築し、また、物流を取り巻く環境の変化に敏感に対応し、海外拠点の拡充を行ない、海外戦略を先取りしてまいります。

(3) 経営環境及び対処すべき課題

 今後のわが国の経済は、雇用情勢や所得環境の改善が続くなかで、各種経済対策の効果もあり、引き続き緩やかな回復が続くことが期待されております。海外におきましても、アジア新興国等の経済の先行きの不確実性に関する影響や米国の保護主義的な通商政策の動向等に対する懸念が存在しているものの、米国及び欧州の堅調な経済に支えられ、全体としては緩やかな回復が続くことが予想されます。

我々を取り巻く海運業界では、大きな変革の時を迎えております。邦船3社によるコンテナ定期船事業を統合した新会社が本年より営業を開始しております。また、当社グループが基盤を置く名古屋港におきましても、名古屋港と四日市港の両港を一つの港湾運営会社によって一体的なコンテナターミナルの運営を実現するため、新会社が昨年設立されております。このような変革が続き、先読みの難しい社会情勢ではありますが、経営理念である世界をトータルサービスで結ぶ国際物流業者を目指して、全社員今一度基本に立ち返り、一丸となって足元を固め、また、スピード感をもって業務の改善を推し進めてゆく所存でございます。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 地震等による影響について

 当社グループの主要な事業である物流事業は名古屋港を主要な拠点としております。名古屋港を含む東海地方は近年、東海・東南海地震の発生が予想されております。将来予測される大地震の発生に備え、倉庫、その他施設など当社グループの資産が地震により損傷、損失しないよう対策を講じるなど十分配慮をしております。また、当社グループが主に使用する岸壁を整備管理しております名古屋港管理組合、名古屋ユナイテッドコンテナターミナル株式会社、名古屋コンテナ埠頭株式会社、飛島コンテナ埠頭株式会社におきましても同様な対策を講じて頂いておりますが、その対応には限界があります。大地震発生後には一時的に事業活動が停止する可能性があり、また、当社グループの倉庫、その他施設に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 このように、当社グループの主要な事業拠点である東海地方に大地震等の自然災害や火災等の事故等、当社グループの倉庫、その他施設に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社グループが受ける影響は甚大なものになるおそれがあります。

(2) 人材の確保・育成について

 当社グループは人材戦略を事業における最重要課題のひとつとして捉えており、今後の事業拡大には既存の従業員に加えて、特に港湾運送事業の分野で十分な知識を有する人材の確保・育成が不可欠であるという認識に立っております。当社グループは、優秀な人材を確保するために、また、現在在籍している人材が退職又は転職するなどのケースを最小限に抑えるため、基本報酬については最大限の配慮を行い、必要な人材の確保に努めていく方針であります。しかしながら、いずれも継続的な人材の確保を保証するものではなく、適格な人材を十分確保できなかった場合には、当社グループの事業拡大に制限を受ける可能性があり、また、機会損失が生じるなど当社グループの業績その他に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 海外市場での事業拡大に伴う影響について

 当社グループは海外市場での事業拡大を戦略の一つとしております。しかし、様々な海外市場において、当社グループは種々の障壁に直面しております。たとえば、当社グループは、海外市場での成長の機会に乗り遅れないために、収益の計上が見込まれる時期より相当前から多額の投資を行う必要性が生じる可能性があります。さらに、当社グループの海外における事業は、次のような要因によって影響を受ける可能性があります。

 為替政策、輸出又は輸入規制の変更、当社グループのような新規参入者に対する市場開放が行われないこと又はその遅延、当社グループが事業を展開する国・地域における税制又は税率変更、当社グループが事業を展開する国・地域におけるその他の経済的、社会的及び政治的要因などがあげられます。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

  当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー以下、「経営成績等」という。の状況の概要は次のとおりであります

① 財政状態及び経営成績の状況

  当連結会計年度におけるわが国の経済は、海外経済の不確実性や各国における金融政策の影響等により国内景気を押下げる懸念が存在したものの、企業収益や雇用情勢の改善が続くなかで、個人消費も持ち直すなど、景気は緩やかに回復しました。

  名古屋港における物流業界の輸出入貨物におきましても、景気の回復が好影響をもたらし、堅調に推移しました。

  このような状況のもと、当社グループにおきましてはコスト管理の徹底と業務の効率化を一層推し進め、企業体質強化を図ってまいりました。また、当社グループとして永続的な成長を成し遂げ、そして、高度化かつ多様化する顧客のニーズに応えた物流サービスを提供できるように、近年においては日本の国内外を問わずネットワークの強化に努め、そのネットワークを最大限に活用できるよう営業活動を推進してまいりました。

  こうした取り組みのなか、自動車を始めとした製造業の旺盛な生産活動に牽引され、生産設備に対する投資意欲が高まったことにより、設備機械、金属加工機並びに航空貨物を始めとした取扱貨物量全般が増加し、また、海外経済の回復に支えられ、海外子会社の取扱貨物量が堅調に推移しました。

  以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

 a 財政状態

  当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末(以下「前期末」という)比18億87百万円増加(4.4%増)して、450億63百万円となりました。

  当連結会計年度末の負債合計は、前期末比3億56百万円増加(2.9%増)して、126億72百万円となりました。

  当連結会計年度末の純資産合計は、前期末比15億30百万円増加(5.0%増)して、323億91百万円となりました。

 

 b 経営成績

  当連結会計年度の売上高は468億70百万円(前連結会計年度比9.1%増)、営業利益は22億33百万円(同37.4%増)、経常利益は27億69百万円(同48.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は16億44百万円(同45.2%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前期末に比べ2億89百万円増加し、当連結会計年度末には72億16百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
  営業活動の結果得られた資金は、29億44百万円(前連結会計年度比36.5%増)となりました。
 主な内訳は、税金等調整前当期純利益27億32百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
  投資活動の結果使用された資金は、16億63百万円(前連結会計年度比639.8%増)となりました。
 主な内訳は、有形固定資産の取得による支出17億15百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果使用された資金は、10億48百万円(前連結会計年度比16.4%減)となりました。
  主な内訳は、配当金の支払額5億69百万円及び長期借入金の返済による支出6億87百万円であります。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき、重要な会計方針及び見積りによって作成されております。具体的には、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a 財政状態に関する分析

 当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動のための資金確保、及び健全なバランスシートの維持を財務方針としております。

  当連結会計年度末の資産合計は、前期末比18億87百万円増加(4.4%増)して、450億63百万円となりました。流動資産は同42百万円増加(0.3%増)して165億73百万円、固定資産は同18億44百万円増加(6.9%増)して284億89百万円となりました。

 流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金の増加1億89百万円、受取手形及び売掛金の増加6億35百万円によるものであります。

 固定資産のうち有形固定資産は、前期末比7億56百万円増加(3.5%増)して223億17百万円となりました。
 この増加の主な要因は、土地の増加12億42百万円によるものであります。

 投資その他の資産は、前期末比10億87百万円増加(21.6%増)して61億27百万円となりました。

 この増加の主な要因は、長期貸付金の増加7億70百万円によるものであります。

 当連結会計年度末の負債合計は、前期末比3億56百万円増加(2.9%増)して、126億72百万円となりました。流動負債は同9億64百万円増加(15.2%増)して73億5百万円、固定負債は同6億7百万円減少(10.2%減)して53億67百万円となりました。

 流動負債の増加の主な要因は、買掛金の増加2億84百万円、短期借入金の増加3億1百万円及び未払法人税等の増加3億23百万円によるものであります。

 固定負債の減少の主な要因は、長期借入金の減少6億92百万円によるものであります。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前期末比15億30百万円増加(5.0%増)して、323億91百万円となりました。

 株主資本のうち、利益剰余金は親会社株主に帰属する当期純利益の内部留保による増加などによって前期末比10億74百万円増加(4.0%増)して279億47百万円となりました。

  この結果、1株当たり純資産は、前期末の1,208円08銭から1,266円78銭となりました。

 

 b 経営成績に関する分析

 当連結会計年度の売上高は468億70百万円となり、前連結会計年度に比して9.1%増となりました。

 作業種別の内訳は次のとおりであります。

 船内荷役料73億72百万円(前連結会計年度比0.9%減)、はしけ運送料1億44百万円(同4.8%減)、沿岸荷役料79億76百万円(同6.3%増)、倉庫料22億50百万円(同11.2%増)、海上運送料81億93百万円(同14.2%増)、陸上運送料61億3百万円(同10.0%増)、附帯作業料147億50百万円(同13.3%増)、手数料79百万円(同27.3%減)であります。
 利益面におきましては、増収による影響により、営業利益は22億33百万円(前連結会計年度比37.4%増)、経常利益は27億69百万円(同48.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は16億44百万円(同45.2%増)となりました。

 この結果、1株当たり当期純利益金額は66円29銭、自己資本利益率は5.4%となりました。

 また、当期予想に比べ売上高は1.9%増の468億70百万円、営業利益は14.5%増の22億33百万円、経常利益は13.1%増の27億69百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は9.6%増の16億44百万円となりました。

 

 c 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フロー)

  キャッシュ・フローの状況につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(財務政策)

  当社グループは、資金運用については短期的な預金等によっております。また、顧客のニーズに応えるための国内、国外への設備投資に照らして必要な資金を銀行等金融機関からの借入により調達しております。

  主に、短期借入金は運転資金、長期借入金は設備投資に係る資金調達であります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。