文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)経営方針
当社グループは、創業(三愛)精神「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」を経営理念として、社会から永続的に必要とされる企業グループとなることを目指す。
(2)経営環境及び対処すべき課題
今後の当社グループを取り巻くエネルギー業界においては、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、航空燃料は大幅に需要が減少し、輸送用、産業用の石油製品の需要も減少傾向で推移するなど、厳しい経営環境が続くものと予想される。
こうしたなか、当社グループは事業領域の再構築を進め、既存事業の競争力強化のため、経営資源の有効活用や、M&Aなどによる販売網の拡充を図っていく。また、成長分野への投資による事業規模の拡大や成長の礎となる人材の確保と育成に努めていく。
新型コロナウイルス感染症の影響により当面は需要の減少が見込まれているが、当社グループは、これまで築きあげた財務基盤を活かし、前例のない厳しい経営環境に対処していく。このような状況下においても、石油、ガス、航空燃料など社会インフラの一端を担う企業の責務として、航空機給油施設や石油製品出荷基地の安全確保と運営に万全を期し、エネルギーの安定供給に努めていく。
当社グループは、経営理念である三愛精神「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」のもと、コーポレートガバナンスの強化や健康経営の推進など社会の要請・課題の解決に努め、持続可能な開発目標SDGsへの取り組みを進めていくことで、選ばれ続ける企業グループを実現していく所存である。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(事業活動の遂行に関連するリスク)
(1) 新型コロナウイルス感染症
当社グル-プを取り巻くエネルギー業界は、新型コロナウイルス感染症の影響により、航空燃料は大幅に需要が減少し、輸送用、産業用の石油製品の需要も減少傾向で推移している。当面は需要の減少が見込まれており、2021年3月期の当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があるが、その影響度は収束時期等により変動する可能性がある。
(2) 災害等
当社グループは、羽田空港における航空機給油施設、東京オイルターミナルやキグナス石油株式会社における石油製品出荷基地、福岡県久留米市から佐賀県佐賀市までの佐賀天然ガスパイプライン、また日本各地に所在するSSや充填所など危険物取扱設備を有している。これらの安全管理・保安体制については万全を期しており、当社グループとして適切にリスク管理をおこなっているものの、通常では予見出来ない事故や自然災害等が発生した場合には、燃料の物流機能に障害を及ぼし当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
(3) 退職給付関係
当社グループは、退職給付制度に関して、厚生年金基金の代行部分を返上しキャッシュバランス類似制度による確定給付企業年金へ移行している。これにより、旧制度に比べ資産運用にともなうリスクを軽減しているが、運用資産がマーケットの変動などにより著しく悪化した場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
(4) 保有有価証券
経済の状況や株式市場の変動により、当社グループの保有する有価証券の価格が著しく下落した場合には、保有株式の評価損が発生し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
(5) 原油価格および石油製品の市況
当社グループは、燃料油およびLPガスを主力商品としているが、わが国においては、その大部分は輸入に依存しており、原油価格および為替レートの動向により仕入価格が変動する。また、産油国周辺地域での紛争など、政情の動向が原油価格に与える影響も小さくない。こうしたなかで、当社グループは仕入価格に対応した販売価格の設定を常に目指しているが、製品市況は国内の需要動向や同業者間の競争により必ずしもコストに連動しない場合があり、こうした製品市況の変動が、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
(6) エネルギー業界における競争の激化
当社グル-プを取り巻くエネルギー業界は、国内需要が減少するなか、石油元売りの再編や電力に続いて都市ガスの小売りが全面自由化されるなど、経営環境が変化している。このような現況において、同業者間の競争に加えエネルギー間競争の激化が、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
(7) 環境汚染
当社グル-プの所有するSSや石油製品出荷基地などの危険物取扱設備においては、法令の定めの他に厳しい自主基準を定めて土壌汚染の予防対策を実施しているが、何らかの原因で周辺環境への土壌汚染が発生した場合には、対応のためのコストが発生し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調が続いたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により年度末にかけて急速に悪化し、先行きは極めて厳しい状況にある。
当社グループを取り巻くエネルギー業界においては、石油製品の需要が引き続き減少傾向にあるなか、石油元売りの再編や電力・都市ガスの自由化などの影響を受けて経営環境は大きく変化している。
こうしたなかで、当社グループは、新規顧客の獲得と販売数量の拡大に努めるとともに、子会社の統合などグループ経営の効率化を図った。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなった。
① 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ42,414百万円減少し、179,224百万円となった。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ44,258百万円減少し、80,437百万円となった。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,844百万円増加し、98,786百万円となった。
② 経営成績
当連結会計年度における当社グループの売上高は、前期比8.1%減の667,929百万円となり、営業利益は前期比0.1%増の10,971百万円、経常利益は前期比0.5%減の11,940百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比12.5%増の8,164百万円となった。
セグメント別の財政状態及び経営成績は次のとおりである。
イ.石油関連事業
<石油製品販売業>
当社グループにおいては、自動車の燃費向上などによる石油製品の需要減少が進むなか、SSにおけるカーケア商品の拡販に努めるとともに、SSの新設・改造や不採算SSの廃止により販売網の整備を図った。
当社においては、2019年のSS経営戦略「共走共汗2019 来るべき次代のために~予約販売の推進~」を掲げ、特約店に対してカーケア商品の予約販売を提案し、お客さまの利便性と適正人員配置による生産性の向上を図るとともに、顧客アンケートを実施し、付加価値の高い商品の販売につなげるなどリテールサポートを実施した。産業用燃料油販売については、需要家のニーズに応じた提案型営業をおこなうことで販売の拡大に努めた。産業用潤滑油販売については、顧客の生産性の改善・向上を目指し高付加価値商品の提案型営業を推進し、風力、天然ガスおよびバイオマス発電用潤滑油を中心に販売数量の拡大を図った。特に風力発電用においては、米国で最もシェアを有するアムズオイル社製品の取り扱いを開始し、供給体制の強化に努めた。
キグナス石油株式会社においては、「人にフォーカス! 継続的な関係づくり」を掲げ、会員カードによる顧客の固定化やSSスタッフの採用・定着のための施策を展開した。
<化学製品製造販売業>
当社グループにおいては、顧客のニーズに応じた商品の開発や製造をおこなう強みを活かし、顧客との接点を重視した提案型営業を展開した。主力の防腐・防かび剤では、臨床検査分析機器向け商品や環境に配慮した低刺激性商品の開発、販売を進めた。石油系溶剤では、国内外の大手メーカーとの連携を強化するとともに、潤滑油添加剤への新たな用途の開拓に努めた。また、自動車関連商品では、顧客と共同開発した洗車機用薬剤を拡販するとともに、高級洗車コーティングシステム「ARAWZANS(アラウザンス)」の作業性と認知度の向上に努めるなど、高付加価値商品の販売による収益拡大を図った。
その結果、石油関連事業における売上高は、販売数量の減少などにより前期比8.0%減の608,716百万円となった。セグメント利益は、前期比3.6%増の7,152百万円となった。セグメント資産は、受取手形及び売掛金の減少などにより前連結会計年度末に比べ20,841百万円減少し、79,944百万円となった。
ロ.ガス関連事業
<LPガス販売業>
当社グループにおいては、少子高齢化に伴う世帯人員の減少や高効率ガス機器の普及などによりLPガスの需要が減少傾向で推移するなか、新規顧客の獲得や小売営業権の買収などにより販売数量の拡大と顧客軒数の増加を図った。
2019年の基本方針「TAKE ACTION 2019」に基づき、競争力強化推進プログラムとして顧客に密着した施策を特約店とともに実施し、「報連相シート」や「オブリStyle」など情報ツールを継続して活用することで顧客との接点強化に努めた。また、特約店に対してBCP(事業継続計画)の策定支援を実施するなど緊急時における供給体制の整備をおこなった。
保安面においては、「危機対応訓練」や「一日保安ドック」を継続して実施し、保安の確保に努めた。
なお、昨年4月、佐賀エリアの業務効率化および事業規模拡大を目的として、株式会社ニシムラと株式会社三神が合併し、三愛オブリガス三神株式会社に商号変更した。
<天然ガス販売業>
当社においては、需要家に対して、重油から天然ガスへの燃料転換や省エネ機器の導入、食品などの廃棄物から発生するバイオガスの有効利用を提案するなど、コスト削減や環境負荷低減のためのソリューション営業を展開した。佐賀天然ガスパイプラインでは、新たな需要家を獲得するため天然ガス導管を延伸するなど販売数量の拡大に努めた。また、沿線パトロールや導管の監視を確実に実施することで都市ガスの安定供給をおこなった。
佐賀ガス株式会社においては、都市ガス導管の維持管理や設備の改廃、保安の強化等を進めるとともに、新規需要家の獲得やガス空調システムの提案などにより、都市ガスの需要拡大に努めた。
その結果、ガス関連事業における売上高は、販売価格の下落により前期比12.2%減の42,194百万円となった。セグメント利益は、前期比0.8%減の2,540百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ127百万円増加し、18,287百万円となった。
ハ.航空関連事業他
<航空燃料取扱業>
当社グループにおいては、航空機給油施設の運営に万全を期すとともに、航空燃料給油業務における安全確保に努めた。
羽田空港においては、国際線における新規路線の開設および既存路線の増便などにより燃料搭載数量は上期において順調に推移したものの、新型コロナウイルス感染症の影響による運休・減便もあり、通期では前年を下回った。当社においては、本年2月に貯油タンクの増設工事が完了し供用を開始するとともに、航空燃料の払出能力および受入能力の強化工事を進めた。
<その他>
三愛プラント工業株式会社においては、半導体関連向け需要の減少により、精密洗浄処理の受注が減少したことから、金属表面処理業の売上高は前期を下回った。一方、建設工事業の売上高は、大型工事が順調に進んだことから前期を上回った。
その結果、航空関連事業他における売上高は、前期比1.8%減の17,018百万円となった。セグメント利益は、前期比11.4%減の2,415百万円となった。セグメント資産は、有形固定資産の取得により前連結会計年度末に比べ2,895百万円増加し、27,672百万円となった。
なお、上記金額には消費税等は含まれていない。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ19,224百万円減少し37,326百万円となった。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は10,858百万円となった。これは主に、仕入債務の減少によるものである。なお、前期は21,686百万円の資金の獲得であった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は4,303百万円となった。これは主に、有形固定資産の取得によるものである。なお、使用した資金は前期比1,120百万円減少している。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は4,062百万円となった。これは主に、長期借入金の返済および配当金の支払いによるものである。なお、使用した資金は前期比2,186百万円減少している。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
該当事項なし。
(2)受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比(%) |
|
ガス関連事業 |
866 |
122.1 |
424 |
192.9 |
|
航空関連事業他 |
4,502 |
123.0 |
1,265 |
209.1 |
|
合計 |
5,369 |
122.8 |
1,690 |
204.8 |
(注)上記金額には、消費税等は含まれていない。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
石油関連事業(百万円) |
608,716 |
92.0 |
|
ガス関連事業(百万円) |
42,194 |
87.8 |
|
航空関連事業他(百万円) |
17,018 |
98.2 |
|
合計(百万円) |
667,929 |
91.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去している。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のと
おりである。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
JXTGエネルギー㈱ |
157,252 |
21.6 |
119,663 |
17.9 |
3.上記金額には、消費税等は含まれていない。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
(1)経営成績等
① 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ42,414百万円減少し、179,224百万円となった。これは主に、前連結会計年度末が金融機関の休日であったことから、受取手形及び売掛金が減少したことによるものである。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ44,258百万円減少し、80,437百万円となった。これは主に、前連結会計年度末が金融機関の休日であったことから、支払手形及び買掛金が減少したことによるものである。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,844百万円増加し、98,786百万円となった。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものである。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の41.7%から52.5%となった。
② 経営成績
当連結会計年度における当社グループの売上高は、石油製品の販売数量の減少などにより前期比8.1%減の667,929百万円となり、営業利益は前期比0.1%増の10,971百万円、経常利益は前期比0.5%減の11,940百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は不動産の売却などにより前期比12.5%増の8,164百万円となった。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。
(2)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境及び対処すべき課題」に記載のとおりである。
(3)資本の財源及び資金の流動性
① 資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、当社グループの石油関連事業およびガス関連事業に関わる仕入等の債務の決済資金等がある。また、設備投資需要の主なものは航空機給油施設の増強、SSの改造、都市ガス配管の入替・整備等がある。
② 財務政策
当社グループの経営基盤の拡大・充実に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用や金融機関からの借入により資金調達を実施している。なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は前連結会計年度に比べ1,531百万円減少し、10,162百万円となった。
(4)セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況 ②経営成績」に記載のとおりである。
(5)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載している。
連結財務諸表の作成にあっては、期末時点で入手可能な情報を基に会計上の見積りを行っており、特に以下の事項は経営者の会計上の見積りの判断が連結財務諸表に重要な影響を与えると考えている。
① 繰延税金資産
当社グループは、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上している。したがって、将来の課税所得の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ課税所得が減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性がある。
該当事項なし。
該当事項なし。