文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)経営方針
当社グループは、経営理念である三愛精神「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」と、コーポレートブランドである「Obbli」(オブリ)を礎に、人々の生活と産業を支えるパートナーとして、成長し続ける企業グループとなることを目指す。
(2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの事業環境は、自動車の燃費向上や少子高齢化の影響などにより国内の石油製品の需要が減少傾向で推移するとともに、低炭素・循環型社会に向けてカーボンニュートラルを目指す動きが世界的に加速するなど大きな転換期を迎えている。また、新型コロナウイルスの感染拡大やウクライナ情勢の影響に伴う原油価格の高騰など足元の事業環境は不透明な状況が続いている。
こうしたなか、2021年度から2023年度までの中期経営計画を「変貌する未来への挑戦 Challenge 2030」とし、2030年度を照準に低炭素・循環型社会に対応した事業ポートフォリオへの進化に向けて経営基盤の再構築に取り組んでいる。
① 中期経営計画の概要
② 中期経営計画の定量的目標に対する進捗状況
|
|
(参考)2020年度実績 |
2021年度実績 |
2023年度財務目標 |
|
連結経常利益 |
100億1百万円 |
131億20百万円 |
140億円以上 |
|
連結ROE |
7.2% |
8.0% |
8%以上 |
|
連結配当性向 |
27.6% |
33.2% |
30%以上 |
③ 各事業別の対処すべき課題
イ.石油関連事業
<石油製品販売業>
石油関連事業は効率化事業に位置付け、ローコスト体制を構築し、安定利益を確保していく。当社グループは、競争力のある好立地・大型SSの新規獲得やSS事業の集約、デジタル技術を活用した業務効率化の推進などにより、石油小売事業のさらなる強化を図る。また、全国約1,000店舗のSSネットワークを有しており、このネットワークを活かし、モビリティの進化に合わせた新しい収益モデルの構築など、将来の石油製品需要の減退に備えたSS新業態の開発に取り組む。
ロ.化学品関連事業
<化学品製造販売業>
化学品関連事業は成長事業に位置付け、石油関連事業、ガス関連事業、航空関連事業に次ぐ「第四の柱」とするべく、「M&A・提携」、「研究開発体制」、「営業力」を推進・強化のうえ、高付加価値自社製品の販売を拡大する。当社グループは、自社研究所および生産設備を有しており、製品企画から出荷まで、一貫した生産体制と技術力で顧客のニーズに合った製品の開発・販売を推進する。
ハ.ガス関連事業
ガス関連事業は成長事業に位置付け、LPガス販売業については小売顧客軒数を拡大し、天然ガス販売業については競争力のある九州地方での新規需要家の獲得を強化する。
<LPガス販売業>
LPガスは人々の生活インフラを支えるエネルギーとして、需要は当面のところ底堅く推移し、安定的な市場環境が見込まれている。こうしたなかで、LPガス小売営業権の買収を含めたM&Aの推進により小売顧客軒数を拡大するとともに、デジタル技術を活用した業務効率化の推進に取り組む。
<天然ガス販売業>
当社グループは、九州地方において競争力のある営業エリアを有しており、佐賀天然ガスパイプラインによる天然ガスの供給や佐賀ガス株式会社による都市ガスの供給などをおこなっている。競争力のある九州地方の新規営業を強化し、佐賀天然ガスパイプラインエリア内における新規需要家の獲得を推進するとともに、カーボンニュートラルに向けた新たなオンサイトエネルギーサービスを提案することで販路を拡大する。
ニ.航空関連事業他
<航空燃料取扱業>
航空関連事業は安定基盤事業に位置づけ、国内において航空機給油施設の運営および給油事業者としての確固たる地位を確立し、業容を拡大する。当社グループは、創業以来、羽田空港において航空機給油施設の運営・管理と航空機への給油業務をおこなっており、現在は羽田空港をはじめとした全国27ヶ所で事業を展開している。コロナ禍からの航空需要の回復に合わせ航空機給油施設への投資やAIの活用による給油業務の効率化をおこなう。
また、航空業界においてカーボンニュートラルを目指す動きとして持続可能な航空燃料(SAF)への関心が高まっている。羽田空港においても取扱数量が増加しており、当社グループはSAFの保管および航空機への給油業務を遂行するとともに、自社の作業車両にはリニューアブル燃料を使用するなど、今後も航空業界全体のカーボンニュートラルに貢献していく。
ホ.成長事業への取り組み
上記のほか、成長事業として、風力発電向けメンテナンスサービス領域を拡大する。市場成長が見込まれる風力発電市場において、風力発電向けオペレーション・アンド・メンテナンス(O&M)領域を中心に事業モデルの構築・機能強化を推進する。2030年度には、M&Aを含めた投資拡大により事業・機能拡大と再生可能エネルギーO&M領域における収益源の確立を目指す。
④ 新型コロナウイルス感染症の影響について
世界的に拡大した新型コロナウイルス感染症の影響が長期化しており、当期においても緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が断続的に発出されるなど、社会・経済に大きな影響を及ぼした。
石油関連事業およびガス関連事業においては、主力商品であるガソリンやLPガス等が生活必需品であることから需要は引き続き堅調に推移するものと思われる。また、化学品関連事業においては、コロナ禍によって発生した一部の原材料と製品における調達難や物流遅延に対し、製品の安定供給に向けたサプライチェーンの強化に取り組んでいく。航空関連事業においては、国際線を含む航空需要が徐々に回復していくものと予想しており、航空需要の回復に備えて給油体制の整備に努める。
⑤ ウクライナ情勢の影響について
2021年末からウクライナ情勢が緊迫し、2022年2月にロシアがウクライナに侵攻したことで、世界的に原油を中心とした資源価格の高騰が起きている。
原油価格の高騰を受けて石油関連事業、化学品関連事業、ガス関連事業の仕入価格に影響が出ているが、引き続き仕入価格の上昇に合わせた適正な販売価格の維持に努める。航空関連事業においては、羽田空港発着の欧州路線で一部減便などの影響がみられるが、航空需要がコロナ禍の低迷から徐々に回復していくものと予想しており、現時点において影響は限定的であると見込んでいる。
当社グループでは、リスク管理を統括する三愛オブリグループサステナビリティ委員会において、リスクの洗い出しをおこない、対応すべき優先順位を決定するとともに、リスク毎に具体的な対応策および予防策を検討している。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が経営成績および財政状態に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものである。また、当社グループのすべてのリスクを網羅するものではない。
(1) 市場環境の変化について[影響度:中~大、発生可能性:高]
① リスク内容
当社グループは、石油製品の販売を主体としたビジネスを主に国内において展開している。地球温暖化等の気候変動への対応として2050年カーボンニュートラルを目指す動きが世界的に加速するなかで、エネルギー転換へ向けた企業の対応が顕在化してきている。国内の石油・LPガス市場においては、消費機器の燃費向上に加えてEV車やオール電化の普及が進むことで、同業者間にとどまらず、電気などの異業種との販売競争に直面している。
また、LPガスや灯油は気温の変動にも影響を受けるため、需要期である冬場の気温が上昇した場合、需要は減少する可能性がある。
このような事業環境のなか、石油関連事業およびガス関連事業の市場規模は中長期的には縮小し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
② 対応策
このようなリスクに対して当社グループは、2021年度から2023年度までの中期経営計画「変貌する未来への挑戦 Challenge 2030」を策定し、低炭素・循環型社会に対応した事業ポートフォリオへの進化を目指すため、当社グループの事業を成長事業、効率化事業および安定基盤事業に分け、成長可能性のある事業へのM&Aを含めた投資を進めていく。なお、2022年4月1日より社長直轄の事業開発部を発足させている。
(2) 大規模感染症について[影響度:大、発生可能性:低]
① リスク内容
現在、世界的に拡大した新型コロナウイルス感染症の流行が長期化し、社会・経済に大きく影響を及ぼしている。今後、新型コロナウイルスのような感染症が大規模に流行した場合、経済活動が停滞し航空燃料をはじめとする石油製品の需要が低迷する可能性がある。
航空関連事業において、感染症の拡大等の状況次第では羽田空港の燃料取扱数量が想定より減少し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
石油関連事業およびガス関連事業において、感染症の拡大等の状況次第では物流や生産活動の停滞から燃料油の需要が減少する可能性はあるが、生活必需品としての需要は底堅く推移するものと考えている。
また、従業員の感染が増加し、製造、物流、保安、営業活動などに支障をきたした場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
② 対応策
当社グループは、石油、ガス、航空燃料など社会インフラの一端を担う企業の責務として、新型コロナウイルスをはじめとする感染症の拡大等に備え、事業所ごとにBCPの見直しを継続して実施している。また、お客さまや従業員の安全と感染拡大予防を第一に、SSなどの店舗において設備の消毒をおこなうとともに、従業員に対しては在宅勤務や時差出勤を推進し、各事務所において消毒や換気をおこなうなど感染予防対策を徹底し、リスク低減に取り組んでいる。
(3) 災害等について[影響度:大、発生可能性:低]
① リスク内容
当社グループは、国内において羽田空港を含む複数の航空機給油施設を所有・運営している。また東京オイルターミナルなどの石油製品出荷基地、福岡県久留米市から佐賀県佐賀市までの佐賀天然ガスパイプライン、日本各地に所在するSSやLPガス充填所など危険物取扱設備を有している。通常では予見できない事故や自然災害等により、航空機への燃料供給障害、石油製品物流障害、燃料漏洩による土壌汚染、水害によるLPガスボンベの流出が発生した場合、操業回復までに相当の時間とコストを要することから、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
② 対応策
これらの危険物施設の安全管理・保安体制についてはリスクマネジメント委員会において、自然災害等に備え事業所ごとにBCPの見直しを実施するとともに、事件や事故の報告と再発防止策の検討をおこなっている。また、同委員会において、危険物施設の環境安全監査の実施および是正状況を確認することで、事件や事故、災害の発生および被害拡大の防止に努めている。
(4) 投資等について[影響度:中、発生可能性:中]
① リスク内容
当社グループは、航空機給油施設、石油製品出荷基地、SSや充填所などの有形固定資産、M&Aにより取得した無形固定資産を有している。事業等のリスクが顕在化したことにより、保有する資産の価値や収益性が低下した場合には、固定資産の減損処理が必要となり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
② 対応策
投資等については回収可能性を十分に検討したうえで実行しており、定期的に投資計画との差異を検証し、必要に応じて改善策を講じている。
(5) 情報セキュリティに関するリスク[影響度:中~大、発生可能性:低]
① リスク内容
当社グループでは、羽田空港における給油システムなど事業上不可欠な基幹システムを構築・運用するとともに、営業上の機密情報を保有している。こうしたなかで、想定外のサイバー攻撃、コンピュータウイルスの感染、不正アクセス等によりシステムダウンや情報漏洩が発生した場合は、事業活動の継続に支障をきたし、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
② 対応策
当社グループは、情報セキュリティに関する基本方針を定めリスクの低減に努めるとともに、システムの更新等によりセキュリティの強化を図り、情報技術の適正な整備および運用状況を確認している。
(6) 製品の品質および安全性に関するリスク[影響度:中、発生可能性:低]
① リスク内容
当社グループは、防腐・防かび剤、石油系溶剤、自動車用ケミカル商品などの化学製品の製造や販売をおこなっている。
リコールや製造物責任が問われる不測の製品事故が発生した場合には、損害賠償責任を負うとともに取引上の信用失墜により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
② 対応策
当社グループで製造する製品の品質管理には十分留意しており、「品質保証委員会」において当社で製造するすべての製品について事前に審議することで、製造物の欠陥に起因する損害賠償請求やクレーム等を未然に防止するよう努めている。
(7) 保有有価証券について[影響度:小、発生可能性:中]
① リスク内容
経済の状況や株式市場の変動により、当社グループの保有する有価証券の価格が著しく下落した場合には、保有株式の評価損が発生し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
② 対応策
当社は、保有有価証券について定性的および経済合理性の両面から、保有効果の検証をおこなっている。
(8) 地政学的リスクについて[影響度:小、発生可能性:中]
① リスク内容
当社グループは、石油製品を石油元売会社等から仕入れ、国内において販売を行うことが主力事業であるが、わが国においては、その大部分は中東周辺地域などからの輸入に依存しており、原油価格および為替レートの動向により仕入価格が変動する。また、当社グループは化学製品の輸出入もおこなっており、調達先は主にアジア地区に依存している。
そのため、このような国や地域における政治的、経済的変動、テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等が発生した場合、製品や原料を調達できない可能性や、適正価格を維持できない可能性がある。こうした場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
② 対応策
当社グループの主要商品である石油製品の高騰に備えて手元流動性を確保するとともに、複数のサプライチェーンを持つことでリスクが顕在化した際の安定供給を図る。
(9) 法的規制関係について[影響度:小~中、発生可能性:低]
① リスク内容
当社グループは、消防法、製造物責任法、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律、ガス事業法、石油コンビナート等災害防止法、環境関連法令など数多くの法律や規則に規制されている。これらの規制に抵触した場合には行政処分を受けるなど事業活動の継続に支障をきたす可能性があるとともに、将来これらの法規制が大幅に改正された場合には、事業活動への制約や対応のためのコストが発生し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
② 対応策
事業に関連する法規制について、所管する関係部所が法改正などの情報を収集し必要な対応をおこなっている。また、法令および社内ルールの順守や企業倫理の啓発に関して、「三愛オブリグループの倫理行動憲章」の周知徹底を図るとともに、「公益通報者の保護に関するガイドライン」に基づく公益通報相談窓口により、法令違反や不正行為の早期発見と是正に努めている。
(10) 個人情報に関するリスク[影響度:小、発生可能性:低]
① リスク内容
当社グループでは、SSで取り扱う車検等の個人情報ならびにLPガスおよび都市ガスの消費者データを保有している。
情報セキュリティの不備や従業員の不正等により個人情報の漏洩が発生した場合には、損害賠償責任を負うとともに社会的信用の失墜により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
② 対応策
当社グループでは、社内規程に基づき、従業員に対するeラーニングなどの教育や個人情報の取り扱いに関する自主監査、管理台帳の更新など、個人情報の適切な取扱いと管理の徹底を図っている。
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による落ち込みから緩やかな持ち直しの動きがみられた。
当社グループを取り巻くエネルギー業界においては、新型コロナウイルス感染症の影響により大きく低迷していた航空燃料の需要に回復の兆しがみられたものの、石油製品全体の需要としては減少傾向が続いた。さらに世界的な原油の需給逼迫に加えて、ロシアのウクライナ侵攻により石油製品の価格が高騰するなど、先行き不透明な状況が続いている。また、自動車の燃費向上、少子高齢化、ライフスタイルの変化が進むなか、低炭素・循環型社会に向けたカーボンニュートラルを目指す動きが加速しており、経営環境は大きく変化している。
こうしたなかで、当社グループは、当期より中期経営計画「変貌する未来への挑戦 Challenge2030」をスタートし、2021年度から2023年度までを成長実現のための経営基盤の再構築期と位置づけ、低炭素・循環型社会に対応した事業ポートフォリオへの進化に向けた取組みを実施した。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなった。
① 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ10,642百万円増加し、197,887百万円となった。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ4,752百万円増加し、85,529百万円となった。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,889百万円増加し、112,358百万円となった。
② 経営成績
当連結会計年度における当社グループの売上高は前期比26.3%増の598,731百万円となった。営業利益は前期比40.4%増の12,067百万円、経常利益は前期比31.2%増の13,120百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比17.8%増の8,308百万円となった。
セグメント別の財政状態及び経営成績は次のとおりである。
なお、当連結会計年度より、「石油関連事業」に含めて開示していた「化学品関連事業」を区分しており、前期との比較は変更後の報告セグメントに組み替えて表示している。
イ.石油関連事業
石油関連事業における売上高は、前期比25.6%増の522,317百万円となった。セグメント利益は、前期比5.3%減の9,371百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ5,967百万円増加し、88,416百万円となった。
ロ.化学品関連事業
化学品関連事業における売上高は、前期比19.0%増の10,383百万円となった。セグメント利益は、前期比35.7%増の1,217百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ682百万円増加し、4,023百万円となった。
ハ.ガス関連事業
ガス関連事業における売上高は、前期比31.3%増の51,275百万円となった。セグメント利益は前期比5.3%減の2,609百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ3,686百万円増加し、25,956百万円となった。
ニ.航空関連事業他
航空関連事業他における売上高は、前期比43.2%増の14,755百万円となった。セグメント利益は1,189百万円(前期は2,666百万円のセグメント損失)となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ316百万円増加し、27,403百万円となった。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,529百万円増加し37,996百万円となった。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は10,548百万円となった。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上によるものである。なお、獲得した資金は前期比1,533百万円増加している。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は3,297百万円となった。これは主に、有形固定資産の取得によるものである。なお、使用した資金は前期比1,117百万円減少している。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は5,721百万円となった。これは主に、長期借入金の返済によるものである。なお、使用した資金は前期比263百万円増加している。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
該当事項なし。
(2)受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比(%) |
|
ガス関連事業 |
599 |
80.4 |
272 |
210.7 |
|
航空関連事業他 |
3,282 |
146.1 |
1,026 |
181.3 |
|
合計 |
3,881 |
129.7 |
1,299 |
186.8 |
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
石油関連事業(百万円) |
522,317 |
125.6 |
|
化学品関連事業(百万円) |
10,383 |
119.0 |
|
ガス関連事業(百万円) |
51,275 |
131.3 |
|
航空関連事業他(百万円) |
14,755 |
143.2 |
|
合計(百万円) |
598,731 |
126.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去している。
2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績については連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略している。
3.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更している。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載の通りである。それに伴い「前年同期比(%)」は変更後の報告セグメントの区分に基づき算定している。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
(1)経営成績等
① 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ10,642百万円増加し、197,887百万円となった。これは主に、石油製品の販売価格の上昇により受取手形、売掛金及び契約資産が増加したことによるものである。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ4,752百万円増加し、85,529百万円となった。これは主に、石油製品の仕入価格の上昇により支払手形及び買掛金が増加したことによるものである。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,889百万円増加し、112,358百万円となった。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものである。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末と変わらず54.2%となった。
② 経営成績
当連結会計年度における当社グループの売上高は、原油価格の高騰に伴う石油製品の販売価格の上昇により前期比26.3%増の598,731百万円となった。営業利益は、航空関連事業の業績が依然として新型コロナウイルス感染症の影響を受けているものの、前期を上回ったことなどにより前期比40.4%増の12,067百万円、経常利益は前期比31.2%増の13,120百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比17.8%増の8,308百万円となった。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。
当社グループの営業キャッシュ・フローは、コロナ禍においても黒字を維持できている。当社および連結子会社はCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入し、各社の資金を一元的に管理することによってグループ内資金の効率的活用を図っている。当連結会計年度においては、原油高騰に伴う石油製品価格の上昇により一部のグループ会社で資金需要が高まったもののCMSが機能することでグループ会社間の資金融通が円滑におこなわれた。
設備投資、営業権取得やM&A等の資金需要に対しては、営業キャッシュ・フローで獲得した資金で対応可能となっているが、将来の投資に対しては主に金融機関からの長期借入等によって資金調達をおこなうこととしている。中期経営計画においては2030年度までに累計100,000百万円の成長投資を計画しており、計画に備えた財務基盤の強化を進めていく。
(2)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりである。
(3)資本の財源及び資金の流動性
① 資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、当社グループの石油関連事業、化学品関連事業およびガス関連事業に関わる仕入等の債務の決済資金等がある。また、設備投資需要の主なものは航空機給油施設の取得、天然ガス導管の延伸、SSの取得・改造がある。
② 財務政策
当社グループの経営基盤の拡大・充実に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用や金融機関からの借入により資金調達を実施している。なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は前連結会計年度に比べ2,323百万円減少し、7,844百万円となった。
(4)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの財政及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
イ.石油関連事業
<石油製品販売業>
石油製品販売業においては、販売数量は前年並みとなったが、販売価格が上昇したことで売上高は前期を上回った。
石油小売部門では、直営SSでの販売が好調だったことにより、販売数量は前期を上回った。利幅は底堅く推移したものの、前期に比べて縮小したため利益は前期を下回った。石油卸売部門では、販売数量が減少した一方、原油価格の高騰に伴い在庫評価による利益が発生した。産業用燃料油販売部門では、販売数量が減少したものの、利幅を確保したことで利益は前期を上回った。産業用潤滑油販売部門では、バイオマス発電や風力発電などの再生可能エネルギー向けの販売などにより利益が拡大した。
また、SS経営戦略として、スマートフォンアプリ「Mantan」を活用するなどコロナ禍によって変化したライフスタイルに対応した施策を実施した。
なお、2021年4月、SS運営をおこなう國際油化株式会社とキグナス石油販売株式会社が合併した後、2022年4月に三愛リテールサービス株式会社へと商号を変更している。
以上の結果、石油関連事業における売上高は、販売価格の上昇により前期比25.6%増の522,317百万円となった。セグメント利益は、石油小売部門の利幅が縮小したことにより前期比5.3%減の9,371百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ5,967百万円増加し、88,416百万円となった。
ロ.化学品関連事業
<化学品製造販売業>
化学品製造販売業においては、国内工場の稼働状況が回復に向かったことにより、防腐・防かび剤や石油系溶剤の販売数量は前期を上回った。
新型コロナウイルス感染症の影響により低迷していた自動車・建設関連への出荷が回復し、防腐・防かび剤では金属加工油、コーティング、医療機器、水処理用途などへの販売数量が増加した。また、自動車関連向けの接着剤や梱包テープ用途として粘着付与剤の販売数量が前期を大きく上回った。
なお、世界経済がコロナ禍から回復に向かうなか一部の原材料と製品において調達難や物流の混乱がみられたが、在庫調整や調達先の分散などにより安定的に製品供給をおこなった。
以上の結果、化学品関連事業における売上高は、石油系溶剤および粘着付与剤等の販売数量の増加により前期比19.0%増の10,383百万円となった。セグメント利益は、防腐・防かび剤の販売が好調に推移したことから前期比35.7%増の1,217百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ682百万円増加し、4,023百万円となった。
ハ.ガス関連事業
<LPガス販売業>
LPガス販売業においては、小売部門では需要の回復がみられたものの、販売数量は全体として前年並みで推移した。LPガスの仕入価格は年間を通じて上昇しており、小売部門では利幅が減少した一方、卸売部門では在庫評価による利益が発生した。ガス外収益については、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う世界的な電子部品の不足により給湯器をはじめとした住宅設備機器の供給不足が続いたため、小売・卸売部門ともに低調となった。
また、小売部門では検針・配送業務の効率化のため、LPWA(※)を利用した通信端末の設置を進めるなど、デジタル技術の活用による業務改善を推進した。
(※)LPWA Low Power Wide Areaの略で、省電力かつ広域なエリアをカバーできる通信方式
<天然ガス販売業>
天然ガス販売業においては、新型コロナウイルス感染症の影響による需要の減少があったが、新規需要家への供給を開始したことなどもあり販売数量は前年並みとなった。また、ウクライナ情勢によりLNGのスポット価格が高騰しているが、当期に与える影響は限定的となっている。
都市ガス事業では、家庭用において需要が減少したものの、業務用の需要が増加したため、販売数量は前期を上回った。
以上の結果、ガス関連事業における売上高は、販売価格の上昇により前期比31.3%増の51,275百万円となった。セグメント利益は、売上総利益が増加したものの、小売営業権や設備投資にかかわる償却費が増加したことにより前期比5.3%減の2,609百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ3,686百万円増加し、25,956百万円となった。
ニ.航空関連事業他
<航空燃料取扱業>
航空燃料取扱業においては、新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の発出や政府の水際対策の強化により、航空需要は国内線・国際線ともに低迷が続いた。
こうしたなか羽田空港における航空需要は、国内線では感染拡大防止措置の段階的な緩和により、年末年始などの繁忙期を中心に一定の回復がみられた一方、国際線では期中を通して低調に推移した。これにより、燃料取扱数量は、コロナ禍前の2019年度比で4割弱となった前期から当期は5割強に回復した。なお、ウクライナ情勢の影響により2022年3月は羽田空港発着の欧州路線に一部運休・減便が発生したが、国際線は当初よりコロナ禍による運休が発生していることから、燃料取扱数量への影響は限定的となっている。
また、2021年6月、当社は業容拡大のため、国内7空港(※)の給油施設を取得した。
(※)国内7空港 旭川空港、女満別空港、青森空港、三沢空港、山形空港、南紀白浜空港、出雲空港
<その他>
その他事業においては、建設工事業では、工事完工となる大型物件が低調であったことから、売上高は前期を下回った。一方、金属表面処理業では、新型コロナウイルス感染症に伴う半導体需要の拡大を受け、精密洗浄処理の受注が前期を上回った。
以上の結果、航空関連事業他における売上高は、羽田空港における燃料取扱数量の増加により前期比43.2%増の14,755百万円となった。セグメント利益は1,189百万円(前期は2,666百万円のセグメント損失)となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ316百万円増加し、27,403百万円となった。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。
該当事項なし。
該当事項なし。