文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)経営方針
当社グループは、経営理念である三愛精神「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」と、コーポレートブランドである「Obbli」(オブリ)を礎に、人々の生活と産業を支えるパートナーとして、成長し続ける企業グループとなることを目指す。
(2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの経営環境は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う行動制限が段階的に解除されたことにより、航空燃料を中心とした石油製品の需要に一定の回復がみられた。その一方で、気候変動への対応がビジネスにおける大きなリスクや機会として広く認識されるとともに、カーボンニュートラルを目指す動きが加速しており、石油製品を取扱う企業として大きな転換期を迎えている。
こうしたなか、2021年度から2023年度までの中期経営計画を「変貌する未来への挑戦 Challenge 2030」とし、2030年度を照準に低炭素・循環型社会に対応した事業ポートフォリオへの進化に向けて経営基盤の再構築に取り組んでいく。
① 中期経営計画の概要
② 中期経営計画の定量的目標に対する進捗状況
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2020年度実績 |
2021年度実績 |
2022年度実績 |
2023年度目標 |
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連結経常利益 |
10,001百万円 |
13,120百万円 |
16,038百万円 |
14,000百万円以上 |
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連結ROE |
7.2% |
8.0% |
10.0% |
8%以上 |
|
連結配当性向 |
27.6% |
33.2% |
34.3% |
30%以上 |
③ 各事業別の対処すべき課題
イ.石油関連事業
<石油製品販売業>
石油関連事業は効率化事業に位置付け、石油小売販売会社の集約やデジタル技術の活用により、SSにおける生産性を高めるとともに、SS数と販売数量を維持し安定的な利益を確保している。
2023年度は、EV化の加速などによる石油製品の需要減少を見据え、全国約1,000店舗のSSネットワークを活かして、新たな収益モデルの構築に取り組んでいく。
ロ.化学品関連事業
<化学品製造販売業>
化学品関連事業は成長事業に位置付け、2020年10月に研究所を神奈川県相模原市に移転し研究体制を整備するとともに、機能化学品をはじめとした新商材の拡大と営業力の強化を進めた。
2023年度は、商品領域の拡充のためのM&Aや事業提携の検討を進めるとともに、高付加価値の自社製品の販売を拡大していく。
ハ.ガス関連事業
ガス関連事業は成長事業に位置付け、LPガス販売業については小売顧客軒数を拡大し、天然ガス販売業についてはオンサイトエネルギーサービスの提案による新規需要家の獲得を強化する。
<LPガス販売業>
LPガス販売業においては、小売営業権の買収により、顧客軒数の拡大を進めた。また、営業所の統合などによる事業資産の整理や配送効率の改善に努めた。
2023年度は、LPWA(※)の活用による小売事業の業務効率化を進めるとともに、小売営業権の買収による小売営業基盤の強化に努める。
(※)LPWA Low Power Wide Areaの略で、省電力かつ広域なエリアをカバーできる通信方式
<天然ガス販売業>
当社グループは、九州地方において競争力のある営業エリアを有しており、佐賀天然ガスパイプラインによる天然ガスの供給や佐賀ガス株式会社による都市ガスの供給などをおこなっている。佐賀天然ガスパイプラインにおいては、本管延伸工事を進め、新規需要家の獲得に努めた。
2023年度は、オンサイトエネルギーサービスの提案による販路の拡大を図るとともに、引き続き重油等から天然ガスへの燃料転換による需要家の開拓を進める。
ニ.航空関連事業
<航空燃料取扱業>
航空関連事業は安定基盤事業に位置づけ、羽田空港における給油システム関連への設備投資をおこなうなどデジタル化による業務の効率化を進めた。
2023年度は、国内線、国際線とも航空燃料の需要はコロナ禍前の水準に戻ることを見込んでおり、今後のさらなる需要拡大に向けた運営能力の向上や安全運航のための施設保守に努める。
ホ.その他、成長事業への取組み
上記のほか、成長事業として、風力発電向けメンテナンスサービス領域の拡大に努めた。また、2022年4月に事業開発部を設置し、新規事業の開発・投資に取り組んでいる。
2030年度には、M&Aや事業提携などによる新規事業の開拓とともに再生可能エネルギー領域における新たな収益源の確立を目指す。
④ 中期経営計画における資本政策について
当社は、低炭素・循環型社会に対応した事業ポートフォリオへの進化を図り、持続的成長を続けることで株主価値を高めることを基本方針としている。そのための重要な経営指標としてROE(株主資本利益率)および配当性向を掲げ、中期経営計画において目標値を公表している。
当社グループでは、中期経営計画の推進にあたり、資本コストの指標としてWACC(加重平均資本コスト)を用いて投資判断をおこなうなど、適切な経営資源の配分に努める。また、2023年度は前年度に引き続き自己株式の取得など、機動的な資本政策の実現と株主価値の向上に資する施策を進め、PBR(株価純資産倍率)1倍以上を早期に達成できるよう目指す。
⑤ 気候変動に関連した戦略ならびに指標および目標
気候変動に関連した戦略ならびに指標および目標については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)気候変動に関連した戦略ならびに指標および目標」に記載のとおりである。
⑥ 人的資本・多様性の確保に向けた取組
人的資本・多様性の確保に向けた取組については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4)人的資本・多様性の確保に向けた取組」に記載のとおりである。
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組の状況は、次のとおりである。
(1)サステナビリティ基本方針
当社グループは、経営理念である三愛精神「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」とコーポレートブランド「Obbli」のもと、社会インフラの一端を担う企業としてエネルギーの供給責任を果たすとともに、低炭素・循環型社会に対応した事業ポートフォリオに進化させ、人々の生活と産業を支えるパートナーとなることを目指している。
当社グループの役員および社員は、以下の5項目を基本姿勢とし、健全かつ透明性の高い経営を通じて環境や社会の課題解決に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献していく。
私たちは誠実・正直に行動します。
私たちは法令、ルールを順守します。
私たちは自然環境・地域社会との関係を大切にします。
私たちは顧客の満足を追求します。
私たちは、自ら学び、自ら考え、自ら行動します。
(2) サステナビリティ全般にかかわるガバナンスおよびリスク管理
① ガバナンス
当社グループでは 2022 年4月三愛オブリグループサステナビリティ委員会を設置した。同委員会はサステナビリティ推進活動を主導しモニタリングをおこなうことを目的としており、代表取締役社長を委員長、人事総務部担当役員を副委員長、常勤取締役および執行役員を委員、常勤監査役をオブザーバーとして構成されている。
サステナビリティにかかわるリスクおよび機会の抽出・評価は同委員会にて審議をおこない、審議結果は取締役会に報告する。取締役会は同委員会の報告内容に基づき管理・監督をおこなう。
② リスク管理
当社グループのサステナビリティに関するリスクおよび機会については、サステナビリティ推進部および経営企画部が事務局となり、サステナビリティ委員会で年1回以上リスクおよび機会の評価、影響度、対応策など PDCA サイクルにて見直しをおこなう。
(3) 気候変動に関連した戦略ならびに指標および目標
① 気候変動のシナリオと対応戦略
当社グループは、エネルギーを取扱う企業の責務として気候変動を喫緊の重要課題と認識し、気候変動が当社グループの事業活動に与える影響の分析をおこなった。
イ.想定するシナリオ
当社グループは気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表している第6次評価報告書第1作業部会報告書のシナリオをベースに2030年から2040年までのシナリオ分析を実施した。
<4℃シナリオ(SSP5-8.5)>
各国のGHG (温室効果ガス)削減が進まず、世界の平均気温が今世紀末ごろに4℃程度上昇する。平均気温が上がることで大型台風や集中豪雨による災害が頻発するとともに、新たな感染症が発生し猛威を振るっている。世界的に暖冬が続き、暖房需要が減退する。
GHG排出については、一部の先進国で厳しい法規制が敷かれるものの、発展途上国では経済活動が優先され消極的な規制にとどまる。再生可能エネルギーの普及は進むが、化石燃料への依存が続く。
<2℃シナリオ(SSP2-4.5)>
各国において低炭素社会実現にむけた取組みが開始され、炭素税を含む各種規制・税制が施行される。これによりGHG排出量は横ばいで推移し、世界の気温上昇速度は緩やかになる反面、税負担の増加により企業の収益性が悪化する。
また、大型台風や集中豪雨は現在(2022年度)と同程度の頻度で発生している。新型コロナウイルス感染症は収束し、経済活動は2019年度と同様の状態が続いている。
電力供給は再生可能エネルギーの割合が大きく増加するものの、再生可能エネルギーのみの電力供給は不安定であることから化石燃料による発電も依然として続いている。
ロ.シナリオ分析
・リスク
<4℃シナリオ>
|
種類 |
影響 |
リスク |
影響度 |
発生 時期 |
対応戦略 |
|
|
物理的 |
急性 |
異常気象による集中豪雨や河川氾濫 |
・大型台風などの影響により航空機給油施設や石油製品油槽所の一部が水没 |
小 |
短期 |
・BCP(事業継続計画)の整備 |
|
慢性 |
気象パターンの変化による気温上昇 |
・海面上昇により石油製品油槽所の一部が機能不全 ・航空機給油施設内の地下水上昇 |
大 |
長期 |
・他油槽所の代替利用 ・高潮対策(嵩上) ・排水機能強化 |
|
|
移行 |
法規制 |
ガソリン車の規制強化 |
・ガソリン車の規制強化 ・炭素税導入によりガソリン車の利用が減少 |
大 |
短期 |
・効率化事業(石油)はローコスト体制へ ・経営資源を再配分 |
|
技術 |
航空燃料SAF(※1)の普及 |
・航空燃料はSAFの割合が増 加 |
小 |
短期 |
・SAFの貯蔵、サービス |
|
|
市場 |
EV(電気自動車)普及率増加 |
・EVが普及するもライフラインとしてのSS需要は残る |
大 |
短期~ 中期 |
・ガソリン車への対応は継続しEV等への対応 |
|
|
評判 |
投資家による石油関連銘柄敬遠 |
・ダイベストメントによる株価下落 |
小 |
短期 |
・事業ポートフォリオの進化 |
|
<2℃シナリオ>
|
種類 |
影響 |
リスク |
影響度 |
発生 時期 |
対応戦略 |
|
|
物理的 |
急性 |
大雨による被害 |
・大雨の影響により航空機給油施設や石油製品油槽所の一部が浸水 |
小 |
短期 |
・BCP(事業継続計画)の整備 |
|
移行 |
法規制 |
ガソリン車の新車販売禁止 |
・2030年代にはガソリン車の新車販売が禁止 ・2030年以降、急激にガソリン販売量が減少 |
大 |
中期 |
・SS新業態への転換 |
|
技術 |
航空燃料はSAFが主流 |
・航空燃料はSAFが主流に |
小 |
中期~ 長期 |
・航空機給油施設の整備・運用 |
|
|
技術 |
小型航空機では一部水素を燃料にした航空機が就航 |
・水素を動力とした小型航空機の就航が開始 |
小 |
中期~ 長期 |
・水素燃料への供給対応 |
|
|
市場 |
EVおよび水素自動車の普及率増加 |
・EV、水素自動車へのシフトが進みガソリン車シェアが大きく減少 |
大 |
短期~ 中期 |
・成長事業への投資拡大 ・EVへの対応を含むSS新業態への転換 |
|
|
評判 |
投資家による石油関連銘柄敬遠 |
・ダイベストメントによる株価下落 |
小 |
短期 |
・事業ポートフォリオの進化 |
|
・機会
<4℃シナリオ>
|
種類 |
影響 |
機会 |
影響度 |
発生 時期 |
対応戦略 |
|
資源の 効率化 |
灯油・重油からの燃転が進む |
・オンサイトエネルギーサービス(※2)の需要が増加 |
小 |
短期 |
・灯油・重油よりGHG排出量が少ないLNGを用いたエネルギーサービスを展開 |
|
資源の 効率化 |
再生可能エネルギーの普及 |
・再生可能エネルギーのオペレーション&メンテナンス部門へ進出しビジネス機会が増加 |
中 |
中期 |
・風力発電などのオペレーション&メンテナンスをおこなう会社への出資 |
|
製品・ サービス |
感染症蔓延により衛生分野の化学品メーカーにおける需要が増加 |
・衛生分野の化学品メーカーを買収 |
中 |
短期~ 中期 |
・化学品メーカーの買収 |
|
製品・ サービス |
空港での水素供給 |
・水素を動力とした空港内特殊車両への水素供給ビジネスを展開 |
小 |
短期~ 中期 |
・水素貯蔵施設の建設・運営 |
<2℃シナリオ>
|
種類 |
影響 |
機会 |
影響度 |
発生 時期 |
対応戦略 |
|
製品・ サービス |
水素ステーション建設 |
・エンジニアリング部門において水素ステーション建設増加 |
大 |
中期 |
・水素ステーションの建設 |
|
製品・ サービス |
水素自動車の普及 |
・水素ステーション運営へと転換を図る |
大 |
中期 |
・水素ステーションの運営 |
|
製品・ サービス |
空港での水素供給 |
・水素を動力としたプライベート航空機や空港内特殊車両への水素供給ビジネスを展開 |
小 |
中期 |
・水素貯蔵施設の建設・運営 |
<4℃・2℃シナリオ>
|
種類 |
影響 |
機会 |
影響度 |
発生 時期 |
対応戦略 |
|
エネルギー源 |
メタネーション技術(※3)の確立 |
・合成メタン製造の技術が確立され、天然ガスから合成メタンへの切り替えが進む |
中 |
長期 |
・新たな仕入先、販売先の確保 |
|
エネルギー源 |
プロパネーション技術(※4)の確立 |
・合成プロパンガス製造の技術が確立され、切り替えが進む |
中 |
長期 |
・グリーンLPガスの販売へ切り替えていく |
|
エネルギー源 |
e-fuel技術の確立 |
・合成燃料の製造技術が確立され化石燃料からの切り替えが進む |
大 |
長期 |
・新たな仕入先、販売先の確保 |
|
製品・ サービス |
半導体需要増 |
・金属表面処理業(CT事業)の拡大 |
小 |
短期~ 中期 |
・旺盛な半導体需要への対応として新たなCT事業所を建設する |
(発生時期の基準)
発生時期の定義は以下のとおりである。
|
区分 |
期間 |
|
短期 |
2030年まで |
|
中期 |
2030年から2050年まで |
|
長期 |
2050年以降 |
(用語説明)
※1 SAF
廃食油や動植物性油脂などを原料とした航空燃料。Sustainable Aviation Fuel(持続可能な航空燃料)の略。
※2 オンサイトエネルギーサービス
需要家の敷地内に燃料供給設備、ボイラ設備等を設置し、必要なエネルギーを安定供給するサービス。
※3 メタネーション技術
水素(H2)と二酸化炭素(CO2)を反応させ、メタン(CH4)を合成する技術。ガスの脱炭素化技術として注目されている。
※4 プロパネーション技術
メタネーションと同様に水素と二酸化炭素を反応させ、プロパン(C3H8)を合成する技術。現時点で技術体系は確立されていない。
② 指標および目標
当社グループでは石油精製等の事業をおこなっておらず、本社・各事業所・SS等における電力消費がCO2排出の大半を占めている。こうしたなか、石油小売販売会社の直営SSにおいて再生可能エネルギー由来の電力導入を順次進めるとともに、当社グループの事業所に太陽光発電設備を設置することで電力から生じるCO2の削減に取り組んでいる。
当社グループでは、2019年度を基準として、2030年度にはCO2排出量30%削減、2050年度にはカーボンニュートラルを目標とする。なお、CO2排出量はScope1およびScope2の合計となっている。
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項目 |
指標 2019年度 |
実績 2021年度 |
目標 |
|
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2030年度 |
2050年度 |
|||
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Scope1・Scope2の合計 |
16,760t-CO2 |
15,423t-CO2 |
△30% |
カーボン ニュートラル |
Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出
Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
(4)人的資本・多様性の確保に向けた取組
① 多様性の確保についての考え方および人材育成・社内環境整備の方針
当社グループは、三愛精神「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」を経営理念としており、人材の多様性を尊重し、個々の力を結集することが企業の成長につながると考えている。そのため、人材の多様性を確保すべく、採用における女性割合の増加、障がい者雇用の促進、キャリア採用を推進している。
また、社員の属性、価値観、働き方は多様化しており、互いの価値観の違いを認め、その能力を十分に発揮するための人材育成と社内環境整備に努めている。
② 中期経営計画に基づく施策
当社グループは、2030年度に向けて低炭素・循環型社会に対応した事業ポートフォリオへの進化を目指し、成長事業・安定基盤事業を中心に人的資本の強化を図っている。
2021年度から2023年度の中期経営計画において変革を生む挑戦的な組織風土を醸成するため、人材活用基盤の整備を重要課題とし、次の施策を実施した。
イ.人材活性化に向けた研修・教育体制強化
・職種や職域を制限しないジョブローテーションの実施
・階層別研修/選抜型研修/資格取得研修の実施
・国内留学制度/英会話選抜ビジネスクラスの実施
・DX研修の実施
・自社研修センターを活用した集合研修の実施
ロ.専門人材のキャリア採用強化
・通年でのキャリア採用実施
・キャリア採用研修の実施
ハ.ダイバーシティの推進
・ダイバーシティ・マネジメント研修の実施
・障がい者雇用の促進
・キャリアアップ支援制度(女性社員向け通塾型セミナー「立志塾」)
③ 指標および目標
当社グループは、多様性の確保についての考え方および人材育成・社内環境整備の方針に基づき、研修・教育体制を強化することで個々の能力開発を図っている。また、キャリア採用や女性採用の割合を増加させ積極的に管理職に登用するなど、さまざまな属性の人々が活躍できる組織作りを目指している。
当社グループの人的資本・多様性の確保に向けた指標および目標は以下のとおりである。
|
項目 |
指標 2022年度実績 |
目標 2023年度 |
|
従業員1人あたりの教育費 |
101千円 |
120千円 |
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採用に占めるキャリア採用割合 |
63.2% |
-(注) |
|
新卒採用人数に占める女性割合 |
10.3% |
30%以上 |
|
女性管理職割合 |
4.9% |
6%以上 |
(注)採用に占めるキャリア採用割合については、今後も同水準を維持していく。
当社グループでは、リスク管理を統括する三愛オブリグループサステナビリティ委員会において、リスクの洗い出しをおこない、対応すべき優先順位を決定するとともに、リスク毎に具体的な対応策および予防策を検討している。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が経営成績および財政状態に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものである。また、当社グループのすべてのリスクを網羅するものではない。
(1) 市場環境の変化について[影響度:中~大、発生可能性:高]
① リスク内容
当社グループは、石油製品の販売を主体としたビジネスを主に国内において展開している。地球温暖化等の気候変動への対応として2050年カーボンニュートラルを目指す動きが世界的に加速するなかで、エネルギー転換へ向けた企業の対応が顕在化してきている。国内の石油・LPガス市場においては、消費機器の燃費向上に加えてEV車やオール電化の普及が進むことで、同業者間にとどまらず、電気などの異業種との販売競争に直面している。
また、LPガスや灯油は気温の変動にも影響を受けるため、需要期である冬場の気温が上昇した場合、需要は減少する可能性がある。
このような事業環境のなか、石油関連事業およびガス関連事業の市場規模は中長期的には縮小し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
② 対応策
このようなリスクに対して当社グループは、2021年度から2023年度までの中期経営計画「変貌する未来への挑戦 Challenge 2030」を策定し、低炭素・循環型社会に対応した事業ポートフォリオへの進化を目指すため、当社グループの事業を成長事業、効率化事業および安定基盤事業に分け、成長可能性のある事業へのM&Aを含めた投資を進めていく。なお、2022年4月1日より社長直轄の事業開発部を発足させている。
(2) 大規模感染症について[影響度:大、発生可能性:低]
① リスク内容
世界的な感染症の流行により各国間の移動に制限がかかり経済活動が停滞した場合、航空燃料をはじめとする石油製品の需要が低迷する可能性がある。
航空関連事業において、感染症の拡大等の状況次第では羽田空港の燃料取扱数量が想定より減少し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
石油関連事業およびガス関連事業において、感染症の拡大等の状況次第では物流や生産活動の停滞から燃料油の需要が減少する可能性はあるが、生活必需品としての需要は底堅く推移するものと考えている。
また、従業員の感染が増加し、製造、物流、保安、営業活動などに支障をきたした場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
② 対応策
当社グループは、石油、ガス、航空燃料など社会インフラの一端を担う企業の責務として、感染症の拡大等に備え、事業所ごとにBCPの見直しを継続して実施している。また、お客さまや従業員の安全と感染拡大予防を第一に、SSなどの店舗において設備の消毒やマスクの着用を徹底し、従業員に対しては在宅勤務や時差出勤を推進するとともに、予防接種など産業保健の機能を強化することで感染リスクの低減に取り組むこととしている。
(3) 災害等について[影響度:大、発生可能性:低]
① リスク内容
当社グループは、国内において羽田空港を含む複数の航空機給油施設を所有・運営している。また東京オイルターミナルなどの石油製品出荷基地、福岡県久留米市から佐賀県佐賀市までの佐賀天然ガスパイプライン、日本各地に所在するSSやLPガス充填所など危険物取扱設備を有している。通常では予見できない事故や異常気象による集中豪雨や河川氾濫、気象パターンの変化による気温上昇により、航空機への燃料供給障害、石油製品物流障害、燃料漏洩による土壌汚染、水害によるLPガスボンベの流出が発生した場合、操業回復までに相当の時間とコストを要することから、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
② 対応策
これらの危険物施設の安全管理・保安体制についてはリスクマネジメント委員会において、自然災害等に備え事業所ごとにBCPの見直しを実施するとともに、事件や事故の報告と再発防止策の検討をおこなっている。また、同委員会において、危険物施設の環境安全監査の実施および是正状況を確認している。さらに、石油製品油槽所の一部が機能不全に陥った場合に備え、他油槽所の代替利用や高潮対策(嵩上)、排水機能の強化等による被害拡大の防止のための対応策を講じている。
(4) 投資等について[影響度:中、発生可能性:中]
① リスク内容
当社グループは、航空機給油施設、石油製品出荷基地、SSや充填所などの有形固定資産、M&Aにより取得した無形固定資産を有している。事業等のリスクが顕在化したことにより、保有する資産の価値や収益性が低下した場合には、固定資産の減損処理が必要となり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
② 対応策
投資等については回収可能性を十分に検討したうえで実行しており、定期的に投資計画との差異を検証し、必要に応じて改善策を講じている。
(5) 情報セキュリティに関するリスク[影響度:中~大、発生可能性:低]
① リスク内容
当社グループでは、羽田空港における給油システムなど事業上不可欠な基幹システムを構築・運用するとともに、営業上の機密情報を保有している。こうしたなかで、想定外のサイバー攻撃、コンピュータウイルスの感染、不正アクセス等によりシステムダウンや情報漏洩が発生した場合は、事業活動の継続に支障をきたし、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
② 対応策
当社グループは、情報セキュリティに関する基本方針を定めリスクの低減に努めるとともに、システムの更新等によりセキュリティの強化を図り、情報技術の適正な整備および運用状況を確認している。
(6) 製品の品質および安全性に関するリスク[影響度:中、発生可能性:低]
① リスク内容
当社グループは、防腐・防かび剤、石油系溶剤、自動車用ケミカル商品などの化学製品の製造や販売をおこなっている。
リコールや製造物責任が問われる不測の製品事故が発生した場合には、損害賠償責任を負うとともに取引上の信用失墜により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
② 対応策
当社グループで製造する製品の品質管理には十分留意しており、「品質保証委員会」において当社で製造するすべての製品について事前に審議することで、製造物の欠陥に起因する損害賠償請求やクレーム等を未然に防止するよう努めている。
(7) 保有有価証券について[影響度:小、発生可能性:中]
① リスク内容
経済の状況や株式市場の変動により、当社グループの保有する有価証券の価格が著しく下落した場合には、保有株式の評価損が発生し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
② 対応策
当社は、保有有価証券について定性的および経済合理性の両面から、保有効果の検証をおこなっている。
(8) 地政学的リスクについて[影響度:小、発生可能性:中]
① リスク内容
当社グループは、石油製品を石油元売会社等から仕入れ、国内において販売を行うことが主力事業であるが、わが国においては、その大部分は中東周辺地域などからの輸入に依存しており、原油価格および為替レートの動向により仕入価格が変動する。また、当社グループは化学製品の輸出入もおこなっており、調達先は主にアジア地区に依存している。
そのため、このような国や地域における政治的、経済的変動、テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等が発生した場合、製品や原料を調達できない可能性や、適正価格を維持できない可能性がある。こうした場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
② 対応策
当社グループの主要商品である石油製品の高騰に備えて手元流動性を確保するとともに、複数のサプライチェーンを持つことでリスクが顕在化した際の安定供給を図る。
(9) 法的規制関係について[影響度:小~中、発生可能性:低]
① リスク内容
当社グループは、消防法、製造物責任法、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律、ガス事業法、石油コンビナート等災害防止法、環境関連法令など数多くの法律や規則に規制されている。これらの規制に抵触した場合には行政処分を受けるなど事業活動の継続に支障をきたす可能性があるとともに、将来これらの法規制が大幅に改正された場合には、事業活動への制約や対応のためのコストが発生し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
② 対応策
事業に関連する法規制について、所管する関係部所が法改正などの情報を収集し必要な対応をおこなっている。また、法令および社内ルールの順守や企業倫理の啓発に関して、「三愛オブリグループの倫理行動憲章」の周知徹底を図るとともに、「公益通報者の保護に関するガイドライン」に基づく公益通報相談窓口により、法令違反や不正行為の早期発見と是正に努めている。
(10) 個人情報に関するリスク[影響度:小、発生可能性:低]
① リスク内容
当社グループでは、SSで取り扱う車検等の個人情報ならびにLPガスおよび都市ガスの消費者データを保有している。
情報セキュリティの不備や従業員の不正等により個人情報の漏洩が発生した場合には、損害賠償責任を負うとともに社会的信用の失墜により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
② 対応策
当社グループでは、社内規程に基づき、従業員に対するeラーニングなどの教育や個人情報の取り扱いに関する自主監査、管理台帳の更新など、個人情報の適切な取扱いと管理の徹底を図っている。
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う行動制限が段階的に解除され、経済活動が正常化に向かった。個別に見れば、急激な物価上昇によって個人消費に減速がみられたものの、企業の設備投資が持ち直したことで景気は緩やかに回復した。
当社グループを取り巻くエネルギー業界においては、コロナ禍から旅行やインバウンド需要が改善したことにより、航空燃料をはじめとした石油製品の需要に回復がみられた。一方で、カーボンニュートラルの実現に向けた動きが加速するなか、EVシフトやサステナビリティ経営への対応が迫られるなど、経営環境は大きく変化している。
こうしたなかで、当社グループは、中期経営計画「変貌する未来への挑戦 Challenge 2030」のもと、2021年度から2023年度までを成長実現のための経営基盤の再構築期と位置づけ、低炭素・循環型社会に対応した事業ポートフォリオへの進化に向けた取組みを進めた。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなった。
① 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,356百万円増加し、201,244百万円となった。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,710百万円減少し、83,819百万円となった。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,066百万円増加し、117,424百万円となった。
② 経営成績
当連結会計年度における当社グループの売上高は前期比8.2%増の647,833百万円となった。営業利益は前期比26.1%増の15,211百万円、経常利益は前期比22.2%増の16,038百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比31.2%増の10,901百万円となった。
セグメント別の財政状態及び経営成績は次のとおりである。
なお、当連結会計年度より、セグメント区分の見直しにより、「航空関連事業他」を「航空関連事業」および「その他事業」に区分しており、前期との比較は変更後の報告セグメントに組み替えて表示している。
イ.石油関連事業
石油関連事業における売上高は、前期比6.2%増の554,745百万円となった。セグメント利益は前期比2.3%増の9,587百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ4,053百万円減少し、84,362百万円となった。
ロ.化学品関連事業
化学品関連事業における売上高は、前期比17.6%増の12,210百万円となった。セグメント利益は前期比6.5%減の1,138百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ176百万円増加し、4,199百万円となった。
ハ.ガス関連事業
ガス関連事業における売上高は、前期比19.0%増の61,015百万円となった。セグメント利益は前期比15.8%減の2,197百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ685百万円増加し、26,641百万円となった。
ニ.航空関連事業
航空関連事業における売上高は、前期比53.3%増の13,491百万円、セグメント利益は3,766百万円(前期は62百万円のセグメント利益)となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ681百万円減少し、20,044百万円となった。
ホ.その他事業
その他事業における売上高は、前期比6.9%増の6,370百万円となった。セグメント利益は前期比12.9%増の1,152百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ958百万円減少し、6,958百万円となった。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8,750百万円増加し46,747百万円となった。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は18,921百万円となった。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上によるものである。なお、獲得した資金は前期比8,372百万円増加している。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は3,252百万円となった。これは主に、有形固定資産および無形固定資産の取得によるものである。なお、使用した資金は前期比44百万円減少している。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は6,918百万円となった。これは主に、配当金の支払いおよび自己株式の取得によるものである。なお、使用した資金は前期比1,196百万円増加している。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
該当事項なし。
(2)受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比(%) |
|
ガス関連事業 |
693 |
115.7 |
171 |
62.6 |
|
その他事業 |
2,522 |
76.8 |
857 |
83.5 |
|
合計 |
3,215 |
82.8 |
1,028 |
79.1 |
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
石油関連事業(百万円) |
554,745 |
106.2 |
|
化学品関連事業(百万円) |
12,210 |
117.6 |
|
ガス関連事業(百万円) |
61,015 |
119.0 |
|
航空関連事業(百万円) |
13,491 |
153.3 |
|
その他事業(百万円) |
6,370 |
106.9 |
|
合計(百万円) |
647,833 |
108.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去している。
2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績については連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略している。
3.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更している。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載の通りである。それに伴い「前年同期比(%)」は変更後の報告セグメントの区分に基づき算定している。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
(1)経営成績等
① 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,356百万円増加し、201,244百万円となった。これは主に、現金及び預金が増加したことによるものである。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,710百万円減少し、83,819百万円となった。これは主に、石油製品の仕入価格の下落により支払手形及び買掛金が減少したことによるものである。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,066百万円増加し、117,424百万円となった。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものである。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の54.2%から55.5%となった。
② 経営成績
当連結会計年度における当社グループの売上高は、石油製品の販売価格の上昇により前期比8.2%増の647,833百万円となった。営業利益は、航空関連事業の業績が新型コロナウイルス感染症の影響から回復基調で推移したことにより前期比26.1%増の15,211百万円、経常利益は前期比22.2%増の16,038百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比31.2%増の10,901百万円となった。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。
当社グループは、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主に運転資金や設備の更新、拡張に活用しており、営業キャッシュ・フローを上回る規模の投資については、金融機関からの借入による資金調達を見込んでいる。また、当社および連結子会社ではCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、グループ会社間で資金を融通することで、手元資金の流動性を確保するとともに有利子負債の削減を進めている。
当社グループは、事業リスクに対応できる財務基盤を確保しながら、資本効率の高い事業への投資を促進することで、持続的なキャッシュ・フローの創出を図っており、それによって配当金の支払いや自己株式取得などの株主還元に必要な資金を獲得する方針である。
(2)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりである。
(3)資本の財源及び資金の流動性
① 資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、当社グループの石油関連事業、化学品関連事業およびガス関連事業に関わる仕入等の債務の決済資金等がある。また、設備投資需要の主なものは航空機給油施設の増強、SS設備の取得、天然ガス導管の延伸がある。
② 財務政策
当社グループの経営基盤の拡大・充実に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用や金融機関からの借入により資金調達を実施している。なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は前連結会計年度に比べ826百万円減少し、7,017百万円となった。
(4)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの財政及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
イ.石油関連事業
<石油製品販売業>
石油製品販売業においては、販売数量は前年並みとなったが、販売価格が上昇したことで売上高は前期を上回った。各部門別の状況は以下のとおりである。
石油小売部門では、直営SSでの販売が堅調だったことにより、販売数量、利益ともに前期を上回った。石油卸売部門では、利幅は前期を上回ったものの、原油価格の下落に伴い在庫評価による利益が減少に転じたことから利益は前期を下回った。産業用燃料油販売部門では、販売数量は前年並みとなったが、利幅が改善したことで利益は前期を上回った。産業用潤滑油販売部門では、風力発電の内視鏡検査などサービス領域の拡大により利益は前期を上回った。
また、SS経営戦略として、スマートフォンアプリ「Mantan」を活用した車検・洗車等の予約サービスを促進し、待ち時間の短縮による顧客満足度の向上と業務の効率化を進めた。
以上の結果、石油関連事業における売上高は、販売価格の上昇により前期比6.2%増の554,745百万円となった。セグメント利益は、産業用燃料油販売部門の利幅が拡大したことなどにより前期比2.3%増の9,587百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ4,053百万円減少し、84,362百万円となった。
ロ.化学品関連事業
<化学品製造販売業>
化学品製造販売業においては、国内工場が不安定な稼働状況であったことから、防腐・防かび剤や石油系溶剤の販売数量は前期を下回った。製品別の状況は以下のとおりである。
防腐・防かび剤では、部品供給不足に伴う自動車関連工場の稼働率低下により、金属加工油用途等への販売数量が減少し利益は前期を下回った。石油系溶剤では、原油価格の高騰と円安に伴い仕入価格が上昇したため利益が一時的に減少したが、当期の後半にかけては持ち直した。粘着付与剤では、前期に引き続き接着剤や梱包テープ用途の販売が堅調に推移した。また、機能化学品では、潤滑油・金属加工油の添加剤などに用いる高級アルコールの新規取引先の開拓により利益が増加した。
以上の結果、化学品関連事業における売上高は、石油系溶剤および粘着付与剤等の販売価格の上昇により前期比17.6%増の12,210百万円となった。セグメント利益は、防腐・防かび剤の利益が減少したことから前期比6.5%減の1,138百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ176百万円増加し、4,199百万円となった。
ハ.ガス関連事業
<LPガス販売業>
LPガス販売業においては、小売部門、卸売部門ともに販売数量は減少傾向で推移した。
小売部門では家庭用の販売数量は減少したが、前期に落ち込んでいた利幅が改善したことから、売上総利益に回復がみられた。一方で、小売営業権買収の初期投資やLPWA(※)を利用した通信端末の設置を進めたことから、販売費及び一般管理費が増加したため利益は前期を下回った。卸売部門では販売数量の減少に加えて、在庫評価による利益の減少により業績は低調に推移した。
また、2021年から世界的な電子部品の供給不足により給湯器をはじめとした住宅設備機器の販売が大きく落ち込んでいたが、当期はメーカーの生産が回復に向かったため、ガス外収益は小売部門、卸売部門ともに前期を上回った。
(※)LPWA Low Power Wide Areaの略で、省電力かつ広域なエリアをカバーできる通信方式
<天然ガス販売業>
天然ガス販売業においては、家庭用の需要が減少したものの、工業用の大口取引先が獲得できたことから販売数量は前期を上回った。しかしながら、利幅が減少したことにより、利益は前期を下回った。
以上の結果、ガス関連事業における売上高は、販売価格の上昇により前期比19.0%増の61,015百万円となった。セグメント利益は、売上総利益が増加したものの、小売営業権や設備投資にかかわる償却費が増加したことにより前期比15.8%減の2,197百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ685百万円増加し、26,641百万円となった。
ニ.航空関連事業
<航空燃料取扱業>
航空燃料取扱業においては、新型コロナウイルス感染症に伴う国内における行動制限や海外からの入国者に対する水際対策が段階的に解除されたことにより、航空需要は回復基調で推移した。
こうしたなか羽田空港における航空需要は、国内線では2022年10月以降、コロナ禍前の需要にほぼ回復した。国際線では、国内線に比べて回復が遅れていたが、当期末時点の燃料取扱数量はコロナ禍前の状態に戻っている。これにより、燃料取扱数量は、コロナ禍前の2019年度比で5割強となった前期から当期は8割弱に回復している。
また、羽田空港では施設機器点検管理システムや給油システムの更新準備をおこなうなど、今後の需要拡大に向けた業務効率の改善に取り組んだ。
以上の結果、航空関連事業における売上高は、羽田空港における燃料取扱数量の増加により前期比53.3%増の13,491百万円、セグメント利益は3,766百万円(前期は62百万円のセグメント利益)となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ681百万円減少し、20,044百万円となった。
ホ.その他事業
<その他>
その他事業においては、金属製品等の洗浄・表面処理業では、堅調な半導体関連向けの需要に支えられ精密洗浄処理の受注が好調に推移し、売上高、利益ともに前期を上回った。
また、建設工事業では、大型物件の受注が低調であったことから売上高は前期を下回ったものの、利益は前期を上回った。
以上の結果、その他事業における売上高は、金属製品等の洗浄・表面処理業が好調に推移したことにより前期比6.9%増の6,370百万円となった。セグメント利益は前期比12.9%増の1,152百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ958百万円減少し、6,958百万円となった。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。
該当事項なし。
該当事項なし。