第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はない。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものである。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善が見られた一方、中東情勢の緊迫化による原油価格の乱高下や円安による物価上昇が生じるなど景気の先行きへの不透明感が増している。

 当社グループを取り巻くエネルギー業界においては、インバウンドによる航空燃料の需要が堅調だったものの、自家用車の利用控えや自動車の燃費向上などにより石油製品全体の需要は減少傾向で推移した。

 こうしたなかで、当中間連結会計期間における財政状態及び経営成績の状況は以下のとおりとなった。

 

① 財政状態

当中間連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ183億82百万円減少し、2,002億25百万円となった。これは主に、現金及び預金が減少したことによるものである。

負債合計は、前連結会計年度末に比べ169億25百万円減少し、778億53百万円となった。これは主に、前連結会計年度末が金融機関の休日であったことから、支払手形及び買掛金が減少したことによるものである。

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ14億56百万円減少し、1,223億72百万円となった。これは主に、自己株式を取得したことによるものである。

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の53.9%から58.0%となった。

 

② 経営成績

 当社グループは、中期経営計画「変貌する未来への挑戦 Challenge2030」の第2ステージとして、2030年度に目指す姿に向けた戦略の実行と成長投資を推進した。

 

 当中間連結会計期間における当社グループの売上高は、石油製品の販売数量減少により前年同期比3.4%減の3,071億52百万円となった。営業利益は、航空関連事業における燃料取扱手数料の単価改定により前年同期比36.2%減の55億32百万円、経常利益は前年同期比33.6%減の60億55百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期比20.4%減の44億88百万円となった。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりである。

イ.石油関連事業

石油関連事業においては、ガソリン販売は堅調に推移したものの、灯油、軽油および重油などは低調となったため、販売数量全体では前年同期を下回った。各部門の状況は以下のとおりである。

石油小売部門では、直営SSにおける販売が低調に推移し、販売数量、利益ともに前年同期を下回った。石油卸売部門では、利幅の改善により売上総利益は前年同期を上回ったものの、販売費及び一般管理費が増加したことによって利益は前年同期を下回った。産業用燃料油販売部門では、価格競争の激化により、販売数量、利益ともに前年同期を下回った。産業用潤滑油販売部門では、発電用ガスエンジンのメンテナンスや風力発電の内視鏡調査などの受注拡大により売上総利益が増加した一方、風力発電所開発調査の中断による貸倒引当金繰入額の計上があったことから、利益は前年同期を下回った。

 

以上の結果、石油関連事業における売上高は前年同期比4.4%減の2,637億47百万円、セグメント利益は前年同期比16.8%減の42億81百万円となった。

 

ロ.化学品関連事業

化学品関連事業においては、各商品ともに販売数量は概ね前年同期並みで推移した一方で、サプライチェーンの最適化によって利益率に改善がみられた。商品別の状況は以下のとおりである。

自動車関連商品では、自社製品である洗車薬剤の販売数量は前年同期を下回ったものの、利幅の回復により利益は前年同期を上回った。防腐・防かび剤では、販売数量、利益ともに前年同期並みとなった。石油系溶剤では、利幅の回復により利益は前年同期を上回った。粘着付与剤では、接着剤や梱包テープ用途の販売数量が回復したことにより、利益は前年同期を上回った。その他では、機能化学品として高級アルコールの販売が好調に推移した。

 

以上の結果、化学品関連事業における売上高は前年同期比6.3%増の63億11百万円、セグメント利益は前年同期比24.6%増の5億16百万円となった。

 

ハ.ガス関連事業

<LPガス販売業>

LPガス販売業においては、夏場の猛暑などにより需要が概ね減少傾向となるなか、販売数量は前年同期並みを維持した。各部門の状況は以下のとおりである。

小売部門では、家庭用を中心に単位消費量の減少がみられたものの、営業権買収による顧客軒数の増加により利益は前年同期を上回った。卸売部門では、海上取引等により販売数量は前年同期を上回るとともに、在庫評価の影響により利益は前年同期を上回った。

 

<天然ガス販売業>

天然ガス販売業においては、家庭用では伊万里ガス株式会社(※)の買収により、販売数量は前年同期を上回った。業務用・工業用では、一部取引先の需要減少により、販売数量は前年同期をやや下回った。これにより、天然ガス販売業全体では、販売数量は前年同期並みとなったものの、利益は工業用の販売数量減少により前年同期を下回った。

 

以上の結果、ガス関連事業における売上高は、LPガスの販売価格の上昇により前年同期比11.7%増の271億99百万円となった。セグメント利益は前年同期比38.4%増の3億74百万円となった。

(※)当社は2024年5月、佐賀県伊万里市において都市ガスの供給およびLPガスの小売販売をおこなう伊万里ガス株式会社の株式を取得し子会社化した。

 

ニ.航空関連事業

航空関連事業においては、訪日外国人の増加などにより航空需要は概ね好調に推移した。羽田空港における燃料取扱数量は、国内線では悪天候により前年同期比微減で推移した。国際線ではコロナ禍からの復便やインバウンド需要に伴う長距離路線の新規就航により好調に推移した。これにより、国内線と国際線を合わせた燃料取扱数量は前年同期比で約8%の増加となった。また、羽田空港を除く他空港における給油事業の業績についても航空需要の回復により好調に推移した。

しかしながら、羽田空港における燃料取扱手数料の単価改定により、売上高、利益ともに前年同期を大きく下回った。

 

以上の結果、航空関連事業における売上高は前年同期比23.9%減の71億97百万円、セグメント利益は前年同期比59.1%減の17億81百万円となった。

 

ホ.その他事業

その他事業においては、金属製品等の洗浄・表面処理業では、半導体製造装置の生産調整が続いたこと等により、精密洗浄処理の受注が低調に推移し売上高は前年同期を下回ったものの、利益率の改善により利益は前年同期を上回った。また、建設工事業では、受注が堅調であったことから売上高、利益ともに前年同期を上回った。

 

以上の結果、その他事業における売上高は、建設工事業が堅調に推移したことにより前年同期比10.8%増の26億96百万円となった。セグメント利益は前年同期比11.8%増の3億26百万円となった。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ174億28百万円減少し359億52百万円となった。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、使用した資金は97億円となった。これは主に、仕入債務の支払いおよび営業保証金の増加によるものである。なお、前年同期は110億38百万円の資金の獲得であった。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は19億66百万円となった。これは主に、有形固定資産の取得によるものである。なお、使用した資金は前年同期比26億29百万円減少している。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は57億61百万円となった。これは主に、配当金の支払いおよび自己株式の取得によるものである。なお、使用した資金は前年同期比9億99百万円減少している。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はない。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はない。

 

(5)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当中間連結会計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はない。

 

(6)研究開発活動

該当事項なし。

 

3【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はない。