(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善に支えられ、緩やかな回復基調で推移してまいりましたが、名目賃金の伸び悩みなどから個人消費に足踏みがみられ、中国をはじめとするアジア新興国の景気減速による下振れ懸念などから力強さを欠き、次第に停滞感を強めてまいりました。
貨物自動車運送業界におきましては、低水準で推移する国内貨物輸送量を巡り同業者間競争が激化するなか、燃料価格の下落による運賃値下げ要請や交通安全対策、労働条件の改善等に関わるコスト上昇により厳しい経営環境が続いてまいりました。
このような状況のもと当社グループは、全国に網羅したネットワークを駆使し、新規顧客の開拓に努め、輸送サービスの向上と徹底したコスト構造の見直しを基本方針に活動を行ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,545億65百万円(前期比0.2%増)、営業利益は131億39百万円(前期比2.7%増)、経常利益は148億26百万円(前期比6.5%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は99億19百万円(前期比15.8%増)となりました。
これらをセグメント別に見た事業の概要は、次のとおりであります。
[運送事業]
運送事業におきましては、商業小口荷物の取り扱い拡大やチャーター便をはじめとする様々なサービスの拡販に努めてまいりました。また、輸送サービスの向上を目指し、昨年4月のさいたま川口(埼玉県)に続いて3月には久慈及び釜石(岩手県)、福岡中央(福岡県)を開設しネットワーク網の整備を図ってまいりました。さらに、翌日配達エリアの拡充のため、幹線輸送の見直しや関東・九州間において小口荷物を中心とした航空貨物の取り扱いにも注力するとともに、IT基盤を整備し、顧客管理、EDI化の推進など業務の効率化にも努めてまいりました。
以上の結果、売上高は2,232億79百万円(前期比0.6%増)、営業利益は125億27百万円(前期比10.2%増)となりました。
[流通加工事業]
流通加工事業におきましては、福岡中央支店の開設によるロジスティクス拠点の拡充と大手顧客の物流センター業務の受託をはじめとした既存施設における新規開発及び採算性の見直しに取り組んでまいりました。
以上の結果、売上高は115億22百万円(前期比2.2%減)、営業利益は4億81百万円(前期比79.6%増)となりました。
[国際事業]
国際事業におきましては、中国経済減速の影響を受け非常に厳しい状況のなか、新規顧客の開拓に努め、フォワーディング事業では小口混載部門に注力し、通関事業では取扱い件数の拡大に努めてまいりましたが両部門とも低調な運びとなりました。
以上の結果、売上高は59億30百万円(前期比4.5%減)、営業利益は4億67百万円(前期比11.7%減)となりました。
[その他事業]
その他事業におきましては、不動産等賃貸事業は施設の増床とともに堅調な推移を見ましたが、労働者派遣業や物品販売事業が振るわず厳しい結果となりました。
以上の結果、売上高は138億33百万円(前期比0.6%減)、営業利益は36億44百万円(前期比7.8%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比べ41億61百万円減少し215億90百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
主に未払消費税が減少した反面、減価償却費や引当金の増加により190億54百万円の資金収入となり、前連結会計年度に比べ47億69百万円(前期比20.0%減)の資金の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
主に投資有価証券の売却による収入が増加した反面、有形固定資産の取得による支出や投資有価証券の取得による支出の増加により241億31百万円の資金支出となり、前連結会計年度に比べ13億37百万円(前期比5.9%増)の資金の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
主に長期借入金の返済による支出やリース債務の返済による支出が減少した反面、長期借入による収入の減少や自己株式の取得による支出の増加により9億21百万円の資金収入となり、前連結会計年度に比べ58億9百万円(前期比86.3%減)の資金の減少となりました。
当連結会計年度における収入実績等をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(1) 運送事業
貨物運送事業、港湾運送事業及びその他付帯事業に関する実績
① 輸送実績
|
車両所有状況 |
最大積載屯数(屯) |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
|||
|
台数(台) |
延最大積載屯数(屯) |
台数(台) |
延最大積載屯数(屯) |
|||
|
大型車 |
|
6 ~12.5 |
3,964 |
42,989 |
3,937 |
43,071 |
|
(トラクター) |
|
240 |
- |
264 |
- |
|
|
(トレーラー) |
12.3 ~24 |
406 |
6,291 |
398 |
6,177 |
|
|
中型車 |
|
3 ~4.25 |
4,330 |
14,038 |
4,228 |
13,652 |
|
小型車 |
|
0.35 ~2 |
7,315 |
13,835 |
7,260 |
13,736 |
|
合計 |
- |
16,255 |
77,154 |
16,087 |
76,637 |
|
|
車両稼働状況 |
稼働日数 |
253 |
日 |
253 |
日 |
|
|
延実在車両数 |
6,001 |
千台 |
5,887 |
千台 |
||
|
延実働車両数 |
4,160 |
千台 |
4,069 |
千台 |
||
|
車両稼働率 |
69.3 |
% |
69.1 |
% |
||
|
輸送屯数 |
11,019 |
千屯 |
11,076 |
千屯 |
||
|
総走行距離 |
484,592 |
千キロ |
477,324 |
千キロ |
||
② 営業収入の地域別状況
|
区分 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前期比(%) |
|
北海道・東北地区 |
21,842百万円 |
22,786百万円 |
104.3 |
|
関東地区 |
96,325百万円 |
95,919百万円 |
99.6 |
|
中部地区 |
39,438百万円 |
39,882百万円 |
101.1 |
|
近畿地区 |
71,010百万円 |
71,515百万円 |
100.7 |
|
中国・四国地区 |
60,326百万円 |
60,063百万円 |
99.6 |
|
九州地区 |
27,867百万円 |
27,870百万円 |
100.0 |
|
合計 |
316,809百万円 |
318,037百万円 |
100.4 |
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 金額は、発送運賃収入及びその他の付帯収入であり、状況を正確に表すため、地域間の内部売上高を含めて記載しております。
③ 従業員1人当たりの月額営業収入
|
区分 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前期比(%) |
|
1か月平均営業収入 |
26,400百万円 |
26,503百万円 |
100.4 |
|
平均在籍従業員数 |
17,081人 |
17,097人 |
100.1 |
|
1人当たりの月額営業収入 |
1,545千円 |
1,550千円 |
100.3 |
④ 燃料の購入量及び使用量
|
区分 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
||||||
|
期首在庫量 (kℓ) |
購入量 (kℓ) |
使用量 (kℓ) |
期末在庫量 (kℓ) |
期首在庫量 (kℓ) |
購入量 (kℓ) |
使用量 (kℓ) |
期末在庫量 (kℓ) |
|
|
ガソリン |
476 |
6,473 |
6,378 |
571 |
571 |
5,723 |
5,653 |
641 |
|
軽油 |
2,468 |
113,108 |
112,738 |
2,839 |
2,839 |
108,124 |
107,821 |
3,142 |
⑤ 燃料価格の推移
|
区分 |
平成26年9月 |
平成27年3月 |
平成27年9月 |
平成28年3月 |
|
ガソリン |
151円 |
141円 |
130円 |
116円 |
|
軽油 |
119円 |
105円 |
93円 |
83円 |
(注) 市場価格は、一般財団法人経済調査会発行の経済調査報告書・デジタル物価版に基づく1ℓ当たりの半期ごとの平均値であります。
⑥ 一般貨物自動車運送事業運賃
a 特別積合せ貨物運送
現行の運賃は、平成26年3月3日付国土交通大臣に届出した運賃に基づき収受しております。
この基準運賃表の一部を示せば次のとおりであります。
|
区分 |
10Kgまで |
20Kgまで |
30Kgまで |
100Kgまで |
200Kgまで |
500Kgまで |
1,000Kgまで |
|
50Kmまで |
1,400円 |
1,500円 |
1,700円 |
2,600円 |
4,100円 |
9,000円 |
18,400円 |
|
100Kmまで |
1,400円 |
1,600円 |
1,700円 |
2,800円 |
4,400円 |
10,100円 |
20,700円 |
|
200Kmまで |
1,500円 |
1,800円 |
1,900円 |
3,300円 |
5,500円 |
12,800円 |
27,000円 |
|
500Kmまで |
1,700円 |
2,100円 |
2,200円 |
4,900円 |
8,400円 |
21,100円 |
45,200円 |
b 特別積合せ貨物運送以外
現行の運賃は、平成6年2月15日付自貨第11号通達による車扱距離制運賃に基づき収受しております。
この基準運賃表の一部を示せば次のとおりであります。
|
区分 |
1トン車まで |
2トン車まで |
4トン車まで |
8トン車まで |
12トン車まで |
|
10Kmまで |
5,290円 |
7,460円 |
10,280円 |
17,050円 |
20,260円 |
|
20Kmまで |
8,740円 |
11,100円 |
12,820円 |
||
|
100Kmまで |
23,670円 |
25,950円 |
30,260円 |
38,780円 |
46,300円 |
|
200Kmまで |
34,280円 |
37,500円 |
43,870円 |
59,040円 |
67,270円 |
|
500Kmまで |
61,730円 |
67,950円 |
79,120円 |
107,190円 |
122,470円 |
⑦ 営業収入実績
|
区分 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前期比(%) |
|
貨物運送事業 |
221,438百万円 |
222,754百万円 |
100.6 |
|
港湾運送事業 |
163百万円 |
130百万円 |
79.9 |
|
その他付帯事業 |
427百万円 |
394百万円 |
92.2 |
|
合計 |
222,029百万円 |
223,279百万円 |
100.6 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 流通加工事業
倉庫業及び流通加工業に関する実績
① 施設の状況
|
区分 |
前連結会計年度末 (平成27年3月31日) |
当連結会計年度末 (平成28年3月31日) |
|
|
流通加工事業場 |
面積 |
665,525㎡ |
669,542㎡ |
|
事業所数 |
104か所 |
105か所 |
|
② 営業収入実績
|
区分 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前期比(%) |
|
倉庫業 |
207百万円 |
680百万円 |
328.0 |
|
流通加工業 |
11,575百万円 |
10,841百万円 |
93.7 |
|
合計 |
11,783百万円 |
11,522百万円 |
97.8 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 国際事業
国際利用運送業及び通関業に関する実績
① 施設の状況
|
区分 |
前連結会計年度末 (平成27年3月31日) |
当連結会計年度末 (平成28年3月31日) |
|
|
保税蔵置場 |
面積 |
10,369㎡ |
10,050㎡ |
|
設置数 |
9か所 |
8か所 |
|
|
通関業 |
許可取得状況 |
21か所 |
21か所 |
② 営業収入実績
|
区分 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前期比(%) |
|
国際利用運送業 |
4,178百万円 |
4,055百万円 |
97.1 |
|
通関業 |
2,033百万円 |
1,875百万円 |
92.2 |
|
合計 |
6,211百万円 |
5,930百万円 |
95.5 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(4) その他事業
不動産等の賃貸業、ボウリング事業及びその他の事業に関する実績
① 施設の貸付及びボウリングの状況
|
区分 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
|
|
不動産等賃貸業 |
|
|
|
|
建物 |
面積 |
1,485,936㎡ |
1,485,936㎡ |
|
土地 |
面積 |
1,756,849㎡ |
1,756,849㎡ |
|
機器 |
台数 |
1,821台 |
1,716台 |
|
ボウリング事業 |
|
|
|
|
ゲーム |
回数 |
258千回 |
285千回 |
|
入場者 |
人数 |
72千人 |
81千人 |
② 営業収入実績
|
区分 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前期比(%) |
|
不動産等賃貸業 |
12,978百万円 |
13,197百万円 |
101.7 |
|
物品販売事業 |
4,218百万円 |
3,957百万円 |
93.8 |
|
コンビニエンスストア事業 |
1,339百万円 |
1,447百万円 |
108.0 |
|
損害保険代理業 |
407百万円 |
434百万円 |
106.7 |
|
ボウリング事業 |
133百万円 |
141百万円 |
106.3 |
|
労働者派遣業(委託業務) |
1,741百万円 |
1,229百万円 |
70.6 |
|
その他事業 |
1,551百万円 |
1,730百万円 |
111.5 |
|
合計 |
22,370百万円 |
22,138百万円 |
99.0 |
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記金額は、状況を正確に表わすため、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。
今後の経済見通しにつきましては、経済施策も行き詰まり感が強く、中国をはじめとするアジア新興国等の経済の先行き等に不確実性がみられるものの、企業収益と雇用環境の改善に支えられ、緩やかながらも回復基調で推移するものと期待されます。
貨物自動車運送業界におきましては、国内貨物の総輸送量は依然として低水準に留まり、人手不足や安全対策等によるコスト増の要因は改善されることはなく、併せて原油安効果も一巡することから引き続き厳しい経営環境を強いられるものと予想されます。
このようななか当社グループは、運送事業ではネットワーク網の整備や幹線輸送の多様化、流通加工事業では新たな顧客開拓と生産性の向上、国際事業では東南アジア域内での業容の拡大など各事業において、お客様本位の品質・サービスの向上に努め、付加価値の高いサービスを提供することにより、収益構造の見直しを図り、更なる企業価値の向上に努めてまいります。
当社は、平成28年2月に当社連結子会社の元常務取締役(当社元執行役員)による不正行為の発生を受けて特別調査委員会を設置いたしました。これにより当該不正行為に関する事実関係等を調査し、特別調査委員会の提言を受けて策定した再発防止策を確実に実施し、定着を図ってまいります。当該不正行為を未然に防ぐことができなかったことを厳粛に受け止め、今後は全社をあげてコンプライアンス意識を高め、内部管理体制の強化を行っていく所存であります。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
①基本方針の内容
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えております。
ただし、株式の大規模買付提案の中には、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なう虞のあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。
そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えております。
当社は、健全な事業活動を通じて、「総合物流企業として文化の向上と豊かな生活の創造及び地域経済の発展に貢献すべく、たゆまぬ創意と工夫で物流フロンティアを先駆し続ける」という経営理念を実践いたしております。また、現代社会において物流は国民生活の重要なライフラインの一つとなっており、当社はそれを担う企業であることを自覚し、多様化するお客様のニーズにお応えしていくと共に、輸送サービスの安全・安心の確保及び社会貢献にも積極的に取り組み、良き企業市民として社会的責任を全うしてまいります。
②基本方針の実現に資する具体的内容
当社は、平成27年度を初年度とする「“満足度”の向上に取り組みます」をコンセプトとした第3次中期経営計画「Challenge,Change 2017」を策定いたしました。この第3次中期経営計画では、全国均一の輸送サービスの実現に向けてネットワーク網の拡充・整備を図り、小口商業荷物に特化した施策を進め、収益構造の改善に取り組んでまいります。このなかで企業価値の源泉は、①安全・安心な輸送サービスの確立②従業員の確保・育成のための職場環境の整備③企業価値向上による株主の皆様への貢献④地域社会との共生などを柱とした、創業以来の当社の企業文化にあるとの認識に立ち策定しております。また、従業員との信頼関係に基づく労使協調で事業運営を行っていくことは、企業としての社会的責任を遂行していくうえでも誠に有益であり、お客様から信頼される輸送サービスの確立と業績向上に大きく貢献するものと考えております。
当社は、これらの当社の企業価値の源泉を今後とも継続して発展させていくことが、企業価値及び株主共同利益の確保・向上に資するものと確信しております。
また、上記の諸施策の実行に際し、コーポレート・ガバナンスの強化が極めて重要であると認識し、効率的で透明性の高い経営体制の確立に努めております。その取り組みの一環として、経営の意思決定機能と業務執行機能を分離し、グループにおける経営意思決定及び業務遂行の迅速化と責任の明確化による体制の強化を図るため、平成23年4月1日より執行役員制度を導入しております。さらに、平成26年6月27日からは、取締役会における一層の経営基盤の強化、充実を図るため、社外取締役を3名から4名に増員いたしました。また、株主の皆様をはじめとするステークホルダーに対する取締役の経営責任をより明確にするため、当社取締役の任期は1年としており、豊富な経営経験を有する4名の社外取締役は、当社への有効な助言等を行うことにより、多様な視点から取締役会の監督強化に寄与しております。これに加えて、当社の監査役会は、独立性の高い社外監査役4名を含む6名で構成され、監査役が取締役会に出席することにより取締役の業務執行状況を常に監視する体制を整えております。
なお、「当社株式の大規模買付行為に関する対応策」(以下、「本プラン」といいます。)においては、当社取締役会の恣意的判断を排するため、独立委員会規程に従い、(イ)当社社外取締役、(ロ)当社社外監査役、又は(ハ)社外の有識者(実績ある会社経営者、弁護士、公認会計士及び学識経験者等)で、当社経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会の判断を経るとともに、株主の皆様に適時に情報開示を行うことにより透明性を確保することとしています。
③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
本プランは下記(ⅰ)又は(ⅱ)に該当する当社株券等の買付又はこれに類似する行為(以下「買付等」といいます。)がなされる場合を適用対象とします。買付等を行う者又は提案する者(以下「買付者等」といいます。)は、あらかじめ本プランに定められる手続きに従うこととします。
(ⅰ) 当社が発行者である株券等(注1)について、保有者(注2)の株券等保有割合(注3)が20%以上となる買付
(ⅱ) 当社が発行者である株券等(注4)について、公開買付(注5)に係る株券等の株券等所有割合(注6)及びその特別関係者(注7)の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付
買付者等は、当社取締役会が別段の定めをした場合を除き、買付等の実行に先立ち、当社取締役会に対して、買付者等の名称、住所、設立準拠法、代表者の氏名、国内連絡先、提案する買付行為の概要、及び本プランに定める手続きを順守する旨の誓約文言等を当社の定める書式により日本語で記載した意向表明書を提出していただきます。当社取締役会は、かかる意向表明書受領後10営業日以内に、当社株主の皆様の判断及び当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な情報(以下「本必要情報」といいます。)のリストを、当該買付者等に交付いたします。リストの交付を受けた買付者等は当社取締役会に対して、本必要情報を、日本語で記載した書面により提供していただきます。
(注1)金融商品取引法第27条の23第1項に定義されます。以下別段の定めがない限り同じ。
(注2)金融商品取引法第27条の23第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。
(注3)金融商品取引法第27条の23第4項に定義されます。以下同じ。
(注4)金融商品取引法第27条の2第1項に定義されます。以下同じ。
(注5)金融商品取引法第27条の2第6項に定義されます。以下同じ。
(注6)金融商品取引法第27条の2第8項に定義されます。以下同じ。
(注7)金融商品取引法第27条の2第7項に定義される特別関係者(当社取締役会がこれに該当すると認めた者を含
む。)をいいます。ただし、同項第1号に掲げる者については、発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令第3条第2項で定める者を除いております。以下同じ。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。
(1) 営業上競合し収益に影響を及ぼす可能性の高いもの
当社グループの主として営む貨物自動車運送業界は、規制緩和により事業者数は増加し、激しい過当競争に晒されております。特に当社グループが主力とする商業荷物の輸送につきましては、同業者も多く、景気動向にも左右され最も厳しい業界であります。このため、ネットワークの拡充・整備は輸送サービスの向上の面から極めて重要であり、ドライバー等スタッフの増強とともに不可欠であるといえます。しかしながら、これらはコストの増加要因でもあり、業績に影響を及ぼすこととなります。
(2) 法的規制等
当社グループは、主として貨物自動車運送事業法及び貨物利用運送事業法に基づき事業を営んでおり、法令遵守につきましては、最優先課題として全力で取り組んでおります。しかしながら、重大な車両事故等により一部業務に法的規制等が課される可能性があります。また、道路交通法等が改正され、輸送コスト高要因となることも予想されます。さらに、排気ガス規制等環境条例の強化による車両等の設備投資によりコスト負担となり、業績に影響を及ぼすこととなります。
(3) 重要な訴訟事件等の発生に係るもの
当社グループの営む貨物自動車運送事業におきましては、重大な車両・荷物に係る事故が発生し訴訟事件となる可能性があります。その場合、損害賠償額によっては業績に影響を及ぼすこととなります。なお、平成28年3月31日現在業績に重大な影響を及ぼす訴訟事件はありません。
(4) 金利の変動及び資金調達について
当社グループの平成28年3月31日現在の有利子負債残高は937億3百万円となりますが、一部につきましては、ヘッジ会計の導入により金利負担の増加に対処しております。今後、金利の情勢により業績に影響を及ぼすこととなります。
(5) 情報及びデータの管理について
当社グループは、貨物自動車運送事業等の事業を営むことにより、お客様の荷物等に係る多種多様な情報を扱っております。万一、情報機器の故障、情報の漏洩等が発生した場合、会社の信用問題となり、損害賠償等により業績に影響を及ぼすこととなります。
(6) 燃料費の変動について
当社グループは、貨物自動車運送事業を営んでおります。今後、原油価格の変動により、業績に影響を及ぼすこととなります。
(7) 労働力不足について
当社グループは、貨物自動車運送事業を営んでおります。将来にわたる労働力(ドライバー)不足は、業績に影響を及ぼすこととなります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。これらの連結財務諸表の作成にあたって、会計方針の継続適用と財務内容の健全化のため保守的に行うよう考慮しております。
(1) 不正行為による連結財務諸表への影響
このたび、当社連結子会社の元常務取締役(当社元執行役員)が平成21年5月から平成27年3月までの長期間にわたり合計603百万円の架空の売上原価を計上し、下請業者に637百万円の上乗請求を行わせ横領するという不正行為が判明いたしました。
本件不正行為により過年度に架空に計上された売上原価は、営業外収益に「過年度傭車費戻入益」として603百万円計上し、不正行為により横領された金員は、回収可能性を考慮し投資その他の資産の「その他」として637百万円計上し、かつ全額貸倒引当金を計上し営業外費用に「貸倒引当金繰入額」として637百万円計上いたしました。また、架空に計上された売上原価は税務上損金として認識されないため、これによる税金費用を「法人税、住民税及び事業税」に164百万円計上いたしました。
なお、本件不正行為は、平成22年3月期から平成27年3月期にかけて行われておりましたが、過年度の決算に与える影響は軽微と判断し、過年度決算の修正は行わず、当連結会計年度において一括処理することといたしました。
(2) 財政状態の分析
資産につきましては、主に設備代等の支払いにより現金及び預金が減少したことにより流動資産が6億76百万円減少したことと、新ターミナルの取得により有形固定資産が増加しましたが、所有株式の株価下落による投資有価証券の評価額が減少したことにより、固定資産が4億69百万円減少したことにより、総資産は前連結会計年度末に比べて0.3%減少し4,047億87百万円となりました。
負債につきましては、主に転換社債型新株予約権付社債の転換や支払手形及び買掛金、未払消費税等が減少したことにより、負債合計は前連結会計年度末に比べて5.0%減少し1,844億65百万円となりました。
純資産につきましては、主に所有株式の株価下落による投資有価証券の評価額の減少により、その他有価証券評価差額金が減少しその他の包括利益累計額が33億48百万円減少しましたが、利益剰余金の増加や転換社債型新株予約権付社債の転換により自己株式が減少したことにより、株主資本が120億44百万円増加したことにより、純資産は前連結会計年度末に比べて4.1%増加し2,203億22百万円となりました。
(3) 経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は、全国に網羅したネットワークを駆使し、新規顧客の開拓に努め、輸送サービスの向上を図ったことにより、前連結会計年度より6億23百万円増加し2,545億65百万円となりました。
営業利益は、基幹システムの更新や自動仕分装置の新設、更新もあり償却費は増加しましたが、燃料価格の下落により、前連結会計年度より3億39百万円増加し131億39百万円となりました。
経常利益は、補助金収入や受取配当金などの増加により前連結会計年度より9億0百万円増加し148億26百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益の増加や減損損失の減少により、前連結会計年度より13億55百万円増加し99億19百万円となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末の資金状況につきましては、減価償却費や引当金が増加しましたが、長期借入金が減少したことに加え、有形固定資産の取得により、期末時点の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ41億61百万円の減少となりました。
(5) 経営者の問題認識と今後の方針
貨物自動車運送業界は、環境対策、安全対策、さらには時間外労働への対応など事業者に課せられた責任は多岐に渡ると認識しております。これらに限らず、社会的責任や安全安心といった経営理念に継続して取り組んでまいります。