第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

  当社グループは、お客様とともに歩み、総合物流企業として文化の向上と豊かな生活の創造及び地域経済の発展に貢献すべく、たゆまぬ創意と工夫で物流フロンティアを先駆し続けることを経営理念としております。そしていま、大きく変化する産業や経済の発展、ライフスタイルの多様化に伴って的確に対応すべくネットワークの構築はもちろんのこと、常に次代の物流を創造し提案し続けることでより豊かで快適な社会づくりを牽引したいと願っております。また、地球環境保護、輸送の安全重視及び地域との共生に加え、開かれた組織として積極的に情報開示に努めるとともに、健全な企業として社会的責任を全うしてまいります。

 

(2)経営戦略等

  当社グループは、経営理念に基づき、会社の持続可能な発展のため、良き企業市民としての社会的責任を積極的に果たし、企業価値を高め持続可能な成長を実現することを目指しております。当社グループにおける企業価値の源泉は、1.質の高い安全・安心な物流サービスの提供、2.従業員の確保・育成のための環境整備、3.積極的な事業展開とコンプライアンスの徹底、4.社会貢献並びに従業員との信頼関係に基づく労使協調など創業以来の当社の企業文化にあると考えております。当社グループは企業価値の向上と持続可能な成長を実現するためには、これらの企業価値の源泉を今後とも最大限に活用していく必要があると考えております。

  また、当社グループは、これまでの4次にわたる中期経営計画の実績を踏まえたうえで、安全・安心な物流サービスを安定かつ継続して提供し続けていく“決意”を新たに、2021年度を初年度とする第5次中期経営計画「Challenge , Change 2023」を策定しております。第5次中期経営計画では、持続可能(Sustainable)な成長を実現することで、企業価値の向上に努めるという前中期経営計画の方針を引き継いでおります。

 デジタル基盤技術の活用による新しい生活様式に対応したサービスを提供していくため、今まで以上に持続可能な成長を目指して、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)のESGに従業員満足(Employee Satisfaction)に対する取り組みを加えた“ESG+ES”を基本方針として企業価値の更なる向上に努めてまいります。また、2030年までに世界が達成すべき持続可能な開発目標であるSDGs(Sustainable Development Goals)につきましても、当社グループの基本方針である“ESG+ES”に基づき達成に貢献してまいります。

 

中期経営計画のセグメント別目標                                                   (単位:百万円)

事業別

2022年度実績

2023年度計画

売上高

営業利益

売上高

営業利益

  運送事業

252,945

20,116

275,000

19,500

  流通加工事業

21,104

3,464

19,000

3,200

  国際事業

12,660

612

10,000

800

  その他事業

14,152

1,475

15,000

2,300

  新規事業

9,000

400

  消去又は全社

△7,505

△4,294

△8,000

△3,800

  合計

293,358

21,375

320,000

22,400

 

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

  当社グループは、次の経営指標を重要なものとして目標を設定しております。

  ①  売上高営業利益率  7.0%以上

  経営の基本指標は、営業利益の増加と考えております。なかでも生産性、効率性の判断として営業利益率の改善が重要であると考えております。当連結会計年度は7.3%と目標を達成することができました。今後は2024年問題への対応などのコストアップ要因が強まりますが、安定した輸送サービスの提供による貨物輸送量の確保と運賃・料金の見直しを行い、売上高の拡大を図るとともに、DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略による業務改革を進め、継続して目標達成ができるよう努めてまいります。

 

 

  ②  自己資本利益率  7.0%以上

  ターミナル、トラックなど自社保有資産にて事業運営を行っており、会社運営における効率性の判断指標として自己資本利益率の向上が重要であると考えております。当連結会計年度は、売上高当期純利益率の改善により8.0%と目標を達成することができました。今後におきましては、利益の拡大はもとより、アセット型の事業運営のため、より資産の効率的な運用により継続して目標達成ができるよう努めてまいります。

  ③  総資産経常利益率  5.0%以上

  投下資本に対し、いかに効率的に利益を創出できているかの判断指標として重要であると考えております。当連結会計年度は4.8%と目標を達成することができませんでした。今後におきましては、資産の効率的活用と有利子負債の圧縮に努めてまいります。

  ④  有利子負債対自己資本比率  50.0%以下

  財務内容の改善は、有利子負債の圧縮と自己資本の充実と考え、経営に取り組んでおります。当連結会計年度末は38.0%となり、目標を達成することが出来ました。今後も自己資本の充実と有利子負債の圧縮に努めてまいります。

 

(4)経営環境

  今後の見通しにつきましては、コロナ禍による経済社会活動への制約が概ね解消され、景気は緩やかな回復基調にありますが、エネルギー価格や物価上昇等による下振れ懸念もあり、依然として先行き不透明な状況が続くものと予想されます。

  当社を取り巻く経営環境は、原油価格など高いコスト水準のなか、企業間物流の貨物輸送量の低迷による事業者間の過当競争は継続し、運賃への価格転嫁の遅れに繋がっております。また、慢性的なドライバー不足は、2024年問題を背景により一層深刻化しております。

 

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

  貨物自動車運送業界におきましては、慢性的な労働力不足に加え2024年問題、環境問題、安全対策など対応すべき課題は多岐にわたり、依然として厳しい経営環境が続くものと想定されます。

  こうしたなか当社グループにおきましては、引き続き企業間物流における輸送品質と生産性の向上に努めるとともに、25mダブル連結トラックや専用ブロックトレイン、長距離フェリーの活用など、輸送モードの多様化による効率化を一層図るとともに、環境を意識した経営に取り組んでまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1) サステナビリティに対する基本的な考え方

  当社グループでは、「物流」が社会インフラのひとつであり、安定した輸送サービスを継続して提供することが、物流事業者としての社会的責任であると認識し、事業活動を推進しております。また、サステナビリティを巡る課題への対応については、リスクの減少のみならず収益機会にも繋がる重要な経営課題であると認識し、中長期的な企業価値向上の観点から、これらの課題に積極的・能動的に取組むため、多様なステークホルダーの視点及び当社グループにとっての経営課題や重要性から優先順位付を行い、「脱炭素社会の実現への取組」、「環境負荷低減による豊かな資源環境づくり」等、注力していくマテリアリティ(重要課題)を特定しております。マテリアリティへの取組は、アクションプランを設定した上で推進状況を管理しております。取締役会では、毎年、中期経営計画の達成状況を振り返る中で、これらの重要課題の実施状況を監督しております。

 

(2) ガバナンス

  2023年5月、マテリアリティに基づくサステナビリティ課題への取組をより一層推進するため、サステナビリティ委員会を設置いたしました。サステナビリティ委員会は、代表取締役社長がサステナビリティ委員会の委員長及び議長を務め、取締役または執行役員である委員3名以上で構成しております。気候変動を含む社会・環境に係るリスク及び機会への対応方針・取組状況に関して、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会で審議し、取締役会による検討を支援してまいります。

  また、当社グループは気候変動に関するリスクを最も注意すべきリスクのひとつとして認識しております。定期的にモニタリングを行うとともに、企業経営リスクを明確化し、経営に及ぼす影響の大きさを審議・評価し、サステナビリティ課題への取組と経営戦略との一体化を図りながら推進しております。

 

(3) 戦略

①気候変動に対する取組

  気候変動問題等の地球環境問題は、世界規模でサステナビリティに関する重要課題として認識されており、脱炭素社会へ向けた取組等が進められております。当社グループにおきましても、このような経営環境下であることを踏まえ、気候変動に起因する社会・環境問題は喫緊の課題として捉え、気候変動関連リスク及び機会が当社グループの事業活動や収益等に与える影響を分析し、対応を検討しました。

 

<シナリオ分析の前提条件>

・実施対象範囲:グループ売上高の9割以上を占める運送事業及び流通加工事業を対象

0102010_001.png

 

・参照した気候関連シナリオ

  最悪の状況を想定し、それに備えることが重要であると考え、影響が最大になる「1.5℃」と「4℃」のシナリオを採用

0102010_002.png

 

・時間軸

  グループ中期経営計画実行年度及び日本の温室効果ガス排出削減目標の時間軸に合わせ、短期2024年、中期2030年、長期2050年に設定

 

・影響度

  リスクアセスメント基準を基に、影響度「小」「中」「大」の3つに分類。

 

<リスクと機会の特定及び事業インパクトの定性評価>

0102010_003.png

 

②人的資本・多様性に対する取組

  当社グループの経営理念は、「すべての多様な人々と協働し、安全・安心な物流サービスの提供を通じて心豊かで活力のある社会を実現していく」ことを目的としております。持続的な成長と企業価値の向上を実現させるためには、多様な視点や価値観を尊重することが重要であると考え、性別、経験、技能、キャリアが異なる人材を積極的に採用しつつ、これらの人材が活躍できる労働環境の改善整備を進めております。

  なお、各取組に対する目標設定や進捗状況の開示につきましては、今後の課題として検討してまいります。

 

<人材育成方針>

  当社グループは持続的な企業価値向上のために、人材の確保と育成が重要であると考えております。人材採用については、新卒通期採用(第二新卒含む)の他、集配運転者のリファラル採用を推進しています。また、多様な人材の活用及び活躍の積極推進と適切な人材配置に取り組むとともに、国外の運輸網の強化に向けたグローバル人材の育成にも注力しています。

  従業員の能力開発と成長をサポートするために、継続的な学習機会や明確なキャリアパスを提供します。キャリアパスを示すことにより、従業員自身が将来像を描き、自ら目標設定し、必要なスキルや経験は何かを考え、能動的に業務に取り組む意欲を高めます。個々の目指す姿に向けた従業員の成長のために必要な学習機会を提供し、従業員一人ひとりのエンゲージメントを高めることで、当社グループの競争力向上を図り、持続的な企業価値向上を目指します。

・リファラル採用の推進

・次世代幹部育成、管理職教育の実施

・集配班長研修の実施

・新入社員研修の内容強化

・グローバル人材の育成

 

<社内環境整備方針>

  当社グループは従業員満足度を高めるため、従業員が仕事とプライベートのバランスを取りやすい環境を整備し、柔軟な労働時間やワークライフバランス支援プログラムの提供など、従業員の健康と幸福を重視した各取組を行っております。

  また、物流の安定と経済の成長に役立つことを目指す「ホワイト物流推進」に賛同しており、トラック運転者不足に対応して、物流業務全体での「ムダ」を省き、労働環境の改善に努めています。

・人事・給与制度の刷新

・総労働時間の短縮

・有給休暇の取得推奨

・両立支援制度の拡充

・健康経営宣言

・業務及び組織改革

 

<多様性への取組>

  ダイバーシティを活かすために、包括的な雇用プラクティスやポリシーを策定し、女性及び高齢者を含むすべての従業員が自身の力を最大限発揮できるような環境を整備してまいります。

  異なる背景、文化、経験、スキルを持つ人々の多様性を尊重し、平等な機会と公正な待遇を提供します。性別、国籍、採用時期にかかわらず、評価、力量、従業員自身の志向等により管理者、管理職への登用を行っていく方針であり、増員にも取組んでまいります。

・女性が活躍できる環境の整備

・シニアの活躍の場の提供

・D&I(ダイバーシティ(多様性)&インクルージョン(受容性))体制の構築

 

(4) リスク管理

  当社グループでは、グループ全体のリスク管理・危機管理を推進するため、リスク管理委員会を設置し、リスクマネジメントを強化しています。今後は気候変動対応のシナリオ分析を高度化し、事業へのインパクトを定量化していくとともに、その他の社会・環境関連リスクに対してもより精緻にモニタリング・検証できる体制を構築してまいります。

 

(5) 指標と目標

気候変動に対する取組

指標

目標(2030年度)

実績(当連結会計年度)

CO2排出量削減量

(Scope 1,2)

131.7CO2(千t)

35%(2013年度対比)

23.1CO2(千t)

6%(2013年度対比)

 

人的資本・多様性に対する取組

  女性活躍推進法に基づく実績は「従業員の状況」に記載しております。そちらをご参照ください。

 

3【事業等のリスク】

  有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)  営業上競合し収益に影響を及ぼす可能性の高いものについて

  当社グループが主として営む貨物自動車運送業界は、規制緩和により事業者数は増加し、激しい過当競争に晒されております。特に当社グループが主力とする商業荷物の輸送につきましては、同業者も多く、景気動向にも左右され最も厳しい業界であります。このため、輸送品質のさらなる向上やお客様ニーズへの対応、生産性の向上や省力化への対応と内外に向けた設備投資が必要不可欠であると言えます。なお、労働力不足への対応として採用活動を有利にするための賃金改善や労働環境の改善への投資も必要なものであると認識しております。これらはコストの増加要因でもあり、業績に影響を及ぼすこととなります。

(2)  法的規制等について

  当社グループは、主として貨物自動車運送事業法及び貨物利用運送事業法に基づき事業を営んでおり、法令遵守につきましては、最優先課題として全力で取り組んでおります。しかしながら、重大な車両事故等により一部業務に法的規制等が課される可能性があります。また、道路交通法等が改正され、輸送コスト高要因となることも予想されます。さらに、排気ガス規制等環境条例の強化による車両等の設備によりコスト負担となり、業績に影響を及ぼすこととなります。

(3)  重要な訴訟事件等の発生に係るものについて

  当社グループが主として営む貨物自動車運送事業におきましては、重大な車両・荷物に係る事故が発生し訴訟事件となる可能性があります。その場合、損害賠償額によっては業績に影響を及ぼすこととなります。なお、2023年3月31日現在、業績に影響を及ぼす訴訟事件はありません。

(4)  金利の変動及び資金調達について

  当社グループの2023年3月31日現在の有利子負債残高は1,014億79百万円となりますが、借換時の金融環境変化による影響を抑えつつ、低廉な調達コストを実現できるよう、固定金利借入れ割合、借入期間等の諸条件を借入先候補と交渉し、比較の上決定しております。今後、金利の情勢により業績に影響を及ぼすこととなります。

(5)  情報及びデータの管理について

  当社グループは、貨物自動車運送事業等の事業を営むことにより、お客様の荷物等に係る多種多様な情報を扱っております。万一、情報機器の故障、情報の漏洩等が発生した場合、会社の信用問題となり、損害賠償等により業績に影響を及ぼすこととなります。

(6)  燃料費の変動について

  当社グループは、主として貨物自動車運送事業を営んでおります。原油価格の変動により、業績に影響を及ぼすこととなります。

(7)  労働力不足について

  当社グループは、主として貨物自動車運送事業を営んでおります。将来にわたる労働力(ドライバー)不足は、業績に影響を及ぼすこととなります。

(8)  新たな感染症の発生について

  当社グループは、主として貨物自動車運送事業を営んでおります。新たな感染症が発生した場合、お客様と従業員の安全と健康を確保するため、感染防止を徹底した営業活動を行います。感染症が長期化・拡大した場合、経済活動の停滞や営業活動の制限に伴う売上高の減少など、業績に影響を及ぼすことになります。

(9)  半導体不足について

  当社グループは、主として貨物自動車運送事業を営んでおります。半導体不足による車両の生産遅れは、業績に影響を及ぼすこととなります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

  当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

  当連結会計年度におけるわが国経済は、行動制限の緩和によりサービス業を中心とした個人消費の持ち直しやインバウンド需要の回復が見られ、景気は緩やかな回復基調にありました。一方で、人手不足による供給制約、物価上昇による消費者マインドの悪化、国際情勢の経済への影響などが景気回復の減速要因として懸念され、依然として先行き不透明な状況で推移しております。

  貨物自動車運送業界におきましては、原油価格など高いコスト水準のなか、海外のサプライチェーンの混乱や物価上昇などによる景気回復の遅れもあり、企業間物流の貨物輸送量が低迷するなど、厳しい状況で推移しております。また、働き方改革関連法によって2024年4月以降、自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制が適用されることから発生する問題(以下、2024年問題という。)を背景に、荷主企業において物流再編などの動きが強くなってきており、運送事業者は安定的な輸送を継続するためにより一層の企業努力が求められる経営環境にあります。

  このような状況のもと当社グループにおきましては、3PL拠点となる倉庫機能を有した流通センターの開設やお客様の物流を海外から受託する複合一貫輸送サービスの営業を強化するなど、貨物輸送量の増加に取り組んでまいりました。一方、ドライバー不足がより一層深刻化するなか、安定的な輸送サービスを提供し、かつ環境負荷低減にも貢献するため、ダブル連結トラックの認可を20コースに拡大するなど、効率的な輸送体制の構築に努めてまいりました。

  以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,933億58百万円(前期比0.7%増)、営業利益は213億75百万円(前期比3.2%減)、経常利益は229億85百万円(前期比0.9%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は207億91百万円(前期比24.0%増)となりました。

  これらをセグメント別に見た事業の概要は、次のとおりであります。

[運送事業]

  運送事業におきましては、昨年4月に岐阜かに支店(岐阜県)、3月に東かがわ営業所(香川県)を開設し、輸送品質向上のための集配拠点整備に努めてまいりました。また、9月に日本郵便株式会社と運送業務委託契約を締結し、配達業務を委託することで拡大するEC市場への参入を開始しましたが、円安などによる仕入価格の上昇や高インフレによる商品の買い控えなどの景気回復の下押し要因もあり貨物輸送量は低調に推移いたしました。なお、2024年問題や環境問題への対応、エネルギー価格高騰などのコストアップ要因が強まるなか、輸送品質の維持・向上を目的とし、2023年4月1日からの届出運賃の改定を公表しております。

  以上の結果、売上高は2,529億45百万円(前期比0.6%減)、営業利益は201億16百万円(前期比3.3%減)となりました。

[流通加工事業]

  流通加工事業におきましては、多様化するお客様ニーズにお応えするため、大型物流施設となる岐阜かに支店を開設するなど、3PL拠点を拡大してまいりました。また、既存施設の稼働率向上、加工業務の拡大による収益の確保に取り組むとともに、庫内作業における人件費、光熱費等の高騰を背景に作業料金の改定にも努めてまいりました。

  以上の結果、売上高は211億4百万円(前期比6.6%増)、営業利益は34億64百万円(前期比3.2%増)となりました。

[国際事業]

  国際事業におきましては、通関取扱件数は低調に推移いたしましたが、海上コンテナ取扱量の増加と上期までの海上運賃の高騰により増収となりました。

  以上の結果、売上高は126億60百万円(前期比16.5%増)、営業利益は6億12百万円(前期比14.3%増)となりました。

[その他事業]

  その他事業におきましては、行動制限の緩和により国内外の団体旅行が回復し、商品販売事業が堅調に推移いたしました。

  以上の結果、売上高は66億47百万円(前期比6.5%増)、営業利益は14億75百万円(前期比9.4%減)となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ48億2百万円増加し435億24百万円となりました。

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)

  主に税金等調整前当期純利益309億51百万円の計上により310億18百万円の資金収入(前年同期は321億39百万円の資金収入)となりました。

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)

  主に有形固定資産の取得による支出157億67百万円、投資有価証券の売却による収入95億23百万円により76億96百万円の資金支出(前年同期は167億77百万円の資金支出)となりました。

  (財務活動によるキャッシュ・フロー)

  主に長期借入金の返済により185億77百万円の資金支出(前年同期は125億20百万円の資金支出)となりました。

 

③輸送及び収入の状況

  当連結会計年度における収入実績等をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(ⅰ) 運送事業

貨物運送事業、港湾運送事業及びその他付帯事業に関する実績

(イ) 輸送実績

車両所有状況

最大積載屯数(屯)

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

台数(台)

延最大積載屯数(屯)

台数(台)

延最大積載屯数(屯)

大型車

 

6  ~12.5

4,189

49,531

4,114

48,829

(トラクター)

 

427

410

(トレーラー)

12.3 ~24

707

10,332

826

11,798

中型車

 

3  ~4.25

3,905

12,626

3,935

12,672

小型車

 

0.35 ~2

7,116

13,410

7,230

13,549

合計

16,344

85,900

16,515

86,849

車両稼働状況

稼働日数

253

254

延実在車両数

5,971

千台

5,997

千台

延実働車両数

4,141

千台

4,175

千台

車両稼働率

69.4

69.6

輸送屯数

11,692

千屯

11,608

千屯

総走行距離

480,315

千キロ

468,780

千キロ

 

 

(ロ) 営業収入の地域別状況

区分

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期比(%)

北海道・東北地区

27,012百万円

26,861百万円

99.4

関東地区

105,674百万円

103,595百万円

98.0

中部地区

47,302百万円

47,907百万円

101.3

近畿地区

78,686百万円

77,627百万円

98.7

中国・四国地区

65,569百万円

64,345百万円

98.1

九州地区

29,217百万円

29,114百万円

99.6

合計

353,463百万円

349,452百万円

98.9

(注) 金額は、発送運賃収入及びその他の付帯収入であり、状況を正確に表すため、地域間の内部売上高を含めて記載しております。

 

(ハ) 従業員1人当たりの月額営業収入

区分

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期比(%)

1か月平均営業収入

29,455百万円

29,121百万円

98.9

平均在籍従業員数

20,591人

20,533人

99.7

1人当たりの月額営業収入

1,430千円

1,418千円

99.1

 

(ニ) 燃料の購入量及び使用量

区分

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

期首在庫量

(kℓ)

購入量

(kℓ)

使用量

(kℓ)

期末在庫量

(kℓ)

期首在庫量

(kℓ)

購入量

(kℓ)

使用量

(kℓ)

期末在庫量

(kℓ)

軽油

2,964

115,929

115,848

3,044

3,044

113,724

114,007

2,762

 

(ホ) 燃料価格の推移

区分

2021年9月

2022年3月

2022年9月

2023年3月

軽油

110.4円

122.5円

123.3円

121.4円

(注) 市場価格は、経済産業省 資源エネルギー庁 資源・燃料部石油流通課発行の大口需要者向け軽油ローリー渡価格に基づく1ℓ当たりの半期ごとの平均値であります。

 

 

(ヘ) 一般貨物自動車運送事業運賃

a 特別積合せ貨物運送

 現行の運賃は、2020年8月19日付国土交通大臣に届出した運賃に基づき収受しております。

 この基準運賃表の一部を示せば次のとおりであります。

区分

10Kgまで

20Kgまで

30Kgまで

100Kgまで

200Kgまで

500Kgまで

1,000Kgまで

50Kmまで

1,750円

1,920円

2,120円

3,200円

4,790円

10,100円

19,270円

100Kmまで

1,800円

1,960円

2,150円

3,320円

5,140円

11,040円

21,250円

200Kmまで

1,810円

2,100円

2,260円

3,840円

6,100円

13,570円

26,740円

500Kmまで

1,890円

2,260円

2,470円

5,160円

8,560円

20,470円

41,090円

 

b 特別積合せ貨物運送以外

 現行の運賃は、2021年3月11日付各運輸支局に届出した車扱距離制運賃に基づき収受しております。

 この基準運賃表の一部(中国運輸支局届出分)を示せば次のとおりであります。

区分

小型車

(2トン車クラス)

中型車

(4トン車クラス)

大型車

(10トン車クラス)

トレーラー

(20トン車クラス)

10Kmまで

13,000円

15,060円

19,220円

23,980円

20Kmまで

14,580円

16,920円

21,730円

27,260円

100Kmまで

27,200円

31,740円

41,830円

53,420円

200Kmまで

42,950円

50,020円

66,180円

85,030円

 

(ト) 営業収入実績

区分

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期比(%)

貨物運送事業

252,946百万円

251,582百万円

99.5

港湾運送事業

122百万円

102百万円

84.0

その他付帯事業

1,296百万円

1,260百万円

97.2

合計

254,364百万円

252,945百万円

99.4

 

(ⅱ) 流通加工事業

倉庫業及び流通加工業に関する実績

(イ) 施設の状況

区分

前連結会計年度末

  (2022年3月31日)

当連結会計年度末

  (2023年3月31日)

流通加工事業場

面積

899,803㎡

926,632㎡

事業所数

119か所

120か所

 

 

(ロ) 営業収入実績

区分

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期比(%)

流通加工業

19,796百万円

21,104百万円

106.6

 

(ⅲ) 国際事業

国際利用運送業及び通関業に関する実績

(イ) 施設の状況

区分

前連結会計年度末

  (2022年3月31日)

当連結会計年度末

  (2023年3月31日)

保税蔵置場

面積

6,397㎡

5,547㎡

設置数

5か所

5か所

通関業

許可取得状況

15か所

15か所

 

(ロ) 営業収入実績

区分

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期比(%)

国際運送業

2,815百万円

3,364百万円

119.5

国際利用運送業

5,189百万円

6,392百万円

123.2

通関業

2,859百万円

2,904百万円

101.5

合計

10,864百万円

12,660百万円

116.5

 

(ⅳ) その他事業

不動産等の賃貸業、ボウリング事業及びその他の事業に関する実績

(イ) 施設の貸付及びボウリングの状況

区分

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

不動産等賃貸業

 

 

 

建物

面積

1,086,043㎡

1,061,381㎡

土地

面積

1,411,334㎡

1,395,882㎡

機器

台数

1,416台

1,374台

ボウリング事業

 

 

 

ゲーム

回数

207千回

234千回

入場者

人数

57千人

67千人

 

 

(ロ) 営業収入実績

区分

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期比(%)

不動産等賃貸業

6,219百万円

6,177百万円

99.3

物品販売事業

2,842百万円

3,210百万円

113.0

コンビニエンスストア事業

1,549百万円

1,556百万円

100.5

損害保険代理業

407百万円

409百万円

100.5

ボウリング事業

108百万円

120百万円

110.5

労働者派遣業(委託業務)

628百万円

534百万円

84.9

その他事業

2,159百万円

2,143百万円

99.3

合計

13,916百万円

14,152百万円

101.7

(注) 上記金額は、状況を正確に表わすため、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(ⅰ) 財政状態の分析

  資産につきましては、主に現金及び預金が増加したことにより、流動資産が43億30百万円増加しましたが、投資有価証券の売却により、投資その他の資産が71億33百万円減少した結果、総資産は前連結会計年度末に比べて11億31百万円減少し4,770億15百万円となりました。

  負債につきましては、主に1年内返済予定の長期借入金が減少したことにより流動負債が102億82百万円減少した結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて152億9百万円減少し2,066億33百万円となりました。

  純資産につきましては、主に投資有価証券の売却により、その他有価証券評価差額金が42億82百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益207億91百万円を計上したことにより株主資本が183億11百万円増加した結果、純資産は前連結会計年度末に比べて140億77百万円増加し2,703億81百万円となりました。

 

(ⅱ) 経営成績の分析

  当連結会計年度における売上高は、円安などによる仕入価格の上昇や高インフレによる商品の買い控えなどの下押し要因もあり、貨物輸送量が減少したことにより運送収入は減少しましたが、3PL拠点の拡大や既存施設の稼働率向上により流通加工収入が増加、また海上運賃の高騰などにより国際事業収入が増加し、前連結会計年度より20億92百万円増加し2,933億58百万円となりました。

  営業利益は、主力の運送事業の売上が低迷するなか、業務改革により人件費を抑制しましたが、資源価格の高騰により燃料費、光熱費などが増加し前連結会計年度より7億16百万円減少し213億75百万円となりました。

  経常利益は、資金調達の手数料削減により営業外費用が減少しましたが、営業利益が減少したことにより、前連結会計年度より2億10百万円減少し229億85百万円となりました。

  親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益の発生により、前連結会計年度より40億28百万円増加し207億91百万円となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

  営業方針にそって積極的な設備投資を行っておりますが、営業キャッシュ・フローと資金調達をもって進めております。資金調達については、経営指標としております有利子負債対自己資本比率を意識しつつ行っており、設備投資による売上拡大、利益率の改善を図りつつROEにつきましても向上を目指しております。また、当社グループは、効率の良い資金運用を行うため、キャッシュ・マネジメント・システムを導入しております。各国内連結子会社の資金繰りの当社での一元管理と支払代行業務により余剰資金の圧縮に努めるとともに、グループ全体の必要資金の管理を徹底しております。

  当社グループにおける運転資金需要は、事業活動に携わる者の人件費や傭車費等の外注費及び燃料費等が主なものとなっております。また、設備資金需要の主なものは、サービスの向上や事業拡大を目的としたトラックターミナル及び流通倉庫の建設と省力化を目的とした仕分装置への投資等となっております。

  なお、長期的な資金繰りの安定性の確保のためコミットメントライン契約を従来から締結しております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた当社グループの重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1. 連結財務諸表等」の「連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

  連結財務諸表の作成に当たっては、会計上の見積りを行う必要があり、各引当金の計上、繰延税金資産の回収可能性の判断等については、過去の実績や他の合理的と考えられる方法により見積りを行っております。但し、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。