文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「KONOIKEグループは、高い品質のサービスを提供し、世界の人々の幸福と安全で安心な社会の実現に役立つプロフェッショナルサービス集団を目指します。」を経営理念としております。
当社グループは、創業以来、お客さまの多様なニーズにお応えすることで、お客さまと共に成長してまいりました。当社グループの存在意義は、製造から物流に至る全工程にわたるサービスを提供することで“お客さまが安心してコアコンピタンスに集中していただけるようにすること”であります。
そのため、当社グループは、業界に精通した単なるエキスパートではなく、お客さまのニーズを的確に捉え、お客さまと一体となって価値を創造、提供していくことができる「プロフェッショナルサービス集団」でなければならないと考えております。
今後も、世界を舞台に「価値創造パートナー」としての挑戦を続け、お客さまと共に未来を創ってまいります。そして、すべてのステークホルダーの皆さまとともに成長し、企業価値を高めてまいります。
(2)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境を展望すると、生産労働人口の構造的な減少に伴う人手不足が様々な産業において課題となっており、特に物流業界ではその影響が顕著に表れています。また、IoT、ビッグデータ、AI、ロボットなど、今後の製造・物流などのありかたを大きく変容させる可能性のある様々な技術革新が起こっております。このような環境変化は、長期的に当社グループの事業の前提を大きく変容させるものであると認識しており、このような事業環境の変化をいかに機会として捉えていくかが大きな経営課題であると認識しております。
(3)中長期的な経営戦略と目標とする経営指標
①前中期経営計画の振り返り
当社グループは、平成28年3月期~同30年3月期を対象とした中期経営計画(以下、前中期経営計画といいます)において、「一人一人が生きがいを感じてチャレンジできる職場風土の中、常にお客さまと共に成長する価値創造パートナーとして、高い品質のサービスを追求するKONOIKEグループへ」を経営基本方針とし、「持続的成長に向けた稼ぐ力の確立」、「ガバナンスの強化」、「社会的責任への取り組み」の3点を重点目標として掲げ、平成30年3月期の数値目標である「売上高3,000億円、営業利益150億円、ROE8.7%」の達成を目指してまいりました。その中で、組織内におけるガバナンス体制の見直しや買収防衛策の廃止などを通じて、当社グループの持つ経営資源の活用がダイレクトに企業価値向上に繋がる仕組みを整えてまいりました。こうした取り組みは今後の成長の土台となるものと確信しておりますが、数値目標については大幅な未達となり課題を残す結果となりました。
[平成30年3月期の数値目標と実績の比較]
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目標 |
実績 |
差異 |
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売上高 |
3,000億円 |
2,767億円 |
△233億円 |
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営業利益 |
150億円 |
110億円 |
△40億円 |
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ROE |
8.7% |
7.4% |
△1.3pt |
この大幅な未達の要因としては、以下のような点が原因と考えております。
ⅰ) 急速に進む事業環境の変化に対応する上で不可欠な「当社グループ全体としての明確な経営ビジョンや方向性」を打ち出せておらず、事業革新や新たなお客さまの創造を十分に果たせなかったこと
ⅱ) 既存事業及びその周辺事業の深掘りを成長戦略の基本として捉え、売上高・利益の拡大を推進したものの、事業実態の把握について投資収益性の観点など多面的な分析が不足していたこと
ⅲ) 経営監督・業務執行の責任と権限があいまいであったために、事業の意思決定のスピードや果断さを欠いたこと
ⅳ) 部門の垣根を越えた当社グループ全体としてのマーケティングが不足したこと
②目指す姿と2030年の目標
前中期経営計画の反省を踏まえ、平成30年4月よりスタートする新たな中期経営計画の策定にあたっては、単にこれまでの延長線上の3年間として策定するのではなく、まず2030年における「当社グループの目指す姿」を描きました。
現場で活躍する従業員一人ひとりが誇りを持てる組織、またすべてのステークホルダーの皆さまから「超一流」とのご評価をいただき、すべてのステークホルダーの皆さまとともに豊かになれるような企業価値を創出する会社となることこそが、当社グループが2030年に目指すべき姿であると確信しました。そしてその姿を目指す中で、ステークホルダーの皆さまからさらに信頼を頂けるよう、当社グループのブランドをさらに強くしていきたいと考えております。
[2030年定量目標]
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事業ポートフォリオ |
10事業本部以上をめざし事業の多角化 |
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売上高 |
3,500億円~5,000億円 |
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営業利益率 |
5%以上 |
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ROE |
10%以上 |
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物流売上高:サービス売上高(※) |
40:60 |
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国内売上高:海外売上高 |
80:20 |
(※)サービス売上高:複合ソリューション事業における請負業務、エンジニアリング業務など、純粋な物流業務以外の業務の売上高
上記の2030年に目指すビジョンに向けて、将来の中核事業となりうる新事業の創出を含む事業ポートフォリオの拡充を第一とします。売上高目標は幅をもたせつつ、「成長戦略の実現」、「資本の効率化」、「ガバナンスの強化」を進めてまいります。今後、目指すビジョンをさらに明確にしながら、現状に安住しない強い意志と覚悟を持って邁進いたします。
③新中期経営計画の概要
上記の2030年ビジョンを踏まえ、2019年3月期~2021年3月期を対象とした新中期経営計画を策定しました。この新中期経営計画の3カ年を「2030年ビジョン実現に向けた『確固たる基盤づくり』の期間」と位置づけております。
ⅰ) 将来を見据えた事業基盤の充実
構造的な人手不足が深刻化するとともに、生産・物流のありかたを一変させる技術革新が急速に進展する中で、将来を見据えた事業基盤の充実は喫緊の課題と認識しています。当社グループにとって最も重要な経営資源である人材の採用・育成活動のさらなる強化に取り組むほか、システム分野への投資などを通じて、生産性の向上に向けた取り組みも積極的に展開してまいります。
また、当社グループがお客さまに提供する価値の中でも特に重要な要素である安全衛生・品質管理に関しても妥協なくさらなる向上を追求します。安全衛生・品質管理に関する事項を統轄する経営品質本部長は食品プロダクツ本部副本部長と兼任するなど、営業現場と本社が同じ目線でより一体となって取り組みを進められるよう組織体制を見直しました。
ⅱ) 経営基盤の再構築
2030年ビジョンに向けた企業経営を促進するための仕組みを導入し、経営基盤を再構築してまいります。成長と収益性の双方をバランスよく改善するためにコーポレートガバナンスの強化を図ります。業務執行については一段の権限委譲を図ることにより、現場に近いところでの迅速な意思決定を促進します。一方で、取締役会や経営トップによる経営監督機能も強化してまいります。当社グループの各事業の運営状況を様々な観点から見える化し、多面的に事業実態を把握する目的から、管理会計の再整備にも取り組み、効果的かつ効率的なモニタリングの仕組みを構築します。
ⅲ) 資本コストをさらに意識した経営への取り組み
これまで当社グループは、既存事業及びその周辺事業の深掘りを成長戦略の基本として捉え、売上高・利益の拡大を推進してまいりました。こうした戦略は、効率的な資本の活用という面で課題を抱えることも多く、結果として「量の追求」に向かいやすい側面があったことは否めません。こうした反省から、新中期経営計画では資本コストを意識した経営と事業ポートフォリオの見直しに取り組みます。具体的には、ROIC(投下資本利益率)を重要な経営指標として採用し、資本効率の観点から客観的に各事業の経営状況を把握することで、適切な資源配分と再配置を進めます。
ⅳ) 部門の垣根を越えた成長の促進
お客さまに当社グループを選び続けて頂くには、各事業単位で完結するサービスに終始するのではなく、当社グループ全体でお客さまにソリューションを提供することが今後ますます重要になると認識しております。そこで、当社グループ内での連携をさらに強化すべく、営業本部を新設しました。営業本部のもとで、事業本部間で戦略を共有し、部門の垣根に囚われず当社グループ内の経営資源等を活用し、当社グループとしてのアウトプット最適化を図ります。
ⅴ) 新たな中核事業の発掘・育成と価値革新への取り組み
新事業開発本部の主導のもと、2030年ビジョンの実現に不可欠な「新たな中核事業の発掘・育成」を進めてまいります。お客さまの生産プロセスやバリューチェーンに深く入り込み、請負サービス、物流サービスなど様々なサービスを組み合わせて提供する当社グループ独特のビジネスモデルは、業種や地域を問わず、さらなる成長の可能性を有していると考えております。当社グループの強みを生かした新事業の発掘・育成に取り組み、その実現には事業提携やM&Aの活用等も含めて検討いたします。
そして、新たな成長のためには、既存事業、新事業とも、お客さまに最良・最適なソリューションをお届けできるように現場やサービスの見直しを行うことが不可欠です。ロボット技術などの新技術の業務への取り込みを行いつつ、高いスキルを持つ人材の育成を行い、新技術と高スキル人材のそれぞれの強みが生かせる新しい形の現場やサービスの開発に取り組み、価値の革新を図ります。
これらの取り組みを通じて、新中期経営計画の最終年度に当たる2021年3月期には、2030年ビジョンの実現に向けた基盤作りを完了するとともに、その基盤のもとで、過去最高益となる営業利益118億円を目指します。
新中期経営計画 定量目標
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2018年3月期 (実績) |
2019年3月期 (予想) |
2021年3月期 (計画) |
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売上高 |
2,767億円 |
2,848億円 |
2,950億円 |
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営業利益 |
110億円 |
100億円 |
118億円 |
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ROE |
7.4% |
- |
7.0% |
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
①「安全」と「品質」最優先の業務運営の徹底
特に複合ソリューション事業においては、顧客の生産工程における請負業務が中心となっておりますので、当該事業での安全・品質の不備は当社のみならず顧客の社会的な信用の失墜に繋がる事項であると認識しております。そのため当社グループでは、業務遂行上の安全性の向上ならびに製・商品の品質管理を徹底することが、事業遂行上重要と判断し、安全品質研修センターならびに鴻池テクノ研修センターでの研修活動等を通じて強化を図っております。今後も、安全・品質につきましては社内チェック体制の充実を図り、更なる向上を目指してまいります。
②国内事業基盤の拡充と海外事業展開の推進
当社グループの現在の事業基盤は国内企業からの業務受託が中心となっております。主要顧客の中には当社の創業・設立初期より半世紀以上にも亘って継続的に業務を受託している顧客もございます。そのため今後につきましても、現在の主要取引を中心に、国内企業の生産工程支援や物流業務を更に拡充させていくことが、当社事業の経営基盤を堅実なものとするために重要であると認識しております。
一方で今後の世界的な経済動向を鑑みますと、新興国が消費市場として台頭してきており、国内事業を通じて培ったノウハウを海外に展開する機会が到来していると認識しております。そのため当社グループにおきましても、国内企業の海外ビジネス展開のサポートや海外企業に対するソリューション提供により一層注力するため、海外子会社の新設等を進めてまいります。
③グループ経営管理体制の強化
当社グループは、関係会社67社(うち連結子会社41社)で形成されており、また当社単体でも約140箇所の営業所を有しております。そのため、営業所及び営業所を統括する支店・関係会社(以下、支店・関係会社等)から当社本部機能への報告ならびに当社本部機能からの指示が円滑になされることが、グループ経営を効率的かつ有効に進める上で必要と考えております。現在においても、支店・関係会社等の状況については、社内の各種報告・会議等を通して円滑な情報交換等がなされていると認識しておりますが、今後も更に管理体制を強化させるべく、本部機能の充実を実施してまいります。
④組織的営業力の強化
当社グループでは、当社ならびに当社関係会社がそれぞれ顧客の所在地や業務内容を踏まえた営業活動を推進しております。今後の当社グループの成長のためには、当社事業本部と支店・関係会社等との連携を強化し、顧客ニーズに合ったソリューションを提案することで、収益機会を逃さないことが必要であると認識しております。そのため、今後も事業本部と支店・関係会社等との情報共有に努め、当社グループとしての組織的な営業活動を推進してまいります。
⑤人材の確保・育成・適正配置
当社グループの業務遂行にあたっては、顧客の業種や製・商品特性によっては専門的な知見が必要となってまいります。そのため、必要な人材の確保ならびに育成は業務遂行上重要なものと認識しております。必要に応じ、採用活動ならびにグループ内の研修を通じたノウハウの伝達等によって人材の確保・育成に努めてまいります。
また、業務を効率的に推進する上では当社グループの人材の特性等を考慮し適切に配置することも重要と考えております。特に、各営業所における勤務時間の状況や個々人の業務に対する知見等を勘案し、機動的な対応をとることで、効率的な配置を行ってまいります。
⑥コンプライアンスの充実
当社グループが継続して顧客から業務を委託されるためには、社会的な信用を高める必要があると考えております。そのためには上記の安全・品質のみならず、コンプライアンスの充実が重要であると認識しております。そのため今後につきましても、当社業務遂行上必要な法律等の知識について、研修等を通じてグループ内で共有するとともに、その遵守状況を内部監査等でチェックし、体制強化に取り組んでまいります。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のある事項は以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、文中における将来に関する事項は本書提出日現在において当社が判断したものであります。
1.経済動向について
当社グループは、主として国内の製造業や流通・小売業等を顧客として、生産活動や物流機能等にかかる各種アウトソーシングに関する事業を展開しており、景気動向、消費動向及び各種業界の業況等の変動により影響を受けております。
一般に、景気及び消費低迷時には、アウトソーシングにかかる取扱業務量は減少する傾向がありますが、一方で、企業業績低迷から業務効率改善やコスト削減等を目的としたアウトソーシング需要が拡大する側面があり、これら状況により当社グループの経営成績及び財政状態は影響を受ける可能性があります。
2.顧客企業等の動向について
当社グループは、多様な企業との取引により分散を図り、特定企業又は業種の業況変動等による影響を低減させる方針を有しております。しかしながら、平成30年3月期においては、特定の主要顧客グループとの取引等に起因して、当社連結売上高のうち、鉄鋼業界向け売上高が約23%を、飲料・食品業界向け売上高が約26%を、それぞれ占めており、これらの業界動向等に影響を受けております。
また、業界動向に加えて、当社グループの主要な顧客企業において、業績低迷等による生産調整や物流需要の減少等が生じた場合や、業界再編や海外移転の進展、その他経営戦略の変更により事業拠点の閉鎖・縮小又は取引関係に重大な変更が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
3.競合について
当社グループの各事業は、主として業務請負及び貨物運送・倉庫業務を展開しており、これら業務は、顧客企業の事業活動の一部を請負う形態であります。これら業務においては、業務受注にかかる競合他社との価格競争が生じていることに加えて、顧客企業自身の業務効率化・コスト削減等による内製化への移行の可能性があります。
当社グループは、業務オペレーションの効率化、業務品質の向上、顧客ニーズを踏まえた柔軟な業務サービスの提供等により、顧客企業における評価向上及びリレーションの強化を図り、差別化による受託業務拡大を推進しておりますが、今後において、当社グループの業務サービスの優位性が低下した場合や、競合等により請負単価が想定以上に低下した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
4.燃料費及び電力料金等の変動について
当社グループにおいて使用する輸送用車輌及び船舶等の燃料費は、原油価格の変動により影響を受けております。今後において、国際的な原油市場の需給バランス、金融情勢、産油国の政治情勢等の影響に伴う原油価格の動向によっては燃料費が上昇する可能性があります。また、当社グループが業務において使用する冷凍冷蔵倉庫をはじめとした倉庫・物流設備等は一定の電力消費を行うことから、電力料金引き上げ等が生じた場合には費用増加が生じる可能性があります。
当社グループは、これらコスト増加が生じた場合には、顧客企業との協議等により適正な業務単価の維持を図っていく方針でありますが、十分な価格転嫁が困難となる場合には、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
5.受託業務におけるトラブル等について
当社グループは、顧客企業からの受託業務において多種多様な業務工程を担当しており、顧客製品の品質等に影響を及ぼす重要工程も一部含まれております。請負業務については、業務管理全般にわたる責任が受託企業にあり、個々の業務において、労務管理をはじめ、顧客企業の製品の生産量、納期、品質、更には設備、資材管理の領域まで責任を負っており、当社グループは、顧客企業の要求水準を達成するため適切な業務手順を遵守した業務運営に努めております。
しかしながら、受託業務において、当社グループの何らかの瑕疵に起因した品質低下、操業遅延や停止等によるトラブル等の発生により、顧客企業の事業活動に重大な支障が発生する又は多額の損失が発生する様な事象が生じた場合、当社グループの信頼性低下や損害賠償請求の発生、取引解消等に発展し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
6.海外への事業展開について
当社グループは、国内における事業展開に加えて、アジアや北米などを中心とした地域に拠点を設け、グローバル展開する日系企業及び現地企業を対象とした海外展開強化を推進しております。これら事業展開においては、各地域において法律・規制、為替、社会・政治及び経済動向等の影響を受けております。また、債権回収、取引先との関係構築・拡大、従業員の管理等の点において、海外の商習慣・文化に関する障害に直面する可能性があります。さらに、海外事業の拡大においては、投資利益の実現までに長い期間と多額の資金を要することがあり、投資による費用の増加が収益の増加を上回る可能性もあります。
当社グループは、海外進出に際して各地域における法令・政情・経済情勢その他にかかる調査等によるリスクの把握及び対応に努めておりますが、予期せぬ情勢変化等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
7.M&A、事業提携について
当社グループは、今後の業容拡大等においてM&A及び事業提携戦略は重要かつ有効であると認識しております。M&Aや事業提携を行う場合においては、対象会社を慎重に検討し、対象会社の財務内容や契約関係等について詳細なデューデリジェンス(注)を行うことによって、極力リスクを回避するように努める方針としておりますが、買収後に偶発債務の発生等、未認識の債務が判明する可能性も否定できません。また、のれんが発生する場合はその償却額を超過する収益力が安定的に確保できることを前提としておりますが、買収後の事業環境や競合状況の変化等により買収当初の事業計画遂行に支障が生じ、計画どおりに進まない場合は当該のれんに係る減損損失等の損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(注)デューデリジェンス(Due diligence):M&Aなどの取引に際して行われる、対象企業の法務・財務・ビジネス・人事・環境などを含めた総合的な資産評価に係る調査活動のことであります。
8.人材の育成・確保について
当社グループでは、顧客企業のニーズに応じて多種多様な業務作業の請負を行っており、各業務作業に関して専門的な知識を有する人材を育成し、確保する必要があります。また、顧客企業の季節需要を含む業務の繁閑に対して、外注企業の活用を含めた柔軟な人員配置をコントロールしていく必要があります。
当社グループでは積極的な採用活動を進めるとともに、人材育成のための社内研修の充実を図ることで、必要な人材の確保に努めております。しかしながら、国内においては構造的な労働人口の減少等に起因し、労働集約型産業を中心に人手不足感が強まっております。これに伴い、労働力の確保や労働環境の維持・向上のため人件費等の負担が増加する可能性があるほか、今後必要な人材の育成及び確保ができなかった場合又は適切な人員配置等に支障が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループの請負業務遂行は、当社グループの従業員に加えて一部は外注先等の従業員が担っております。当社グループは、適法性のみならず業務遂行上必要な人員を確保する観点からも、労働環境の適正化及び管理並びに適正な外注管理等による業務運営の円滑化に努めておりますが、当社グループの従業員又は外注先等の従業員並びに関連する労働組合との間で何らかの問題や調整事項等が生じた場合には、業務運営に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、問題等の発生に対して、弁護士等専門家や行政機関等の関与のもと早期に解決を図っていく方針でありますが、結果として費用増加等が生じる可能性があり、これらに起因して経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
9.法的規制等について
①許認可等について
当社グループは、事業運営等に際して多種多様な法的規制を受けており、各事業にかかる主要な許認可等は以下のとおりであります。
当社グループはこれら関連法令等の遵守に努めており、本書提出日現在において事業運営上の支障をきたす状況は生じておりません。しかしながら、違反その他事由によりこれら許認可等が停止又は取消となった場合又は法的規制の見直しや新たな制定等により規制強化が生じた場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
主要事業許認可及び有効期限
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許認可の名称 |
法律名 |
監督省庁 |
許認可等の 内容 |
有効期限 |
当社グループの対象事業 |
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労働者派遣業 |
労働者派遣法 |
厚生労働省 |
許可 |
許可後5年間 |
複合ソリューション事業 国内物流事業 |
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港湾労働者派遣事業 |
労働者派遣法 |
厚生労働省 |
許可 |
期間の定め無し |
国際物流事業 |
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一般貨物自動車運送事業 |
貨物自動車運 送事業法 |
国土交通省 |
許可 |
期間の定め無し |
複合ソリューション事業 国内物流事業 国際物流事業 |
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貨物利用運送事業 (第一種、第二種) |
貨物利用運送 事業法 |
国土交通省 |
許可・登録 |
期間の定め無し |
複合ソリューション事業 国内物流事業 国際物流事業 |
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倉庫業 |
倉庫業法 |
国土交通省 |
登録 |
期間の定め無し |
複合ソリューション事業 国内物流事業 国際物流事業 |
|
食品衛生法 |
厚生労働省 |
許可 |
許可後6年間 |
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建設業 |
建設業法 |
国土交通省 |
許可 |
許可後5年間 |
複合ソリューション事業 国際物流事業 |
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産業廃棄物収集運搬業 |
産業廃棄物処 理法 |
環境省 厚生労働省 |
許可 |
許可後5年間 |
複合ソリューション事業 |
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保税蔵置場 |
関税法 |
財務省 |
許可 |
期間の定め無し |
複合ソリューション事業 国内物流事業 国際物流事業 |
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特定航空貨物利用運送事業者 |
貨物利用運送事業法 |
国土交通省 |
許可・登録 |
期間の定め無し |
国際物流事業 |
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特定航空運送代理店業者 |
貨物利用運送事業法 |
国土交通省 |
許可・登録 |
期間の定め無し |
国際物流事業 |
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航空運送代理店業 |
貨物利用運送事業法 |
国土交通省 |
許可・登録 |
期間の定め無し |
国内物流事業 国際物流事業 |
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通関業 |
通関業法 |
財務省 |
許可 |
期間の定め無し |
国際物流事業 |
|
海上運送事業 |
港湾運送事業法 |
国土交通省 |
届出 |
期間の定め無し |
国際物流事業 |
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港湾運送事業 |
港湾運送事業法 |
国土交通省 |
許可 |
期間の定め無し |
国際物流事業 |
②コンプライアンスについて
当社グループの事業の性質上、a)請負・派遣の区分等の適正化に係る規制、b)外注企業の活用における下請代金支払遅延等防止法(下請法)に係る規制、c)従業員の労務管理にかかる労働関連法令に係る規制について、留意する必要があります。
当社グループは、請負・派遣適正化及び下請法については、社内規則・マニュアル・チェックリスト等の整備・運用及び管理の徹底を図るとともに、全事業所を対象とした定期調査を実施し、当該法令順守の推進・維持を含む適切な業務運営が遂行されるように努めております。また、労働関連法令については、業務請負という特性から当社グループの業務量は顧客企業の生産活動等に左右され、突発的な業務量増大等に起因して従業員の労働時間増加が生じる場合があり、適切な人員配置等を推進するとともに、労使間協定の締結及び遵守並びに労働時間の適切な管理の徹底等により、法令及び協定等の遵守を推進しております。
しかしながら、これらの管理不備による不正や違反等により行政処分等が生じた場合には、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③環境規制について
当社グループが使用する貨物トラック(ディーゼル車輌)は、国及び自治体による自動車NOx・PM法及び環境条例等の対象となります。当社グループは、かかる環境規制が定める基準適合車を使用する等、これら規制を順守するために必要な取り組みを行っております。しかしながら、将来において更なる規制強化が生じた場合は対策のための費用増加等が生じる可能性や、対応が困難となる場合には事業における制約要因となる可能性があり、これらにより当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
10.事故及び労働災害について
当社グループの事業は、トラック、フォークリフト及び大型機械の操作をはじめとして、危険を伴う作業が含まれております。当社グループは、当該状況を踏まえて安全衛生管理を最重要課題として捉え、労務管理及び安全管理の徹底を図り、事故を未然に防ぐため業務遂行に際して細心の注意をはらう様に努めております。
しかしながら、何らかの不測の事由から労働災害や事故等が発生する可能性があります。これら事故等について、訴訟問題や重大事故等に起因した行政処分に発展した場合には、損害賠償請求が生じる可能性があるほか、当社グループの社会的な信用及び顧客の信頼を失うことにも繋がり、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
11.顧客情報の管理について
当社グループは、業務請負等を通じて、顧客企業の経営上の機密情報や個人情報等の様々な重要情報を取り扱っております。当社グループにおける情報管理は、社内規程の整備・運用及び定期的な研修等により周知徹底を図っておりますが、何らかの要因により外部漏洩やデータ喪失等が生じた場合、当社グループの社会的信用の失墜や損害賠償請求等が生じる可能性があり、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
12.自然災害等について
当社グループが事業を展開する主要な地域における大規模な地震や台風等による自然災害の発生や、自社又は顧客企業の事業所施設における火災等による災害が発生した場合には、その被災状況によっては事業活動が困難となり、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
13.訴訟等について
当社グループの事業運営において、予期せぬトラブル・問題が生じた場合、当社グループの瑕疵に関わらずこれらに起因する損害賠償を請求される、あるいは訴訟を提起される可能性があります。これら事象が発生した場合には、訴訟内容や損害賠償額及びその結果等により、当社グループの社会的信用に影響を及ぼすほか、経営成績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。
14.当社グループの設備投資等について
当社グループは、新規顧客企業の獲得並びに既存顧客企業との取引拡大等を目的として、物流拠点の整備、車両運搬具及び機械装置を中心に設備投資を実施しており、また、顧客企業の事業拠点内に受託業務遂行のための専用設備等を保有する場合があります。設備投資に際しては、将来に見込まれる受注業務等を考慮して実施しておりますが、実際の受託業務での収益が想定を下回った場合には、減価償却負担等の増加による利益圧迫等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループの各事業において、経済環境や事業環境の変化、顧客企業との取引関係の変化等により、事業所等における採算性が低下し損失計上が継続した場合には、保有資産等にかかる減損損失を認識する必要があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
15.資金調達について
当社グループは、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。市場金利が上昇した場合、資金調達コストの増加等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、金融市場の混乱等により金融機関の融資圧縮等が生じた場合や、格付会社による当社格付の引下げ等が生じた場合には、当社グループの資金調達において、必要な資金調達に支障が生じること等により事業展開の制約要因となる可能性があり、また、これらに起因して当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
16.退職給付債務について
当社グループの退職給付費用及び退職給付債務は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上設定した前提条件に基づいて算出されております。しかしながら、年金資産の時価の下落、金利環境の変動等により、退職給付費用が増加した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
17.技術革新について
当社グループは、多種多様な業務作業の請負を行っておりますが、人工知能やロボット技術等の進歩により生産工程や物流現場等の自動化・省力化が進むことで、当社グループが従来請け負っていた業務が代替され、減少する可能性があります。当社グループでは、顧客の生産・物流現場等に固有のノウハウを蓄積するとともに、新技術を活用した新たな請負の形を模索するなど対応に取り組んでおります。しかしながら、そうした技術革新への対応が十分に図れない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、回復基調を維持する個人消費ならびに企業生産活動の持ち直しを背景にした堅調な設備投資を受け、総じて緩やかに回復しました。また、世界経済の成長により、輸出量も拡大しました。
物流業界におきましては、経済の緩やかな回復を背景に、生産量増加に伴い輸送量は総じて堅調に推移したものの、人手不足の深刻化に伴う人件費の上昇や燃料価格の上昇等のコスト増加圧力は依然として高く、厳しい状況が続きました。
このような経営環境のもと、当社グループでは、複合ソリューション事業や国際物流事業においては事業成長を図りつつ、国内物流事業では収益性の改善に努めるなど、各事業の状況に応じた取り組みをすすめました。事業機会拡大の手段として、M&Aも含めた検討を行っており、平成29年5月には、成長事業である空港関連分野の強化を目的に、株式会社NKSホールディング他4社の全株式を取得し、成田空港における事業基盤の強化を図りました。
さらに、人手不足のさらなる深刻化をはじめとする今後の事業環境の変化に対応すべく、経営の仕組みやコーポレート・ガバナンスのあり方の見直し等に着手いたしました。
当連結会計年度の業績といたしましては、鉄鋼関連分野の持ち直しや、食品関連分野の手堅い推移に加え、空港関連分野や海外関連分野等における連結子会社の増加等により、売上高は2,767億61百万円(前連結会計年度比7.1%増)となりました。利益面につきましても、営業利益は110億67百万円(同8.2%増)、経常利益は115億36百万円(同7.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、70億42百万円(同3.7%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より各セグメントの業績をより適切に評価するため、全社共通費の配賦方法を変更しています。また、各報告セグメントを構成する事業本部に所属する営業所の一部について、主要顧客ならびに事業内容の変化に対応するため、所属する事業本部を変更いたしました。そのため、以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を当該変更後の数値で比較しております。
①複合ソリューション事業
複合ソリューション事業におきましては、鉄鋼関連分野について、生産工程付帯業務の増加や新規連結会社の寄与等がありました。食品関連分野におきましては、一部飲料倉庫における契約内容の変更や、食品製造請負業務の減少はありましたが、その他の飲料等の配送センター業務の手堅い推移により、全体で増加しました。また、空港関連分野における新規連結会社や、メディカル関連分野における病院事業の増加が寄与し、売上高は1,920億65百万円(前連結会計年度比7.7%増)、セグメント利益は140億14百万円(同4.3%増)となりました。
②国内物流事業
国内物流事業におきましては、冷凍食品や食品原料の保管、配送取扱業務が減少した一方で、顧客センター内でのオフィス用品配送取扱業務が伸長した他、取扱ブランドの増加に伴い生活用品取扱業務等が増加し、売上高は490億28百万円(前連結会計年度比1.9%増)となりました。セグメント利益は、一部拠点における食品取扱業務終了に伴う減益要因はありましたが、前期に発生したオフィス用品配送センター業務の立ち上げコスト解消が寄与し、17億23百万円(同8.3%増)となりました。
③国際物流事業
国際物流事業におきましては、鋼材の輸出取扱量が減少したものの、アメリカ向け製造設備部品の輸出業務獲得や、アジア向け精密機器製造設備の輸出の増加等により、売上高は356億67百万円(前連結会計年度比11.7%増)となりました。セグメント利益は、前期に発生した海外市場の一時的な調査費用の解消等により、9億70百万円(同63.0%増)となりました。
④その他
当該事業については、当社グループ内の資産運用業務等が中心であり、金額的重要性も低いため報告セグメントとはしておりません。そのため記載を省略しております。
(2)キャッシュ・フロー
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは143億51百万円の収入(前連結会計年度比21億57百万円の収入減)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益が113億33百万円あったこと、減価償却費が74億20百万円あったこと、法人税等の支払額が37億52百万円あったこと等によるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは99億89百万円の支出(前連結会計年度比37億7百万円の支出増)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が57億27百万円あったこと、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が32億97百万円あったこと等によるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは64億83百万円の支出(前連結会計年度比79億4百万円の支出増)となりました。これは、主に社債の償還による支出が30億円あったこと、長期借入金の返済による支出が34億30百万円あったこと、配当金の支払による支出が20億20百万円あったこと等によるものであります。
これらの結果に為替変動による減少額16百万円を考慮し、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より22億84百万円減少し、291億14百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績及び受注実績
当社グループの事業内容は複合ソリューション事業、国内物流事業、国際物流事業、その他と多岐にわたっているため、生産実績を画一的に算定表示することは困難であり、また受注生産形態を採らない事業も多いため、生産実績及び受注実績は記載しておりません。
(2)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
複合ソリューション事業 |
192,065 |
107.7 |
|
国内物流事業 |
49,028 |
101.9 |
|
国際物流事業 |
35,667 |
111.7 |
|
報告セグメント計 |
276,761 |
107.1 |
|
その他 |
0 |
- |
|
合計 |
276,761 |
107.1 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
||
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
新日鐵住金㈱ |
31,131 |
12.1 |
32,861 |
11.9 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に関する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。当社グループは連結財務諸表を作成するにあたり、退職給付会計、税効果会計、貸倒引当金の計上等において、過去の実績等を勘案するなど、合理的な見積り、判断を行った上で、その結果を反映させておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 経営成績
当連結会計年度における売上高は2,767億61百万円であり、前連結会計年度比で184億28百万円(7.1%増)の増収となりました。売上高が増加した主な要因は、鉄鋼関連分野の持ち直しや食品関連分野の好調、インバウンド増勢持続による空港関連分野の伸長等によるものであります。
売上原価は2,521億18百万円と、前連結会計年度比で170億56百万円増(7.3%増)となり、売上総利益は246億42百万円と、前連結会計年度比で13億72百万円(5.9%増)の増益となりました。売上原価増加の主な要因は、労務費の増加等によるものであります。
販売費及び一般管理費は135億75百万円と、前連結会計年度比で5億38百万円増(4.1%増)となりました。主な要因は、新規連結に伴うのれん償却費の増加等によるものであります。
以上の結果、営業利益は110億67百万円と、前連結会計年度比で8億34百万円(8.2%増)の増益、経常利益は115億36百万円と、前連結会計年度比で8億14百万円(7.6%増)の増益となりました。
特別損益は、減損損失4億74百万円を特別損失として計上いたしました。特別利益は固定資産売却益4億13百万円を計上しております。
その結果、税金等調整前当期純利益は113億33百万円となり、法人税等を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は70億42百万円となり、前連結会計年度比で2億68百万円の減益となりました。
なお、事業別の売上高及び営業利益の概況については、「業績等の概要」に記載しております。
(3) 財政状態
(総資産)
当連結会計年度末における総資産の残高は2,118億8百万円であり、前連結会計年度末に比べ71億52百万円増加しました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は879億15百万円であり、前連結会計年度末に比べ26億94百万円増加しました。主な要因は、受取手形及び売掛金が44億15百万円増加したこと、その他流動資産が2億92百万円増加したこと、現金及び預金が24億27百万円減少したこと等によるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は1,238億93百万円であり、前連結会計年度末に比べ44億58百万円増加しました。主な要因は、のれんが23億18百万円増加したこと、投資有価証券が17億42百万円増加したこと等によるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計の残高は1,106億45百万円であり、前連結会計年度末に比べ13億38百万円増加しました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は534億67百万円であり、前連結会計年度末に比べ34億84百万円増加しました。主な要因は、支払手形及び買掛金が10億52百万円増加したこと、その他流動負債が10億52百万円増加したこと、1年内返済予定の長期借入金が12億64百万円減少したこと等によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は571億77百万円であり、前連結会計年度末に比べ21億46百万円減少しました。主な要因は、社債が30億円減少したこと、退職給付に係る負債が16億20百万円増加したこと等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は1,011億62百万円であり、前連結会計年度末に比べ58億14百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金が50億33百万円増加したこと、その他有価証券評価差額金が10億30百万円増加したこと、為替換算調整勘定が3億円減少したこと等によるものです。
(4) キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況につきましては、「業績等の概要」に記載のとおりであります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因としては、ⅰ)顧客企業・顧客業界の動向、ⅱ)コスト動向、ⅲ)事故・災害、ⅳ)人材の育成・確保、ⅴ)法的規制の動向等が挙げられます。
ⅰ) 顧客企業・顧客業界の動向
当社グループは、顧客企業のニーズに応じて様々な請負サービス及び物流サービスを提供しております。当社グループの売上高は、請負業務の取扱量や物流業務の輸送量に連動する傾向があり、そしてこれらの取扱量や輸送量は、顧客企業の生産量・販売量に連動する傾向があります。したがって、顧客企業の生産・販売動向、ひいては顧客業界における市場動向が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。特に、当社グループの売上高のうち、49.2%が鉄鋼関連分野と食品・飲料関連分野の売上高であり、両分野の影響を強く受けます。また、近年ではメディカル関連分野や空港関連分野の事業規模が拡大傾向であり、これらの業界の動向も経営成績に影響を与える可能性があります。
さらに、顧客企業の外注化に関する方針に変更がある場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
ⅱ) コスト動向
当社グループの主要なコストは、人件費(労務費)、外注費、燃料費等であり、これらのコスト動向が経営成績に影響を与える可能性があります。
例えば、昨今では、少子高齢化に伴う構造的な人手不足の顕在化や社会的な企業への賃上げ要請の高まりなどによって、人件費単価は上昇傾向にあり、当社グループにおいても人件費や外注費が増加する可能性があります。また、当社グループにおいて使用する輸送用車輌等の燃料費は、軽油価格等の変動の影響を受けております。
当社グループは、これらのコスト増加が生じた場合には、生産性向上等のコスト改善努力を行うとともに、顧客企業との協議により適正な業務単価の維持を図っていく方針ではありますが、コスト改善効果が十分ではなく、また、価格転嫁も困難となる場合には、減益要因となる可能性があります。
一方、人件費等のコスト上昇に伴い、顧客企業等において業務効率改善やコスト削減等を目的としたアウトソーシングを推進する動きが強まれば、当社グループの業務拡大の機会が増加し、当社グループの経営成績にプラスの影響を与える可能性があります。
ⅲ) 事故・災害
当社グループは、請負サービスや物流サービスの提供を通じて、顧客企業の生産工程やサプライチェーンに深く関与しております。したがって、当社グループの経営上最も重視すべき点は、安全衛生の向上ならびにサービスの品質管理を徹底し、事故・災害を未然に防止すること、そして、さらにはこのような安全衛生・品質管理への徹底した姿勢を強みにまで昇華させることであると認識しております。安全衛生・品質管理への徹底した取り組みは、業務の生産性を維持・向上させ、顧客企業との信頼関係強化につながり、経営成績にプラスの影響を与える要因となります。しかしながら、当社グループの安全・品質の不備に起因する重大事故や災害が発生した場合には、当社グループのみならず顧客企業の社会的な信用の失墜に繋がり、当社グループの経営成績に大幅なマイナス影響を与える可能性があります。
ⅳ) 人材の育成・確保
当社グループでは、顧客企業のニーズに応じて多種多様な業務作業の請負を行っており、各業務作業に関して専門的な知識を有する人材を育成し、確保する必要があります。また、顧客企業の季節需要を含む業務の繁閑に対して、外注企業の活用を含めた柔軟な人員配置をコントロールする必要があります。したがって、必要な人材の確保・育成及び適正配置を行うことが、当社グループの健全な成長の前提条件であり、これが達成できない場合には、経営成績にマイナスの影響を与える可能性があります。
ⅴ) 法的規制の動向等
当社グループは、多種多様な許認可等を得て事業運営を行っております。これらの許認可等が一種の参入障壁となり、事業の安定に寄与している側面があります。当社グループはこれら関連法令等の遵守に努めており、本書提出日現在において事業運営上の支障をきたす状況は生じておりません。しかしながら、違反その他事由により必要な許認可等が停止又は取消となった場合には、当社グループの経営成績にマイナスの影響を与える可能性があります。
また、当社グループの事業の性質上、a)請負・派遣の区分等の適正化に係る規制、b)外注企業の活用における下請代金支払遅延等防止法(下請法)に係る規制、c)従業員の労務管理にかかる労働関連法令に係る規制、さらにはd)自動車NOx・PM法をはじめとする環境関連の法令・条例等について、留意する必要があります。当社グループの事業に関連する法的規制の強化等により、それに対応するためのコスト増や設備投資等が必要となる場合には、経営成績にマイナスの影響を与える可能性があります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの主な資金需要は、運転資金、設備資金、投融資資金があります。
運転資金については、請負業務、貨物輸送、倉庫業務といった営業活動に必要な資金(外注・材料費及び人件費等)や、一般管理費、販売費があります。
設備資金については、主に拠点拡大、整備等による倉庫建設や、車両運搬具及び機械装置といった固定資産購入によるものであります。投融資資金については、業容拡大のためのM&Aや事業提携による出資金があります。
財務政策
当社グループの資金調達に関しては、内部資金を充当し、不足分については有利子負債で調達しております。具体的な調達手段といたしましては、運転資金については短期借入金やコマーシャル・ペーパー発行により調達し、設備資金、投融資資金については長期借入金や社債発行による調達を実施しております。
尚、資金調達の実施にあたっては、キャッシュ・フローの状況、投資案件の進捗、金利動向を考慮し、調達時期、調達規模、調達手段を適宜判断し実施しております。
一方、グループ内の余剰資金を活用し、資金を必要とする当社グループ会社に融資する事で、資金の流動性を確保し、併せて有利子負債の圧縮に努めております。
(7) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、限られた経営資源を生産的に活用することで高い付加価値を生み出しつつ、中長期的な成長を達成することを目指しております。したがって、売上高や営業利益といった事業規模や成長性を示す指標と、売上高営業利益率や自己資本当期純利益率(ROE)といった収益性、資本効率性を示す指標が、当社グループの経営上の目標の達成状況を判断する上での基本的な指標であると考えております。
平成30年3月期の売上高は2,767億61百万円(前連結会計年度比7.1%増)、営業利益は110億67百万円(前連結会計年度比8.2%増)であり、営業利益率は4.0%(前連結会計年度と同水準)、ROEは7.4%(前連結会計年度比0.8ポイント減)でした。今後は、2030年に向けた基盤作りを行うべく、当面の間、人材の採用・育成コスト、システム関連コストなどの負担が増加することが見込まれます。しかし、これらのコストは、生産年齢人口の減少に伴う構造的な人手不足など長期的な経営環境の変化に対応するために、経営戦略上必要なコストであると考えております。
今後も経営環境の変化を機会と捉え、資本生産性を高めながら中長期的な成長を図ってまいります。
該当事項はありません。
重要な記載事項はありません。