文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、この先の100年も存在価値のある企業として成長し続けていくために、ブランド価値の強化・確立を目指す取り組みを開始しました。その過程で、これまでの経営理念・行動指針などブランド価値を構成する要素の整理・再構築を行い、「私たちのブランド」として2018年5月に策定しました。そして、当社グループが長い歴史の中で築いてきた、すべてのサービスの安全・品質に込める強い想いと誇りを「私たちの約束=期待を超えなければ、仕事ではない」という言葉にまとめました。これは「私たちのブランド」を象徴する社会の皆様と当社グループの約束の言葉です。そして、その約束を果たし続けるために当社グループが目指すべき姿、存在意義を不変の「企業理念」として新たに定義し、その実現のための「行動指針」を策定しました。
[企業理念] 私たちの使命
「人」と「絆」を大切に、社会の基盤を革新し、新たな価値を創造します
[行動指針] 私たちの覚悟
人 |命を守る覚悟は、あるか
仕事|情熱を、燃やしているか
自分|昨日を、超えているか
(2)経営環境及び「2030年ビジョン」
当社グループでは、特に中長期的に対処するべき環境変化として、国内生産年齢人口の減少による「人手不足の深刻化」とAI(人工知能)、IoT、ビッグデータ、ロボットの活用に代表される「技術革新の進展」という2つの潮流を認識しております。このような環境変化は、長期的に当社グループの事業の前提を大きく変容させるものであると認識しており、脅威としてではなくいかに機会として捉えていくかが重要な経営課題であると認識しております。
「人手不足の深刻化」に対しては、足元では積極的な人材採用活動等により事業継続への影響を最小限に抑えていますが、中長期的には生産性の向上によって根本的に解決を図る必要があります。また、AI、IoT、ロボットなど様々な「技術革新」が進む中で、当社グループの業務も、長期的には自動化・機械化が進んでいくと考えられ、新技術を取り入れながら業務を革新することが求められます。
創業150周年となる2030年、さらにその先の未来に向けて当社グループがお客様や社会から信頼され、選ばれ続けていくためには、上記の企業理念の実現を常に追い求めつつ、中長期的な経営環境の変化に対して事業のあり方を柔軟に変化させていくことが求められます。そして、経営環境の変化の潮流をとらえた変革を進めていくために、2030年に目指すべき経営の姿として「2030年ビジョン」を定めています。
2030年ビジョン[2030年定量目標]
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事業ポートフォリオ |
10事業本部以上をめざし事業の多角化 |
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売上高 |
3,500億円~5,000億円 |
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物流売上高:サービス売上高(※) |
40:60 |
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国内売上高:海外売上高 |
80:20 |
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営業利益率 |
5%以上 |
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ROE |
10%以上 |
(※)サービス売上高:複合ソリューション事業における請負業務、エンジニアリング業務など、純粋な物流業務以外の業務の売上高
(3)中期経営計画と対処すべき課題
2030年ビジョンを踏まえ、2019年3月期~2021年3月期を対象とした中期経営計画の3カ年を「2030年ビジョン実現に向けた『確固たる基盤づくり』の期間」と位置づけ、以下の事項に取り組んでおります。
① 意識改革への取り組み
「人手不足の深刻化」と「技術革新の進展」という2つの潮流に対処するには、これまでの当社グループの経営と事業のあり方を、グループ一体となって見直すことが不可欠です。その一体感の醸成のためには、当社グループの従業員一人ひとりが共通の使命感・志を持ち、誇りをもって働けるブランド力を有していることが重要であると捉えており、全従業員に対し「企業理念」と「行動指針」を常に意識し実践することを求め、「私たちのブランド」の社内浸透施策を推進しております。
「私たちのブランド」は、これまでの当社グループの139年の歴史の中で共有され、育まれてきた不変の理念や価値観を改めて明文化したものです。「私たちのブランド」を経営の軸として、これまでの経営と事業のあり方について2030年に向けたあるべき姿へと見直しを図ります。
② 基盤づくりに向けた取り組み
ⅰ) 将来を見据えた事業基盤の充実
「2030年ビジョン」に向けた変革を進めていくには、将来を見据えた事業基盤の充実を図ることが喫緊の課題と認識しております。特に、以下の点に積極的に取り組みます。
・人材の採用・育成活動などによる人材基盤の強化
・システム化投資・自動化投資や本社業務プロセスの見直しを通じた生産性の向上
・安全衛生・品質管理レベルの妥協のない改善
人材基盤の強化に関しては、業界全体で人手不足が深刻な課題となっている中、当社グループは積極的に採用活動に取り組み、全体として当面の業務運営には支障をきたさない程度に人材を確保しております。今後も、積極的な採用活動を継続するとともに、人材定着率の向上に取り組みます。そのために「やりがい」と「ゆとり」を両立できる職場づくり、多様な価値観(ダイバーシティ)が受け入れられる職場づくりを推進します。外国人技能実習生の受け入れ拡大や外国人総合職採用の開始に伴い、ダイバーシティの取り組みの重要性はさらに増していることから、2019年4月よりダイバーシティ推進部を設置しました。また、事業戦略の遂行を支える、多様な人材の育成への取り組みも強化します。空港事業においては、成田航空ビジネス専門学校を傘下に置き、空港業界全体の人材育成に貢献しております。このように、当社グループのニーズだけでなく社会ニーズにも対応した広い視野での人材育成にも取り組んでおります。
生産性の向上に関しては、ICT推進本部や2019年3月期に設立した情報システム開発子会社であるコウノイケITソリューションズ㈱が中心となり、全社的なシステムの見直し及び再構築に着手しております。各現場の物流システムの統合化・共通化や経営情報システムの整備を通じて、生産性と効率性の向上を図ります。また、各現場においても、自動化・省力化のための設備投資を進めております。本社部門においても、部門横断的な業務プロセスの見える化と見直しを通じて、業務の生産性及び付加価値向上に取り組んでおります。
さらに、当社グループがお客様に提供する価値の中でも特に重要な要素である安全衛生・品質管理に関して妥協なくさらなる向上を追求します。安全衛生・品質管理に関する事項を統轄する経営品質本部長は、主力事業本部の1つにおいて副本部長を兼任することとし、また、各支店には安全品質を担当する専任者を置き、営業現場と本社が同じ目線でより一体となって取り組みを進められるよう組織体制を見直しました。本社間接部門にも当事者意識を持たせ、安全衛生・品質管理を当社グループのサービスの根幹として全社的に磨きをかけていくことが今後の課題であります。
ⅱ) 経営基盤の再構築
「2030年ビジョン」に向けた企業経営を促進する経営基盤を再構築してまいります。その一環として、経営の健全性及びコーポレート・ガバナンス体制の一層の強化を図るべく、2019年6月に開催した第79回定時株主総会において社外取締役をさらに1名選任して3名体制としました。
また、当社グループの事業運営状況を多面的に把握するために、ROIC(投下資本利益率)を経営指標に追加するなど管理会計制度の再整備にも取り組んでいます。2019年3月期は、中長期的に取り組むべき戦略目標を明確にするために事業本部別のKPI(重要業績評価指標)の設定に取り組みました。今後も企業価値向上に向けた意思決定に資する仕組みの整備・運用に取り組みます。
ⅲ) 資本コストをさらに意識した経営への取り組み
当社グループの持続的な発展のためには、限られた経営資源を効率的に活用することが不可欠です。事業の生産性・持続可能性を測る指標としてROICを活用し、資本コストを意識した事業運営に取り組んでまいります。2019年3月期は、各事業を基盤事業、収益改善事業、成長事業の3つの事業群に分類し、各事業の位置づけを明確にしました。今後は、それぞれの事業の位置づけに応じた戦略の立案・実行・見直しを進めるとともに、全社最適の観点から資源配分を行う仕組みの構築に取り組みます。
ⅳ) 部門の垣根を越えた成長の促進
お客様に当社グループを選び続けていただくには、各事業本部単位で完結するサービスに終始するのではなく、部門の垣根を越えて、当社グループ全体でお客様にソリューションを提供することがますます重要になると認識しております。営業本部を中心に、当社グループ内での連携をさらに強化します。
また、2019年4月より、インド統括本部を発足させました。従来、海外事業本部とメディカル事業本部にまたがっていたインド事業を1つの本部に括り直し、同本部を中心に他の国内事業のインド展開の可能性も模索します。これも部門の垣根を越えた1つの成長の形であり、今後もこのような従来の組織の枠組みに捉われない成長の形を追求します。
ⅴ) 新たな中核事業の発掘・育成と価値革新への取り組み
新事業開発本部の主導のもと、「2030年ビジョン」の実現に不可欠な「新たな中核事業の発掘・育成」を進めております。お客様の生産プロセスやバリューチェーンに深く入り込み、請負サービス、物流サービスなど様々なサービスを組み合わせて提供する当社グループ独特のビジネスモデルは、業種や地域を問わず、さらなる成長の可能性を有していると考えております。そして、新たな成長のために、ロボット技術などの新技術の業務への取り込みを行いつつ、新しい形の請負サービス・物流サービスなどの開発に取り組み、価値の革新を図ります。具体的な取り組みとして、新技術の研究部署である鴻池技術研究所では、AI技術を用いた画像認識、自動フォークリフトなど、新技術の既存業務への適用について調査・研究を進めております。
今後も当社グループの強みを生かした新事業の発掘・育成に取り組み、その実現には事業提携やM&Aの活用等も含めて検討いたします。
これらの取り組みを通じて、新中期経営計画の最終年度に当たる2021年3月期には、「2030年ビジョン」の実現に向けた基盤作りを完了するとともに、下記の定量目標達成を目指します。
中期経営計画 定量目標
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初年度 2019年3月期 (実績) |
2年目 2020年3月期 (予想) |
最終年度 2021年3月期 (当初計画) |
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売上高 |
2,941億円 |
3,131億円 |
2,950億円 |
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営業利益 |
109億円 |
110億円 |
118億円 |
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ROE |
6.4% |
- |
7.0% |
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のある事項は以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、文中における将来に関する事項は本書提出日現在において当社が判断したものであります。
1.経済動向について
当社グループは、主として国内の製造業や流通・小売業等を顧客として、生産活動や物流機能等にかかる各種アウトソーシングに関する事業を展開しており、景気動向、消費動向及び各種業界の業況等の変動により影響を受けております。
一般に、景気及び消費低迷時には、アウトソーシングにかかる取扱業務量は減少する傾向がありますが、一方で、企業業績低迷から業務効率改善やコスト削減等を目的としたアウトソーシング需要が拡大する側面があり、これら状況により当社グループの経営成績及び財政状態は影響を受ける可能性があります。
2.顧客企業等の動向について
当社グループは、多様な企業との取引により分散を図り、特定企業又は業種の業況変動等による影響を低減させる方針を有しております。しかしながら、2019年3月期においては、特定の主要顧客グループとの取引等に起因して、当社連結売上高のうち、鉄鋼業界向け売上高が約17%を、飲料・食品業界向け売上高が約26%を、それぞれ占めており、これらの業界動向等に影響を受けております。
また、業界動向に加えて、当社グループの主要な顧客企業において、業績低迷等による生産調整や物流需要の減少等が生じた場合や、業界再編や海外移転の進展、その他経営戦略の変更により事業拠点の閉鎖・縮小又は取引関係に重大な変更が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
3.競合について
当社グループの各事業は、主として業務請負及び貨物運送・倉庫業務を展開しており、これら業務は、顧客企業の事業活動の一部を請負う形態であります。これら業務においては、業務受注にかかる競合他社との価格競争が生じていることに加えて、顧客企業自身の業務効率化・コスト削減等による内製化への移行の可能性があります。
当社グループは、業務オペレーションの効率化、業務品質の向上、顧客ニーズを踏まえた柔軟な業務サービスの提供等により、顧客企業における評価向上及びリレーションの強化を図り、差別化による受託業務拡大を推進しておりますが、今後において、当社グループの業務サービスの優位性が低下した場合や、競合等により請負単価が想定以上に低下した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
4.燃料費及び電力料金等の変動について
当社グループにおいて使用する輸送用車輌及び船舶等の燃料費は、原油価格の変動により影響を受けております。今後において、国際的な原油市場の需給バランス、金融情勢、産油国の政治情勢等の影響に伴う原油価格の動向によっては燃料費が上昇する可能性があります。また、当社グループが業務において使用する冷凍冷蔵倉庫をはじめとした倉庫・物流設備等は一定の電力消費を行うことから、電力料金引き上げ等が生じた場合には費用増加が生じる可能性があります。
当社グループは、これらコスト増加が生じた場合には、顧客企業との協議等により適正な業務単価の維持を図っていく方針でありますが、十分な価格転嫁が困難となる場合には、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
5.受託業務におけるトラブル等について
当社グループは、顧客企業からの受託業務において多種多様な業務工程を担当しており、顧客製品の品質等に影響を及ぼす重要工程も一部含まれております。請負業務については、業務管理全般にわたる責任が受託企業にあり、個々の業務において、労務管理をはじめ、顧客企業の製品の生産量、納期、品質、更には設備、資材管理の領域まで責任を負っており、当社グループは、顧客企業の要求水準を達成するため適切な業務手順を遵守した業務運営に努めております。
しかしながら、受託業務において、当社グループの何らかの瑕疵に起因した品質低下、操業遅延や停止等によるトラブル等の発生により、顧客企業の事業活動に重大な支障が発生する又は多額の損失が発生する様な事象が生じた場合、当社グループの信頼性低下や損害賠償請求の発生、取引解消等に発展し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
6.海外への事業展開について
当社グループは、国内における事業展開に加えて、アジアや北米などを中心とした地域に拠点を設け、グローバル展開する日系企業及び現地企業を対象とした海外展開強化を推進しております。これら事業展開においては、各地域において法律・規制、為替、社会・政治及び経済動向等の影響を受けております。また、債権回収、取引先との関係構築・拡大、従業員の管理等の点において、海外の商習慣・文化に関する障害に直面する可能性があります。さらに、海外事業の拡大においては、投資利益の実現までに長い期間と多額の資金を要することがあり、投資による費用の増加が収益の増加を上回る可能性もあります。
当社グループは、海外進出に際して各地域における法令・政情・経済情勢その他にかかる調査等によるリスクの把握及び対応に努めておりますが、予期せぬ情勢変化等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
7.M&A、事業提携について
当社グループは、今後の業容拡大等においてM&A及び事業提携戦略は重要かつ有効であると認識しております。M&Aや事業提携を行う場合においては、対象会社を慎重に検討し、対象会社の財務内容や契約関係等について詳細なデューデリジェンス(注)を行うことによって、極力リスクを回避するように努める方針としておりますが、買収後に偶発債務の発生等、未認識の債務が判明する可能性も否定できません。また、のれんが発生する場合はその償却額を超過する収益力が安定的に確保できることを前提としておりますが、買収後の事業環境や競合状況の変化等により買収当初の事業計画遂行に支障が生じ、計画どおりに進まない場合は当該のれんに係る減損損失等の損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(注)デューデリジェンス(Due diligence):M&Aなどの取引に際して行われる、対象企業の法務・財務・ビジネス・人事・環境などを含めた総合的な資産評価に係る調査活動のことであります。
8.人材の育成・確保について
当社グループでは、顧客企業のニーズに応じて多種多様な業務作業の請負を行っており、各業務作業に関して専門的な知識を有する人材を育成し、確保する必要があります。また、顧客企業の季節需要を含む業務の繁閑に対して、外注企業の活用を含めた柔軟な人員配置をコントロールしていく必要があります。
当社グループでは積極的な採用活動を進めるとともに、人材育成のための社内研修の充実を図ることで、必要な人材の確保に努めております。しかしながら、国内においては構造的な労働人口の減少等に起因し、労働集約型産業を中心に人手不足感が強まっております。これに伴い、労働力の確保や労働環境の維持・向上のため人件費等の負担が増加する可能性があるほか、今後必要な人材の育成及び確保ができなかった場合又は適切な人員配置等に支障が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループの請負業務遂行は、当社グループの従業員に加えて一部は外注先等の従業員が担っております。当社グループは、適法性のみならず業務遂行上必要な人員を確保する観点からも、労働環境の適正化及び管理並びに適正な外注管理等による業務運営の円滑化に努めておりますが、当社グループの従業員又は外注先等の従業員並びに関連する労働組合との間で何らかの問題や調整事項等が生じた場合には、業務運営に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、問題等の発生に対して、弁護士等専門家や行政機関等の関与のもと早期に解決を図っていく方針でありますが、結果として費用増加等が生じる可能性があり、これらに起因して経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
9.法的規制等について
①許認可等について
当社グループは、事業運営等に際して多種多様な法的規制を受けており、各事業にかかる主要な許認可等は以下のとおりであります。
当社グループはこれら関連法令等の遵守に努めており、本書提出日現在において事業運営上の支障をきたす状況は生じておりません。しかしながら、違反その他事由によりこれら許認可等が停止又は取消となった場合又は法的規制の見直しや新たな制定等により規制強化が生じた場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
主要事業許認可及び有効期限
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許認可の名称 |
法律名 |
監督省庁 |
許認可等の 内容 |
有効期限 |
当社グループの対象事業 |
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労働者派遣業 |
労働者派遣法 |
厚生労働省 |
許可 |
許可後5年間 |
複合ソリューション事業 国内物流事業 |
|
港湾労働者派遣事業 |
労働者派遣法 |
厚生労働省 |
許可 |
許可後5年間 |
国際物流事業 |
|
一般貨物自動車運送事業 |
貨物自動車運 送事業法 |
国土交通省 |
許可 |
期間の定め無し |
複合ソリューション事業 国内物流事業 国際物流事業 |
|
貨物利用運送事業 (第一種、第二種) |
貨物利用運送 事業法 |
国土交通省 |
許可・登録 |
期間の定め無し |
複合ソリューション事業 国内物流事業 国際物流事業 |
|
倉庫業 |
倉庫業法 |
国土交通省 |
登録 |
期間の定め無し |
複合ソリューション事業 国内物流事業 国際物流事業 |
|
食品衛生法 |
厚生労働省 |
許可 |
許可後6年間 |
||
|
建設業 |
建設業法 |
国土交通省 |
許可 |
許可後5年間 |
複合ソリューション事業 国際物流事業 |
|
産業廃棄物収集運搬業 |
産業廃棄物処 理法 |
環境省 |
許可 |
許可後5年間 |
複合ソリューション事業 |
|
保税蔵置場 |
関税法 |
財務省 |
許可 |
期間の定め無し |
複合ソリューション事業 国内物流事業 国際物流事業 |
|
特定航空貨物利用運送事業者 |
貨物利用運送事業法 |
国土交通省 |
許可・登録 |
期間の定め無し |
国際物流事業 |
|
特定航空運送代理店業者 |
貨物利用運送事業法 |
国土交通省 |
許可・登録 |
期間の定め無し |
国際物流事業 |
|
航空運送代理店業 |
貨物利用運送事業法 |
国土交通省 |
許可・登録 |
期間の定め無し |
国内物流事業 国際物流事業 |
|
通関業 |
通関業法 |
財務省 |
許可 |
期間の定め無し |
国際物流事業 |
|
海上運送事業 |
港湾運送事業法 |
国土交通省 |
届出 |
期間の定め無し |
国際物流事業 |
|
港湾運送事業 |
港湾運送事業法 |
国土交通省 |
許可 |
期間の定め無し |
国際物流事業 |
②コンプライアンスについて
当社グループの事業の性質上、a)請負・派遣の区分等の適正化に係る規制、b)外注企業の活用における下請代金支払遅延等防止法(下請法)に係る規制、c)従業員の労務管理にかかる労働関連法令に係る規制について、留意する必要があります。
当社グループは、請負・派遣適正化及び下請法については、社内規則・マニュアル・チェックリスト等の整備・運用及び管理の徹底を図るとともに、全事業所を対象とした定期調査を実施し、当該法令順守の推進・維持を含む適切な業務運営が遂行されるように努めております。また、労働関連法令については、業務請負という特性から当社グループの業務量は顧客企業の生産活動等に左右され、突発的な業務量増大等に起因して従業員の労働時間増加が生じる場合があり、適切な人員配置等を推進するとともに、労使間協定の締結及び遵守並びに労働時間の適切な管理の徹底等により、法令及び協定等の遵守を推進しております。
しかしながら、これらの管理不備による不正や違反等により行政処分等が生じた場合には、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③環境規制について
当社グループが使用する貨物トラック(ディーゼル車輌)は、国及び自治体による自動車NOx・PM法及び環境条例等の対象となります。当社グループは、かかる環境規制が定める基準適合車を使用する等、これら規制を順守するために必要な取り組みを行っております。しかしながら、将来において更なる規制強化が生じた場合は対策のための費用増加等が生じる可能性や、対応が困難となる場合には事業における制約要因となる可能性があり、これらにより当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
10.事故及び労働災害について
当社グループの事業は、トラック、フォークリフト及び大型機械の操作をはじめとして、危険を伴う作業が含まれております。当社グループは、当該状況を踏まえて安全衛生管理を最重要課題として捉え、労務管理及び安全管理の徹底を図り、事故を未然に防ぐため業務遂行に際して細心の注意をはらう様に努めております。
しかしながら、何らかの不測の事由から労働災害や事故等が発生する可能性があります。これら事故等について、訴訟問題や重大事故等に起因した行政処分に発展した場合には、損害賠償請求が生じる可能性があるほか、当社グループの社会的な信用及び顧客の信頼を失うことにも繋がり、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
11.顧客情報の管理について
当社グループは、業務請負等を通じて、顧客企業の経営上の機密情報や個人情報等の様々な重要情報を取り扱っております。当社グループにおける情報管理は、社内規程の整備・運用及び定期的な研修等により周知徹底を図っておりますが、何らかの要因により外部漏洩やデータ喪失等が生じた場合、当社グループの社会的信用の失墜や損害賠償請求等が生じる可能性があり、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
12.自然災害等について
当社グループが事業を展開する主要な地域における大規模な地震や台風等による自然災害の発生や、自社又は顧客企業の事業所施設における火災等による災害が発生した場合には、その被災状況によっては事業活動が困難となり、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
13.訴訟等について
当社グループの事業運営において、予期せぬトラブル・問題が生じた場合、当社グループの瑕疵に関わらずこれらに起因する損害賠償を請求される、あるいは訴訟を提起される可能性があります。これら事象が発生した場合には、訴訟内容や損害賠償額及びその結果等により、当社グループの社会的信用に影響を及ぼすほか、経営成績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。
14.当社グループの設備投資等について
当社グループは、新規顧客企業の獲得並びに既存顧客企業との取引拡大等を目的として、物流拠点の整備、車両運搬具及び機械装置を中心に設備投資を実施しており、また、顧客企業の事業拠点内に受託業務遂行のための専用設備等を保有する場合があります。設備投資に際しては、将来に見込まれる受注業務等を考慮して実施しておりますが、実際の受託業務での収益が想定を下回った場合には、減価償却負担等の増加による利益圧迫等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループの各事業において、経済環境や事業環境の変化、顧客企業との取引関係の変化等により、事業所等における採算性が低下し損失計上が継続した場合には、保有資産等にかかる減損損失を認識する必要があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
15.資金調達について
当社グループは、事業資金を金融機関からの借入又は社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。市場金利が上昇した場合、資金調達コストの増加等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、金融市場の混乱等により金融機関の融資圧縮等が生じた場合や、格付会社による当社格付の引下げ等が生じた場合には、当社グループの資金調達において、必要な資金調達に支障が生じること等により事業展開の制約要因となる可能性があり、また、これらに起因して当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
16.退職給付債務について
当社グループの退職給付費用及び退職給付債務は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上設定した前提条件に基づいて算出されております。しかしながら、年金資産の時価の下落、金利環境の変動等により、退職給付費用が増加した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
17.技術革新について
当社グループは、多種多様な業務作業の請負を行っておりますが、人工知能やロボット技術等の進歩により生産工程や物流現場等の自動化・省力化が進むことで、当社グループが従来請け負っていた業務が代替され、減少する可能性があります。当社グループでは、顧客の生産・物流現場等に固有のノウハウを蓄積するとともに、新技術を活用した新たな請負の形を模索するなど対応に取り組んでおります。しかしながら、そうした技術革新への対応が十分に図れない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、2018年6~9月に相次いだ自然災害の影響による一時的な弱含みはあったものの、個人消費や企業の設備投資を背景に緩やかに回復しました。しかし、今後の先行きにつきましては、米中貿易摩擦等に伴う海外経済の減速や消費増税に伴う個人消費の下押し影響等による国内景気の減速が懸念されます。
このような経営環境の下で、当社グループは、2019年3月期から2021年3月期までを対象とする中期経営計画を開始しました。この3年間を、創業150周年を迎える2030年に向けた「確固たる基盤づくり」の期間と位置づけ、人材の採用・育成やシステム投資等による事業基盤の充実、コーポレート・ガバナンスの強化や管理会計制度の見直し等経営基盤の再構築といった施策に取り組んでおります。
特に当連結会計年度においては、「基盤づくり」の取り組みとして、戦略実行の前提となる社内の意識や仕組みの変革に焦点を当てて取り組みました。第一に、これまでの当社グループのブランド価値を整理・再構築して企業理念を改定し、当社グループのブランドの社内外浸透を図りました。さらに、「2030年ビジョン」や中期経営計画の考え方の共有、事業ポートフォリオ内における各事業の位置づけの明確化などに取り組みました。また、重要な事業基盤である人材についても、昨今、人手不足が業界全体で深刻な課題である中、全体として現状の業務運営には支障をきたさない程度に人材を確保できました。しかし、さらなる生産性向上を目指し、新技術の業務への取り込みと高いスキルを持つ人材の育成を行い、新しい形の現場やサービスの開発に引き続き取り組みます。
事業面においては、国内物流事業では課題であった収益性の改善に取り組みました。また、成長事業として位置づけたインド鉄道輸送事業や環境・エンジニアリング事業では積極的に設備投資やM&Aを実施いたしました。2019年4月からはインド統括本部を新設し、同国における事業展開をさらに推進いたします。
このように、当連結会計年度は当中期経営計画の方針に沿って一定の成果がみられました。
当連結会計年度における経営成績については、鉄鋼関連分野における製鉄所内生産工程付帯業務増加、空港
関連分野での業務拡大、新規連結会社の寄与等により、売上高は2,941億58百万円(前連結会計年度比6.3%増)となりました。また、利益面につきましては、自然災害の発生等による影響等により、営業利益は109億76百万円(同0.8%減)、経常利益は113億73百万円(同1.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、62億89百万円(同10.7%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。また、セグメント利益は当社の管理部門に係る一般管理費等の全社費用控除前の営業利益であります。
なお、当連結会計年度より、各報告セグメントを構成する事業本部に所属する営業所の一部について、主要顧客並びに事業内容の変化に対応するため、所属する事業本部を変更いたしました。そのため、以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を当該変更後の数値で比較しております。
①複合ソリューション事業
複合ソリューション事業におきましては、鉄鋼関連や環境・エンジニアリング分野について、製鉄所内生産工程付帯業務や自動車エンジン用部品生産業務が増加するとともに、プラントエンジニアリング事業(電気計装設計)を行う新規連結会社エヌビーエス㈱の寄与等により、増収となりました。空港関連分野では、成田国際空港における業務拡大、関西国際空港における増便や機材の大型化、新規受託空港での業務開始等により増収となりました。食品関連分野では、飲料等の配送センター業務や生産工程請負業務が堅調に推移するとともに、生活関連分野での空調機器の取扱量、メディカル分野での医療機器の取扱量が増加したこと等により、売上高は2,032億83百万円(前連結会計年度比5.7%増)となりました。利益につきましては、前述の通り各分野において取扱量が堅調に推移しましたが、台風21号による関西国際空港一時閉鎖等の自然災害や軽油単価高騰等の影響があり、137億38百万円(同1.2%減)となりました。
②国内物流事業
国内物流事業におきましては、通販物流取扱量、冷凍冷蔵食品の保管・配送取扱業務の増加等により、売上高は496億93百万円(前連結会計年度比1.4%増)となりました。利益につきましては、軽油単価高騰等の影響はありましたが、単価改定や倉庫保管効率向上、路線・共配便の効率化等により、利益率の改善効果が表れ、23億75百万円(同37.8%増)となりました。
③国際物流事業
国際物流事業におきましては、香港のフォワーディング会社BEL INTERNATIONAL LOGISTICS LTD.の新規連結化、インド子会社における鉄道貨物輸送取扱量増加、フォワーディング業務等の増加等により、売上高は411億81百万円(前連結会計年度比16.0%増)となりました。利益につきましては、海上コンテナ取扱増はありましたが、自然災害及びユーロ圏経済の減速影響等により、10億35百万円(同3.6%減)となりました。
④その他
当該事業については、当社グループ内のソフトウェア開発及び保守業務等が中心であり、金額的重要性も低いため報告セグメントとはしておりません。そのため記載を省略しております。
財政状態の状況は次のとおりであります。
(総資産)
当連結会計年度末における総資産の残高は2,132億54百万円であり、前連結会計年度末に比べ15億63百万円増加しました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は839億34百万円であり、前連結会計年度末に比べ10億82百万円減少しました。主な要因は、現金及び預金が75億39百万円減少したこと、受取手形及び売掛金が62億1百万円増加したこと、貯蔵品が2億41百万円増加したこと等によるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は1,293億20百万円であり、前連結会計年度末に比べ26億45百万円増加しました。主な要因は、建設仮勘定が9億73百万円増加したこと、その他無形固定資産が6億8百万円増加したこと等によるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計の残高は1,116億91百万円であり、前連結会計年度末に比べ11億63百万円増加しました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は604億6百万円であり、前連結会計年度末に比べ69億38百万円増加しました。主な要因は、1年内償還予定の社債が70億円増加したこと、短期借入金が51億46百万円増加したこと、その他流動負債が21億18百万円減少したこと等によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は512億85百万円であり、前連結会計年度末に比べ57億75百万円減少しました。主な要因は、社債が100億円減少したこと、退職給付に係る負債が26億78百万円増加したこと、長期借入金が17億92百万円増加したこと等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は1,015億63百万円であり、前連結会計年度末に比べ4億円増加しました。主な要因は、利益剰余金が37億87百万円増加したこと、土地再評価差額金が4億42百万円増加したこと、自己株式の取得により24億83百万円減少したこと等によるものです。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(2)キャッシュ・フローの状況
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは58億8百万円の収入(前連結会計年度比85億42百万円の収入減)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益が104億36百万円あったこと、減価償却費が74億52百万円あったこと、法人税等の支払額が54億95百万円あったこと等によるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは86億97百万円の支出(前連結会計年度比12億91百万円の支出減)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が81億63百万円あったこと等によるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは38億33百万円の支出(前連結会計年度比26億50百万円の支出減)となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出が30億97百万円あったこと、社債の償還による支出が30億円あったこと、自己株式の取得による支出が25億26百万円あったこと、短期借入金の純増額が42億72百万円あったこと等によるものであります。
これらの結果に為替変動による減少額1億38百万円を考慮し、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より68億34百万円減少し、222億79百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績及び受注実績
当社グループの事業内容は複合ソリューション事業、国内物流事業、国際物流事業、その他と多岐にわたっているため、生産実績を画一的に算定表示することは困難であり、また受注生産形態を採らない事業も多いため、生産実績及び受注実績は記載しておりません。
(2)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
複合ソリューション事業 |
203,283 |
105.7 |
|
国内物流事業 |
49,693 |
101.4 |
|
国際物流事業 |
41,181 |
116.0 |
|
報告セグメント計 |
294,158 |
106.3 |
|
その他 |
- |
- |
|
合計 |
294,158 |
106.3 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
新日鐵住金㈱ |
32,861 |
11.9 |
36,292 |
12.3 |
(注)新日鐵住金株式会社は、2019年4月1日付で商号を日本製鉄株式会社に変更いたしました。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に関する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。当社グループは連結財務諸表を作成するにあたり、退職給付会計、税効果会計、貸倒引当金の計上等において、過去の実績等を勘案するなど、合理的な見積り、判断を行った上で、その結果を反映させておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 経営成績
当連結会計年度における売上高は2,941億58百万円であり、前連結会計年度比で173億97百万円(6.3%増)の増収となりました。売上高が増加した主な要因は、鉄鋼関連分野の持ち直しや食品関連分野の好調、インバウンド増勢持続による空港関連分野の伸長等によるものであります。
売上原価は2,681億48百万円と、前連結会計年度比で160億29百万円増(6.4%増)となり、売上総利益は260億10百万円と、前連結会計年度比で13億67百万円(5.6%増)の増益となりました。売上原価増加の主な要因は、労務費の増加等によるものであります。
販売費及び一般管理費は150億34百万円と、前連結会計年度比で14億58百万円増(10.7%増)となりました。主な要因は、新規連結に伴うのれん償却費の増加等によるものであります。
以上の結果、営業利益は109億76百万円と、前連結会計年度比で90百万円(0.8%減)の減益、経常利益は113億73百万円と、前連結会計年度比で1億62百万円(1.4%減)の減益となりました。
特別損益は、減損損失6億38百万円を特別損失として計上いたしました。特別利益は固定資産売却益2億13百万円を計上しております。
その結果、税金等調整前当期純利益は104億36百万円となり、法人税等を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は62億89百万円となり、前連結会計年度比で7億53百万円の減益となりました。
なお、事業別の売上高及び営業利益の概況については、「経営成績等の状況の概要」に記載しております。
(3) 財政状態
(総資産)
当連結会計年度末における総資産の残高は2,132億54百万円であり、前連結会計年度末に比べ15億63百万円増加しました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は839億34百万円であり、前連結会計年度末に比べ10億82百万円減少しました。主な要因は、現金及び預金が75億39百万円減少したこと、受取手形及び売掛金が62億1百万円増加したこと、貯蔵品が2億41百万円増加したこと等によるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は1,293億20百万円であり、前連結会計年度末に比べ26億45百万円増加しました。主な要因は、建設仮勘定が9億73百万円増加したこと、その他無形固定資産が6億8百万円増加したこと等によるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計の残高は1,116億91百万円であり、前連結会計年度末に比べ11億63百万円増加しました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は604億6百万円であり、前連結会計年度末に比べ69億38百万円増加しました。主な要因は、1年内償還予定の社債が70億円増加したこと、短期借入金が51億46百万円増加したこと、その他流動負債が21億18百万円減少したこと等によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は512億85百万円であり、前連結会計年度末に比べ57億75百万円減少しました。主な要因は、社債が100億円減少したこと、退職給付に係る負債が26億78百万円増加したこと、長期借入金が17億92百万円増加したこと等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は1,015億63百万円であり、前連結会計年度末に比べ4億円増加しました。主な要因は、利益剰余金が37億87百万円増加したこと、土地再評価差額金が4億42百万円増加したこと、自己株式の取得により24億83百万円減少したこと等によるものです。
(4) キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況につきましては、「経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因としては、ⅰ)顧客企業・顧客業界の動向、ⅱ)コスト動向、ⅲ)事故・災害、ⅳ)人材の育成・確保、ⅴ)法的規制の動向等が挙げられます。
ⅰ) 顧客企業・顧客業界の動向
当社グループは、顧客企業のニーズに応じて様々な請負サービス及び物流サービスを提供しております。当社グループの売上高は、請負業務の取扱量や物流業務の輸送量に連動する傾向があり、そしてこれらの取扱量や輸送量は、顧客企業の生産量・販売量に連動する傾向があります。したがって、顧客企業の生産・販売動向、ひいては顧客業界における市場動向が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。特に、当社グループの売上高のうち、43.2%が鉄鋼関連分野と食品・飲料関連分野の売上高であり、両分野の影響を強く受けます。また、近年ではメディカル関連分野や空港関連分野の事業規模が拡大傾向であり、これらの業界の動向も経営成績に影響を与える可能性があります。
さらに、顧客企業の外注化に関する方針に変更がある場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
ⅱ) コスト動向
当社グループの主要なコストは、人件費(労務費)、外注費、燃料費等であり、これらのコスト動向が経営成績に影響を与える可能性があります。
例えば、人手不足の深刻化や社会的な企業への賃上げ要請の高まりなどによって、人件費単価は上昇傾向にあり、当社グループにおいても人件費や外注費が増加する可能性があります。また、当社グループにおいて使用する輸送用車輌等の燃料費は、軽油価格等の変動の影響を受けております。
当社グループは、これらのコスト増加が生じた場合には、生産性向上等のコスト改善努力を行うとともに、顧客企業との協議により適正な業務単価の維持を図っていく方針ではありますが、コスト改善効果が十分ではなく、また、価格転嫁も困難となる場合には、減益要因となる可能性があります。
一方、人件費等のコスト上昇に伴い、顧客企業等において業務効率改善やコスト削減等を目的としたアウトソーシングを推進する動きが強まれば、当社グループの業務拡大の機会が増加し、当社グループの経営成績にプラスの影響を与える可能性があります。
ⅲ) 事故・災害
当社グループは、請負サービスや物流サービスの提供を通じて、顧客企業の生産工程やサプライチェーンに深く関与しております。したがって、当社グループの経営上最も重視すべき点は、安全衛生の向上並びにサービスの品質管理を徹底し、事故・災害を未然に防止すること、そして、さらにはこのような安全衛生・品質管理への徹底した姿勢を強みにまで昇華させることであると認識しております。安全衛生・品質管理への徹底した取り組みは、業務の生産性を維持・向上させ、顧客企業との信頼関係強化につながり、経営成績にプラスの影響を与える要因となります。しかしながら、当社グループの安全・品質の不備に起因する重大事故や災害が発生した場合には、当社グループのみならず顧客企業の社会的な信用の失墜に繋がり、当社グループの経営成績に大幅なマイナス影響を与える可能性があります。
ⅳ) 人材の育成・確保
当社グループでは、顧客企業のニーズに応じて多種多様な業務作業の請負を行っており、各業務作業に関して専門的な知識を有する人材を育成し、確保する必要があります。また、顧客企業の季節需要を含む業務の繁閑に対して、外注企業の活用を含めた柔軟な人員配置をコントロールする必要があります。したがって、必要な人材の確保・育成及び適正配置を行うことが、当社グループの健全な成長の前提条件であり、これが達成できない場合には、経営成績にマイナスの影響を与える可能性があります。
ⅴ) 法的規制の動向等
当社グループは、多種多様な許認可等を得て事業運営を行っております。これらの許認可等が一種の参入障壁となり、事業の安定に寄与している側面があります。当社グループはこれら関連法令等の遵守に努めており、本書提出日現在において事業運営上の支障をきたす状況は生じておりません。しかしながら、違反その他事由により必要な許認可等が停止又は取消となった場合には、当社グループの経営成績にマイナスの影響を与える可能性があります。
また、当社グループの事業の性質上、a)請負・派遣の区分等の適正化に係る規制、b)外注企業の活用における下請代金支払遅延等防止法(下請法)に係る規制、c)従業員の労務管理にかかる労働関連法令に係る規制、さらにはd)自動車NOx・PM法をはじめとする環境関連の法令・条例等について、留意する必要があります。当社グループの事業に関連する法的規制の強化等により、それに対応するためのコスト増や設備投資等が必要となる場合には、経営成績にマイナスの影響を与える可能性があります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの主な資金需要は、運転資金、設備資金、投融資資金があります。
運転資金については、請負業務、貨物輸送、倉庫業務といった営業活動に必要な資金(外注・材料費及び人件費等)や、一般管理費、販売費があります。
設備資金については、主に拠点拡大、整備等による倉庫建設や、車両運搬具及び機械装置といった固定資産購入によるものであります。投融資資金については、業容拡大のためのM&Aや事業提携による出資金があります。
財務政策
当社グループの資金調達に関しては、内部資金を充当し、不足分については有利子負債で調達しております。具体的な調達手段といたしましては、運転資金については短期借入金やコマーシャル・ペーパー発行により調達し、設備資金、投融資資金については長期借入金や社債発行による調達を実施しております。
なお、資金調達の実施にあたっては、キャッシュ・フローの状況、投資案件の進捗、金利動向を考慮し、調達時期、調達規模、調達手段を適宜判断し実施しております。
一方、グループ内の余剰資金を活用し、資金を必要とする当社グループ会社に融資する事で、資金の流動性を確保し、併せて有利子負債の圧縮に努めております。
(7) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、限られた経営資源を効率的に活用することで高い付加価値を生み出しつつ、中長期的な成長を達成することを目指しております。したがって、売上高や営業利益といった事業規模や成長性を示す指標と、売上高営業利益率や自己資本当期純利益率(ROE)といった収益性、資本効率性を示す指標が、当社グループの経営上の目標の達成状況を判断する上での基本的な指標であると考えております。
2019年3月期の売上高は2,941億58百万円(前連結会計年度比6.3%増)、営業利益は109億76百万円(前連結会計年度比0.8%減)であり、営業利益率は3.7%(前連結会計年度と同水準)、ROEは6.4%(前連結会計年度比1.0ポイント減)でした。今後は、2030年に向けた基盤作りを行うべく、当面の間、人材の採用・育成コスト、システム関連コストなどの負担が増加することが見込まれます。しかし、これらのコストは、生産年齢人口の減少に伴う構造的な人手不足など長期的な経営環境の変化に対応するために、経営戦略上必要なコストであると考えております。
今後も経営環境の変化を機会と捉え、資本生産性を高めながら中長期的な成長を図ってまいります。
該当事項はありません。
重要な記載事項はありません。