第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループが、革新を続け持続的成長を果たすために、企業理念を「『人』と『絆』を大切に、社会の基盤を革新し、新たな価値を創造します」とし、当社グループが長い歴史の中で築いてきた、すべてのサービスの安全・品質に込める強い想いと誇りを示しております。そして、その使命を果たすことを皆様にお約束するために、ブランドメッセージを「私たちの約束:期待を超えなければ、仕事ではない」とし、その「私たちの約束」を具現化するため、全従業員の行動指針として「私たちの覚悟」を定めております。

また、今般、2030年に目指すべき姿として「私たちの目標:技術で、人が、高みを目指す」と定めました。

 

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(2)経営環境と2030年ビジョンの見直し

経営環境

当社グループは、2019年3月期~2021年3月期を対象とした中期経営計画(以下、前中期経営計画)を2030年ビジョン実現に向けた「確固たる基盤づくり」の期間と位置づけ取り組んでいた中、世界規模でのコロナウィルス感染拡大の影響による事業環境の大きな変化に見舞われました。まさに「先行きの見通せない創業以来の未曾有の危機」であり、2020年2月に「構造改革プラン」を策定し、直ちに着手いたしましたが、2021年3月期の業績は、特に空港関連において影響が顕著となり、売上高2,923億円、営業利益39億円と大幅な減益となりました。

これを受け、依然としてコロナ影響の収束が見通せない中、構造改革プランを継続するとともに、さらに取り組みを強化すべく、2021年5月には単年度の経営方針である「2022年3月期方針」を策定し、「1.利益率の改善」、「2.効率性の向上」、「3.競争力の強化」、「4.部門を越えた連携」の4項目について重点的に取り組んでまいりました。

この結果、2022年3月期は、全社では、売上高3,013億円、営業利益102億円、ROE7.5%まで回復いたしました。要因としては、生産・物流へのコロナ影響の軽減、海上・航空運賃の高騰、鉄鋼関連での生産回復、物流センター等新規拠点の開設の増収要因があったことに加え、社員の多能工化を含めた配置転換、適正単価の収受、業務効率化等を進め前年比で増益となりました。

 

(事業環境の変化・さらに進めるべき変革)

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2030年ビジョンの見直し

上記外部環境の大きな変化を踏まえ、さらなる変革を実現するには、当社グループの強みの源泉である人の成長が不可欠です。一人ひとりが能力を磨き、真価を遺憾なく発揮できる環境を整えることが、最重要課題であると認識しております。加えて、当社グループの現場には永年蓄積されたノウハウをはじめとした有形・無形の財産があり、これらも強みの源泉です。幅広い技術を活用し、業務改善・改革に取り組み、その過程で従業員一人ひとりが成長する。これが、事業環境が大きく変化し、将来の予測が難しい時代にあって、当社グループの永続的な企業価値の向上に不可欠な姿と考え、今般、2030年ビジョンとして「技術で、人が、高みを目指す」と定めました。

そして、「高み」を目指すための3つの指針を示し、これらを具現化していくことにより、2030年ビジョンを実現してまいります。

 

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なお、2030年ビジョンの財務目標は下表の通り、営業利益250億円、ROE10%以上を重視し、売上高4,500億円は実現に向けたガイドラインと位置付けております。これは、売上高に偏った成長を追うのではなく、幅広い技術の活用をはじめとした創意工夫により、お客様や社会の困りごとを解決し、高い利益成長を図っていくことを意図しております。加えて、サステナビリティの観点から新たに「環境」「人」「技術」の非財務目標を掲げました。

従業員全員が新たな2030年ビジョンを共有し、一人ひとりが成長意欲を持ち、活躍できる風土づくりを進め、目標達成に邁進してまいります。

 

2030年ビジョン[2031年3月期経営目標]

財務目標

売上高※

4,500億円

営業利益

250億円

ROE

10%以上

非財務目標

 環境

CO2排出量35%削減(2019年3月期比)

経営戦略に基づく人材育成の推進

従業員の働き甲斐(エンゲージメント)の向上

技術

技術革新・DXによる自動化・省力化

労働環境改善による「安全」の絶えざる追求

※売上高はガイドラインとする。

 

(3)新中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)

当社グループでは2030年ビジョンの実現に向け、2023年3月期~2025年3月期までを対象期間とする新中期経営計画を策定いたしました。事業環境が大きく変化し、将来の予測が難しい時代にあって、従来の延長線上の取り組みのみでは2030年ビジョンの実現は容易ではありません。この中期経営計画では、『人と技術のシナジーで時代とともに変化する「期待を超える価値」を創造しよう』という基本方針のもと、当社グループの強みである人と、現場でのノウハウや新技術の活用により、さらなる収益力伸長、企業価値の向上を実現すべく、以下の4つの重点事項を定めました。

 

重点事項

① 革新への挑戦

・注力事業における挑戦(含M&A)

・技術の活用とDX並びに協業による挑戦

・人的資本強化

永続的な成長を実現するには、現在の延長線上にとどまらないサービスの革新が求められます。業界において比較優位性を持つ「空港関連」、「メディカル関連」の一層の競争力強化と、長期的には当社の事業基盤の強化にとって不可欠な「環境・エンジニアリング関連」、「インド事業」の育成を進めてまいります。

同時に従来から取り組みを進めてきました「技術の活用・DX推進」「社内外協業」による新たな提供価値の創造に挑戦してまいります。

 

(当社グループの事業ポートフォリオ)

分類

分野

基盤事業

鉄鋼関連、食品(食品)関連、食品プロダクツ関連、生活(生活)関連

改善事業

生活(物流)関連、食品(定温)関連、国際関連

注力事業

空港関連、環境・エンジニアリング関連、インド事業、メディカル関連

※2023年3月期より下記変更をしております。

海外関連を国際関連に名称を変更

分類名称について「収益改善事業」を「改善事業」、「成長事業」を「注力事業」に名称変更

メディカル分野の位置づけを注力事業に変更

 

 

② 安全・安心の追求

・より安全・安心な職場環境・社会の実現

・安全人づくり

「安全・安心」は当社グループの事業の根幹をなすもので、最も重要な価値観です。「安全・安心」な職場環境の整備は誰もが働くことのできる機会の創出につながり、当社グループの持続的成長に不可欠な取り組みであると認識しています。また、技術の活用により、これまで以上に「安全・安心」な職場環境、社会の実現に向け、継続的に取り組みを進めてまいります。加えて、従業員一人ひとりがルールを守り他者を守ると同時に、危険感受性を高め自分を守り、職場環境の改善に参画する「安全人」を育てることで真の「安全・安心」を追求してまいります。

 

③ サステナビリティの追求

・全員参加で豊かな社会の実現

当社グループが社会・ステークホルダーの皆様から信頼され、必要とされ続けるには、従来以上にサステナビリティへの取り組み強化が必要であるとあらためて認識しております。2021年11月にサステナビリティ委員会を設置し、取り組みを進めております。しかしながら、持続的・全社的な活動の定着には一人ひとりの参加意識の醸成が不可欠です。この中期経営計画では、CO2排出量削減をはじめとした取り組みを推進するとともに、一人ひとりの参加意識の醸成に努めてまいります。

CO2排出量の削減については、下記のとおり中長期的な目標を設定し、再生可能エネルギーの導入並びに省資源・省エネルギーにも努めてまいります。同時に、事業活動を通じた環境負荷低減が実現できるよう、新技術の導入や生産性の向上にも取り組んでまいります。

 

(CO2排出量の削減目標)

2025年3月期:20%削減(2019年3月期比)

2031年3月期:35%削減(2019年3月期比)

2050年:カーボンニュートラル実現へ

 

④ 収益力の向上

・革新への挑戦による収益性・効率性の向上

・収益の改善継続

事業環境変化に加え、技術革新の進展により、当社グループ事業も変化することが求められています。既に、単なる従来の延長ではない、技術の活用やサービスの組み合わせによる新たな価値創出が始まっておりますが、この取り組みを拡大、加速させてまいります。

収益改善について、従前より当社グループは資本効率の向上を図るため、ROICを活用し資本コストを意識した経営に取り組んでおります。

取り組みの一例として、前中期経営計画より継続してまいりました不採算事業の収益改善については、引き続き取り組みを進めてまいります。また、投資回収については、投資判断から投資後モニタリングに至る仕組みを強化し、半期毎の取締役会への報告と合わせ、投資実施部門とのコミュニケーション頻度を高め、確実な投資回収を図るよう取り組みを行っております。

 

新中期経営計画における空港関連・鉄鋼関連の前提

当社グループは、多様な企業との取引により事業リスクの分散を図り、特定企業又は業種の業況変動等による影響を低減するよう努めておりますが、コロナ影響が顕著な空港関連、鉄鋼業界の構造変化による影響が大きい鉄鋼関連については、新中期経営計画上において、それぞれ下記のとおりの前提を置き、対応を進めてまいります。

 

① 空港関連の見通しと対応

空港関連においては、コロナ拡大前の2019年と比較し、国際線の就航率は10%台に留まっており、依然として厳しい状況が続いております。加えて、国際航空運送協会(IATA)による今後の見通しでは、欧米などと比較し、アジア太平洋地域では、最大市場の中国で出入国緩和に向けた動きが見られないために、回復が遅れると指摘しております。当社の空港毎のサービス内容を勘案すると、アジア太平洋、特に中国便の回復状況を考慮する必要があり、回復には一定程度の時間を要すると考えております。そのため、国際旅客便就航率の回復状況をコロナ前の2019年と比較して2025年3月期は年平均70%と見込み、計画を策定しております。

しかしながら、インバウンドの回復を見込み、空港関連については注力事業としての位置付けを維持しており、需要回復時における応需体制の維持に必要な人材確保が課題となります。これにつきましては、グループ内外での応援・出向(人材マッチング)を継続しながら、需要回復に合わせた整員体制の構築をしてまいります。また、既存空港におけるサービス提供領域の拡大や新たな国内・海外空港への進出を目指してまいります。

 

② 鉄鋼関連の見通しと対応

鉄鋼関連においては、2021年の和歌山第1高炉休止に続き、鹿島第3高炉が2025年3月期末までに休止予定となっており、この影響は、2025年3月期より顕在化するものと見込んでおります。そのため、この中期経営計画期間中は、高炉休止に向けた準備と休止までの安定操業の完遂という両面で対応してまいります。具体的には、休止前後の生産体制に応じた要員の適正配置や、当社グループ各部門との連携強化による新規深耕化、DX推進やドローン活用による作業の効率化等の取り組みを進めてまいります。

 

主要目標

中期経営計画では、従来の売上高・営業利益といった事業規模や成長性を示す指標、自己資本当期純利益率(ROE)といった資本効率性を示す指標に加えて、2030年ビジョンと同様に「環境」「人」「技術」といった非財務目標を掲げ、進捗をモニタリングしてまいります。

 

 

中期経営計画最終年度(2025年3月期)

財務目標

売上高

3,320億円

営業利益

160億円

ROE

8.0%

非財務目標

 環境

CO2排出量35%削減(2019年3月期比)

人 ※

経営戦略に基づく人材育成の推進

従業員の働き甲斐(エンゲージメント)の向上

技術 ※

技術革新・DXによる自動化・省力化

労働環境改善による「安全」の絶えざる追求

※人、技術の各非財務目標は、下記の時期を目途に計画策定予定

(ⅰ)人:2023年3月期上期を目途に人材育成計画策定・サーベイ実施

(ⅱ)技術:2023年3月期上期を目途に取り組み計画を策定

 

財務方針

新中期経営計画においては、2030年ビジョンの達成と企業価値の持続的な向上を目指し、将来の成長に必要な成長投資に加え、技術革新・DX投資、M&A、維持更新などの一定の投資が必要と考えておりますが、資本コストを意識し、ハードルレートを踏まえたNPVとROICを基準に投資判断を実行してまいります。

営業CF450~500億円(3ヵ年累計)を前提にその枠内での設備投資・M&A・株主還元を計画しております。

また、財務規律については、投資余力・最適資本構成・株主還元余力のバランスを考慮した以下の財務規律を維持し、財務健全性を確保してまいります。

・DEレシオ0.8倍以下

・自己資本比率40%以上

・格付けA-以上

最後に、株主還元については、下記の方針により、安定的な株主還元を目指してまいります。

・2023年3月期は1株当たり配当金水準(年36円)に復帰

・以降は原則その水準の維持向上に努める

・事業環境及び財務状況に応じ機動的な自己株式取得も今後検討の選択肢とする

 

2【事業等のリスク】

当社グループの事業及び経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のある事項は以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

 

1.経済動向について

当社グループは、主として国内の製造業や流通・小売・サービス業等を顧客基盤として、生産や物流等にかかる各種アウトソーシングに関する事業を展開しており、景気動向、消費動向及び各種業界の業況等の変動により影響を受けております。

 

2.顧客企業等の動向について

当社グループは、多様な企業との取引により事業リスクの分散を図り、特定企業又は業種の業況変動等による影響を低減させる方針を有しております。2022年3月期においては前期に引き続き、コロナ(COVID-19)による航空旅客便大幅減少の影響を当社グループも受けましたが、食品をはじめとした需要増の取り込みによりマイナス影響を緩和しております。しかしながら、鉄鋼業界向け売上高が当社連結売上高の約15%を、飲料・食品業界向けが約27%を、それぞれ占めており、引き続き、これらの業界動向等に影響を受けやすい構造にあります。

また、業界動向に加えて、当社グループの主要な顧客企業において、生産調整や物流需要の減少、業界再編や海外移転の進展、その他経営戦略の変更により事業拠点の閉鎖・縮小又は取引関係に重大な変更が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3.自然災害、感染症等について

当社グループが事業を展開する地域における大規模な地震や台風等による自然災害や、自社又は顧客企業の事業所施設における火災等による災害の発生、また新型ウイルスなどの疾病の発生・流行等が生じた場合に、その被災状況や感染状況によっては事業活動が困難となり、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。その影響を最小限に抑えるべく,事業継続計画(BCP)の整備,非常時を想定した訓練等を実施しています。

新型ウイルスなどの疾病の発生・流行等のリスクについては、コロナの世界的な流行により顕在化しております。一例として、空港関連においては、コロナ拡大前の2019年と比較し、国際線の就航率は10%台に留まっており、依然として厳しい状況が続いています。加えて、国際航空運送協会(IATA)による今後の見通しでは、欧米などと比較し、アジア太平洋地域では、最大市場の中国で出入国緩和に向けた動きが見られないために、回復が遅れると指摘しています。当社の空港毎のサービス内容を勘案すると、アジア太平洋、特に中国便の回復状況を考慮する必要があり、回復には一定程度の時間を要すると考えております。そのため、複合ソリューション事業における空港関連を中心に当社グループの経営成績及び財政状況に大きな影響を及ぼす可能性があり、今後も注視してまいります。

また、当社グループは気候変動が地球環境や人類、企業活動に影響を与える重要な課題であると認識しており、持続可能で豊かな社会の実現に貢献するためにも、地球温暖化の緩和に向けた活動を積極的に推進しています。気候変動に係るリスク及び機会が自社の事業活動等に与える影響については、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)のフレームワークに基づく情報開示の充実化を進めています。

 

(ガバナンス)

気候変動を含む、サステナビリティを巡る課題に対する取組みを経営戦略と一体的に推進するために、2021年11月に取締役会の下に「サステナビリティ委員会」(委員長:ESG担当の取締役)を設置しました。気候変動に係る基本方針や重要施策は、サステナビリティ委員会において議論を行い、取締役会に定期的に報告しています。取締役会は、気候変動への対応方針策定や取り組み状況を監視・監督しています。また、重要な事項については、取締役会にてさらなる討議を行い、必要に応じて決議しています。

 

(戦略)

気候変動がもたらす影響については、各事業におけるリスクと機会を把握した上で、インパクト分析を通じて最も影響のある項目を抽出し、長期的な影響についてのシナリオ分析や財務インパクトの試算を実施しています。今後も継続的に分析・評価を行い、気候戦略の強靭性を高めるために検討を重ねると共に、情報開示を段階的に拡充していきます。

 

(リスク管理)

気候変動に係るリスクを経営の重要課題の一つと位置付けています。気候変動に関するリスクは、気候変動がもたらす災害等による「物理的リスク」と低炭素社会への移行に伴う政策及び規制、技術開発、市場動向等の変化に起因する「移行リスク」に大別されます。当社グループでは「環境小部会」にて各事業部門で想定される気候変動の「リスク」と「機会」の抽出、影響の評価、対応策の議論を行っています。同内容は「環境部会」に報告され、事業が気候変動によって受ける影響を包括的に把握・評価し、リスクを顕在化させないための予防措置、顕在化した際の対策を検討しています。また、気候変動に関する主なリスクは、「リスクマネジメント部会」にも共有してグループ全体のリスク管理プロセスに組み込まれ、コーポレートリスクの一部として管理されています。

 

(指標と目標)

気候変動への対応の重要テーマの一つとして「脱炭素」を掲げており、温室効果ガス排出量の削減に向けて、モニタリングを実施しています。スコープ1+2については、単体及び国内連結子会社を対象に2019年3月期比で、2025年3月期までに20%削減、2031年3月期までに35%削減、2050年までにカーボンニュートラルを目指します。この目標の実現のために、積極的に再生可能エネルギーの導入や省エネ活動を進めてまいります。

 

4.競合について

当社グループの事業は、主として業務請負及び貨物運送・倉庫業務を展開しており、顧客企業の事業活動の一部を請負う形態であります。これら業務においては、受注にかかる競合他社との価格競争が生じていることに加えて、顧客企業自身の業務効率化・コスト削減等を目的とした内製化の可能性があります。

当社グループは、様々な現場での業務経験やノウハウと、徹底的な現場目線による課題の改善・改革提案力に基づき、業務オペレーションの効率化、業務品質の向上、顧客ニーズを踏まえた柔軟なサービスの提供を行っています。これらの事業活動を通じ、顧客企業からの評価向上及びリレーションの強化を図り、差別化による受託業務拡大を推進しております。しかしながら今後において、当社グループのサービスの優位性が低下した場合や、競合等により請負単価が想定以上に低下した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5.人材の育成・確保について

当社グループでは、顧客企業のニーズに応じて多種多様な業務の請負を行っており、各業務に関して専門的な知識を有する人材を育成し、確保する必要があります。また、顧客企業の季節変動を含む業務の繁閑に対して、外注企業の活用を含めた柔軟な人員配置を行う必要があります。

当社グループでは積極的な採用活動を進めるとともに、人材育成のための社内研修の充実を図ることで、必要な人材の確保に努めております。しかしながら、国内においては構造的な労働力人口の減少等に起因し、労働集約型産業を中心に中長期的な人手不足が想定されております。これに伴い、労働力の確保や労働環境の維持・向上のため人件費等の負担が増加する可能性があるほか、今後必要な人材の育成及び確保ができなかった場合又は適切な人員配置等に支障が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループの請負業務遂行は、当社グループの従業員に加えて一部は外注先等の従業員が担っております。当社グループは、適法性のみならず業務遂行上必要な人員を確保する観点からも、労働環境の適正化及び管理並びに適正な外注管理等による業務運営の円滑化に努めておりますが、当社グループ又は外注先等の従業員並びに関連する労働組合との間で何らかの問題や調整事項等が生じた場合には、業務運営に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、問題等の発生に対して、弁護士等専門家や行政機関等の関与のもと早期に解決を図っていく方針でありますが、結果として費用増加等が生じる可能性があり、これらに起因して経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

6.当社グループの設備投資等について

当社グループは、新規顧客企業の獲得並びに既存顧客企業との取引拡大等を目的として、物流拠点の整備、車両運搬具及び機械装置を中心に設備投資を実施しており、また、顧客企業の事業拠点内に受託業務遂行のための専用設備等を保有する場合があります。設備投資は、将来見込まれる受注業務等を考慮して実施しておりますが、実際の受託業務での収益が想定を下回った場合には、減価償却負担等の増加による利益圧迫等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループの各事業において、経済環境や事業環境の変化、顧客企業との取引関係の変化等により、事業所等における採算性が低下し損失計上が継続した場合には、保有資産等にかかる減損損失を認識する必要があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

7.受託業務におけるトラブル等について

当社グループは、顧客企業からの受託業務において多種多様な業務工程を担当しており、顧客製品の品質等に影響を及ぼす重要工程も一部含まれております。請負業務については、業務管理全般にわたる責任が受託企業にあり、個々の業務において、労務管理をはじめ、顧客企業の製品の生産量、納期、品質、更には設備、資材管理の領域まで責任を負っており、当社グループは、顧客企業の要求水準を達成するため適切な業務手順を遵守した業務運営に努めております。

しかしながら、受託業務において、当社グループの何らかの瑕疵に起因した品質低下、操業遅延や停止等によるトラブル等の発生により、顧客企業の事業活動に重大な支障が発生する又は多額の損失が発生する様な事象が生じた場合、当社グループの信頼性低下や損害賠償請求の発生、取引解消等に発展し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

8.事故及び労働災害について

当社グループの事業は、トラック、フォークリフト及び大型機械の操作をはじめとして、危険を伴う作業が含まれております。当社グループは、当該状況を踏まえて安全衛生管理を最重要課題として捉え、安全及び衛生管理の徹底を図り、事故を未然に防ぐため業務遂行に際して細心の注意をはらう様に努めております。

しかしながら、何らかの不測の事由から労働災害や事故等が発生する可能性があります。これら事故等について、訴訟問題や重大事故等に起因した行政処分に発展した場合には、損害賠償請求が生じる可能性があるほか、当社グループの社会的な信用及び顧客の信頼を失うことにも繋がり、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

9.技術革新について

当社グループは、多種多様な業務請負を行っておりますが、人工知能やロボット技術等の進歩により生産工程や物流現場等の自動化・省力化が進むことで、当社グループが従来請け負っていた業務が代替され、減少する可能性があります。当社グループでは、顧客の生産・物流現場等に固有のノウハウを蓄積するとともに、新技術を活用した新たな請負の形を模索するなど対応に取り組んでおります。しかしながら、そうした技術革新への対応が十分に図れない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

10.資金調達について

当社グループは、事業資金を金融機関からの借入又は社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。市場金利が上昇した場合、資金調達コストの増加等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、金融市場の混乱等により金融機関の融資圧縮等が生じた場合や、格付会社による当社格付の引下げ等が生じた場合には、当社グループの資金調達において、必要な資金調達に支障が生じること等により事業展開の制約要因となる可能性があり、また、これらに起因して当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

11.法的規制等について

①許認可等について

当社グループは、事業運営等に際して多種多様な法的規制を受けており、各事業にかかる主要な許認可等は以下のとおりであります。

当社グループはこれら関連法令等の遵守に努めており、本書提出日現在において事業運営上の支障をきたす状況は生じておりません。しかしながら、違反その他事由によりこれら許認可等が停止又は取消となった場合又は法的規制の見直しや新たな制定等により規制強化が生じた場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

主要事業許認可

許認可の名称

法律名

監督省庁

当社グループの対象事業

労働者派遣業

労働者派遣法

厚生労働省

複合ソリューション事業

国内物流事業

国際物流事業

港湾労働者派遣事業

労働者派遣法

厚生労働省

国際物流事業

一般貨物自動車運送事業

貨物自動車運

送事業法

国土交通省

複合ソリューション事業

国内物流事業

国際物流事業

貨物利用運送事業

(第一種、第二種)

貨物利用運送

事業法

国土交通省

複合ソリューション事業

国内物流事業

国際物流事業

倉庫業

倉庫業法

国土交通省

複合ソリューション事業

国内物流事業

国際物流事業

建設業

建設業法

国土交通省

複合ソリューション事業

国際物流事業

産業廃棄物収集運搬業

廃棄物処理法

環境省

複合ソリューション事業

産業廃棄物処分業

廃棄物処理法

環境省

複合ソリューション事業

保税蔵置場

関税法

財務省

複合ソリューション事業

国内物流事業

国際物流事業

特定航空貨物利用運送事業者

航空法

国土交通省

国際物流事業

特定航空運送代理店業者

航空法

国土交通省

国際物流事業

航空運送代理店業

航空法

国土交通省

国内物流事業

国際物流事業

通関業

通関業法

財務省

国際物流事業

海上運送事業

海上運送法

国土交通省

国際物流事業

港湾運送事業

港湾運送事業法

国土交通省

国際物流事業

 

②コンプライアンスについて

当社グループの事業の性質上、a)請負・派遣の区分等の適正化に係る規制、b)外注企業の活用における下請代金支払遅延等防止法(下請法)に係る規制、c)従業員の労務管理にかかる労働関連法令に係る規制について、留意する必要があります。

当社グループは、請負・派遣適正化及び下請法については、社内規則・マニュアル・チェックリスト等の整備・運用及び管理の徹底を図るとともに、全事業所を対象とした定期調査を実施し、当該法令順守の推進・維持を含む適切な業務運営が遂行されるように努めております。また、労働関連法令については、業務請負という特性から当社グループの業務量は顧客企業の生産活動等に左右され、突発的な業務量増大等に起因して従業員の労働時間増加が生じる場合があり、適切な人員配置等を推進するとともに、労使間協定の締結及び遵守並びに労働時間の適切な管理の徹底等により、法令及び協定等の遵守を推進しております。

しかしながら、これらの管理不備による不正や違反等により行政処分等が生じた場合には、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③環境規制について

当社グループが使用する貨物トラック(ディーゼル車輌)は、国及び自治体による自動車NOx・PM法及び環境条例等の対象となります。当社グループは、かかる環境規制が定める基準適合車を使用する等、これら規制を順守するために必要な取り組みを行っております。しかしながら、将来において更なる規制強化が生じた場合は対策のための費用増加等が生じる可能性や、対応が困難となる場合には事業における制約要因となる可能性があり、これらにより当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

12.燃料費及び電力料金等の変動について

当社グループにおいて使用する輸送用車輌及び船舶等の燃料費は、原油価格の変動により影響を受けております。今後において、国際的な原油市場の需給バランス、金融情勢、産油国の政治情勢等の影響に伴う原油価格の動向によっては燃料費が上昇する可能性があります。また、当社グループが業務において使用する冷凍冷蔵倉庫をはじめとする倉庫・物流設備等は相応の電力を消費することから、電力料金引き上げ等が生じた場合には費用増加が生じる可能性があります。

当社グループは、これらコスト増加が生じた場合には、顧客企業との協議等により適正な業務単価の維持を図っていく方針でありますが、十分な価格転嫁が困難となる場合には、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

13.海外への事業展開について

当社グループは、国内における事業展開に加えて、アジアや北米などを中心とした地域に拠点を設け、グローバル展開する日系企業及び現地企業を対象とした海外展開強化を推進しております。これら事業展開においては、各地域において法律・規制、為替、社会・政治及び経済動向等の影響を受けております。また、債権回収、取引先との関係構築・拡大、従業員の管理等の点において、海外の商習慣・文化に関する障害に直面する可能性があります。さらに、海外事業の拡大においては、投資利益の実現までに長い期間と多額の資金を要することがあり、投資による費用の増加が収益の増加を上回る可能性もあります。

当社グループは、海外進出に際して各地域における法令・政情・経済情勢その他にかかる調査等によるリスクの把握及び対応に努めておりますが、予期せぬ情勢変化等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

14.M&A、事業提携について

当社グループは、今後の業容拡大においてM&A及び事業提携戦略は重要かつ有効であると認識しております。M&Aや事業提携を行う場合においては、対象会社を慎重に検討し、対象会社の財務内容や契約関係等について詳細なデューデリジェンス(注)を行うことによって、極力リスクを回避するように努める方針としておりますが、買収後に偶発債務の発生等、未認識の債務が判明する可能性も否定できません。また、のれんが発生する場合はその償却額を超過する収益力が安定的に確保できることを前提としておりますが、買収後の事業環境や競合状況の変化等により買収当初の事業計画遂行に支障が生じ、計画どおりに進まない場合は当該のれんに係る減損損失等の損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(注)デューデリジェンス(Due diligence):M&Aなどの取引に際し、対象企業の法務・財務・ビジネス・人事・環境などを含めた総合的な資産評価に係る調査活動のことであります。

 

15.顧客情報の管理について

当社グループは、業務請負等を通じて、顧客企業の経営上の機密情報や個人情報等の様々な重要情報を取り扱っております。当社グループにおける情報管理は、社内規程の整備・運用及び定期的な研修等により周知徹底を図っておりますが、何らかの要因により外部漏洩やデータ喪失等が生じた場合、当社グループの社会的信用の失墜や損害賠償請求等が生じる可能性があり、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

16.訴訟等について

当社グループの事業運営において、予期せぬトラブル・問題が生じた場合、当社グループの瑕疵に関わらずこれらに起因する損害賠償の請求や、訴訟を提起される可能性があります。これら事象が発生した場合には、訴訟内容や損害賠償額及びその結果等により、当社グループの社会的信用に影響を及ぼすほか、経営成績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。事業に関わる各種法令を遵守するとともに、契約条件の明確化、相手方との協議の実施等により紛争の発生を未然に防ぐよう努めております。

 

17.退職給付債務について

当社グループの退職給付費用及び退職給付債務は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上設定した前提条件に基づいて算出されております。しかしながら、年金資産の時価の下落、金利環境の変動等により、退職給付費用が増加した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、半導体不足等の課題はあるものの前期と比較すると製造業を中心とした企業の設備投資や生産の持ち直しがみられた一方で、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置の発出と解除が繰り返される等コロナ影響(COVID-19)収束には至らず、依然として社会経済活動の正常化には時間を要する状況です。また、国内外のコロナ感染動向、ウクライナ情勢の影響等によって、原油をはじめとした資源価格の高騰、国際物流停滞、円安の進行等が引き起こされ、先行き不透明な状況が続いていると言わざるを得ません。

そのような中、当社グループは、利益率の改善に注力すべく、単年度の「2022年3月期方針」を策定し、「利益率の改善」「効率性の向上」「競争力の強化」「部門を越えた連携」の4項目の取り組みを進め、各々の取り組みにおいて成果が見られました。具体的には、収益改善事業に属する重点20拠点の改善を着実に進めてまいりました。また、空港関連については、依然として国際旅客便の回復が不透明な中、国際貨物便に係る業務の受注に努めると同時に、人材のグループ内外への応援・出向を継続し、需要回復に合わせた整員体制の構築を進めております。

加えて、2021年11月には「サステナビリティ基本方針」を新たに制定するとともに、「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。これまでの企業理念に基づく活動実績を踏まえながら、SDGsをはじめとするサステナビリティを巡る課題の解決・解消に向け、全ての役職員が実践できるよう全社的な取り組みを進めてまいります。

当連結会計年度における経営成績については、前期はコロナ影響により国内外で生産・物流の停滞、国際線旅客便の大幅な減便、また、鉄鋼関連における減産などの影響を大きく受けたのに対し、当期は、収益認識に関する会計基準の影響額(△143億76百万円、4.9%減)はあるものの、生産・物流へのコロナ影響が軽減したことに加え、海上・航空運賃の高騰、鉄鋼関連での生産回復、物流センター等新規拠点の開設の増収要因があったため、売上高は3,013億73百万円(前連結会計年度比90億24百万円、3.1%増)となりました。

利益については、燃料価格の高騰はあったものの、実質的な増収(収益認識に関する会計基準の影響額考慮後:+234億円、8.0%)の効果に加え、2020年春より取り組みを開始した「構造改革プラン」、本年度4月よりスタートした「2022年3月期方針:利益率の改善」、社員の多能工化を含めた配置転換、適正単価の収受、業務効率化等が進み、営業利益は102億88百万円(同157.3%増)、経常利益は雇用調整助成金計上額の減少等があるものの118億45百万円(同26.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は政策保有株式の売却等を実施したため79億88百万円(同65.2%増)となりました。

セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。なお、セグメント利益は一般管理費控除前の営業利益であります。

 

①複合ソリューション事業

収益認識に関する会計基準の影響(△89億74百万円、4.9%減)や2回にわたる緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発出、環境・エンジニアリング関連での大型工事前期完工による減収はありましたが、前期と比較するとコロナ影響が軽減されたこと、鉄鋼関連における製造業・建材向け等を中心とする得意先生産量回復、新たに開設した物流センター等の寄与により、売上高は1,813億42百万円(前連結会計年度比1.9%減)となりました。

一方、利益は増収効果(収益認識に関する会計基準の影響額考慮後:+54億50百万円、2.9%)に加え、取扱量の回復、業務効率化、空港関連においては、貨物取扱業務の拡大及び新規拠点の開設、要員の適正配置を積極的に推進した(4Q累計実績:延べ61,471名、前連結会計年度比:+14,002名)結果、102億24百万円(同96.6%増)となりました。

 

②国内物流事業

コロナ影響で減少していた取扱量の回復により、売上高は517億54百万円(前連結会計年度比0.9%増)となりました。

利益は、増収効果に加え適正単価の収受及び業務の徹底した効率化等により収益改善に努めた結果、29億85百万円(同7.0%増)となりました。

 

③国際物流事業

収益認識に関する会計基準の影響(△53億20百万円、9.5%減)はあるものの、コロナ影響の軽減及び海上・航空運賃の高騰、その影響を受けての中東経由欧州向け貨物を中心とした業容拡大や、中国、米国、ASEAN地域での経済回復による取扱量の増加等により、売上高は682億75百万円(前連結会計年度比21.5%増)、利益は32億68百万円(同89.5%増)となりました。

 

注※ 当連結会計年度より、各報告セグメントを構成する事業本部に所属する関係会社の一部について、主要顧客並びに事業内容の変化に対応するため、所属する事業本部を変更いたしました。そのため、前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を当該変更後の数値で比較しております。

 

財政状態の状況は次のとおりであります。

(総資産)

当連結会計年度末における総資産の残高は2,577億64百万円であり、前連結会計年度末に比べ10億34百万円減少しました。

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は1,238億99百万円であり、前連結会計年度末に比べ6億97百万円増加しました。主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産が46億81百万円増加したこと、その他流動資産が2億19百万円増加したこと、現金及び預金が43億5百万円減少したこと等によるものです。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は1,338億64百万円であり、前連結会計年度末に比べ17億31百万円減少しました。主な要因は、投資有価証券が10億6百万円減少したこと、リース資産が9億25百万円減少したこと等によるものです。

(負債合計)

当連結会計年度末の負債合計の残高は1,444億72百万円であり、前連結会計年度末に比べ95億26百万円減少しました。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は510億10百万円であり、前連結会計年度末に比べ84億62百万円減少しました。主な要因は、1年内償還予定の社債が100億円減少したこと、短期借入金が29億34百万円減少したこと、支払手及び買掛金が31億72百万円増加したこと、1年内返済予定の長期借入金が9億23百万円増加したこと等によるものです。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は934億62百万円であり、前連結会計年度末に比べ10億63百万円減少しました。主な要因は、長期借入金が10億69百万円減少したこと等によるものです。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は1,132億91百万円であり、前連結会計年度末に比べ84億92百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金が68億36百万円増加したこと、為替換算調整勘定が18億39百万円増加したこと等によるものです。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

①営業活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは167億49百万円の収入(前連結会計年度比22億83百万円の収入増)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益が120億14百万円あったこと、減価償却費が82億1百万円あったこと、法人税等の支払額が44億17百万円あったこと等によるものであります。

 

②投資活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは64億24百万円の支出(前連結会計年度比45億5百万円の支出減)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が79億42百万円あったこと、有形固定資産の売却による収入が10億42百万円あったこと等によるものであります。

 

③財務活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは154億41百万円の支出(前期は311億48百万円の収入)となりました。これは、主に社債の償還による支出が100億円あったこと、短期借入金の純減額が29億76百万円あったこと、配当金の支払額が11億59百万円あったこと等によるものであります。

 

これらの結果に為替変動による増加額3億64百万円等を考慮し、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より45億89百万円減少し、576億28百万円となりました。

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績及び受注実績

 当社グループの事業内容は複合ソリューション事業、国内物流事業、国際物流事業、その他と多岐にわたっているため、生産実績を画一的に算定表示することは困難であり、また受注生産形態を採らない事業も多いため、生産実績及び受注実績は記載しておりません。

(2)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:百万円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

複合ソリューション事業

181,342

98.1

国内物流事業

51,754

100.9

国際物流事業

68,275

121.5

報告セグメント計

301,373

103.1

その他

合計

301,373

103.1

 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

日本製鉄株式会社

34,120

11.7

33,146

11.0

 

経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に関する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。当社グループは連結財務諸表を作成するにあたり、退職給付会計、税効果会計、貸倒引当金の計上等において、過去の実績等を勘案するなど、合理的な見積り、判断を行った上で、その結果を反映させておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

(2)経営成績

「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(3)財政状態

「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

(4)キャッシュ・フロー

キャッシュ・フローの状況につきましては、「経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(6)資本の財源及び資金の流動性

資金需要

当社グループの主な資金需要は、運転資金、設備資金、投融資資金があります。

運転資金については、請負業務、貨物輸送、倉庫業務といった営業活動に必要な資金(外注・材料費及び人件費等)や、一般管理費、販売費があります。

設備資金については、主に拠点拡大、整備等による倉庫建設や、車両運搬具及び機械装置といった固定資産購入によるものであります。投融資資金については、業容拡大のためのM&Aや事業提携による出資金があります。

財務政策

当社グループの資金調達に関しては、内部資金を充当し、不足分については有利子負債で調達しております。具体的な調達手段といたしましては、運転資金については短期借入金やコマーシャル・ペーパー発行により調達し、設備資金、投融資資金については長期借入金や社債発行による調達を実施しております。

なお、資金調達の実施にあたっては、キャッシュ・フローの状況、投資案件の進捗、金利動向を考慮し、調達時期、調達規模、調達手段を適宜判断し実施しております。

一方、グループ内の余剰資金を活用し、資金を必要とする当社グループ会社に融資する事で、資金の流動性を確保し、併せて有利子負債の圧縮に努めております。

 

(7)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、限られた経営資源を効率的に活用することで高い付加価値を生み出しつつ、中長期的な成長を達成することを目指しております。したがって、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、経営上の目標の達成状況を 判断するための客観的な指標を定めています。2022年4月よりスタートする中期経営計画(期間:3年間 2023年3月期~2025年3月期)においては、前中期経営計画、2020年2月からの構造改革、及び2022年3月期方針での成果をもとに、『人と技術のシナジーで時代とともに変化する「期待を超える価値」を創造しよう』を基本方針に掲げ、当社グループの強みである人と、現場でのノウハウや新技術の活用により、さらなる収益力伸長、企業価値の向上を実現してまいります。中期経営計画における目標指標につきましては、下記のとおりです。今後も経営環境の変化を機会と捉え、資本効率性を高めながら中長期的な成長を図ってまいります。

 

 

 

2022年3月期(実績)

2023年3月期(予想)

2025年3月期

(計画)

財務

売上高

3,013億円

3,010億円

3,320億円

営業利益

102億円

110億円

160億円

ROE

7.5%

6.0%

8.0%

非財務

 環境

13%削減

CO2排出量35%削減(2019年3月期比)

人 ※

経営戦略に基づく人材育成の推進

従業員の働き甲斐(エンゲージメント)の向上

技術 ※

技術革新・DXによる自動化・省力化

労働環境改善による「安全」の絶えざる追求

※人、技術の各非財務目標は、下記の時期を目途に計画策定予定

(ⅰ)人 :2023年3月期上期を目途に人材育成計画策定・サーベイ実施

(ⅱ)技術:2023年3月期上期を目途に取り組み計画を策定

 

 

4【経営上の重要な契約等】

重要な記載事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 重要な記載事項はありません。